Menu
 > レビュワー
 > onomichi さんの口コミ一覧
onomichiさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 404
性別 男性
ホームページ http://onomichi.exblog.jp/
年齢 55歳
自己紹介 作品を観ることは個人的な体験ですが、それをレビューし、文章にすることには普遍さを求めようと思っています。但し、作品を悪し様にすることはしません。作品に対しては、その恣意性の中から多様性を汲み取るようにし、常に中立であり、素直でありたいと思っています。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間
全体的に構成も演奏もダラーっとしていて、通して観るのは確かにちょっと辛い。それでも、僕としては、ジャニスとザ・フーとサンタナの登場がまだ救いだった。ジミヘンの演奏はいまいち盛り上がりに欠けていたような気がする。ジャニスのライブは、ナイターの雰囲気と相まって、とても儚く、そして迫力があった。僕が持っているDVDにはジャニスが1曲しか収録されていないので、かなり寂しい。フーは、ピートのノリノリぶりやキースの蛸足ドラムがなかなかの見応え。サンタナもそれなりにいいし、テンイヤーズアフターもわりとカッコよかった。でも思い出してみるに、他に観るべき演奏がそんなにあったかな?大体、演奏を映そうという意図もあまり感じられないのだ。まぁそれはそれとして、この「ウッドストック」というイベントは、60年代後半のロックムーブメント最後の灯火として捉えられるのが一般的だ。確かに40万人を集めた野外イベントとしては歴史に残るものであるが、そこにはもう既に時代の終わりの雰囲気が漂っているように思える。ある種の喪失に対する微温な連帯という感情が確かに見られるのだ。実際、このウッドストックという大イベントが大したハプニングもなく金銭的にも成功したと捉えられたことにより、ロックは産業社会に取り込まれ、商業化の道を辿ることになる。実際には3日間で3人の死者が出て、5000人が病気になり、2人が出産したという事件もあったが、それは些細な日常の出来事としてイベントの影に隠れてしまったのである。あれから35年たった今、時代は幾多の断崖を通して、閉塞しつつあるように思える。「喪失に対する微温な連帯」とでも言うべき感情すら、今の時代感覚の中では喪失しようとしている。実はまだアメリカはこれまで保守的だった人間が力を持ったというだけで、戦争に対する反対の声は日本に比して圧倒的に大きい。当事者であるが故の足掻きがそこには確固として存在しているのだ。それに対して日本はどうか。実は喪失感に対する喪失の無意識的な蔓延の罠に最も捕えられているのは僕たち日本人である。だから、今、僕たちは進むべき道を見出すきっかけすら掴めてないのだ。もちろん平然と反アメリカを唱えられるほどの足場もない。話は横道に逸れたけど、まぁとにかく、「ウッドストック」はロックムーブの最後の灯火であるとともに、新しい喪失の始まりだったということなのだ。
6点(2004-04-10 11:00:17)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS