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プロフィール
コメント数 2399
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  センチュリアン 《ネタバレ》 
ニューシネマ全盛時代に撮られたいかにもニューシネマらしさに満ちた警察ストーリーです。こういう警察の日常を淡々と描くドラマは、タイトルは忘れたがTVシリーズになって日本でも放映されていましたが、70年代中期のアメリカではこういう風味が好まれていたみたいで、同時期の日本では『太陽にほえろ』や『西部警察』のような単純かつド派手な警察ドラマが流行っていたのとは対照的ですね。 “何も起こらない”というわけではなく、ジョージ・C・スコットの自殺やラストでのステイシー・キーチの殉職など、いかにもニューシネマ的な悲劇はきっちりと盛り込まれています。毎回癖のあるキャラを演じてきたスコットですけど、私が観てきた中ではもっとも人間味があふれる善良なキャラでした。彼が独自の行動指針としている“キルビンスキー法”からすると理想主義者の様でもありますが、実際に警官として社会に接するにあたっては柔軟かつ人情味を持っていて、こんな善人を説得力を持って演じれるのも名優の力量でしょう。妻子に逃げられて酒に溺れてぐれてゆくステイシー・キーチの姿には心が痛みますけど、「他人は守れても家庭が守れない」なんて彼を責める女房には1ミリも感情移入できなかったです。監督はリチャード・フライシャーで、この人のフィルモグラフィを見ると『トラ・トラ・トラ』『ミクロの決死圏』などの大作から『マンディンゴ』のような問題作まで幅広く撮っていたから、このような小品は余裕でこなしてしまえる職人芸の持ち主だったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-04 23:05:23)
2.  西部戦線異状なし<TVM>(1979) 《ネタバレ》 
言わずと知れたルイス・マイルストンの30年版のリメイクで、なんとこの大作がTV映画として製作されてます。『レマゲン鉄橋』と同じようにチェコスロバキアの解体予定の廃村を使ってロケされたそうで、それがTV映画のバジェットで賄えた要因だったのかもしれません。原作のエピソードを巧みにつなげた脚本で、30年版ではカットされた皇帝が閲兵するエピソードもきちんと盛り込まれています。有名なラストも鳥をスケッチしようとして狙撃兵に撃たれるというオリジナルとは違ったエンディングですが、実は原作小説ではパウルがどういう状況で戦死したかについては言及されていませんので、ここは30年版が創造した功績をうまく引き継いだと言えるでしょう。 オリジナルと比較すると、パウルが休暇で帰郷するシークエンスは本作の方が胸を打つところがありました。カントレック先生の描き方が、30年版よりも少し人間味が感じられたところもよかったかと思います。まあここは母を演じるのがパトリシア・ニール、先生役がドナルド・プレザンスというキャスティングの功績かもしれません。逆に穴の中でパウルがフランス兵を刺殺するシークエンスは、オリジナルの異様なまでの迫力には残念ながら及びませんでした。あとアーネスト・ボーグナインは原作のイメージにはまりすぎるほどの好演技だったんですけど、いくら古参兵でも歳とりすぎなのは、如何ともしがたかったです。 劇場映画としても十分に通用するレベルの良作だと思いますが、モノクロ映画で記録フィルムを見せられているような戦闘シーンがいまだにトラウマになっている30年版には、太刀打ちはできなかったという感じです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-07 23:53:46)
3.  戦後猟奇犯罪史 《ネタバレ》 
かつて『テレビ三面記事ウィークエンダー』というその俗悪さで歴史に残っているバラエティ番組がありましたが、本作はまさに『ウィークエンダーThe Movie』と呼べる代物です。『ウィークエンダー』という番組は、簡単に言うと直近におこった事件を再現フィルムを交えてリポーターたちが面白可笑しく解説するという構成で、『新聞によりますと…』という冒頭の小早川正昭のナレーションが印象的でした。まだ『容疑者』とか『被告』なんて肩書がなく逮捕されればその瞬間からNHKニュースですら呼び捨てになる時代ですから、その事件レポートの俗悪さは今の若い人が観たら腰を抜かすほど強烈です。その俗悪リポーター(中には今では大臣経験のある現職女性議員にまで成り上がった人もいます)の中でも群を抜いて下品だったのが泉ピン子でした。 本作はこの『ウィークエンダー』の爆発的な人気に目をつけた東映・岡田社長の「これを映画にしろ!」のツルの一声で撮られることになったそうです。東映一の残酷職人である牧口雄二ですけど、泉ピン子を引っ張ってきてTV同様にリポーターをやらせろという社長命令には、さすがに最後まで抵抗したそうです。とりあげられている事件は①西口彰事件(『復讐するは我にあり』のモデルになった事件)②克美しげる事件③大久保清連続殺人事件、の三つです。再現ドラマと言っても犯行に至るまでの愛欲シーンの方に力が入っていて、ほとんどソフトポルノです。実はここにも監督に対する無茶ぶりの跡があり、②はなんと撮影2日前に発覚した事件が無理矢理おしこまれ徹夜で脚本が書かれたそうです。この事情は、劇中でも泉ピン子に突然電話がかかって来て「また大事件発生だ!」という小芝居をやってから②のレポートが始まるというセルフ・パロディ(観てる方には何のことやら判りませんけど)になっていて、笑わせてくれます。①や③は映画やTVドラマ化されていますけど、②の事件の映像化はいまだに本作だけという貴重(?)な価値があります。それにしてもまだ裁判も始まってないうちにこんな映画にしちゃうなんて、いくら人を殺めたとはいえ克美しげるも可哀想です。なぜか三つの事件のうち③だけで尺の三分の二を占めているのですが、川谷拓三の大久保清の怪演が強烈なのでいいんじゃないでしょうか。でもいくら死刑が執行された後とは言っても、大久保清が連続殺人を犯すまでの過程をコメディ仕立てで見せるとは、ちょっと酷過ぎです。 しかしこれが東大出の社長が慶應卒の監督に撮らせた映画だと思うと、なんか情けなくなります…
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-06-13 20:44:20)(良:1票)
4.  セックス発電 《ネタバレ》 
えー、なんかこの映画の世界では80年代にエネルギー源の枯渇(石油を掘り尽くした?)と技術の退化(?)が起こって21世紀には世界は200年前と同程度の文明に逆戻りしてしまったそうです。でも『北斗の拳』みたいな荒廃してるわけでなく、ビルや道路や車といったかつての機械文明の製品はそのまま残っていて、ただ電気を発生させることが出来ないので使用できない単なるオブジェと化しているわけです。というわけで人々は移動手段は18世紀さながらの馬か馬由来乗りもので、タクシーなんか人力車なんですよ。 この様にプロットはもう徹底的におバカ、中坊の妄想みたいなもんです。そして展開されるストーリーがまたくだらない。ある医学教授が天才的なアイデアを思いつきました、「そうだ!セックスが生みだすエネルギーを電力に転換できるんじゃないか!」。どうもこの世界の人類は、技術だけじゃなくて頭の中身まで退化してしまったみたいです(笑)。この教授は精力絶倫のホテル支配人と同僚教授の淫乱妻を無理矢理に怪我させて同じ病室にほうり込み、実験のためにセックスさせようとします。つうか、普通に事情を説明してやってもらえばいいのに、というよりもなんでセックスが電力を生むのかが意味不明。この絶倫男を演じるのが名匠ヴィットリオの息子クリスチャン・デ・シーカで、たしかに若き頃の親父に面影が似てますね。実験はもちろん成功するわけですが、このセックス発電で電気機関車を走らせるバカバカしさには抱腹絶倒です。そしてもっと大量に発電するためにホテルにカップルを何百組も詰め込み(なぜか同性愛のカップルまで)アレしまくるんですから、こんなバカなお話し考えついた監督にはもう開いた口がふさがりません。そしてこの巨大ラブホが産み出す電力に満足した政府高官いわく「これでイタリアは世界一の超大国だ!」、そりゃイタリア男の精力は世界屈指ですからねえ(笑)。 結末はかなり皮肉が効いています。電力増産のためにセックスが国民の義務になってしまい、誰とヤッても許される社会になってしまい夫婦制度は半ば崩壊です。でもセックスの妨げになるというよく理解できない理屈で恋愛はご法度になってしまいます。配偶者が他人と励んでいるのを観ても、恋愛感情が無ければ安心しておれるということみたいです。ディストピア映画は数あれど、こんな地獄ならひょっとしていいかも(笑)、でも人口が爆発的に増えることは容易に想像がつき、イタリア政府はどうするつもりなんでしょうか(笑)。 余談ですけど、この映画は日本公開時に地方では『ブレードランナー』との二本立てだったそうです。いまや伝説の傑作と崇められている『ブレードランナー』が、公開時にいかに低評価だったかを教えてくれるエピソードです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-21 20:54:38)
5.  戦闘機対戦車<TVM> 《ネタバレ》 
懐かしいっすね、たしか中坊ぐらいのときTV放映で観ましたね。その時は派手な戦争アクションかと思ったら子供の眼には地味な戦車と戦闘機の追っかけっこで、「なんじゃ、こりゃ」と大いに失望させられた記憶があります。40年近く経って見直してみると、アイデア一発勝負みたいなプロットながらも渋いところは渋く撮っていることを再認識いたしました。 ストーリー自体はスピルバーグの『激突!』を翻案したことは言うまでもないですが、戦闘機が飛びあがれなくなるまでのディティールが短いながらも丁寧に撮られているんですよ。戦車と追っかけっこが始まってからも、さすがにこれで30分以上も引っ張るのは映画としては無理があるのですが、元がTVムーヴィーだから上映時間自体が短いので程良い展開に収めることが出来てます。まああんなにノタノタ動き回ってる戦闘機に当てられないとは、この戦車の砲手は相当ド下手ということですが、そこはまあご愛敬ということで勘弁してあげて下さい。ラストの敵味方相まみえたところでの唐突な終わり方も、本家『激突!』へのオマージュのつもりみたいですね。 間違いなく言えることは、この映画のプロットはTVムーヴィー史上でも屈指の優れものだということでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2014-11-23 22:58:47)
6.  戦略大作戦 《ネタバレ》 
文字通り画に描いた様な痛快戦争映画。思えば、こういう痛快戦争映画というジャンルは本作を最後に滅亡しちゃった感じですね。マカロニウェスタン顔負けに敵味方ともバタバタ死人の山が築かれますが、ケリーと仲間たちにとっては将軍の勲章稼ぎに狩りだされるぐらいなら、お宝を狙って敵弾に倒れる方が悔いのない死に方だということで、とても判り易い。それでもあのラストのオチは、今の眼で観ても新鮮というか奇想天外ですね。 ユーゴスラビアでロケされたというのも珍しいですが、そのおかげで色々レアな兵器が観れるのは貴重です。大戦型のシャーマン戦車も博物館に残っているのが大部分という頃なのに、稼働する実車を使ってるのが贅沢ですね。そしてあのタイガー戦車、ソ連のT‐34戦車を改造したものでかなり頭でっかちなプロポーションなんですが、正面から観るとまさにタイガーという面構えです。この改造車両は「戦略タイガー」と呼ばれるほどで、たぶん『プライベート・ライアン』に登場するタイガー戦車もこの「戦略タイガー」のアップデート版のはずです。このSS部隊の指揮官はチラッとしか画面に映りませんが、何とイヴ・モンタンなんです。ノン・クレジットなんですが、なんで彼がこの映画に関係しているのか謎です。
[映画館(字幕)] 8点(2014-07-01 23:39:03)(良:1票)
7.  セコーカス・セブン 《ネタバレ》 
ロジャー・コーマン門下生の中で、社会派NO.1と言えるジョン・セイルズの監督デビュー作です。10年ぶりに故郷の町に集まる七人の男女たちの週末2日間を描いており、インディーズらしく無名の俳優ばかりだけど、マギー・レンジとゴードン・クラップ、そしてデヴィッド・ストラザーンといったジョン・セイルズ作品の常連となる顔ぶれもすでに登場しています。実はこの映画は、ローレンス・カスダンの『再会の時』などいわゆる“リ・ユニオン”ジャンルの先駆けとなった作品なのです。 ベビー・ブーマー、日本で言うところの団塊の世代が30代になろうとするころが時代背景で、この映画に登場する男女も学生運動で警察の御厄介になった想い出を共有する仲でもあります。この七人がまた元カレ・元カノ同士で(まあ田舎町ですから、若い連中のヤルことはアレと言うわけです)、けっこう複雑な人間関係みたいですが、セイルズの脚本はあまりそのことが気にならない巧緻さがあります。バスケで遊んでいるところや川に男たちがフルチンで飛び込みをするところを延々と撮っていたりして、独特の間があるところは好きです。 特に事件も起こらずに別れてゆく七人ですが、なんか青春が終わった瞬間を見せられた様な余韻がありました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2013-10-15 19:26:38)
8.  セルピコ 《ネタバレ》 
アメリカでも賄賂を取らない警官の方が多数派だと思いたいけど、フランク・セルピコほど執拗にそれを糾弾した警官は稀有かもしれません。セルピコと言う名前は今や清廉潔白の代名詞みたいになっていますが、この映画では良く言えば変人、どちらかと言えば偏執狂的なセルピコの姿を包み隠さず描いていると思います。プライベートで交際している女性にエゴイスティックな態度を見せるところなんか、名匠S・ルメットの冷徹な映画の撮り方に感服してしまいます。この頃のA・パチーノは、男の眼から見てもほれぼれとする様な美貌でして、この美顔と鼻にかかった独特の声が何で今みたいなとてつもなく深い皺顔とだみ声になってしまったのか、人生とは残酷なものですね。 最近のハリウッド警察映画に登場する内部監察の刑事は、たいていはヒーローの邪魔をする嫌な悪役というパターンが多いのは興味深いところです。この映画のように真正面から警察の不正を告発するのは今じゃ受けないのでしょうかね。
[映画館(字幕)] 8点(2012-11-03 12:07:17)
9.  鮮血の美学 《ネタバレ》 
この映画はベルイマンの『処女の泉』をパクったというのは有名ですが、確かに見比べるまでもなく舞台がほぼ森の中だけ(つまり、低予算で撮れる!)などそっくりです。お父さんお母さんが三人組を簡単に家の中に入れメシまで喰わせるなんていくらなんでもおかしいぞと思いますが、オリジナルがそうなっているので仕方がないわけです。しかしあの『処女の泉』をこんなエクスプロイテーション映画にしちゃって、ベルイマンはどういう反応を示したんでしょうかね。もっとも、『処女の泉』は『羅生門』からヒントをもらったとベルイマンも公言しているわけで、ということは『羅生門』のリ・リメイク(?)でもあるわけです(笑)。 エロもグロも大したレベルではないし、いくら新人監督と言ってももう少し何とかならなかったのかという俳優の演技、この映画が割と高評価されるのが正直自分には理解できないんです。そう考えると、ウェス・クレイブンという人、上手くなったし良くここまで出世したもんです。
[DVD(字幕)] 3点(2012-05-13 23:13:12)
10.  戦国自衛隊 《ネタバレ》 
実は私、この映画に出演していたはずなんですよ。大学の掲示板に貼られたエキストラ募集に応募したところ、たしか御殿場で二泊三日だったと思いますが川中島シーンの撮影に駆りだされました。足軽の衣装を着て槍を持たされ、ハンドマイクを持ったスタッフに「右行けー!左行けー!」と一日中怒鳴られただ右往左往していた記憶しか残っていません。千葉真一はおろかプロの俳優は誰ひとり見かけることもなく、夜は民宿でへとへとになって爆睡しただけでした。戦車や爆破シーンもなくて、どうやら追加のカットを撮るのに動員されただけみたいでした。映画が公開されるや初日に観に行き、その後十回以上観てますが、いまだに自分の足軽姿を画面で確認することができません(笑)。 それにしてもこの映画、角川春樹の大作路線を切り拓いた功績(?)はあるとはいえ、ちょっと怪作に分類していいほどのメタメタぶりです。致命的なのは、自衛隊に部隊としてのリアリティがなさ過ぎなところでしょう。上下関係はどうなってるんだよと突っ込みたくなる会話は、自衛隊というより町の消防団みたいですよね。そこに被さる演歌風和製ロックのチープさは、監督というか角川春樹のセンスのなさを笑うしかありません。千葉真一の体を張ったアクションに敬意を表してプラス一点としておきます。
[映画館(邦画)] 3点(2012-01-15 11:34:30)(笑:1票) (良:1票)
11.  戦争と冒険 《ネタバレ》 
若き日のウィンストン・チャーチルを描いた映画。監督は後にチャーチルの仇敵マハトマ・ガンジーの伝記映画を撮ったリチャード・アッテンボローです。チャーチルはサイモン・ウォードが演じているのですが、この人若いころのチャーチルに気味が悪いほど良く似ています。前半は両親との関係が中心になりますが、父がロバート・ショウ、母がアン・バンクロフトという二大名優なのでどちらかと言うと二人の芝居が中心になります。大蔵大臣まで勤めた父ランドルフ卿は実は梅毒で死んだなどという意外な事実も描かれますが、バンクロフトが堂々たる演技を見せてくれますね。チャーチル自身も、マザコン気味で野心満々の目立ちがりやとして結構赤裸々に描かれています。ラストのチャーチルの議会で演説するシーンは、迫力があり素晴らしかったです。まあ伝記ものとしては可もなく不可もなくといったところでしょうか。
[ビデオ(吹替)] 6点(2010-06-30 01:24:57)
12.  戦争のはらわた 《ネタバレ》 
脚本はあまり良い出来ではないのですが、さすがペキンパーで男の滅びの美学を独特のリアリズムで映像にたたきつけてくれました。リアルな戦闘シーンはCG全盛の現代でも色あせることはありません。この映画、確かにジェームズ・コバーンのカッコよさ(ドイツ人っぽくないのが難点ですが)は当然ですが、根っからの悪党貴族シュトランスキー大尉を名優マクシミリアン・シェルが演じたので本当に良い映画になったと思います。腹黒く非道極まりないキャラですが、この戦争で滅びてゆく貴族階級の哀しみが観る者に伝わってきて、シュタイナーと共にソ連兵の大軍に飛び込んでゆく姿は、まさに『ワイルド・バンチ』の再現です。大戦中の兵器類が多数残っていた旧ユーゴで撮影されただけあって、細かく描写される兵器操作には迫力があります。ただ細かいことですが、ソ連兵がみなイタリア軍のヘルメットをかぶっているのがご愛敬です。確かに両軍のヘルは形状が似てますけど。
[映画館(字幕)] 8点(2009-12-08 01:18:33)
13.  セブン・ビューティーズ 《ネタバレ》 
パスカリーノ役のジャンカルロ・ジャンニーニの色男ぶりがすごかったです。イタリア映画らしく顔のアップ映像が多用されているので、余計に印象が強かったのかもしれませんが。パスカリーノの家族や女収容所長など、やたら太い女性ばかり出てきた印象がありましたが、なるほどこの監督はフェリーニ映画の脚本家だったのですね。女性監督ながら女性の描き方にフェリーニ的なタッチだったような気がしました。確かにこの主人公は生き残るためにとことん卑劣になりますが、人間の生への執着本能として肯定する描き方がされていて、それは自分としては納得できると思いました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-05-02 18:57:09)
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