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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1878
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  奇跡の海 《ネタバレ》 
僕の思想信条に多大な影響を与えたと言っても過言ではない傑作「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮った、暗黒の虚空に燦然と輝く天才映画作家ラース・フォン・トリアーによる哀切極まりない人間ドラマ。そんな本作を語る前にあらためて「ダンサー~」で描かれたテーマについて述べたいと思う。それは結局人間の幸せは全て相対的なものでしかなく、自分がいま幸せかどうか、自分の存在に本当に価値があるのかどうかを判断するのは最終的には自分の主観でしかないということだ。もしそんな自分の主観では到底受け入れられないような不幸な境遇に追い込まれたり、あるいは自分の幸せを守るために取り返しのつかない罪を犯しそうになったとき、人の心は果たしてどのようにその危機を回避しようとするのか?きっと、自分以外の第三者によって自分の挫けそうな心を補強してもらいたいと願うはず。そう、その第三者こそが〝神〟に他ならない。ではもしこの世に神が居なければ、この残酷な出来事で溢れ返る醜い世界で、人はどのようにして生きていけばよいのか。また、キリストの如き真の心優しき人間は最終的には人々の悪意によって十字架に掛けられ襤褸布のように死んでゆくしか道がないのではないか?ドストエフスキーが「白痴」などの大作群で追求したそんな深甚なるテーマを、トリアーは映画という手法でもって現代に受け継いでいる。「ダンサー~」では、神を持たなかった女の悲劇を追及していたが、本作の主人公ベスは見れば分かるとおり、冒頭からはっきり神へと縋り付いている。セルマもベスも宗教的に言えばどちらも〝聖なる愚者〟。だが、トリアーはこの世に神など居ないということを、ベスが完全なる善意でもって売春婦となる過程でつぶさに炙り出してゆく。〝神〟とは人間が造り出した生きる為の、そして数々の罪から目を逸らす為の理由付けに他ならないとでも言わんばかりに。そんな残酷な現実を突きつけながらも、トリアーは最後に鳴り響く鐘の音に「それでも人間は生きるために神へと縋りつくしかない」という人間本来の普遍的な切なさをぎりぎりのところで肯定している。「この世に神が居ないなら、どうして人は自殺しないで生きていけるのですか?」これはドストエフスキーの「悪霊」の中の言葉だが、本作にはそれへの答えが――完璧ではないにせよ――提示されている。その後、トリアーは「ダンサー~」を撮ることでその思想を根底から覆してしまうのだが…。正直、「ダンサー~」が僕に与えた影響があまりにも大き過ぎて、その姉妹編とも言える本作を観ることでその影響に揺るぎが生じるのではないかと懸念し、今まで鑑賞してこなかったのだが、それは僕の杞憂に過ぎなかった。こちらも人間の愚かさと美しさを冷徹に見つめた傑作と言っていい。
[DVD(字幕)] 9点(2015-03-14 22:02:26)
2.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 
何処にでもあるようなアメリカの片田舎で、家族と共に鬱屈した毎日を過ごす青年ギルバート・グレイプ。夫が自殺したショックから過食に走ってしまい、今では体重が200キロを超え、ほとんど外出することもなくなってしまった母親。そして知的障害のある弟は、日頃から問題行動を繰り返し、ギルバートを悩ませている。そんな折、偶然街を通りかかったベッキーという名の自由奔放な女の子に、彼は深く引き寄せられていくのだが、家族という重荷は簡単には彼を放してはくれない――。人間はどこまでも弱く愚かで、そして家族というシステムは必ずしも人を幸せにするものではなく、もしかしたら人を閉じ込める牢獄でしかないのかもしれない。そんな諦念から出発しながら、この映画は、最後はそれでも人であること、家族であることを深い悲しみと共に肯定的に描いてゆく。のどかでのんびりとした時間が流れる叙情的で美しい田舎の風景も、そんな鬱屈した青年の思いを優しく見守っているようだ。そして、最後に家を包む炎は、世間からどんな目で見られようともそんな母親の子供として生きてきたギルバートたちの誇りの象徴なのだろう。若き日のラッセ・ハルストレムが、その持ちうる限りの才能を注ぎ込んで創り上げた青春映画の傑作だと思います。まだまだ無名に近かったころのジョニーデップ&ディカプリオの自然な演技も素晴らしい。人生に疲れたときなんかに、ふと観返したくなる大好きな作品の一つ。
[DVD(字幕)] 9点(2013-05-04 20:01:18)
3.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 
単調で変化に乏しいアート系映画を多く撮っている北野武作品は、個人的には苦手なのだけど、この作品は割合と好きなほう。相変わらず、淡々とした事実だけが美しい映像のなかを静かに流れていく手法が、二人の青年の鬱屈した青春の日々と絶妙にマッチしている。どこまでいっても閉塞感から抜け出せない現実のなかで、それでも生きることを肯定的に描き、それがとても良い余韻を残す。この後の北野作品は、そんな肯定感を放棄してしまって、ただ絶望感だけを描いているような気がしてならないだけに、この作品はいまも光っている。
[DVD(邦画)] 7点(2012-06-14 16:08:00)
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