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1.  16ブロック 《ネタバレ》 
 全体的に話が薄く、最初から最後まで、展開に意外性が乏しいと思いました。  アル中役のブルース・ウィリスや汚職刑事たちの結びつきなど、既視感の強いモチーフが多かったのも、興味をそがれる点だったと思います。  主人公が冒頭で仲間の刑事を撃ちますが、そこに至るまでの彼の心境が映画の中でほとんど描かれていないのは致命的ではないでしょうか。後に彼が以前汚職刑事の仲間だったと分かりますが、なぜ汚職に手を染めたのか?なぜ仲間をやめたのか?といった、主人公を観客が理解するための重要な要素が抜け落ちているのではないでしょうか。  また、主人公と証人との関係も、話が進むに連れ、友情による結びつきに変わっていきますが、その理由はあまり描かれていないと感じました。結局、この作品を観ながら、主人公がなぜ命を賭けてまで証人を守ろうとしたのか、最後まで判りませんでした。  例えばありがちですが、汚職刑事の背後にマフィアなどの犯罪組織があり、主人公は以前恋人を彼らに殺されたなどの設定があれば、主人公が今は仲間と離れ、すさんでいるのもわかるし、証人が彼らの罪を暴くための存在なら、主人公が必死になって守ろうとするのも説得力があると思います。また、デビット・モースはマフィアなどの圧力と主人公との友情の間で揺れ動いたであろうし、襲撃のやり方にも様々な工夫が生まれたと思います。  ラストも「ケーキを送る」と何度も言っていたのだから、あの展開では当たり前過ぎて心に残らないと思います。夕食になってもケーキは届かず、「犯罪者の約束なんて当てにならない」と言ってたところに、本人がケーキを作りに来るぐらいの展開は欲しいと思います。  
[DVD(字幕)] 2点(2007-02-24 23:18:15)
2.  忍 SHINOBI
山田風太郎ファンとしては、見る前から満足のいかない出来になることは予想していましたので、失望感はありませんでした。「忍法帖シリーズ」をいたずらに映像化しても、原作を越えることは、まず出来ないからです。 良かった点は、アクションシーンを盛り上げようと頑張っていた所で、作品の中の見せ場として成立していたと思います。CG多用で、最近のゲーム的な映像でしたが、メリハリがあり、楽しめました。 悪かった点は、構成と脚本だと思います。まず、見始めてから15分もの間、いわゆる「つかみ」となるアクションシーンがないこと。(ちなみに原作は、同じアクションシーンが1ページ目から描かれています)しかも、冒頭のオダギリジョーと仲間由紀江が出会うシーンは、お互いのキャラクターを見せる事も無く、ただ出会うだけというまるで工夫のないものでした。仲間由紀江を、「(一目ぼれするぐらい)美しい女性」に見せる演出すらなかった事に、拍子抜けすると共に、この映画に対する興味を早くもそがれてしまいました。そして、いつの間にか恋人同士になっている様子を見て、主人公二人に対する興味も急速に失われて行くのでした。 「主人公の男と女が出会えば、お互い愛し合う」「二人が引き離されれば、悲劇的なドラマになる」といった、製作者サイドのドラマに対する安直で甘い思い込みが、前面に押し出された脚本だったと言えるのではないでしょうか。 思いきって原作の一部分だけを使い、映画的に大胆に話をアレンジすべきだったと思います。少なくとも、オダギリジョーや仲間由紀江を生かしたキャラクターが生まれる余地があったのではないでしょうか。
[DVD(邦画)] 3点(2006-12-30 21:14:46)
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