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1.  戦場のメリークリスマス 《ネタバレ》 
“Merry Christmas, Mr. Lawrence”『ローレンスさん、あなたに祝福を。』 …思いっきり意訳ですが、今回改めて観て、こんなニュアンスじゃないかな?と感じました。 何だか不思議な映画ですよね。いろんな解釈ができそうで、名作なんだか駄作なんだか判断に迷います。ただ私は好きですこの映画。 そして音楽が良いですね。メインテーマはもちろん神曲ですが、“The Seed and the Sower”(1:30~)も負けじと名曲です。この映画が好きな理由に、神がかってるシーンが幾つかあって、そのシーンには必ず上の2曲が入ってます。  クリスマスとは縁遠そうな早朝のジャワ。ヤシの木の下を歩く軍服の男2人・ハラとローレンス。ここにメインテーマを被せる。このチョイスが素晴らしい。 脱走するセリアズの前にヨノイが現れ軍刀を抜く。『セリアズを斬りたくない』って表情に出てるのがもうたまらない。“The Seed~”の入り具合が完璧です。 酔ったハラ軍曹「ローレンスさん、ファーザルクリースマス。ご存知かな?」この時のハラさんの『合ってるのかな、意味通じてるかな』って表情が最高。俘虜なのに“さん付け”で呼ぶのが、平時のハラの人柄を感じさせて良い。「今夜!ワタシ!ファーザルクリースマス!」拙い英語に気持ちが感じられます。 ヨノイにキスするセリアズ。奇跡のスローモーション。あれ偶然撮れたそうで、そんな奇跡もあるものですね。そしてセリアズの髪を斬り敬礼するヨノイ。共に“The Seed~”が掛かります。 最後のハラのアップ「メリークリスマス!メリークリスマス!Mr.ローレンス」。 想像ですが、ハラとローレンスのシーンで掛かる“Merry Christmas~”は西洋(イギリス)の神を、セリアズとヨノイのシーンで掛かる“The Seed~”は東洋(日本)の神をイメージした曲じゃないでしょうか? 私はこの映画を、セリアズの中に神を見たヨノイ。ハラの中に神を見たローレンスという2つの話と解釈しました。  ヨノイは収容所の長。あの狭い世界では王のような存在です。2・26事件に参加できず、死に場所を失って今に至ります。神になり損ねたんですね。当時から話題のメイクは、ヨノイが『バッチリ化粧をした軍人さんだった。』という意味ではなく、美しい神でありたい、ヨノイの心の内側を視覚的に表現したのが、あのメイクだったんでしょう。なのできっと『メイクはオカシイ』なんて悪評が出るのも、大島監督は織り込み済みだったと考えます。 そんな収容所にセリアズが現れます。彼は処刑を恐れ、過去の弟との関係を後悔して生きる、普通の人間です。だけどヨノイから見て、(心に)メイクなどしなくても美しく、常に毅然とした態度のセリアズは、西洋の神そのものでした。 カネモトとデ・ヨンが死に、ヨノイは全ての俘虜に行(ギョウ)を強要。一方セリアズは花と盗んだまんじゅうを与えます。東西の文化の違いであり、神が民に与えるものの違いでもあります。 セリアズたちの脱走の際、ヨノイは遂に死に場所を見つけました。死んで軍神となりたい。そんなヨノイを見透かすように、セリアズはナイフを捨てます。ヨノイはここでも死ぬことが出来ませんでした。 遂にヨノイは俘虜全員を集合させ、重病人を死なせ、命令を聞かない俘虜長を斬り殺そうとします。セリアズっは身を挺して俘虜長を守り、ヨノイに博愛のキスをしました。ここでヨノイはセリアズの中に本物の神を見て、自分は神にはなれないのだと思い知らされました。  ハラはこの小さな世界では生殺与奪を与えられています。朝鮮人のカネモトを処刑しようとし、無線ラジオの件ではヨノイの判断を仰がず、独断で真犯人のチョウ?(と聞こえる)を処刑し、ローレンスたちを釈放しています。そんな勝手な事をして自室謹慎だけで済まされてます。そのためセリアズがヨノイにキスする場面は観ていません。 首から数珠を下げ、お経を唱える熱心な仏教徒のハラが、酒に酔って「ファーザークリスマス(イギリスのサンタの呼び方)」と、異教徒の神を名乗っておどけてみせます。立場は違えど友情を感じているローレンスへの好奇心から、彼らの信じる神がどんな存在か調べたのかもしれません。 処刑の前日、面会に来たローレンスに、ハラは流暢な英語で話します。好奇心の強いハラは、イギリスの文化と言葉を勉強していました。 そして別れ際、ローレンスの「Goodbyeハラさん、God bless you(あなたに神のご加護を)」に対し、ハラは「ローレンス!」と呼び止めます。『ローレンスさん、あなたに祝福を。祝福を。』ハラが思う最上級の贈る言葉。この時ローレンスはハラの中に本物の神を見ます。 …こんな解釈で、どうでしょう?
[地上波(字幕)] 7点(2024-02-21 01:17:58)(良:1票)
2.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
よく創られた映画でした。'57年頃の東京の夜景や金沢の街といった、在りし日の風景を自然に再現していました。こういう、地味だけど印象深いシーンにお金を掛けている邦画って、近年あまり無いと思うので、なんか嬉しかったですね。 原作も前作も観ていないので、ピンとこない部分も多かったとは思うけど、そうかこの作品から2時間サスペンスの“崖の上のラスト”が産まれたのか!と思うと、本作でもそれは再現してほしかったような気がします。崖の上のアレはあまりにもベタだから…って考えたんでしょうかね?  あれだけの荷物と本の山から偶然2枚の写真を見つける。夜に10m以上離れた先にいる人物の背中を見て宗太郎だと解る。数言の英会話を聞いただけで久子がパンパンだと見破る。あの日のキャラメルの箱がカサコソと…サスペンスの主人公らしいっちゃらしいんだけど、割と重めな映像の割に、禎子の行く先々が事件の真相に向かってピンポイント過ぎて、どこか漫画のよう。それなら崖の上のラストも是非!なんだけどね。  ゼロの焦点というタイトル。“ゼロ=無かったこと”に焦点が当てられる。という意味でしょうか。昔パンパンだった過去を消し去り、社長夫人として生まれ変わった生活をする佐知子。佐知子と同じく過去を消し去って生まれ変わろうとした憲一。「イチからやり直そう」という言葉があるけど、イチではなく過去をゼロにしなければいけない佐知子によって、悲しい殺人が引き起こされる。 佐知子の罪を全てを被る儀作。佐知子にとって単に社会的地位だけでなく、儀作の優しさも、いまを捨てられない要因なのかもしれない。 そもそも憲一が久子と生きていく道を選んでいれば、誰も死ぬことはなかったのかな。自殺に見せかけてまで身ごもった久子を捨てて、旧友の佐知子に名前を伏せて押し付けるなんて、憲一の過去の消し方の雑さが気になりました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-06-01 23:47:27)
3.  戦争と平和(1956) 《ネタバレ》 
“War And Peace”邦題まま。 208分の長編のため、DVDに焼く(話すと長くなる)とき、2つに分割したんだけど、インターミッションが無い。適当なところで割ることにしたけど、暗転場面も無く、場面代わりの音楽が続いて掛かってるので、1:53くらい(ナポレオンがツァーリの信書を読んでモスクワ侵攻を決めたトコ)でブツ切りしたわ。  ロシア貴族の国内話とナポレオンのロシア遠征の戦争話が展開される。なので原作未読でタイトルの『戦争と平和』の意味がわからない私は、戦争(ナポレオン)編と平和(ナターシャ)編とし、両方の主人公をピエールと考えて観てみた。 ナポレオンの歴史ものって観たこと無いから、すごい数の軍隊がぶつかり合う戦争が多く、勉強になるなぁと思いながら、そちらはそれなりに楽しめた。  一方で平和編は、どうしても華のあるオードリー(ナターシャ)の活躍を期待してしまうけど、彼女が会う男会う男に色目使ってるビッチのように思えて、どうも素直に応援できない。どこか影のあるアンドレイに求婚された直後、グイグイ来るアナトーリにあっさり鞍替えするところ。ピエールに阻まれて以降アンドレイ(というかボルコンスキィ家)に再接近を試みるとか、このあたりの流れって、迷作パールハーバーを思い出してしまった。あっちはダメでコッチは良いんかい?なんか…どーなんだろーねぇそういうの。 最後は終始安パイで、今後も裏切りそうにないピエールに落ち着くって、あんたそりゃあまりにリアルでしょ。 長編小説に流れる体感時間と、いくら超大作とはいえほんの208分で終わる映画の体感時間とでは、受け取る側の印象も変わるのかもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-01-15 22:40:29)
4.  セッション 《ネタバレ》 
-Whiplash-“鞭打ち”というジャズの曲名であり、ドラマーの持病とも言えるむち打ち症であり、文字通り鞭で打つことでもある。 すっごくストレスを感じる映画です。フレッチャーの中にしか正解が無く(…いやそもそも正解なんて無いと思う)、どうすれば認められ、どうすると怒られるのか解らない練習風景は、逃げ場のない拷問にしか思えない。あのやり方で、本当に優秀なプレイヤーが生まれるのか疑問。  認められて自信を付けて、勇気出して好きな子に告白して、付き合って、一方的な思い込みで振るアンドリュー。なんて人付き合いの下手な奴なんだ。 人を罵倒し、自分の才能が認められることだけに前向きな主人公に、才能があればキャリア関係なく入れ替えて、とことんシゴイて競わせる指導者。 こんな自分のことしか考えてない人たちの映画にどうしてセッション(演奏者の集まる様子)て邦題を付けたのか。  のんびりと生きて来た私には、自分をとことん追い込むアンドリューにも、他人をとことん追い込むフレッチャーにも全く共感が出来ず、ただただストレスを感じ続ける鑑賞時間だった。大事なコンペのために負荷を掛けられて、自分にも負荷を掛けて、偶然の不幸に足を引っ張られ、それが悪い方に破裂して…何ともスッキリしない、モヤモヤする結末。あんなに頑張ったのになぁ…  そこから後日談的な和やかな再会シーン。ここからが本番と言わんばかりの詰め込まれた展開は予想外で、ホッとしたのも束の間、ゾッとして、観てるのが辛くなって、ソレぶち壊してしまえ!って気になって、興奮して共鳴した。スゴいラストを用意したものだ。 この最後だけまた観たい。けど、絶対最初から観て、ストレス溜めたほうが、絶対最後盛り上がるんだよコレ。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-05-19 22:16:53)(良:1票)
5.  戦国自衛隊 《ネタバレ》 
とっととタイムスリップするスピーディさ。止まる時計、奇妙な星の位置。最新兵器にはしゃぐ戦国武将。騎馬武者と戦闘車両の混成部隊の妙は素晴らしい。ヘリのカットインのしかた、飛び去りかた、低空ホバリング。とにかくヘリの動かし方が格好良いのだ。パイロットの技量だろうか、あんな鈍臭そうな輸送ヘリが格好良く観える。ただ今回久しぶりに観たけど、こんな幼稚な内容だったっけ? タイムスリップという題材は、沢山の“-if-もしも?”を書ける優れた題材であり、観るものの期待する(or期待を裏切る)妙を楽しめる好材料。戦国時代に自衛隊が行くなんて、ワクワクする美味しいネタだ。未来に与える影響、活かされる歴史の知識、思ってたのと違う新事実。そんなのを一切排除して“現代兵器で襲い来る戦国武士と戦う”だけだったなんて、やってる内容はアクション・ゲームと変わらない。  『他の時代だから何をしても良い』と、暴走した仲間を殺し、村人を殺害し女を誘拐・強姦する矢野一派。当時の自衛隊ってこんなにも脆い組織に思われていたんだろうか?厳しい訓練をして、肉体も精神も鍛えられているだろうに。 『戦って天下を取れば昭和に戻れる』なんて、思いつきにしても適当過ぎる理論に命を賭ける自衛隊員達。まさか何の作戦も立てずに、長尾軍と共闘もせず、突撃・乱戦するなんて、まるで武器を持ったアルバイト自衛官だ。 武田信玄との一騎打ちも、まさかの拳銃を使うなんて拍子抜け。あんなに大損害を受けても、大将首を獲ったら戦闘に勝利できるなら、ヘリから敵本陣に飛んで掃射するとか、三村に狙撃させるとか、一般人の私でも思いつく。  天下を取りたい伊庭三尉に対し「あの平和な時代が大好きです」と本音を言う部下たち。ここに自衛隊に対する製作者の考えが見える気がする。何だかんだ戦争をしたい伊庭みたいなのが上官に居て、矢野のような乱暴な思考の者がリーダーシップを取る組織・自衛隊。そんな組織でマトモな意見が通りますか?「補給基地に戻りましょう」なんてマトモな意見も、上官の力で握りつぶされます。タガが外れたら人殺しの集まり。結局は軍隊なんですよアイツ等。…って言いたいのかな?と。  フンドシと海。三点倒立して戯れるオッサン二人。ヘリに吊るされてクルクル回ってる伊庭三尉(もっと格好良い画になると思ったんだろうけど、あんなんなって。お金掛けて撮っちゃったし、仕方なく使ったんだろうな)。小野みゆきの眼力。やたらと横文字の多い挿入歌(アメグラ?どこがどう??)。 タイムスリップ考証、自衛隊の理念をしっかり描いたって、こんなパワフルな映画は出来なかっただろう。きっとつまらなくなるのは想像できる。色々詰め込んだ結果が評価の低い戦国自衛隊1549(未見)かもしれない。 目くじら立てず、深く考えず。…何だこの映画?って、笑って観るのが丁度いいのかもしれない。
[地上波(邦画)] 4点(2022-03-20 13:36:53)
6.  ゼイリブ 《ネタバレ》 
~They Live (We Sleep)~彼らは生きている(そして我々は眠っている)。彼らは住み着いている。とか。 まるで星新一のショートショートをそのまま一本の映画にしたような、面白いアイデアとインパクトがある映画。 気が付かないうちに自分の意識を変えられている可能性。刷り込み、インプリンティング。ほんのちょっと、脳に刺激を与えて相手の感情をコントロールするなんて、今の技術でも充分にできそうだ。背乗り、なりすまし、スプーフィング。隣の人は本当に身分証通りの人だろうか?場合によっては自分自身が被害や変化に気が付かずに、普通に生活を続けているかもしれない。だから、恐い。  テレビ(最近はネットだけど)を見て、欲しい物を買って、消費する。カリブ海の水着のポスターのメッセージが“結婚し出産せよ”ってのが解りやすかった。リゾートで遊び呆けることと、結婚と子育てで身を固めることは、相反するようでいて辿り着く先は一緒。ホントは洗脳されてるんだけど、自分で選んだ気にさせて、宇宙人に隷属する立場の労働力を作れ。と。  サングラスをしたナダは、躊躇なく警官(彼ら)を撃ち殺し、たまたま入った銀行でこれまた手当たり次第殺していく。精神に異常をきたしたヤバい奴による無差別殺人事件や通り魔事件。サングラスをしていない一般人には、殺人鬼ナダが、殺す場合と見逃す場合の境目が分からない。分別基準も連続殺人犯の中だけのルールみたいで、あの場に居たら恐かっただろうな。  「サングラスをしろ!」「イヤだ!」から始まる6分にも及ぶ路上プロレス。ナダ役がプロレスラーだって後から知ったけど、初めてテレビで観た時は、あの路上プロレスの長さに驚いたわ。そしてナダとフランクの最後の呆気なさにも驚いた。このプロレスとエンディングの微妙なバランス。そこもまぁ、この映画の魅力かもしれない。
[地上波(吹替)] 6点(2021-10-14 23:52:41)
7.  千と千尋の神隠し 《ネタバレ》 
大好きで何度も観てしまう映画。 公開当時は月に何度か映画館に通っていて、その際に千と千尋のCM(オープニングから両親が豚になるまでの冒頭映像)を観て、『宮崎監督、今度はオカルト映画を作ったのかな?』と、その世界観と、今までとは違う“美少女じゃない”主人公に引き込まれた。この時点でもうこの映画が好きになってた。 過去の経験から宮崎映画は子供連れが多い。今回レイトショーを選んで正解だった、静かに鑑賞できた。  日常の風景から早々に知らない世界に放り投げられる感。ナウシカもラピュタもそうだけど、架空の世界を作らせたら宮崎監督の右に出る者がいないと思う。 日本が舞台なだけに、初めて見るけどどこか懐かしい飲食店街。現実にありそうでない油屋の建物。山形の銀山温泉、群馬の四万温泉、愛媛の道後温泉、台湾の九份…ズバリここです!って場所がないぶん、却ってあっちこっち温泉地や繁華街から、良い意味での既視感が感じられ、日本の文化って、良いなぁって再認識させてくれた。※油屋の湯は沸かしの薬湯っぽいから、温泉じゃないと思うけど、ちょうどこの頃温泉ブームだったね。 八百万の神ってのも良い。見た目が怖かったりするけど、大根やひよこが神様っていう日本古来の神に対する考え方は、最強だったり奇跡を起こしたりの海外の神様と全く違って、発想がほのぼのしてて、穏やかだなぁ。たぶん私の根っこの部分がすごく共感したんだな。  「ここで働かせてください!」「私のことはハク様と呼べ」「おめぇ良くやったなぁ!」建前と本音、上司という存在、職場の友人…遊ぶための小遣い稼ぎのバイトではなく、生きていくために働くこと。私自身が社会に出て間もない頃だってのもあって、温々した学生生活から、突然社会に自分を合わせなければいけなくなった千尋の気持ちがよく伝わった。 初日震えながら知らない部屋の布団に入る千。後日その部屋で肉まん?を食べる千。自分の家じゃないけどホッと出来る部屋になってるのが良かった。そう、休憩室とか食堂とか、会社でホッと出来る居場所って大事なんだよ。 千の気持ちになって物語を楽しんだけど、失敗しながらも自分の力で努力する千と、何も積み重ねてないカオナシ。こういう中身のない大人いるよな…一歩間違えると私もカオナシだ。それと同時に自分の居るべき場所って大事だなって思った。カオナシはひとまず銭婆のもとに行けてよかった。 最後に湯婆婆を「お婆ちゃん」と呼ぶ千尋。退職した怖い上司が、ただのお爺ちゃんになっていたのを思い出した。社会の仕組みはどこも似たようなものでも、会社の関係は所属中だけのもの。あんな怖い湯婆婆も、外から見ればただのお婆ちゃんなんだな。  なんかすっごく話が反れてしまってるけど、仕事で辛い時、ここで頑張ってる意味を再確認したい時とかに観たくなる映画。 で、観た後は温泉行きたくなるんだよなぁ。
[映画館(邦画)] 10点(2021-08-09 22:23:50)(良:1票)
8.  セーラー服と機関銃 《ネタバレ》 
決して完成度の高い映画ではないんだけど、不思議な魅力がある。 ただそれは、この時代、この映画に少しでも触れた人でないと、魅力的に感じないものかもしれない。 薬師丸ひろ子。映画界から生まれたトップアイドル。何でか知らないがブリッジで登場する。 …当時はトップアイドルでも、今の容姿端麗なアイドルたちを見ると、なんかこう、子供っぽいと言うか、やっぱり時代を感じてしまう。 効果的だったり無駄だと思えたりするワンカットカメラ。暴走族のバイクを借りて走り出す流れとか、最後の方の屋上で豆粒みたいな二人が塔婆なんかを焼くシーンは印象的だった。  原作未読だが、映画を見る限りマユミの存在が後半、投げやりというか、適当になった感がある。 泉の父とマユミの愛人関係。佐久間とマユミ。太っちょとマユミの親子の関係。こんなに多くの絡みがあるが、効果があったようにも思えず… ただ、親子のネタバラシが出た頃には、映画自体の方向性がおかしくなっていたので、仕方ないのかもしれないけど。 あの宗教団体とか秘密基地とか、変な拷問とか、着替えてリゾートブランチとか、実は歩けましたとか、太っちょのくだりが色々ブチ壊している。 良く言えばこの映画の不思議な魅力かもしれないが、必要性はあったのかなぁ?あの辺、丸々バッサリ…  浜口物産で、超有名な『カ・イ・カ・ン』からは、高品質なバイオレンス映画として見応えがある。 というか太っちょの秘密基地を考えると、奇跡的とも言える出来栄え。 『カ・イ・カ・ン』のとき、破片が頬に当たって実際に出血したのは有名だと思うけど、そこから政が撃たれてからの展開。 頭を撃ち抜かれる萩原の生々しさ。アイドル映画なのに。 政を抱く佐久間と泉。威嚇射撃をする泉。この時の2丁拳銃の構え方、威嚇の仕方がリアルで格好いい。 素人らしくピョコピョコしながらも、腰が引けつつも後方に視線と銃口を向ける。アイドルとは思えないほどの名演技。  エンディング。時代を感じるナレーションと、意味不明な路上ゲリラ撮影。変な画だけど、テーマソングの癒し効果が相殺してくれる。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-04-24 22:09:17)
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