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プロフィール
コメント数 2388
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  ザ・スピリット 《ネタバレ》 
原作はフランク・ミラーじゃないそうですが、出来上がりはいつもの“フランク・ミラー・ワールド”というか“『シン・シティ』ワールド”という感じですかね。まあ言っちゃえば“ハードボイルド・コメディ”というジャンルになるかと思います。主人公がガチガチのヒーローなのに女癖が悪いというのが、アメコミ・ヒーローものとしては珍しいパターンじゃないでしょうか。ストーリーの方は“ヘラクレスの血”やローレライを出してきて雰囲気を盛り上げようとしていますが、正直なにが言いたいのか判りませんでした。たしかに出てくる女性キャラがすべてフランク・ミラー好みのナイスバディ美女ばかりというのは、いいサービスです。とは言っても、そこら辺はすべてサミュエル・L・ジャクソンの怪演に持っていかれてしまった感は否めませんけどね。サミュエルとスカヨハがいきなりナチス・コスプレで登場するシークエンスはほんと理解不能でした。しかし黒人がナチスの制服を着ると、ほんと似合わないものですね。そして爆死して粉々になったスカヨハが回収したサミュエルの体の一パーツは、やっぱりオ〇ンチンですかね、こんなところでベタな下ネタぶっこんでくるなよ! あのラストではどう観ても続編を撮る気満々という感じでしたが、幸か不幸か14年経っても実現していないみたいなのは、まあ当然と言えば当然でしょうね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-04-08 20:45:42)
2.  座頭市(2003) 《ネタバレ》 
21世紀にもなって、これほど「め〇ら」というセリフが多用される日本映画が観れるとは、もう嬉しくなっちゃいます(笑)。「北野武が座頭市を撮る」と聞いてびっくりしたもんですが、観てみれば勝新太郎の『座頭市』とは似ても似つかず、“リブート”というよりも“リコンストラクション”と呼ぶのが相応しいぶっ飛びぶりでした。その強さはもう超能力者レベル、だいいち座頭市が金髪というところからしてどうかしています。自分は本作の特徴は“リズム”をとことん重視した撮り方じゃないかと思います。タップのリズムで野良仕事する百姓など時には意味不明なところもありますが、シーンが切り替わるタイミングなんかも含めて快調なリズム感はなかなか心地よい感じすらありました。まるでポリウッド・ムーヴィーみたいなラストはちょっとやり過ぎ感すらあり賛否が分かれていますが、自分は好みです。初めて観たときはまだ『踊るマハラジャ』などのポリウッド・ムーヴィーを知らなかったので、そりゃびっくりしましたよ。このセンスならダンス・ミュージカル映画を撮らせたら面白いんじゃないかな。思うにこの映画での座頭市は狂言回しみたいな役柄で、浅野忠信の浪人夫婦や盗賊一味を追う姉弟のエピソードがメインなのかなとすら思ってしまいます。だとすると、このサブストーリーの描き方(とくに浅野忠信パート)が弱いのは気になるわけで、ここが本作の最大の弱点なのかと感じます。またラストで座頭市の座頭市たる所以を否定する驚愕(?)のオチが用意されているわけですが、これなんかも勝新版『座頭市』のファンから嫌われる理由なのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-03-19 22:26:02)
3.  SURVIVE STYLE5+ 《ネタバレ》 
アコムの『無人くん』などを手掛けたCMクリエイター・コンビが手掛けた初劇場映画にしては出演俳優陣が豪華絢爛、さすが電通が絡むと違いますねえ。なんせあのヴィニ―・ジョーンズまで引っ張て来てますからね、彼が演じたキャラは『スナッチ』とほぼ一緒でしたけど、荒川良々とコンビを組ませる発想が素晴らしい。ぶっちゃけてしまうと、出演俳優がほぼほぼ全員が怪演という壮絶さです。中でも阿部寛と岸部一徳は強烈過ぎです。両者とも今後どんだけ映画出演を重ねても、本作を凌ぐ怪演は見せてくれないだろうと確信いたします。ストーリーラインは五つのエピソード、と言ってもどれもぶっ飛び過ぎですが、交互に進行して最後に一応つながるという構成。下ネタも随所にちりばめられていて、初っ端が阿部寛と小泉今日子のラブホ・シーンからですからね。まあ意味不明なシークエンスも多々あった気もしますが、この手のスタイリッシュ系の映画は自分の趣味に合ったシークエンスやカットがどれだけ見つかるかが鑑賞のポイントでしょう。特筆すべきは浅野忠信と橋本麗華のシークエンスでの屋敷内部の造りこみが日本映画にしては珍しいぐらい高度で、生き返るたびに変わってゆく橋本の衣装とメイクには目を奪われました。 惜しむらくはどお贔屓目に見ても中盤でダレて来たことで、20分ぐらいは尺が短い方が良かったんじゃないかな。
[DVD(邦画)] 7点(2020-08-13 20:49:45)
4.  13デイズ 《ネタバレ》 
1962年のキューバ危機を、ジョン・F・ケネディ大統領の側近でいわゆる“アイリッシュ・マフィア”の一員だったケネス・オドネル特別補佐官の視点で見せるのがストーリーです。この人はロバート・ケネディとは大学時代からの友人でJFKの選挙参謀を経てホワイトハウス入りしたわけですが、調べてみるとこの時代がキャリアの頂点みたいなもので、ケネディ兄弟の死とその後の知事選での敗北から立ち直れずアル中になり、50代半ばで失意の中で死去した悲劇的な人物だったみたいです。この役をケヴィン・コスナーが好演しているわけですが、私には『JFK』のギャリソン検事のイメージが被り過ぎてヘンな感じでした。オドネル補佐官は判りませんが、ケネディ兄弟はじめ当時の閣僚たちはかなり似た容貌の役者を揃えていて良かったんじゃないですか。すでに歴史的な出来事なので結果は誰も知っているわけですけど、ホワイトハウス内だけの視点というか情報だけで語るストーリーテリングはソ連・フルシチョフの考えていることが全く判らないわけで、そこがサスペンスを引き締める役割を果たしています。どこまで真実に近いのかはわかりませんけど、ほとんどクーデターでも起こすつもりかと言いたくなる高級軍人たちの反抗的な態度、この13日間にJFKが知らないところで演習や核実験をしていたとは恐ろしいことです。実際に戦闘が起こったわけではないので派手な絵面は見せれませんが、それでも米国連大使がソ連大使を論破するところとU2偵察機が撃墜されるシークエンスがこの映画の見せ場だったのかなと思います。まあ言ってみれば頗る真面目な映画と総括できるわけですが、同じアイルランド系ながら出身階級が違い過ぎるケネディ兄弟と補佐官とのそこから生じるうっすらとした確執を見せたりする脚本はけっこう良い出来だと思います。それにしてもなんでフルシチョフはキューバにミサイルを配備する気になったんでしょうかね、こういう結果に終わることは自明だったと思うんですが、私は昔から不思議でならないんです。 あと気が付いたことが一つ、この危機の間ジョンソン副大統領がまったく登場しないんですよ。別にハブったわけではなくこれが史実なんでしょうけど、合衆国の副大統領職がここまで盲腸的な存在なのかと驚かされます。ルーズベルト大統領から原爆開発のことを全く知らされてなかった副大統領トルーマンのことが思い出されますが、ブッシュ政権のチェイニーみたいな副大統領は例外的な存在だったみたいです。セリフでは一か所だけジョンソンが出てきますが、仲間内で暗に彼をディスっているだけです。JFKのホワイトハウスもどこかの国と変わらない“お友達政権”だったんでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-22 22:47:20)
5.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
「あのファソン連続殺人事件の犯人がDNA鑑定によって特定された!」というビッグ・ニュースが飛び込んで来て、この事件を元ネタにした本作を思い出して鑑賞。 正直前半はもうイライラさせられっぱなし(実はむかし観たときは、それに耐えられず五分でギブアップさせられました)、でもウルトラマンに出ていたころの若き日の毒蝮三太夫みたいなソン・ガンホ刑事のアホ捜査ぶりにはだんだん笑うしかなくなってきたのが不思議です。この刑事たちの愚行よりある意味凄いのは警察組織自体のオンボロさで、いくら田舎警察と言っても死体発見現場の現状保存ぐらいふつうするでしょ?もうすぐソウルでオリンピックが開かれる頃のお話しなのにねえ。この映画の愚行の中でいちばん笑える祈祷師にお伺いをたてるエピソードも、実話に基づいているというのもサプライズです。その警察の動きにチョン・ドファン政権時代の社会情勢を絡ませる描き方はちょっと言い訳じみているけど素直に上手いなと感じました。列車やトンネルの使い方も巧みだし、俳優たちの熱演を上手に引き出せたストーリーテリングだったと思います。 この映画は実話ものというよりも実話をもとにした独自の情念劇と観るのが正解でしょう、でもその問題提起するパワーはかなりのレベルだと思います。いちばんの皮肉は、この映画が世に出たころには真犯人とされる人物はとっくに刑務所の中だったということでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-07 21:26:40)
6.  サロゲート 《ネタバレ》 
細かいことを言うと粗が目立つけど、この映画が見せてくれる世界観はなかなか興味深く考えさせられることが意外と多いと思います。まず世界の98%がサロゲートを使用しているってことは、ほとんど全人類がニートになってしまったというわけで、それを想像するだけでもなんか楽しい。経済的な合理性やセキュリティ面からのありえなさはともかくとしても、これは変身願望を持つ人には堪らない魅力がある商品ですね。冒頭に出てくるクラブのボディコン姉ちゃんのオペレーターが実はメタボの中年おばはんだったというエピソードなんかドンピシャです。ブルース・ウィリスのサロゲートが妙に若々しくて、『シックス・センス』のころみたいな顔つきなのも笑ってしまいます。これはメイクの偉業かと思いますが、まさかCG?ロザムンド・パイクは『ゴーン・ガール』の先入観がどうしてもあるのでまたなんか悪さをするんじゃないかとドキドキしましたが、この人の無表情は究極のサロゲート顔というかサイボーグ顔です。 このお話は変身願望という視点やサロゲート文明に対する抵抗組織が登場するところなどから、シュワちゃん版の『トータル・リコール』と通じるところがあるようにも思えます。そして重要なメッセージとして依存症への警鐘があり、これは現在問題になっているスマホ依存症を予言していると感じました。そういった深いメッセージを軽快なアクションにまとめた良作だったと思います。 ネタバレですけど、このストーリーはスティーヴ・ジョブスが全世界のiPhoneを破壊しようとするみたいなものでしたね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-08 23:42:05)
7.  サブウェイ123 激突 《ネタバレ》 
シンプルだったオリジナルのプロットに余計なディティールを加えて平凡なアクション映画に仕立てました、という感じでしょう。まずデンゼル・ワシントンの収賄容疑なんて要素は愚の骨頂。おまけに奥さんまで登場させてお話しを湿っぽくさせるセンスも最悪。トラボルタも、最近こればっかり、という感じのサイコ犯罪者風のキャラでオリジナルのロバート・ショウが持っていた知能犯的な雰囲気が皆無です。無線でアイスランドの話なんかしちゃってそれが身元判明に繋がっちゃうなど、バカ丸出しです。このデンゼルとの無線会話あたりには知能犯らしい駆け引き能力が感じられず、まるで『ダイハード』のマクレーンとパウエル巡査の交信みたいでした。身代金輸送のドタバタはオリジナルでも最大の突っ込みどころでしたが、ジョン・タートゥーロの「誰もヘリコプター使うこと思いつかないのか」というセリフはナイスな楽屋落ちでした。脚本のブライアン・ヘルゲランドは本来上手い人なんですが、まさか『椿三十郎』みたいにオリジナルを一文一句いじらないというわけにはいく訳もなく、苦労は偲ばれますけど。 無理なお願いだと承知いたしておりますが、人質の若造にチャットで「愛してると言って」と無理難題を吹っ掛けるあのKYな女を、ぜひトラボルタに撃ち殺して欲しかったところです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-05-07 00:19:55)(笑:1票)
8.  サンキュー・スモーキング 《ネタバレ》 
才人ジェイソン・ライトマンの監督デビュー作、映画監督の処女作にはその人の個性がすべて詰まっていると言われますが、まさにその通りと言うべき一編です。私はこの人のストーリー・テリングのリズムが好きなんですよね。オープニングから中盤にかけての展開はもうすこぶる快調です。ハリウッドの中堅として活躍しているアーロン・エッカートの数少ない主演作ですが、もうこのニック・ネイラーはこの人しか考えられないという当たり役だったんじゃないでしょうか。マイケル・ダグラスみたいな頑丈そうな顎をしていて、ウソ臭い笑顔を浮かべながらペラペラと詭弁をまくしたてるところは最高に愉快です。いろいろと痛い目に遭いながらも、ラストでは例の笑顔を浮かべながらしゃべくりを活かした別の職業についている彼、それでも人間的な成長はあったんだという視点で閉めてくるところが良かったです。この監督は色んな刺激的なプロットを詰め込みながらも話を大きく広げない脚本を書くのが得意なので、ちょっと物足りないと感じる人も多いかもしれませんが、小品映画を撮るには正しい方法論だと思います。 そう言えばタバコをテーマにした映画なのに、登場人物が喫煙しているシーンが劇中で皆無なんですよね。まあ言われなくても理由は判りますが、ちょっと不思議な感じがしました。そして上院議員が過去の映画からタバコを画像処理して消してしまえと主張するところ、日本でも最近『風立ちぬ』の喫煙シーンの多さを一部のアホが非難していたことを思い出させてくれて、ちょっとゾッとしました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-03-09 21:15:32)(良:1票)
9.  サウンド・オブ・サンダー 《ネタバレ》 
本来、蝶を踏んだことで未来があんな風に変わるなら、その瞬間にタイムトラベルして来た連中はみんな消えるか気持ち悪い未来人類に変身しなければならない。 “時間の波(?)”が徐々に伝わってくると言うのは、そこを上手くクリアーする理屈にはなる(かなりひどいご都合主義だけどね)。しかしもう一回過去に戻って蝶を救ったとしても、元の世界が変わるわけではないしパラレル・ワールドをひとつ増やすだけなんではないかな。過去へのタイムトラベルは、何も過去へ影響を与えなくてもパラレル・ワールドがひとつ出来ると言うのが自分の感性なので、どうもこの映画のオチはピンとこないんです。 未来の街を走る車がシュワ版『トータル・リコール』みたいだなと思いましたが、データを見るとこの05年製作と知ってびっくりしました。それぐらいCGがしょぼかったんです、90年代初期のレベルですよ。 P・ハイアムズは自分が好きな『カプリコン・1』を撮った監督なのに、なんでここまでヘタな映画しか創れなくなっちゃったんでしょうか。きっとプロデューサーが悪いんだ、と無理に自分で納得したいところですが、やっぱこれが彼の実力かなぁ。それからB・キングズレー、あんた名優なんだからもう少し仕事を選びなさい!そういやこの人『スピーシーズ/種の起源』にも出てたよなぁ(涙)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-09-14 18:55:55)
10.  ザ・シューター/極大射程 《ネタバレ》 
こういう映画のことを“頭を空っぽにして観ると実に面白い映画”と言うんでしょうね。決して皮肉ではありません、わたしけっこう楽しめました。細かいところではいろいろと粗が見えますが、いくら原作小説は評判が良いと言ってもそこはミステリー、完璧なプロットなぞそうあるもんじゃございません。余談ですが、“完璧なるミステリー”にいちばん近いのはフレデリック・フォーサイスの『ジャッカルの日』でしょう、これを超えるミステリーはまだ書かれていないと自分は思っています。 ハードボイルドなストーリー展開はけっこう鮮やかで、マーク・ウォールバーグはいかにも凄腕スナイパーといった雰囲気が良く出ていました。アフリカであんなひどい目にあって引退したのに、いかにも怪しげなダニー・グローバーの依頼を簡単に引き受けちゃうところが最大の「?」ですけど、まあウォールバーグ君は見た目と違って単細胞的な思考回路と愛国心を持っているということで許してあげましょう。昨今の大どんでん返しものアクション映画にすっかり毒されてしまった自分には、意表を尽く様なラストの展開が実は最大のサプライズでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-15 23:52:32)
11.  ザ・ブレイブ・ウォー 第442部隊 《ネタバレ》 
自ら監督・脚本・製作も兼ねているからしょうがないかもしれませんが、主演のレイン・ニシカワという人の演技がどうもいけません。見た目が40代のふつうのおっさんなのでいくら軍曹とは言っても他の兵士に比べてあまりに違和感があり過ぎでした。こんなに演技が下手なら主役は他の俳優にしたらもっと観られる作品になったと思いますよ。パット・モリタ(本作が遺作)、タムリン・トミタと日系人俳優がけっこう出演していますけど、ジェイソン・スコット・リーまでが日系人役で最初はちょっとびっくりでした。ところが観終わってみれば彼がいちばん印象的な良い演技だったのは皮肉なもんです。有名な「テキサス大隊の救出」をテーマにしているのですが、バジェットの関係かあまり戦闘シーンは盛り上がりませんでした。しかし211名を救出するために800名以上の日系人兵士が死傷するとは何とも言葉もありません。 そう言えばこの442連隊戦闘団の物語を渡辺謙が監督で映画化すると言う話があるそうじゃありませんか、期待しましょう。
[DVD(字幕)] 4点(2011-07-08 21:22:41)
12.  ザ・セル 《ネタバレ》 
ストーリー自体はよくある『羊たちの沈黙』の亜流なのだから、あとは奇抜なプロットを生かす「観たことのないような映像」をどれだけ見せてくれるかに期待するわけです、観客は。残念ながら例の「馬の輪切り」以外はその方面の好奇心を満たしてくれる画はなかったですが、この監督の美的センスの鋭さはたしかに素晴らしい。そして何よりも凄味があったのは石岡瑛子が担当した衣装で、自分はこれほど衣装に「凶暴さ」を感じたことはかつてなかったぐらいです。ジェニファー・ロペスのメイクにも唸らせられまして、夢の中でどんどん顔が変わってゆき、とくにスポーク仮面をかぶって登場したシーンは、まるで岩下志麻みたいな顔だったんですよ。 捜査ものとして撮っているのでどうしても理屈で割り切った様なお話しに落ち着いてしまったのは残念で、ここはリンチワールドの様な思いっきり不条理な世界を見せて欲しかったところです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-19 01:03:32)
13.  サイコ・ビーチ・パーティー 《ネタバレ》 
くだらなくてチープなB級をねらって撮ったという感じですが、これが意外とスタッフのセンスが良くて思いのほか楽しめました。今をときめくエイミー・アダムスも出てるのですが、一瞬とはいえ下半身すっぽんぽんのシーンがあるのにはびっくり。ねらって外しているのは判るんですが、実にチープなサーフィン・シーンにはついつい笑ってしまいます。私が一番お気に入りのキャラは女警察署長と警官のコンビで、なぜか署長が女装した男優、警官が男装した女優という“?”な組み合わせなんです。この男優はチャールズ・ブッシュという本作の原作者でもあるのですが、『アダムズ・ファミリー2』にも女装して出演しているし、どうもその気がある人みたいですね。なかなかの才能の持ち主とお見受けいたしました。
[DVD(字幕)] 6点(2011-05-07 00:57:54)
14.  さよなら、さよならハリウッド 《ネタバレ》 
プロットとしては『ブロードウェイと銃弾』の映画製作版という展開ですが、『ブロードウェイ』とは逆に製作されている映画がどんどん悲惨な出来に陥ってゆくのがミソ。アレンの映画は自身の身の上が反映されることが多いのですが、本作で気づいたのは撮影監督が言っちゃ悪いが聞いたことない無名な人であること。それもそのはず、本来は名手ハスケル・ウェクスラーが撮影監督だったのにアレンと揉めて撮影開始後に降板しちゃったそうです。その辺の恨みつらみが映画の中の撮影監督(なんと中国系と言う設定!)のキャラに反映されて劇中アレンと揉めまくり、撮影監督との通訳がアレンの眼の代わりになるエピソードが笑えます。さすがにアレンもそのまま通訳くんを活躍させると『ブロードウェイ』のチャズ・バルミンテリと同じだと気が付いたみたいですが、通訳くんがクビにされた後の展開は急速に失速してしまう印象なのが残念です。 ラストの「フランスがあってよかった」と言うのは名セリフかもしれませんが、ちょっとフランス人のファンに失礼かも。欧州での高評価とは裏腹にハリウッドでは無視されている北野武をついつい思い出してしまう一編でした。
[DVD(字幕)] 5点(2010-10-17 18:03:26)(笑:1票)
15.  ザ・コンテンダー 《ネタバレ》 
ジョアン・アレンが演じる上院議員が最後まであの蓮舫とイメージが重なって弱りました(笑)。父親が元知事でいかにも裕福なWASP出身といった設定の女性に、観る方としてはどうやって感情移入したら良いか困ってしまいます。 対するゲイリー・オールドマンはまるで落武者みたいな髪型のすだれハゲの陰謀家と言うのもあまりに判りやすい人物像で、なんか底の浅い脚本ですよね。公聴会で何十年も前の学生時代のご乱交や選挙スタッフと略奪結婚したプライバシーをほじくり返すところなぞ、パロディではなく現実のアメリカ政界で起こり得る話しなのでゾッとします。まして彼女が共和党から民主党へ鞍替えしたことを「忠誠心」を持ち出して非難するに至っては、そんなこと言ったら日本の政治家さんたちはどうなるの?、と叫んでしまいたくなる無理振りですよ。 本作では、そういうアメリカの政治状況をアイロニカルに問題提起する視点がないので、なんかとても薄っぺらいお話しになってしまいました。何でこんなキャラが登場するのか意味不明のクリスチャン・スレーターもマイナス要因です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-21 18:24:07)
16.  ザ・バンク -堕ちた巨像- 《ネタバレ》 
随所にトム・ティクヴァらしさが感じられるカット割りが観れて嬉しいですね。クライブ・オーウェンが殺し屋の車を追いかけるシークエンスで信号待ちする車がズラッと並んでいるシーンは、「これぞ、ティクヴァ!」と唸らされました。この人『パフューム』で判るように大群衆を画面に生かすのが好きというか上手いのですが、本作でも俯瞰ショットを活用して得意技を見せてくれます。国際的な犯罪に加担する銀行と言えば破たんしたBCCI(この銀行もルクセンブルグが本店だったですね)の事件をモデルにしてるなと判りますが、国際金融をプロットにするならばもっと不条理なエンディングが良かったのではと思います。銃撃戦がやけに派手だなと感じましたが、なるほど制作総指揮がジョン・ウーだからですね。社会性よりもアクション重視の、ハリウッド風というか香港ノワール風になってしまったのはマイナスでしょう。
[DVD(字幕)] 5点(2010-06-20 01:38:27)
17.  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
この監督の作風というか間のとり方は私のツボなのですが、これだけの出演陣揃えたならもうちょっとひと捻りあっても良かったんじゃないでしょうか。グイネス・パルトロウも良かったけど、やっぱりアンジェリカ・ヒューストンが貫禄を見せてくれました。ジーン・ハックマンを喰っていましたね。上手い!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-22 19:35:55)
18.  ザ・ビーチ(2000) 《ネタバレ》 
この結末はないですよ。ディカプリオは発狂するは、地元民にバックパッカーは射殺されるし、中盤までの展開は結構緊迫していたのに。ビーチでやりたいだけやって、最後は皆別れて元の生活に戻りましたって落ちを、正直私は予想できませんでした。ビーチの風景は確かに良く見つけたなと思うほどきれいですが、鮫に襲われて瀕死の仲間をほっといてビーチバレーして遊ぶシーンは嫌悪感がわきました。自分もですがこのコミュニティが「楽園」だと思えない人には、この作品は否定されます。「楽園」かどうかは、自然や風景ではなく人間の営みが決めることでしょうから。
[DVD(字幕)] 4点(2009-02-17 23:28:58)
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