1. 運命じゃない人
《ネタバレ》 「アフタースクール」がよかったので、いつか見たいと思っていていたのだけれど、やっと見られた。予備知識ゼロ。冒頭の失恋した者どうしのちょっとダルい出会いエピソードから、探偵視点の第2幕に入って途端に転がり始める展開は本当にお見事。まさか、あのオープニングで最後に現代ヤクザの悲哀の物語になるとは思ってもみなかった。この方の映画の凄いなあと思うのは、これみよがしではない絶妙な伏線の張りめぐらせ方。たとえば、宮田くんのガッツポーズ脇を通り過ぎるクラウン。意識するほど見たわけじゃないけど、どこか意識下に残ってて、それで後半のヤグザ視点になった瞬間に急に意識上に現れて、あーっそうだったってなる。別に前半を1シーンも見逃さないぞという意気込みで見る必要は全くない。フツーに物語を楽しんでいても、意識しないうちにどこかで引っかかってる程度の絶妙さ。そんなシーンが2幕から3幕にかけて続けて登場するのが気持ちいい。登場人物に感情移入したり、エモーショナルに盛り上がるタイプの映画ではなく、キャストが弱い分脚本の技巧的な部分ばかりが目立ってしまうのが少し気になるけど(その点では「アフタースクール」のほうが好きかな)、限られた予算とキャストでこれだけやれたら十分。楽しませていただきました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-12-26 10:44:06)(良:1票) |
2. ウルヴァリン:X-MEN ZERO
《ネタバレ》 短い時間であらかじめ用意されている第1作目の設定までつなげなくてはならない、というのは難しいとは思うけど、あれこれ拙速になってしまったのが残念。ストライカーのやってることは全く理に適っていないが、彼の狂気のおかげで、いろんな設定のつじつまがあったっていうのも何だかなあ。でも、そういう狂気も、彼のこれまでがあってのことなのだろうが・・・。というわけで、次作は『ストライカー』って感じで、マッチポンプ化してくんじゃないかと余計な心配をしてしまった。あと、サイクロプスの残念な感じは昔からだったというのがわかって苦笑。 [地上波(吹替)] 5点(2012-02-20 06:40:24)(良:1票) |
3. 宇宙戦争(2005)
《ネタバレ》 結局、冒頭のシーンが最大の伏線で、本編は家族ドラマ+ホラー映画で、最後にまた伏線から種明かしという、ちょっと変な構成の映画でした。どうも「奴ら」が、大がかりに仕掛けをしたわりには、地球で何をしたかったのかよくわからない。また、肝心の家族ドラマがどうにも中途半端ですし、スピルバーグ印のご都合主義的展開も満載でした。ただ、車を奪われるシーンと、いろんな工夫が見れるトライポッド出現シーンは、人間に対する恐怖と未知のものへの恐怖の両方を見せてくれてなかなかよかったと思います(『激突!』や『ジョーズ』を思いだしました)。要するに、いつものスピルバーグでしたが、自分としては、そんなスピルバーグ印も案外嫌いではないようです。 [地上波(吹替)] 5点(2009-04-16 00:45:52) |
4. ヴィレッジ(2004)
《ネタバレ》 『サイン』のときも思ったけど、シャマランの最近の映画は、SFテレビドラマ級に陳腐な舞台設定のもとで、格調高く「人間」を描こうとしてる。『サイン』は、その二面性(「信仰」というテーマと宇宙人侵略という設定)が分裂して「なんじゃこりゃ」状態だったけど、この『ヴィレッジ』では、その融合がうまくいったんじゃないかな。あの村を作った人々の思いと、そこで育った子どもの悲劇は、ドラマとしても十分説得力があった。ただ、怪物の造形は相変わらずB級。というか、あの着ぐるみを年長者たちがせっせと作ってる様子は想像するとちょっと笑える。それから、ホアキン・フェニックスが主役の映画だと思ってたので、途中で刺されて倒れちゃったのに驚いた。 [DVD(字幕)] 6点(2005-06-27 02:41:44) |
5. ウォーターボーイズ
さわやかで面白かった。テレビで見たけど、小ネタの多さなんかを含めても、2時間ドラマにちょうどいいかも。演技や演出はまだまだな感じだったから、映画館で見たらどうだったかなあ? まあ、演技力に難ありな感じも初々しくていいのかもしれないけど。しかし、火事にならなかったら、(女子校も同じ日に学園祭だから)ほとんど男子生徒ばかりの会場で、パフィーダンスをやるつもりだったのだろうか・・・。 7点(2004-09-26 22:26:19) |