41. サマータイムマシン・ブルース
《ネタバレ》 「バック・トゥ・ザ・ヒューチャー」を観た後に、皆で話題にするような内容を、そのまんま映画にしたような作品です。 メチャクチャくだらない目的が、逆に面白いけど、学生の馬鹿キャラが被り過ぎて各々の個性が感じられない。それにクドイ。会話のやりとりは全く笑えなかった。 女学生も二人は必要ないだろう? 一人で十分。 100分くらいで終わってくれたのが、これ以上点数を下げなかった理由です。 [DVD(邦画)] 5点(2009-04-30 21:24:41)(良:1票) |
42. サラエボの花
《ネタバレ》 ボスニア紛争を知らなければ理解できないのではないかという、観る前から勝手な偏見を持つ人がいるかもしれないが、内容は世界中に通用する母と娘の親子愛、シンプルな話しである。 娘は男にも真っ向から喧嘩を買って出るほどの強気な性格で、母親の仕事ぶりからも二人が共に人生を乗り切ろうとしている姿が重ねて強調されている。 皆と一緒に修学旅行へ行く。父はシャヒード(殉教者)である。この国ではごく普通の人間でありたいと思う娘に母親は娘の出生の秘密を打ち明けることができない。教えたくない母親の気持ち。だが彼女もやはり女であり一人の人間、打ち明けてしまったことで本当に大切なものが何なのか悟る。その告白シーンがハイライトで胸を締め付ける。 全体を通して、娘の修学旅行が娘にとっても母親にとっても人生の岐路になったところに真のドラマを感じた。 娘は一見わがままで身勝手ではあるが、母への愛情を誰よりも必要としており、ラストのバスのシーンで、皆の合唱に合わせて少しづつ口ずさむシーンは、観客の誰もが「頑張って!」と応援したくなると思う。 登場人物全てがこの腐敗した国の現状から抜け出そうと必死に生きている。一見悪そうな大男まで真剣に生きようとしているところに人間の綺麗な部分が見える。 後で知ったが、監督は30代の女性。紛争経験がある。娘は12歳の設定だが、日本人でいえば高校生くらいにも見える。これは戦争というものが老若男女関係なく強く生きなければならないことを訴える姿勢で、とても自然に表現されていると思う。 「戦争待望論」という言葉が日本でも言われているが、戦争を起こした国ほど心から平和を願う人が多いことに皮肉めいたものを感じてしまう。 「あ~、いい映画観たなぁ~」と思える作品。沢山の人に鑑賞してもらいたい気持ちを込めて9点。 しかし、この邦題のセンスのなさ、なんとかなんないのか…(悲) [DVD(吹替)] 9点(2009-02-16 09:00:24)(良:1票) |
43. サン・ジャックへの道
ロケが奇麗だし、自分も巡礼って死ぬまでに一度は体験してみたいって思ったけど、その中で繰り広げられる人間ドラマが陳腐で私には入り込めませんでした。 三兄弟の仲が悪い理由が全く描かれてないから、心が通い合う理由も伝わってこない。 登場人物たちの心境の変化にも、「え? そこで変わる?!」って思うところがアチコチあって…。 吹き替えで観たせいかな? なんだか海外ドラマ的っていうか、セリフのやりとりに日本語の自然さが全くないんですよ。 それにCGを頻繁に使うのは、せっかくのロケを台無しにしていると思う。なんだか実物までCGじゃないかって疑ってしまう。 本作に似た旅企画って、日本のテレビでもたくさん放送されているし、例えば「電波少年」のヒッチハイクとか「あいのり」なんか観ちゃうと、映画として観るのはもういいかなって感じです。私的には同じレベルです。 ロードムービーは私の大好きなジャンルですが、正直ガッカリの一本でした。 [DVD(吹替)] 5点(2009-01-30 07:02:05) |
44. ザ・ドライバー
その昔、水野晴朗のロードショーで頻繁に放送された傑作。 アクションシーンは、ブリットとマッドマックスの中間のカメラワークをしていると思う。 夜のロサンゼルス、対向車線を疾走するカーチェイスは迫力満点である。 ライアンオニールとイザベルアジャーニの黒の衣装が格好よく、古臭さを全く感じさせない。 二人の一番美しかった姿が、この映画で堪能できる。 ドライバー、謎の女、刑事……登場人物に呼び合う名前はない。全員が終始ポーカーフェイスのまま極めてシンプルな会話だけで進んでいくのだが、それだけで各々がどんなバックボーンを持っているのか、十分観客に伝わってくる。独特な哀愁を感じる。 最後に誰が勝ち、誰が負けるのか。これだけシンプルな人物設定と構成だからこそ、観終わった後に爽快な気分になるのだと思う。 [レーザーディスク(字幕)] 8点(2009-01-16 11:08:35)(良:1票) |
45. ザ・マジックアワー
最近、「僕達と駐在さんの700日戦争」「アフタースクール」と、立て続けに鑑賞した映画が、どれも冷たい私の心をヒットさせていたが、三本目の本作は、まさに満塁ホームランだった。(三本目だと正確にはスリーランだけど……) 「有頂天ホテル」があまりパッとしなかっただけに、観る前は不安もあったが、本作については、劇場へ足を運ばなかったことを、今とても後悔している。 こういう作品って満員のお客さん達と一緒になって観ると満足度はさらに上がる。 三谷監督はビリーワイルダーを超えてしまったようだ…… 今は亡きワイルダー監督は生前、周防監督の「Syall We Dance」をとても満足されていたそうだが、この作品を観たとしても、きっと満点をくれると思う。 [DVD(邦画)] 9点(2008-12-10 05:59:10) |