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1.  スウィングガールズ
あれは本当にある方言なの? 「‥‥‥ず」。みんながそれを喋ってるのって、いいよな。おとぎの国のような雰囲気すらある。この監督は動きのギャグがいいのだが、今回ではストップ画像のイノシシが印象深い。あのおかしさはなんなのだろう、一番動きが激しそうなシーンを、わざわざああ処理したおかしさなのか。洒落っ気ね。「未熟時代の下手な演奏」ってのがこういうのでは難しく、わざとらしくなってしまうのが多かったけど(ドラマで音痴の下手ぶりがわざとらしくなってしまうのと同じで、だいたい音はプロにやらせることが多かったからだろう)、これは実にリアルに下手だった。ドキュメント的な成果。上野樹里は、コメディの勘所を分かっている。
[DVD(邦画)] 7点(2014-02-13 09:37:06)
2.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
泰西名画ふうの空、大雑把な建物の直線的な内部と対比されてるのか。これで一番感心したのが、ヨーダの服で、直線的な世界がCGで作られるのにはもう驚かなくなってたが、服のたるみみたいなものまでがどんどんうまくなってきているのに感心し、ちょっと怖くさえ感じた。こういうのまで簡単に作れるとなると(そう簡単でもないんだろうが)、ほとんど自然界の何でもが作れてしまう気がする。なんか技術だけがどんどん先走って進化しているようで、そういう技術の果てに思いをはせるほうがSF気分であった。シリーズの締めとしては、大きな話が繋がっていく快感みたいなものを、ラストで感じられた。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-27 09:43:52)(良:1票)
3.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
これ、スモールタウンでくすぶっている若者の鬱屈が底に流れている。世界に出たいけど、この町にとどまっていて、弟は軍で栄光を浴びている。そこらへんの隠し味の苦みが、終盤で金を紛失したおじさんを口汚くののしる緊迫の場の下地になっているんだろう。そういう薬味が理想主義の甘味を締めている。自分がいなかった世界の夢が映画の眼目で、映画ならではの楽しみに満ち、面白くはあるんだけど、でもちょっと…とのめり切れない。鬱病の人だったら、自分がいなかった世界がパラダイスになっている夢を見て、やっぱり僕なんかいないほうが…とさらに鬱をこじらせるだろう。そう嫌味に見てはいけない映画で、あくまでファンタジーとして評価すべきだろうが、戦前の『スミス都へ行く』では、大衆からの電報の束という薬味がゾクッとするほど効いていたのに、こっちでは大衆がニコニコと寄付金を募らせてきて、いささか甘味料過剰に思える。大恐慌の記憶がまだ生々しかった戦前と、戦勝直後の気分の違いが出たのか。悪の駆動がバリモア一人に集中してしまっているのも弱い。…などとブツブツ言いながらも終盤で号泣している自分が許し難いのだが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-12-28 10:04:09)
4.  スキ!
このヒロイン、屈託がなくて天真爛漫、って造形なのかもしれないが、はた迷惑な愚鈍にしか見えなかった。その「はた迷惑」ぶりを中心に持ってくれば安部公房の「友達」になったかもしれない(そういう狙いの映画じゃないのは分かるけど)。90年代の「友達」は、隣人愛じゃなくカワイイとかテンシンランマンでやってくるんだ。追い出されたとき、嘘泣きじゃなくって、本当にしくしく泣いてたほうがもっと怖いんだけど。人の迷惑を考えないってことが素直さの表われってのは幼児まででしょ。エレベーターが停まるとちゃんとロウソクを用意してあったり、階段でつまずいて転ぶと「いつもだったら骨折だった」と喜んだり、のあたりは楽しい。モノトーンのこの世に色を塗っていくのは、そう、君自身なのだよ、という話。山下洋輔の「乙女の祈り」が流れる。
[映画館(邦画)] 4点(2013-12-26 09:40:59)
5.  推定無罪
ハッとさせる場面があんまりなく、裁判映画を面白くしたのはアメリカなんだけど、本当の裁判はこういうものなのか。初めのほう、ハリソン・フォードの不審な行動のあたりはミステリアスで悪くないんだけど、彼が主人公でもう「いい人」って予断が来ちゃってるから、キャスティングの段階での問題ですな。彼が弁護士に対して、自分が有罪であるかのように論じて、検事のプロを見せるとこがちょっと面白い。製作側は検事局の殺伐とした人間関係に興味を持ったのだろうか。そっちを中心にすればなんとかなったかも知れない。面白いと評判のミステリーを映画化すると、まず面白くないとこに、本と映画の根本的な構造の違いがあるようだ。音楽、J・ウィリアムズは地味め。
[映画館(字幕)] 5点(2013-09-04 09:32:55)
6.  スティング
敵討ちの物語で、それも人種を超えて仇を討つ話になっているところが、60年代末から続く70年代初頭の社会的気分だったのだろう。映画の中は30年代で、屋内シーンでも窓の外で30年代をやっている。ベトナム戦争からアメリカが手を引くころで、同時代にウンザリしていたアメリカ人は、理想郷をそこに見たようだ。偽のノミ屋を設営するあたりが眼目、そこらへんの楽しさは映画のメイキングを見ている楽しさと似ている。ホンモノのようなセットが組み立てられて、エキストラの人選が行なわれ、スタートの掛け声でニセモノがホンモノっぽく動き出す。映画の楽しさとは「騙されること」なのだな、と改めて思う。役者ではR・ショウとP・ニューマンがよく、彼は酔い潰れて登場することが多いな。見事なカードさばきを見せた最後にクショクショとしくじるあたりが彼の味。本筋の話はスマートなのだが、映画としてはいささか枝毛が乱れているようなところがあり(たとえば殺し屋との絡み)、もうちょっと刈り込めたのではないか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-08-31 09:59:11)
7.  スラム砦の伝説
見たときはなんか勘違いしてて『ざくろの色』→『アシクケリブ』→本作、の順に作られたと思い込んでいた。だんだんと洗練の過程が分かるな、と思ってたら、『ざくろの色』→本作→『アシクケリブ』の順であった。本作のあとで、あのギンギラギンの『アシク』を作ってたんだ。とんでもない野郎だ。この『スラム』が一番こってりしてない作品じゃなかったでしょうか。メイクも淡白で、今までの人形劇志向と違い表情を持たされるシーンがあったし、室内シーンの照明も、ほかのわざとベタッとさせるのと違って、明暗をつけたりする。正面を向いた人、家畜の匂い、などは同じで、図柄優先の作風。愛国青年の殉死の感動物語よりも、女の屈折した復讐劇のほうに重点が置かれていたよう。ギリシャ悲劇風。コーカサスとギリシャってトルコ挟んでけっこう近いんじゃないか。愛と憎しみ、個人の情念が国民的伝説に溶け込んでいる、ってのが基本姿勢らしい。この人本人の弾圧と創作の関係にも通じていきそう。死ぬ青年が思い描く侵略のシーンてのがあって、羊の群れが匍匐前進する敵兵たちに追われて移動していく。あれなんかホントああいう図柄を収めたいためだけに入れたシーンと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2013-08-17 12:35:33)
8.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON 《ネタバレ》 
幽霊が証人になる、というアイデアから始めて、もっと膨らませられると思ってたんだろう。書いてるうちに大きなリングに育って、最初は予想もしてなかったテーマなりコメディのモチーフなりが形作られるはずだったのに、そこに至らず小さなリングのまま結ばれてしまった、という気がする。法廷もの・事件ものは勝手を知ってるし、何とかなろう、と思ってたか。幽霊がテレビを見てて世情に疎くない、ってのが珍しく、現代との落差で笑いをとる安易な手を使えなくしたが、「幽霊なのにけっこう世情に通じてる」という安易な笑いに行った。「中井貴一には見える」はもっとギャグの面で使えそうだったが、もっぱら科学至上主義者の困惑なり、弁護士と検事の友情なりの、ストーリー上での扱いに絞られた。阿部寛があっさりあの世にいっちゃう展開は、うまく持っていけば豪快な笑いを生めそうだったのだが、もったいない(死のベッドの向かいのソファにカット内で移ったのは良く出来ました。不意のタップはもっとアップテンポで出来れば弾けたと思う)。阿部や深津絵里らはうまく西田敏行のトーンに合わせられたが、浅野忠信は困りながら演じていた印象。
[DVD(邦画)] 6点(2013-08-02 11:07:15)(良:1票)
9.  スプレンドール
閉館まぎわの映画館、その臨終のときに見る意識の流れのような映画。「すいません、帽子をとってくれませんか」と頼むと長頭で…、なんてエピソードを挟んで、そういう細かいところは悪くないんだけど、どうしてイタリア映画はこう懐古的、愚痴っぽく、内閉的になってしまったんだ、と思っちゃう。不健康。ぐずぐずと滅んでいく己れにどこかうっとりしてしまっている。なぜ映画はすたれてしまったのか、っていうことに反省しないで、テレビのせいにばっかりする。ま、そんな反省をわざわざスクリーンで観たいとは思わないけど。映画が映画を描くときの一番良くないパターンにはまってしまった気がする。人の名作を延々と見せて、チョロチョロとつまみ食いで時間を構成するって、それこそ一番テレビ的じゃないか。ラストは開閉式の天井から雪が降りそそぎ、取り払われようとしている座席に客が座り込み、まさに臨終の床で見る世界のよう(自己陶酔でありつつ至福でもある)。フェリーニ的。イタリア映画はフェリーニとマストロヤンニの影響から抜けられず、どんどん弱っていった。
[映画館(字幕)] 6点(2013-07-28 09:36:43)
10.  スターダスト(1991)
アイルランドってどこか湿っぽい。イギリスのブラックで乾いたのと手触りが違う。イギリスが人の心をとげとげしく観察するのに対して、人と人との間の空気の感触を大事にするみたい。これなんかぼんやりと心のどこかで主人公が母親かもしれないとうすうす感じてるところがいいんじゃないか。ローズ嬢のロレイン・ビルキントンっての、おそらく主役をやることはないだろうが、覚えといてやろう(そばかすがちらほらしてる文学趣味)。曇った朝に放たれる動物たちのイメージがいい。教会を訪れる象から始まって、うらぶれた幻想味が溢れる。ジミーへの情熱の解放でもあって、さっぱりした感じもある。自嘲と言うと毒々しくなりすぎて、もっと穏やかな気分。こういうのが一番アイルランド的と思っちゃう。
[映画館(字幕)] 6点(2013-07-08 09:18:47)
11.  スリーメン&リトルレディ
フランスのコメディをハリウッドでリメイクしたののさらに続編だって。だから新しい家庭のあり方を探るっていうほどの意気込みがある話ではなく、もっぱら大の男たちが子どものゴキゲンを一生懸命とる、っていうのの笑いばかりで、つまらない。せっかく特異な、性を基盤にしない寄り合い家庭を設定したのに、生きてない。そういうのはやっぱり無理だね、って話に落ち着く。イギリスの寄宿学校長が協力していく展開はいい。アメリカ人のイギリスに対するコンプレックスの深さなのか、こうまで単純な悪役に出来るっていうのは。
[映画館(字幕)] 5点(2013-05-21 09:39:32)
12.  スウィッチ/素敵な彼女?
プレイボーイの悪夢、ってあるんでしょうなあ。いつか贖罪のときが来るのではないか、いう恐れ。そういう妄想によってチャラにしてもらおう、てな下心もちょっとあったりして。冒頭、青空に雲、スローテンポで「青春の光と影」が流れ出すと、ある世代は確実に泣ける。男声と女声が対位法的に絡んで。主人公が行方不明と知らされると秘書が喜びのあまり泣き出しちゃうなんて、ほんと被虐的な妄想。プレイボーイが怨みによって女たちに殺されるんだけど、なぜか女としてこの世に送り返されちゃうの。レディーってどうしてもハイヒールはかないといけないのかな、とか。やっぱりそういう結論に落ち着いちゃうのか、という物足りなさはありますな。監督・音楽は『ティファニーで朝食を』のコンビ。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-06 09:39:03)
13.  スミス都へ行く 《ネタバレ》 
アメリカ映画で優れている部門は、スラプスティックやミュージカルやいろいろあるが「民主主義とは何ぞや映画」というジャンルもある。あの国は絶えず民主主義を問い返し、そういう映画の伝統がずっとあって、それには素直に頭が下がる。私が知ってる範囲では本作が一番好き。日本でも「社会派映画」というのがあり、同じように政治の腐敗を描くのだが、それはただ野党的に「けしからん」と言ってるだけなのが多く、差は歴然(日本における「野党的なもの」ってのには、文句垂れるだけで善しとしてしまう無責任体質があるのが問題なんだけど)。そこいくとアメリカはリアリズムの地平から少し離れて分析し、ペイン上院議員なんてキャラクターも生み出す。若いうちは理想に燃えていただろうがやがて「それが現実さ」という諦念に呑み込まれ、今や理想に燃える主人公をハメていく。スミスのまぶしさへの嫉妬も感じられ、厚く造形された人物。そして何より議長が素晴らしい。特別な意見を言うわけでなく、議長としての限られた発言をするだけ。喋り続けるスミスの対照のように。しかし若者の熱意を大きく包み込む擁護者として、彼は議長席から見守っている。本作はこの二人のセットで健全な民主主義というものを考えている。理想家を賞揚し過ぎず、また青臭いと冷笑せず、二つの芯を持った運動体として見ている。これがアメリカの民主主義の理想なんだと思う。この映画、政治の暗部を御用マスコミやそれに簡単に動かされる大衆、つまり今この映画を見ている我々にまで広げて見せ、ただ「けしからん」と言って済ますわけにはいかなくしてある。喋りすぎる映画はだいたい駄目なものだが、本作は別。だってこれは「言いたいことを言うことの重要さ」がテーマなんだから。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-03-06 10:03:10)(良:3票)
14.  スパルタカス(1960)
これはキューブリック、企画にも脚本にも絡んでないのね。だから「見物される闘い」が出てきたからって偶然なんだろうが、『非情の罠』のボクシングや『時計じかけのオレンジ』のラストとか、『バリー・リンドン』でも軍隊で拳闘試合あったし、好みのモチーフというか、創作欲を刺激されるシチュエーションかと思われ、彼の脚本だと都合がいいんだけどなあ。屈辱感と残酷さと。武闘訓練のしつこさは『フルメタル・ジャケット』につながると思えるじゃないか。戦士を選ぶ女たちが柵の向こうから値踏みしているところをじっくり撮り続ける粘っこさ。やはり「見物される闘い」への執着を思ってしまう。前半の反抗への下準備のあたりが丁寧で映画として充実して感じられる部分。トニー・カーチスとの闘いが、心理的なヤマ場になる。闘わせられる者の屈辱と栄光、ああやっぱりこれ彼のモチーフなんだけどなあ。
[映画館(字幕)] 7点(2012-11-23 10:11:00)
15.  ステッピング・アウト
ドラマとして何一つ予想外のことが起こらないのはいいとしても、ミュージカル映画としても「舞台の制約からどんどん逸脱していってしまう面白味」がない。その舞台も、ライバルががっかりするほど見事なものには見えなかった。ステッキを回しても、隠し芸をうまくやったって感じで、そういう隠し芸の時代になってしまったんだ、とシミジミ思わされた。主婦業と仕事の葛藤ってのもあるけど、暴力亭主のよろめき主婦の展開のほうが興味あったなあ。「目的に向かったイキイキ生きる、くすんでなんかいられない、ブルーな日々よさようなら」って簡単に前向きされると、そう簡単じゃねえだろ、とついムッとしてしまう。
[映画館(字幕)] 5点(2012-08-21 09:51:25)
16.  過ぎゆく夏
ジェームス・ディーンの再来って宣伝だったけど、こりゃただのソックリさんだわな。もう勝負のついている賭けに、さかのぼって50年代にロックンロールに賭けたってちっとも偉かないさ。本当のJ・ディーンの時代と比較した(映画製作時)90年代のだらしなさを自己批判した映画としてなら意味があるが。鐘で始まり鐘で終わる。お粗末な演奏はよく出来ていた。ロックが乗ってくるとこね。監督はなんでも振り付け師あがりだとかで、その感覚だろう。後の秘密バーでのダンスシーンより良い。DJで流れていた曲は、なんかアレンジが50年代以降に聞こえたんだけど、どうだろう。ラストはもう定型どおり。喜劇だと定型どおりが○になることが多いけど、こういうドラマだと×に感じる。なんかシラケちゃうんだな。ま、おばあさんがロックンロールに乗って自然に腰を動かし始める、っていう定型がなかっただけでもヨシとしよう。
[映画館(字幕)] 5点(2012-05-25 10:11:55)
17.  ストーリービル/秘められた街 《ネタバレ》 
南部のどろりとした世界に沈んでいく民主党議員候補の青年弁護士ジェームズ・スペイダー、ただ全部がもつれ合って沈澱していくんじゃなくて、主人公は最後は正義の人になっちゃうのがつまんない。せっかくJ・スペイダーがやってんのに。パイパー・ローリーは不気味だが、ジェイソン・ロバーズの演技が明確すぎて、おそらく作者が狙ったものと合ってなかったんじゃないか。この監督は『ツイン・ピークス』をプロデュースした人だそう。こういう雰囲気としてのミステリーが、流行りだしたころ。もちろん小説で一番イキる謎解きのミステリー映画はつまらないわけで、ちゃんとした映画人なら映画ならではのミステリーってのを模索してると思うんだが、才能が追いつかないと雰囲気だけが先行してる環境ビデオみたいなものに堕してしまう危険もあるわけだ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-01-19 10:05:56)
18.  スプリング・フィーバー(2009)
これは困った。話が分からない映画というのにはある程度慣れてるつもりだったが、登場人物が確定できない。なにしろゲリラ撮影なので光量が不足気味で、人物が混乱する。これはさっきのあの人だよね、それとも新しい登場人物か、などとしばしば立ち止まらせられる。とちゅう妻が夫の不倫相手の男(ゲイなの)の仕事場に乗り込んでいくあたりまでは、大体把握できてたつもりなんだけど、探偵が濃く絡んでくると私の握力ではつかみ切れなくなった。あ、あれとこれとはやっぱり別の人なんだな、と顔面の識別よりも話の展開上の合理性で想像する。最後のほうでは『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』っぽく三人が漂流を始めたかと思うと、また分解していって、切られたり刺青ほったり。撮影禁止の処分を乗り越えて製作した、っていうんだから、いい加減なもんじゃないとは思うんだ。ゲイという特殊を通して、閉じ込められている中国からなんとか普遍に至ろうとしたのか。その勇気はたたえたいし、当局の「映画監督に撮影を禁じる」という処分の不合理には怒りを覚えるが、でもこの映画、分かりませんでした。どうゲリラ撮影を敢行していったのか、メイキングフィルムのほうが面白そう(そんなの撮ってる余裕ないわな)。ちょっと心が騒いだのは、同性が踊るシーン。ベルトルッチも女性同士がダンスするシーンが好きだったが、これでは屋外でのダンスと室内でのチャチャチャのシーンに、若干ときめいた。中国語で「変態」とはピェンタイというのか。
[DVD(字幕)] 5点(2011-10-28 10:51:01)
19.  スターマン/愛・宇宙はるかに 《ネタバレ》 
招待しておきながら非友好的、ってところに皮肉があるんだけど、それが痛烈な皮肉にはならないで、他愛ない話になっていってしまうところが、ま、ハリウッド。コミカルな部分はいいよ。トイレに入ってニッと笑うとことかね、ぎくしゃく歩いて。鹿を生き返らせるとこにはちょいとホロッとした。ラスベガスで、あんまり一ヶ所でやっちゃいけないわよ、言ってるそばで777なんてやってるとこ。ヘリコプター飛んで大袈裟なわりには、宇宙船がチャチでなあ。
[映画館(字幕)] 6点(2011-09-04 12:05:06)
20.  スリー・リバーズ 《ネタバレ》 
カーチェイスは食傷気味だし、サイコ系も食傷気味だと思っていたが、でも基本的に嫌いじゃないのね、サイコもの。金や権力の悪より、ついヒイキしてしまう。なにかの「手段」になってるんじゃなく、目的とストレートにつながってる潔さがある。サイコ的、少年時代、川、なんてのが作品のトーンを決めていた。舟は車ほどアクションでの応用が利かない。小さな堰を飛び越えるぐらい。ただ利点は、波しぶきが立って派手になること。スピードが出ると先っぽが上がるのもかっこいい。猛々しさが出る。たまには目先が変わって、舟もよろしい。一番の警官にならねば、いうコンプレックスの話。母も川で死んでいるという隠し味。おもちゃのパトカーが怖い。
[映画館(字幕)] 6点(2011-03-19 10:16:43)
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