1. いつも心に太陽を
初めて見たのが、私が教員を目指していた頃だったので感激は一入。日本と外国では随分違う(英米はとても自由)と感じたものだ。その後日本でも熱血先生もののドラマが流行ったが、このシドニー・ポワチエの先生は少々違う。元々エンジニアだし、下町の学校にやって来たのも適当な就職先がなかったからなのだ。それが生徒たちとふれあっていくうちに先生らしくなっていくし、生徒たちも成長していく。何といってもこの過程がいいのだ。良いと言えばルルの歌う主題歌、心に残るメロディーだった。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-22 06:31:50) |
2. いいかげん馬鹿
「馬鹿まるだし」に続いて本作を見たが、こっちの方がずっと山田洋次らしい人情喜劇で断然好き。クレージーキャッツと言えば、当時は無責任男の植木等ばかりが目立っていたけれど、ハナ肇の人情味のある男っぷり(馬鹿さ加減)に感服。岩下志摩はほれぼれするような美しさだし、子役の弓子と安吉もほほえましかった。うさぎ追いしの「故郷」の歌も室生犀星の「ふるさとは遠きにありて」の詩も心に残った。 [映画館(邦画)] 9点(2013-02-16 12:57:48)(良:1票) |
3. いそしぎ
クレオパトラで共演しロマンスとスキャンダルを巻き起こした二人が共演。(予期せぬ出来事は見逃した) 不倫ものには違いないが、教会への信仰心や自由な精神など、二人の会話は結構レベルが高く興味深い。傷ついたいそしぎが介抱され、空へ飛び立つシーンが二人の将来を暗示させ印象的。割と良い映画だった印象があるが、他の人たちの点数が低いのにびっくり。 [映画館(字幕)] 6点(2012-03-30 08:49:59) |
4. いつでも夢を(1963)
橋幸夫と吉永小百合のデュエット「いつでも夢を」は、私の少年時代に大ヒットした曲である。そのヒットにあやかって翌年製作された映画だが、やはり橋幸夫を出演せざるを得なかったんだろ。歌はうまいが演技はライバルの浜田光夫と比べようもない。 しかし、この点をのぞいてもまずまずの映画だと思う。三角関係になるところを、平等の権利とやらのデモクラシーに立った青春映画となった。それに定時制高校に対する偏見克服についても・・・。 主題歌だから「いつでも夢を」のメロディーが音楽の主になるが、吉永小百合のデビュー曲「寒い朝」も随所に使われていて良かった。 なおこの後吉永小百合はスター家業の忙しい合間を縫って、大学の二部(定時制)に合格し見事に卒業する。文字通りの実践だった。 [映画館(邦画)] 6点(2012-03-20 12:32:09) |
5. 命果てる日まで
テレビがラジオに取って代わっていった時代、ホームドラマや恋愛もの時代劇とたくさんのドラマがテレビ番組として登場してきた。この映画出てくる俳優さんや女優さんたちも皆テレビでおなじみの人たちばかり、それだけに映画も非常に親しみやすかった。この映画は三角関係というメロドラマの典型だけど、やはりそんじょそこらのものとは違う。原作があのラジオドラマ「君の名は」の菊田一夫、監督が松本清張の数々の名作を映画化した野村芳太郎ともなれば、映画としても完成度が高い。私もとても強烈な印象として残っている。香山さんが好きで都はるみの映画(アンコ椿、馬鹿っちょ出船、涙の連絡船)を立て続けに見、そしてこの映画も見たのだが、他の映画のストーリーはほとんど忘れてしまったのに、これだけはしっかり覚えているほどだ。香山さんが演じる和江が、本当に哀れで切なかった。学生の頃は、小説やドラマ、映画で愛というものを頭ではわかっていたが、こんなに胸を締め付けられるものとは知らなかった。そういう思いを与えてくれた映画だった。 [映画館(邦画)] 7点(2012-02-02 22:16:29) |
6. イタリア式離婚狂想曲
《ネタバレ》 結構昔に見た映画なのであらすじ程度だが、ラストだけはしっかり覚えている。口やかましい女房に愛想をつかし、何とか女房が死ねばという幻想から始まり、ついにはある画策をして・・・。そして念願のアンジェラとの幸せが始まったと思ったら、アンジェラの足の先は・・・で終わる映画。さすがに脚本賞受賞の映画、スパイスがきいた(ききすぎ)コメディだ。 そしてこの映画の音楽が良い。DVDが出ないのは残念であるが、サントラCDはちゃんと買った。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-11-11 20:13:40) |
7. 伊豆の踊子(1963)
《ネタバレ》 リメイク映画である以上、前作の美空ひばりとの比較になってしまうが、明らかにこっちの方が劣る。 原作の小説にはむしろこの映画の方が近いのかもしれない。学生と踊り子の身分の違い、結ばれるはずはない当時の気風を引き立たせるため、現代の若者(ここで浜田光男が登場)の自由な恋愛との違いを出している。この点はプラス評価。 しかし何といってもミスキャストに近い布陣、大坂志郎と吉永小百合の兄妹では年齢の差がありすぎるし、学生役が高橋英樹では元気がありすぎる。浪花千枝子も栄吉、千代子らをさしおいて出しゃばりすぎに見える。 また一番の問題点は、踊り子吉永小百合が明るく健康的すぎることか。ただし終盤の踊りは踊り子らしく良かった。 ラストの岸壁のシーンはまさに文芸作品がメロドラマになったようだ。 [DVD(邦画)] 4点(2011-06-02 22:11:28) |