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ゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 614
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

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1.  グリース 《ネタバレ》 
 青春映画の金字塔、なんていうベタな一言が似合う作品ですね。  日本での知名度はさほどでもないような気がしますが「後年の映画において頻繁に名前が出てくる事」「パロディの対象となるのも多い事」が、その影響力の強さを窺わせてくれます。   思うに、主人公とヒロインが最初から両想いであり、彼らの恋の行方そのものよりも「本当は真面目な自分」「でも仲間の前では強がって、不良ぶってみせる自分」という二面性の葛藤がメインになっている辺りが、当時としては新しく、革命的だったのではないでしょうか。  後の「ハイスクール・ミュージカル」「glee/グリー」にも通じるテーマ性があり、映画史やドラマ史について考える際にも、本作の存在は無視出来ないように思えます。   ……とはいえ、そんなアレコレは無視しちゃって、映画単体として観賞しても、しっかり楽しめる内容となっていますよね。  体操着姿が全然似合わないトラヴォルタが、彼女の為に不良からスポーツマンに生まれ変わろうと悪戦苦闘する姿は微笑ましいし、ラストにて不良少女なファッションに身を包むオリヴィアの姿も、実にキュート。  やたらと登場人物が多い映画なのですが、この主役二人のキャラがしっかり立っている為、安心して観賞出来た気がします。   俳優達が老けていて高校生役は無理があるとか、ラストまで引っ張った挙句に「妊娠してなかった」の一言で済ませちゃうのは酷いとか、欠点も色々目に付いちゃうんだけど、そんな完成度の低さ、隙の多さが、また「青春映画」らしくも思えるんですよね。  ダンスにレースと、山場が二つある事に関しても(どっちか片方に絞った方が、綺麗に纏まったんじゃない?)って感じてしまうんですが、そんな野暮な観客の疑問に対し「ダンスシーンもレースシーンも、両方やりたかったんだよ」と、作り手が堂々と答えているかのような大らかさ、潔さが画面から伝わってくるんです。   時代遅れなはずのファッションも、四十年後の目線で見れば斬新で恰好良く思えたりもするし、とんでもない火力のライターを使って煙草を吸うシーンなんかには、憧れちゃうものがありましたね。  ミュージカル部分も素晴らしく、ボロボロの車を綺麗に作り直して「グリース・ライトニング」と名付ける場面は本当にテンション上がったし「美容学校を落第」なんていう歌詞の曲を、物凄くロマンティックに唄ってみせるシーンなんかも、惚けた魅力があって好き。  ドライブインシアターで「絶対の危機」の予告編が流れているのも(監督の趣味なのかな?)と思えたりして、微笑ましかったです。   そんな中でも特筆すべきは「教師キャラ」の描き方であり、本作は不良少年達を主役にしておきながら「悪い大人」である教師が一切登場していないんですよね。  校長も、体育教師も、車の改造を手伝ってくる女教師も、揃いも揃って良い人であり、憎まれ口を叩く事はあっても、決して主人公達を見放したりはせず、温かく見守ってくれる。  それゆえに本作においては「大人は分かってくれない」と少年達が絶望する事もなく、悲劇的な結末は迎えずに、ハッピーエンドへと着地してくれるんです。  この手の「不良少年もの」で、ここまで優しい大人達が揃っている作品は初体験だったもので、本当に斬新に感じられたし、その歪さを感じさせない公正な世界観が、凄く心地良かったです。   卒業カーニバルにおける「生徒が教師にパイを投げつけるゲーム」も、そんな本作の「教師と生徒の関係性」を象徴する一幕であり(仲が良いなぁ……)と、観ていてほのぼの。  ラストにて「卒業したら、バラバラになるのよ」「そうなったら、もう会えないかも知れない」という会話シーンがあり、しんみりした寂しい別れが描かれるのかなと思ったところで「いや、心配ないって」と主人公が言い出し「いつまでも、みんな仲間」という歌詞の曲を歌って、明るく楽しく終わってみせるのも、実に気持ち良かったですね。   最後は主人公カップルが車に乗って、空を飛んで終わりというのも、普通なら(もしや、卒業式の夜に事故死して天国へ行ったという寓意?)なんて考えてしまいそうなものなのに「いや、この映画に限って、それは無い」と断言出来てしまうような、力強い明るさがある。  眩しいくらいの輝きを感じさせる、素敵な映画でありました。
[DVD(吹替)] 8点(2018-11-14 01:37:37)(良:2票)
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