1. スーパーマリオ/魔界帝国の女神
どうせ何やったって文句言われるんだから、いっそメチャクチャやっちゃえ、という「この考え方」は、(比較的)正しいと思うんですが、どうでしょうか。 さんざん待たされた挙句、ついに主人公のオッサン2人がマリオ&ルイージのコスプレで登場した瞬間の、高揚感! もう、この瞬間に尽きるのでは。こんなのどこがスーパーマリオの映画だよ、と思っていた人も、この瞬間だけは「これはスーパーマリオの映画である」と認めざるを得ない、そう、まさにこの大事な大事な一瞬。 もし最初からこの格好で登場していたら、この高揚感は生まれない。映画の最初から、いかにもマリオの映画です、というノリだったとしたら、この高揚感は生まれない。 すみません、私、ゲームの方をやったことがないので、こういう無責任な事が言えるのもそのせいだ、とは思うんですが・・・。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-07-20 06:25:23) |
2. ストレンジャー・ザン・パラダイス
《ネタバレ》 音楽に耳を傾けることから全てを受け取って欲しい、ということらしく、その昔買ったクロノス・クァルテットのアルバム「冬は厳しく(WINTER WAS HARD)」にはライナーノーツが無く(日本のレコード会社は何が何でもクラシック音楽のCDにはライナーノーツを付けたがるにも関わらず)、とは言っても著名な作曲家の曲が多いので(かつ、かなり有名な曲もいくつかあるので)、得体の知れないアルバムなどということは無いのですが、そんな中、6曲目のBELLA BY BARLIGHTという曲を書いたジョン・ルーリーって人は、一体誰なんだろう。 と、当初は誰だか分らなかったのですが、それが実は、この映画の主演のヒト。そして、映画冒頭に流れるのがその、BELLA BY BARLIGHT。 得体が知れないと言えば、こんなに得体の知れない映画も無くって、映像を見る限り、いつの時代のどこの国の映画だか、まったく不明。50年代のヨーロッパとかならまだしも、まかり間違っても80年代のアメリカには、到底見えない。。。 という無国籍な雰囲気。アメリカも切り出し方によっては、こう見える、ってことなんですかね。安く撮れば風景も安く見える、という訳でもないのでしょうが、ザラついたモノクロ映像に映し出されるアメリカは、独特の雰囲気。エヴァが両手にカバンを提げて歩く姿を移動カメラが追いかけていくシーン、その背景に映るのもまた、アメリカの町なんだなあ、と、かえって斬新に見えます。クリーヴランドの街も、雪と氷に包まれたエリー湖の景色として描かれたりして。 ストーリーは、あって無いような、というより、「無い」と言っちゃった方がスッキリするかもしれません。もちろん見る側も、この見るからにストーリーの無さそうな映画に対してそちら方面の期待は持たないので、雰囲気と、ちょっとした出来事や事件を、楽しむ。 私は映画を撮ったことも無いし撮れるとも思わないけれど、これから映画を撮ろうという人の気持ちを想像すれば、おそらく、演出の真似事の第一歩として試しにやってみたいこととしては、カット繋ぎ、ということになるんじゃないか、と思ったりもするのですが、この作品ではそんな事には関心が無いのか、それともおカネが無さ過ぎてそんな余裕も無かったのか。ワンカットごとに暗転して映像は途切れ、ここまでそれが徹底されると苦笑してしまいますが、暗転中も音が映画を繋いでいたりして、意外に違和感が無い(というか、無くなる)のがまた、面白いところ。 それにしても、主人公3人が小金を手にして、結局はバラバラになってしまう、というラスト。商業映画第1作にしてすでに、ビンボーをこじらせているような。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-05-01 15:04:43) |
3. SPACE ADVENTURE コブラ
我ながらウッカリにも程がある、と思ったのですが、あのカズレーザーというタレントさんがコブラの恰好を真似しているということに今まで気づいていませんでした。すみません。しかし逆に言うと、金髪のムキムキがピチピチの赤い服を着たところで誰しもがコブラになれる訳ではない、ということで。 やっぱりこのコブラ、シャレてて、カッコいいですね。しかし声はテレビ版でお馴染みの野沢那智ではなく、愛のメモリーでお馴染みの松崎しげる。いや、松崎しげるっつうたら、やっぱりハン・ソロでしょ。という黒歴史はさておき。ニヒルなコブラには、意外にこのハスキーな声も、似合ってしまう。いい感じ。 この映画版というのは初めて見たのですが、映画版では左手が義手ではなく、直接、サイコガンに変化する、ってのはこれまで何となく知ってました。とすると、あの無敵のクリスタルボーイをどうやって(義手無しで)倒すんだ? 倒せないんじゃないか? ってのも何となく気になってました。いやこれはウソで、そんなに気になっていなかったけど、うっすらとイヤな予感が。 結局のところ、映画版、最後までもう一つ盛り上がらなかったですね。クライマックスの対決が、割と普通に終わっちゃった。 というのもありますが、それより、ストーリー自体が、何やら愛がどうのこうのと薄っぺらいことを言うばかり、何かと言えばとりあえずキスシーン、そりゃ盛り上がらん訳で。 とは言え、アクションシーンはやっぱりカッコいい。左手のサイコガンを構えるコブラの姿が、やっぱりカッコいい。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2023-10-09 07:50:54) |
4. スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火
世に数多ある超常現象ネタの中では、比較的人口に膾炙している部類のものでありながら、お世辞にも人気があるとは言い難い、この「人体自然発火現象」というヤツ。このネタで映画が一本撮れると考えるのが、さすがトビー・フーパーであり、本当に撮ってしまうのがこれまたさすがトビー・フーパー。誰も止めなかったんでしょうか、というのは、言いっこなし。 見てるとやっぱりグダグダで、ほら言わんこっちゃない、と思うのですが、見てるうちにどんどんテンションが上がってくる。なんだかわからんが、テンションが上がっていることだけは間違いない。やっぱり彼は、「悪魔のいけにえ」の監督であり、「悪魔のいけにえ2」の監督なんだなあ、と。たぶん彼自身が内なる炎で、自然発火寸前なんでしょう(ジョン・ランディスはとうとう劇中で発火してしまいましたが)。 体制への怒りなのか、周囲の無理解への怒りなのか、とにかくその怒りを主人公に託し、炎として可視化しまくる。なんだかやっぱりよくわからんが大変に盛り上がる映画でした。で、誰か止めろよ。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-07-16 06:59:33) |
5. ストリートファイター(1975)
ウォルター・ヒルって、80年代に入ると、サム・ペキンパー亡き後のバイオレンス映画の巨匠、みたいに祭り上げられかけてたように思うのですが、本当の持ち味はやはりこういう、こぢんまりしてるけど一本筋が通ってるような、要するに「ダサい」作品、なんでしょうねえ。 ジェームズ・コバーンを始めとする登場人物のオッサンたちはだいたい、いかにもギャングです、といった感じの、ツバのついた帽子を被ってて、一方のブロンソンはというと、いかにもチンピラです、といった感じのハンチングみたいなヤツを被ってる。安っぽくも逞しいアウトロー、といった面々。 そのブロンソンが、賭けで殴り合いの勝負をする。今だったら、総合格闘技なんてのも結構お馴染みになってきてるので、こんなアメプロ風の殴り合いはそれなりにウソ臭く見えてしまう部分もあるのですが、これもまあいわば、「殴ってます!」というのをストレートに伝える、殴り合いですね。不器用さ、武骨さ、ゴツゴツ感。 こんな映画、そのうち誰も見なくなるんじゃないか。だったら今、見るべきです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-12 16:36:52) |
6. 進め!ジャガーズ 敵前上陸
ポップアートというものの定義が「そう呼ばなきゃ他に呼びようがないもの」だとしたら、この作品など、まさにその通りの作品です。 テキトーでメチャクチャで、なんか、楽しい。何の臆面も無く「続なんとかのガンマン」とか「なんとかピエロ」とかのパロディが展開され、果てはスポンサー企業の宣伝まで。自由過ぎる。 しかしそのデタラメさの背景には「戦争」というものが垣間見えて、戦争さえ終わればこんなにアホらしくてクダラないことだってできるんだ、という、条件付きの自由だったりもして。まだ、戦後、なんです。 そういえば、いつまで「戦後」が続くのか、などと言われてきたけど、気が付いたらあまりそういうことも言われなくなってきて。気が付いたらすでに「戦後」は終わってしまってた、ということなんだろうか。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-04-06 22:27:12) |
7. スキップ・トレース
「ジャッキー・チェンの世界進出は、アメリカのコメディアンとのバディムービーで行く」って、もしかして誰かが決めたんですかねえ。困ったもんです。 かつてのスピード感溢れるジャッキー映画からすると、相棒の存在が映画にブレーキを掛けているようにしか思えんのだけど。 とは言え、若い頃のような無茶は、体力的にもコンプライアンス的にも、難しいでしょうし。これも一つの答え、ではあるのでしょう。もちろん、アイデアを凝らしたアクションは、今回もしっかり盛り込まれてます。 ストーリーはあるような無いような、意味も無くモンゴルに行って、モンゴル相撲。割り切ってデタラメな展開になってます。こういうのも自由でいい。 で、監督がレニー・ハーリンって・・・? [インターネット(字幕)] 6点(2022-03-13 12:57:23)(良:1票) |
8. スパイ・レジェンド
なかなか罪作りな邦題でして、「主人公がお歳を召したスパイであることを、本人が傷つかない言い方をしたら、こうなりました」と言わんばかりの邦題ですが、そのせいで逆に、ピアース・ブロスナンの年齢がヘンに気になってしまう、まさにヤブ蛇状態。 とは言え、どうせ、見れば若くないことはワカルわけで。そのブロスナン、特に映画の前半で、手ぶらで颯爽と歩く姿が再三、登場します。手ぶらでなくても、手にしているのはせいぜい、拳銃か、ケータイか。 このほぼ手ぶらで颯爽と歩く姿を、「まだまだ若々しいねえ」と感じるか、「さすがにちょっと歳だなあ」と感じるかで、作品の印象のかなりの部分が決まってしまいそうな気がします。 これがまた、ビミョーなのよね。。。 これがトム・クルーズあたりなら、意味も無く全速力で走って見せて一種のアリバイ作りをするところなんでしょうけれど。 ブロスナンがそんな感じなもんで、彼が演じる主人公の活躍も、ほどほど。物語もほどほどに盛り上がって、まあ、ほどほどの作品でした。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-03-06 22:03:10) |
9. スワロウテイル
なんで、偽札作るのにホンモノのお札使ってるんだよう。 ってコレ、考えようによっては、バブル経済そのもの。お金がどんどん、大金に化けていく。 映画が製作された96年は、バブル崩壊の後。だけど、作品の中ではまだ「円」が憧れの的になっているという設定で、これだけでも充分、日本人には痛烈なものを感じさせる(感じさせた)わけですが、さらにまた、こうやって、子供たちが偽札という新たなバブルで一儲けを企んでいるという皮肉。 ただしそれは、実世界のバブルへの復讐のように思えたりもするけれど、とにかく。 こういう「思わせぶり」な映画は、正直、苦手な方なんですけれど、しかしここまで不思議な、しかしどこか懐かしさのようなものを感じさせる世界を作り上げられてしまうと、やはりこれはスゴいな、と思わされます。現代の日本の都会と、架空の世界との同居。しかし架空の世界と言っても、それはかつての日本、当時のアジア、なんとなく懐かしさのある世界。21世紀の今、それはどこにあるんでしょうか。 作中で描かれる少年少女の世界が、また懐かしさの一端を担っているようです。伊藤歩は美人になりました。この当時は見事にイモっぽいですねえ。だからこそ貴重で、だからこそ魅力的。これは、彼女の映画だと思う。 偽札というバブルに頼らない、その次の世界へ。というラスト。しかし実際の世界では、各国がお札刷り競争をやってるのだけど、、、 [インターネット(邦画)] 7点(2022-03-06 21:39:17) |
10. スペシャリスト(1969)
主人公が一匹狼的なガンマン、規格外の存在、世俗のゴタゴタからは一線を画した男、異邦人・・・ ってのはいいんですけど、それを象徴するクライマックスが「大量のケツ」って。 気持ちはワカランでもないけど、イマイチ見栄えがしない・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-13 15:05:08) |
11. スター・トレック/叛乱
103分という長さは、今のところスタトレ映画シリーズの中では最短ですかね? 短けれは短いほどいい、というつもりはないけれど、映画ってのは断腸の思いの編集で切り詰め切り捨て、その長さになってる訳だし、実際この作品も、いい意味でスリムにまとまった印象があります。 不老不死、かどうか知らんけどそれに近い惑星があって、少数の人たちが古風で平和な暮らしを営んでいる。その彼らに加えられた連邦の弾圧に対し、エンタープライズの面々がプチ叛乱を起こす、の巻。 のどかな自然の景色が、「守るべきもの」としてそこにある。いや、いいじゃないですか。 映画が新シリーズに入ってから、ピカード艦長のマッチョぶりみたいなものが見せ場の一つになっていて、他のクルーたちの存在感がデータ君以外、やや薄い感があるのですが、この作品では割と、彼らにまんべんなくスポットがあたっていて、幅を感じさせます。 ところで、おそらく登場人物全員が思っているだろうのになかなか誰も言い出さないこと、それは「このままこの惑星にピカードが住み続けたら、頭がフサフサになってしまうんじゃないか」ということだと思うんですが、私も心配です。そんなことになったら大惨事です。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-12 10:22:04) |
12. スター・トレックVI/未知の世界
《ネタバレ》 メンバーもだんだんお年を召してこられて平均年齢も上がり気味、何だか、窓際族ばかり集められてさっぱり新入社員が入ってこない閑職部門みたいになってきた、このスタトレシリーズ。しかし決してそんなことはなくって(多分)、この第6作では、あのいぶし銀の重鎮、ヒカル・スールーがついに他の船の艦長に就任。それはそれはもう、本当に嬉しそうな。ちっとも似合ってないけど。 という訳でこの「いったん最終回」たる第6作は、お馴染みのメンバーの後日譚を緩~く描くオマケ企画、かと思いきや決してそんなことはなくって(しつこい)、いよいよクリンゴンとの対立関係に終止符が打たれるのか?という、スタトレファンにもクリンゴンファンにも見逃せない展開。 和平交渉の直後、エンタープライズ号からと思しきミサイルがクリンゴンの宇宙船を直撃。責任を問われたカーク船長は引っ捕らえられてしまう。この事件を仕組んだのは誰なのか、そして犯行はどのようにして行われたのか?という、SFミステリの様相を呈してきて、ちょっと新趣向。謎解きにあたるのは勿論、我らが名探偵スポック! ああ、見るからに頼りない! まあ、我々も本格推理などこの作品には求めてないので、何となく謎解きがあって、何となく流刑地でのカークの危機があって、それらが並行に進んでいくのが、見どころ。 ただ、W・シャトナーではさすがにアクションシーンが持たないので、やっぱりここは無理にでもエンタープライズに新入社員を入れて、若手をタッグパートナーとして欲しかった・・・なんて事を最終回である本作に望むのは無理筋ですかね。 で、まあ、何となく大団円となって、壮大なる物語(?)は幕を閉じ、最後の出演者のクレジットが流れると、本人直筆なのか、手書きのクレジットが出てきて。いよいよ終わりなんだなあ、と、やっぱり、感慨深いものはあります。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-08-29 12:33:47) |
13. スター・トレック5/新たなる未知へ
だいぶラジー賞を掻っ攫っていったようで、まあ確かに、そういう作品、かなあ。 ミスタースポックが二作続けて監督したから次はオレの番だ、とカーク船長が思ったのかどうか、そういう安直な(?)人選も不安を誘うところ、ではありますが。 しかし、4作目(それなりにヒットしたらしいが)でだいぶおかしな方向に行ってしまったことを思うと、軌道修正されて、「哲学チックなSF」という1作目の路線に戻ってきたようにも思います。ただ、「SF」という点では、これと言って特撮の見せ場もなく、やや寂しいところ。「哲学チック」という点についてもヘンなオハナシには違いないですが。 冒頭の1/4くらいは、あまりストーリーに関係なく登場人物の面々がノンビリ休暇をとっていて、こういうシーンの方が、なんだか良い味出してますね。こういったシーンなどで、この5作目には「辺境」感みたいなのがあって。 スターウォーズにも共通して存在する、「辺境」感。 ところで、音楽はようやくゴールドスミス御大が帰ってきて、お馴染みのテーマ曲が流れます。さほどワクワクしないテーマ曲ではありますが(笑)。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-08-01 22:03:42) |
14. 素顔のままで
デミ・ムーアのストリップダンスを目当てに見てたら、意外や意外、思わぬ部分に見どころがあって、儲けもの・・・というパターンを期待してしまうのですが、さらにそのウラを行ってて、やっぱりストリップ以外に見どころが無いという・・・。 確かに、なかなか堂々たるダンスを披露してくれて、意気込みはしっかり感じさせてくれますが、そこに至る鍛錬とか、ストリッパーとしての矜持みたいなものはあまり見られなくって。むしろ目を引くのは裏方の男たちの情けないような微笑ましいような姿、の方かも。 なんか波乱が起こるだろうという期待に対して、もっともらしく殺人事件が起きたりもするもんだから、さらに始末が悪い。何がどうするわけでもなくウダウダとオハナシが続いた挙げ句、ラストで勝手に大団円みたいに締めくくられても、ねえ。 この上ない、置いてきぼりを食った感が。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-08-01 13:03:27) |
15. ストリートファイター(1994)
格闘アクションという点では、もう少し危険さを感じさせるスタントを見たいところではあるんですが。 でも、なんか、ゲームのキャラ(だと思うがよく知らん)を何組かに分けて、適当に行動させ適当に登場させることで、結果的にはアクションにも視点にも変化が出ていて、コレ、悪くないと思うんですけどね~。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-07-04 13:19:19) |
16. スフィア
300年前に深海に沈んだとかいう謎の巨大物体、宇宙人の乗り物か何かですわな、を調査しに行くという、ファーストコンタクトもの。だけど実は、「もしもたった1つだけ、どんな願い事でも叶うとしたら、絶対に後悔しない願いって、一体何だろう」という、お伽話的なオハナシでもあります。そう思うと、妙に感心してしまいました。そう思わなければ、特には感心しないのですが。 深海に眠る宇宙船、これといって宇宙人チックな奇抜さもなく、いやそれどころか、これってもしかして・・・という状況。しかし一方、そこには明らかに地球上のものとは思えない謎の球体、金ピカGANTZ先生の姿が。 色々とよく分からない事態が次々に発生し、要領を得ないオハナシではあるのですが、その状態のまま、グイグイ引っ張っていく手腕というか厚かましさというか、こういうのは結構好きですね。その混乱の中に、互いへの不信感に基づくサスペンスもあって。 それにしても「爆破への秒読み」って、この手の映画には必須だと、全米映画協会か何かが決めたんでしょうか? [インターネット(字幕)] 8点(2021-07-04 09:33:04) |
17. スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ!
《ネタバレ》 スタートレック映画も3作目、ここに来てすっかり低空での安定飛行に入った感があります。 3作目について、2作目のネタバレ抜きに語ることほできず、取りあえず可能な限りネタバレを回避する努力をしてみるのですが、前作で世を去ったある人物が、一種のダライ・ラマ方式で蘇る、というオハナシ。私にしてみれば、別に蘇ってくれようがくれまいがどっちでもいいのだけど(目立つ顔の割にはここまで大して活躍してないしなあ)、取りあえずそれが本作の大きなテーマ。その人物、出番が少ないもんだから、暇潰しなのか何なのか、監督も兼任してます。これも昨今よく叫ばれている「生産性向上」の一環、なんでしょうか。 うん、全くネタバレを回避できた気がしてません。ははは・・・ で、この復活劇と、宇宙海賊(という訳ではないんでしょうが、いかにもそんな雰囲気)クリンゴンとの、ジェネシスを巡る争いが描かれます。 もはや、重厚さ、みたいなものは感じられず、宇宙を舞台にした冒険モノ、ただしオッサンばかり出てくるので、あまりキレが無い、という印象。路線の大幅な逸脱も無く、変な安心感は、確かにあります。 一方で、サプライズもちゃんと準備されていて、なんと、今度は●●●●●●●●が我々の前から姿を消すことに! 正直、私にしてみれば、姿を消そうが消すまいがどっちでもいいのだけど、その最期の描かれ方が、特撮面で見所が多いとは言い難いこの作品の中で、なかなかに目を引く素晴らしいシーンになってます。 音楽は、前作に引き続きジェームズ・ホーナー。なのでテーマ曲も(1作目のゴールドスミスのものではなく)2作目を引き継ぐ形、ただし終盤には少し、あのお馴染みのテーマが(ウルトラクイズのテーマとも言う)。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-07-03 10:38:04) |
18. スター・トレック2/カーンの逆襲
第2作にして早くも予算が大幅に削減されてしまったという、この作品。そう思って見ると一部、セットが若干安っぽく思えたりもするのですが、気のせいということにいたしましょう。そもそも第1作もどこにそんなにお金がかかったのかよくわからんし。 第1作には、ドック停泊中のエンタープライズ号に着艦するポッドがその前に周りをぐるっと回ってその威容を描き出す素晴らしいシーンがありましたが、本作でも短縮版とは言え同様のシーンが。ってコレ、どう見ても前作の映像の流用ですけどね。続くエンタープライズ号発艦シーンは、これも前作のラストシーンの流用っぽい。そりゃ安上がりなワケです。 さて、この第2作。テレビシリーズに何の関心もない私にはトンとわからんのですがどうやら、今回の敵は、宿命の強敵とも言うべきカーン。らしい。 と言うわけで、今回は割と単純に宇宙戦艦同士の戦い、みたいな素朴なオハナシになってます。けど、人間の耳から体内に侵入する気味の悪い寄生生物なんかも出てきたりして、小技も(というかむしろ小技の方が)効いてます。 ジェネシス計画の描写には、スケルトンのみならず、フルの3D-CGと呼べそうなCGも登場。コレ、『トロン』と同じ製作年ですよね。大したもんです。 とにもかくにも、エンタープライズ号の未知への旅は、まだまだ続くのでありました。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-13 09:47:16)(良:1票) |
19. スター・トレック(1979)
80年代を中心に、ほぼ何の話題を提供することもなく細々と続いていた、という印象の、スタートレック最初の劇場版シリーズ。何だか、少数の熱狂的なファンに支えられてスーパーの駐車場とかでひっそりと興行を続けるインディープロレスを思い起こさせますが。 しかしこの第1作(だけ?)は高額の製作費が投入され鳴り物入りで登場した超大作。製作は79年、ってんだから、いかにもスターウォーズの成功にあやかって慌てて準備しました、という感じのタイミング。 スターウォーズが、基本的なノリがあくまでチープな冒険活劇だったのに対し、こちらはいかにも「SFやります!」という意気込みを感じさせて、例えば最初の方に登場する、ポッドの着艦シーンなど、ストーリー重視のスターウォーズだったら省略されそうな細部の描写が、盛り込まれてます。 エンタープライズ号が調査に向かう、謎の巨大物体、この描写なんか、インデペンデンスデイの先取りと言ってもよいのでは。 で、この作品がオモシロいのか、と言えば、勿論、そんなにはオモシロく無くって、そこがスタートレックのスタートレックたる所以、と言ったところでしょうか。 それにしても、スキンヘッドの女性がワイシャツ一枚みたいな格好をしていると、なんかエロい。なんででしよう? [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-29 12:06:25)(良:1票) |
20. スーパーガール
監督は「ヤノット・シュワルツという人」だと、かつては認識してたのですが、フランスの人らしいので、確かに妙な表記だったのかな、と。ジョーズの続編だの、スーパーマンの姉妹作だの、便乗作品で起用されては、そこそこの仕上がりにしてしまう、きっと器用貧乏みたいなヒトなんでしょう。 本作も、女性版スーパーマンがミニスカートを穿いているという、ミニスカポリス的発想のイロモノ企画であるように思われてしまうのですが、そのミニスカスーパーガールをまずは湖の上で自由に飛翔させてみせ、お見事としか言いようがありません。ドナーの第一作に対して感じたのと同種の驚きを、ここで再び味わうことができます。このシーンを超える場面はその後出てきませんが(笑)。 スペクタクル要素はあまり出てなくって、片田舎の町での、大騒動と中騒動の間くらい、といった感じ。その意味ではスーパーマン第二作をさらにマイルドにしたような。 天敵たるレックス・ルーサー(じゃないけど)の役はフェイ・ダナウェイ。まさに大女優の風格で、「フェイ・ダナウェイ専用照明」みたいなのが当てられ続け、こういったあたりの演出にはちょっと古風なものを感じます。 いや、ダサい男を取り合うだけのクダラないオハナシ、といえばそうなんですが、学園モノの気楽さと、様々な特殊効果の楽しさ、パロディ的のものも含めて二番煎じを逆手にとって笑いに繫げるような割り切り(男を乗せたカートごと飛ぶシーンの、あのカートのデザインのシュールさ)、全編通じ、サービス精神には事欠きません。 テーマ曲は、あの派手なスーパーマンのテーマには被らないように、ということなのか、ちょっと落ち着いた感じのメロディが選ばれ、これは今でもお馴染みのもの。特にエンドタイトルでは、ゴールドスミス節が炸裂した、聴きごたえのある音楽が展開されます。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-04-11 11:05:11)(良:2票) |