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1.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
“War of the Worlds”『世界(同士)の戦争』。地球世界VS火星世界の戦争。みたいな意味のようです。火星人が地球に攻めてくる古典SFをベースとした、1953年の同名映画のリメイク作品ってポジションです。 久しぶりのスピルバーグ版宇宙人映画だけど戦争描写は息が詰まるほどリアルで迫力があるので、この大昔のシナリオがどのように現代ナイズされるのか、結構ワクワクしていました。でも当時、なんかイマイチ不完全燃焼だったって評価が多かった気がする。  日常世界に現れたトライポッドの恐怖と迫力は見事でした。恐怖の中、どこからともなく人々が集まり、アテにならない噂話を広めていく様子は、突然災害に巻き込まれた不安感の表現としてリアルで見事。一方で炎の中からメラメラと迫りくるトライポッドの巨体表現はSF映画の真骨頂。流石スピルバーグです。 灰になって弾け飛ぶ人。川を流れる大量の死体。住宅街に墜落しているジャンボジェット機。炎を吹いて走っていく電車。火だるまで引き返してくる軍用車両。単純な爆発で終わりでなく、奴らに何をされてこうなってるのか?って考え込んでしまう被害状況がスピルバーグらしい。 高速を激走するフェリエ一家の車をグルグル取り巻くカメラワーク。日本のアニメのように、ダコタの見開いた大っきい目から引いていくカメラなんか、結構印象に残るけど、一番は窓に張り付くピーナッツバターパン。  本作初見以降に'53年版も観てる。内容ほぼ忘れてるけど。確か大筋はほぼ変わりないんだけど、リメイクで家族の物語を入れてきたのが大きな変化だったかな。主人公たちは一般的なアメリカ市民になってる。だけど何だろう、なんかスッキリしない。 現代ナイズされた映像に対し、ストーリーが古いままだからだろうか?あれだけ高度な宇宙人(火星人とは言われてないんだよな)が、'53年版同様、細菌でアッサリ全滅するからだろうか?  ①期待した展開にならない。ダメ親父のレイは最初巨大なクレーンを操縦している。これ観て真っ先に『レイがこんな巨大クレーンを操作して、トライポッド倒すんじゃないかな?』なんて思ったけど、全然そんな風にはならず。 ②宇宙人の攻撃に一貫性がない。見境なしに灰にしたかと思えば、丁寧に捕獲して血吸ったり、トライポッドの中に飲み込んだり。じゃあ川を流れてた着衣無傷の大量の死体は何だったの? ③動かないハズの車。奪い合いになるほど貴重な動く車なのに、フェリーには大量に動きそうな車が積んである謎。ってかそもそもフェリーはどうして動けるんだ?軍のジープやヘリも普通に動いてる。戦闘機も飛んでる。コイル交換したからか?でも墜落したジャンボジェットはそもそもどうやって飛んでたんだ? ④無敵のトライポッド手榴弾で大爆発。主人公らしい大活躍!なのに、特に持ち上げることなく淡々と流された感じ。その後勝手に倒れてたり軍の反撃で倒されるトライポッド。いまいち盛り上がらない気が… ⑤冗長な小屋の話。'53年のやつにも同じようなのがあったと思うけど、小屋の一件が無駄に長い。CG技術でスケールの大きな話に生まれ変わったのに、急にレトロなホラー映画みたいになってしまう。リメイクで再現する必要があったのか謎。 ⑥家族揃って無事再会すればハッピーエンド?先に帰ってるロビー。どこでレイを追い抜いたんだ?でも服がボロボロだから戻ってきたばっかりなのかな…あんま興味湧かないけど。家族の物語にしたのに、子供たちは奥さん引き取るし、再婚相手が無事で居るから、子供たちとの絆が深まったところで、この先どう持っていくのか?ってところで終わった。 宇宙戦争の現代版リメイクと言うなら、細菌をコンピューターウイルスに作り替えた、インデペンデンス・デイの方がよっぽど弾けてたかな。
[DVD(字幕)] 4点(2023-10-01 23:09:51)
2.  海と毒薬 《ネタバレ》 
先日の終戦記念日。春に某動画配信サービスが終了して、気がつけば未レビューの太平洋戦争映画ストックが無くなっていました。 そこでこの映画の出番となったんですが、太平洋戦争の映画というより、医学界の縮図、日本の社会構造、自分で考えて行動をしない集団心理に焦点が置かれていましたね。 オープニングから古い映画かと思ったけど'86年制作。あぁ、世代的に当時観た顔がいっぱい出てくる。そしてモノクロにした意味はすぐに理解できた。これ、カラーだと多分最後まで観てられない。 戦時中の日本の公的な組織、西部軍と九州帝国大学が、人道的に超えてはいけない一線を越えた実際の事件。私がこの事件を知ったのはここ10数年くらいのことで、戦中に日本軍が行ったと言われる蛮行(南京大虐殺とか)が、ホントかウソか疑問を持った頃だったように思う。で、この事件はホント。  田部夫人のように、出世のために治す目的の患者と、おばはんのように実験のために入院している、治る見込みのない患者。両者に目に見えない線引がされている、病院の裏側を観せられる。 ヒルダが上田看護婦に言った「死ぬことが決まっていても、殺す権利は誰にもない」という考え方。この考え方があまりに欠如しているのが恐ろしい。 上のヒルダの言葉はドイツ語。そのあと日本語で「神様が怖くないのですか?あなたは神様の罰を信じないのですか?」と。上田は休職させられるが、彼女が実験に参加したのはヒルダへの当てつけ。安楽死を命令した浅井にではなく、止めたヒルダに向けられる歪み具合。上司の命令より神の教えが鬱陶しいと思える社会。当時も今も変わらない日本人って気がする。 勝呂にせよ戸田にせよ、捕虜の解剖に対し罪悪感が麻痺していたのは戦争のせいだろうか?大学病院という社会の構図がそうさせていたのか?この映画を観る限り、戦争は環境要素のひとつに過ぎないんだろう。田部夫人の死の隠蔽などは、平時でも行われていたんだろう。  本作のような、大ヒットはしないだろうけど、真面目な題材の見応えのある映画を、もっと創ってほしいと思ってしまう。 ただ100%真面目に作られた社会派映画…ってわけじゃないと思える理由の一つが岡田眞澄の日系アメリカ人通訳。…まぁでも、ファンファン大佐はこの映画の後に産まれてるしなぁ。じゃなくて、この題材で、相当作り込まれた手術シーン。 この映画が制作された当時は、かなり残酷描写が過激になった時代で、ギニーピッグとか悪趣味なグロい映像も創られてた。今の目で観ると必要以上に直接描写されている手術シーンも、この時代の作品と考えると納得できる。  捕虜から切り取ったレーヴル。この話はホントかどうか。でもこの時代(大戦中)だからやってそうだし、この時代('80年代)だから、この場面入れたんだろう。 先日、道東で恐れられた忍者熊“OSO18”が駆除されたニュースをやってて、その肉がジビエ素材として人気急増したそう。その肉食べたい!って感覚が、解る人には解るのかなぁ?
[インターネット(邦画)] 6点(2023-08-19 15:33:38)
3.  ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 《ネタバレ》 
“Darkest Hour”『最も暗い時間』。つまりあの時が最悪の時であり、ここから徐々に明るくなっていくって意味でしょう。しかしなんて邦題だ。日本人は近代史に疎いとはいえ、歴史上チャーチルがどんな立場の人物だったかくらい、自分で調べさせても良いものを。起承転結の“結”がサブタイ。しかも劇中描かれていない部分。続編が出来たらどうするんだろ?  ドイツの快進撃。電撃作戦で次々突破される各国防衛戦。役に立たなかったマジノ線。ダンケルクの友軍を救うための決断、カレー守備隊への命令があまりに血も涙もなく絶望的。ダンケルクの戦いのあと、バトル・オブ・ブリテン辺りが、一番『ダーケスト』な瞬間に思えたけど、本作で描かれたチャーチルの選択。和平交渉を捨てて徹底抗戦する選択が、その後の連合軍の反撃の第一歩となっている。でもホント第一歩。序章も序章。 余談だけどガンダムでもターニングポイントとなった演説(ジオンに兵なし)があって、元ネタはこのチャーチルの演説なのかな?なんて思ったりしました。 戦場をほぼ描くことなく、戦争の悲惨な状況、国家の危機を首相の目の届く範囲で描く映画として、どうしても『ヒトラー 最期の12日間』を意識してしまう。どうしてあまり必要性のないタイピストのミス・レイトンを主要人物にしたんだろう?若い一般人を出すことによって、堅苦しく年寄りくさい政治・歴史の映画も、人間味と柔らかさが出てきますね。でもそれ以上の役割を持たせても良かったかもしれません。  さてノーヒントで劇中のチャーチルを観て、ゲイリー・オールドマンだって、何人が気がつくだろうか?CGとは違うメイキャップ技術の進歩。デ・ニーロやクリスチャン・ベールのような肉体改造とは別なベクトルの俳優の演技力。ある意味これはこれで、映画俳優の到達点かもしれないですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-20 19:14:49)
4.  麗しのサブリナ 《ネタバレ》 
- Sabrina - 主人公の名前。 “麗しの”が付くことで、オードリー・ヘップバーン主演の名作感が増してる気がする。 クソ真面目なライナスと遊び人のデビッド。世間知らずのサブリナがキラキラしたデビッドに憧れを抱くのは仕方ないとして、花の都パリで洗練されて以降も、遊び人のデビッドに惹かれ続けるのは、ヒロインとしてどうなんだろう?  デビッドも以前のサブリナは眼中になかったのに、帰ってきた途端にアプローチしまくる。この落ち着かない男のどこに魅力を感じたんだろう?と目を覚ましてこそヒロインに思う。で、目を覚まして(?)気になった男がクソ真面目なライナス。設定年齢は知らないけど、ボギーはお父さん役のジョン・ウィリアムズより年上。この不自然な年齢差に、昼下りの情事に感じた痛ましさと同様のものを感じてしまった。  ローマのアン王女はジョー以外の庶民を知らない。ティファニーのホリーは結婚の意味を知らずに結婚をした。自由に恋愛が出来るサブリナなのに、ララビー兄弟としか恋愛しちゃいけないマイ・ルールでもあったんだろうか?好き好んでデビッドを追いかけ、流れでライナスともデートするサブリナの謎行動。 ただ最後のデビッドが魅せてくれるんだよなぁ、兄想いな一面を見せるトコ、走り出すライナス(ここ、クソ真面目な年配男が走るから、画になるんだよ)。船のデッキで帽子だけ渡されるセンスも良い。ゴチャゴチャ書いたけど、素敵な話といえば素敵なんだよ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-10-21 22:57:16)
5.  薄化粧 《ネタバレ》 
むかーし、日曜洋画劇場か何かで、ぼんやりと観てた記憶があった。うん、当時苦手だった“濡れ場”満載の、お茶の間の空気を一変に凍てつかせる、正しくあの時代の邦画らしい邦画(と私が勝手に思っている)。 実話ベースだそうだけど、実際の事件の顛末を見付けることが出来ず比較は出来ないけれど、犯罪映画だけにその現場と経緯、そして逃走劇が描かれているけれど、それらと同じかそれ以上に繰り広げられる“濡れ場”。 まぁ脱ぐわ脱ぐわで、メインの女優さんは菅井きんさん意外みんなセクシーなシーンが、あるよ。 あと柳沢慎吾のお尻も、出るよ。  今回再視聴まで忘れていたけど、松本伊代が出てたのね、あの太もも撫で回すシーン観て「あ、この映画か!」って思い出したわ。当時は『現役のアイドルだけに、観せてもコレくらいだよな』なんて思ったっけ。 でも今回観てみて、お祭りの日に坂根に言い寄られるシーンなんて、この時代のアイドルにしちゃメッチャいい演技してるんだわ。しっかり迫力出てるの。初出演映画でコレだけ出来るなら、磨けば光ったろうに。映画女優の道には進まなかったみたい。残念だなぁ…  “濡れ場”はコレでもか!ってくらい出てくるけど、坂根の人物像がイマイチ掴みきれなかった。突発的に殺したふくみを家の軒下に埋めっぱなしにした理由。仏壇と名前を書いた石を持ち歩いた理由。化粧にハマった理由(単に変装目的でもないだろうに)。 単に大金を掴んだ男が、ウェ~イってなって遊び倒して殺しちゃって、時代もあって庶民感覚鈍ったまま日雇いとして逃げ回って、たまたまイイ女に出会った。捕まった。みたいな。“濡れ場”が無ければスカスカな映画なんじゃないか? 時系列をバラバラにしているのも効果があるとは思えず。むしろ経緯を分かり難くしてしまってるように思えた。
[地上波(邦画)] 5点(2022-10-19 20:24:05)
6.  ウォーターワールド 《ネタバレ》 
アンタッチャブルからJFKまで、ケビン・コスナーって凄い人でした。出る映画みんなヒットして大人気。ハンサムで格好いいだけでなく愛嬌も感じられて、ほんと当時の大スターでしたね。一方で本人でさえスターとしての完璧さを自覚しているのか、どこか“俺はケビン・コスナーだぜ≒スターの俺をナメんじゃねえぞ”感が滲み出てたと思います。  当時ハンマープライスって番組で、ハリウッドスターに掛け軸に一筆書いてもらう企画があって、例えばロバート・デ・ニーロは掛け軸に『役者バカ』って、言われるがままに書いてくれました。一方ケビンの場合、ボディガードをネタにして、掛け軸に『警備員・コスナー』って書かせようとしたら、ケビンは聞く耳持たず、自分で調べた日本語で、確か「ケビンコスナー」って名前を書いたんですね。※これ、個人的にすごく印象に残ってるエピソードだけど、画像検索するとちゃんと“けいびいん”と書かれた版の掛け軸が出てきた。…って事は、私の記憶違いだったろうか? まぁそんな事もあり、なんか他のハリウッドスターと比べ、付き合い難い人、面倒くさい人なのかなぁって印象を持ったかな。 だからって訳じゃないだろうけど、世の中は完璧なスターを演じるケビンに対し“どっかでコケれば良いのに”感が高まってた気がしたなぁ。『パーフェクトワールド』以降くらいから。そんななかで公開された大作『ウォーターワールド』で見事に大コケ。趣味丸出しの『ティンカップ』は見向きもされず、続く大作『ポストマン』でスターとして再起不能になった印象です。   さて大脱線しましたが、ケビン史上最低な映画とも言える本作、今回初見です。率直な感想は「案外面白いじゃん」でした。 お金がかかってる大掛かりなセット。火薬とガソリンの匂いが漂ってきそうなド派手な爆発と海上アクション。 OPのユニバーサル映画の地球が沈む解りやすい設定。マッドマックスの砂漠化の反対で、あたり一面海だらけになった地球。このチャレンジ精神は悪くない。 ぶっきらぼうで自分中心な主人公は、まさにマッドマックス。ケビンこういうのやりたかったんだろうなぁ。敵の飛行機に無邪気に手を振る少女の頭をポカッと殴るなんて、今だったら絶対やれない事をブチ込んできて、かえって面白かった。あの少女(エノーラ)、バス男のデビーだったのか!全然変わってないや。ディーコンもどこか憎めないキャラで、いい塩梅の悪役っぷりだったと思う。タンカーを大勢の人力で漕ぐ設定の意外性も好感。 もう少しバイオレンス色を弱めて、子供も楽しめるアクションアドベンチャーにすれば、子供人気も出たろうに。 あとミュータントの設定とか、発煙筒1本でタンカードカンとか、呆気ないディーコンの最後とか、ドライランドのあっさり見つかり具合とか、適当感も強い作品だけに、当時リアルタイムに観ていたら、多分アラ探し中心の視聴で“そらケビンの新作がコケた!言わんこっちゃない”って思ったと思う。だけどハードル下げたらそこそこ楽しめる大作映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-17 16:48:18)
7.  植村直己物語 《ネタバレ》 
植村直己。子供の頃のイメージは川口浩の本物版。彼が行方不明になったのを知った時『本当に命がけの冒険をしていたんだな』って思ったっけ。行方不明から僅か2年後に公開された本作。当時通ってた小学校で、この映画の割引券が配られたのを覚えている。当時の私は、“同じ時代を生きた人の伝記”であり“エジソンやモーツァルトに並ぶ、偉人と呼ばれる人物を題材にした映画”って捉え方だった。  公子と出会った頃から始まり、公子が植村の自伝を読むスタイルで過去の回想に。どんぐりと呼ばれる地味な存在が、無茶な外国渡航をして、世界初の五大陸の最高峰登頂するまでを振り返る。淡々とした話だけど、変にドラマチックな味付けをしていないのが、却って好感。伝記映画として、とても伝わりやすい構成だと思う。雪山では、ほんの数m先でぶら下がる仲間も助けられない、過酷な世界なこと。現場判断で選ばれたものがアタックすることに対する不満などから、植村が単独行に拘った理由も、とても解りやすく伝わったし、冒険の合間に、公子の気持ちを挟み、画的に退屈はしなかった。過去から現在へ。マッキンリーで行方不明になる時を、たぶん想像を挟まず、解っている事実だけで構成する創りも良いと思う。山頂の日の丸が物語る冒険の名残り。  公開当時植村は行方不明で、生存の可能性はゼロにせよ、ハッキリ死んだと言い切れない存在。そんな人物の自伝として、必要以上に美談にしなかったことと、公子と言い争い(というかイライラを公子にぶつける)する場面もきちんと描いたことが、お互い自分のことを半端者と考える植村直己と公子夫人の二人三脚の人生をリアルに感じさせてくれた。世界記録を持つ偉人が、人格まで優れているとは限らない。むしろ変わり者とも言える植村だから、あんなすごい記録を達成できたんだとも思える。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-09-01 20:39:05)
8.  ウォール街 《ネタバレ》 
この映画の何に驚いたって、ニューヨーカーがお洒落に寿司食べてるの。なんかカキ氷機みたいなオモチャのハンドル回して、ポトリとシャリが落ちてきて。そんなの寿司じゃねぇぜ!って言いたい反面、田舎モンのお父さん(マーティン・シーン)は寿司を怪しんで匂い嗅いでるのとか、なんか日本文化が徐々にアメリカに進出しているのが実感出来た気がして、嬉しかったっけ。ゲッコーという名前も『月光?ゴードンに日本の血が?』なんて思ったけど、それは勘違い(Gekko=ヤモリ)だったぜ!  理想だけ高いお坊ちゃんバド。奨学金を返すより先に自分のこと優先。親より年収が上回ったのに「家に食費に車に駐車場に服に…」って、まさにガキの理屈。この辺日本もアメリカも一緒なんだな。で、真面目にコツコツ働く勤勉な親にお金借りて、デリヘル呼んじゃうんだからもう…。 ゲッコーに取り入るために親の会社のインサイダー情報まで出す向こう見ずさ。証券マンとしてそんなに才能があるとは思えないバドだけに、この後のトントン拍子に説得力がないけど、きっとゲッコーの力が、見えないところで後押ししたカタチだったんだろう。 正義(?いやこの場合、家族愛か?)に目覚め、ゲッコーに対抗するバド。極秘情報を持ったほうが勝つのが投資の世界なら、勝ったのはバドというよりライバル投資家のワイルドマンだろう。  6万ドルの絵画の価値が10倍になろうと、その絵画の持つ魅力は変わらない。裁判所に向かう車内でお父さん「あぶく銭を稼ぐための売り買いではなく、物を作れ。創造するんだ」お父さんの言葉はシンプルなだけに奥が深い。しっかりシートベルトをしてるお父さんと、シートベルトしてないバドの対比が面白い。 テルダー製紙の株主総会でカットされたシーンが、日本企業の進出に対する警戒だそうな。当時の日本は物作りの超大国。アメリカが日本を怖がってるって認めるのが腹立たしいから、カットしたのかな? 日本文化が世界に浸透した今、当時ほど物を作れなくなり、当時ほどお金がなく、当時ほど経済的脅威ではなくなった日本。以前と比べてハリウッド映画の日本描写が正確になってきたと思ったら、そうかもう、アメリカは日本が怖くなくなったんだ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2022-06-06 23:17:54)
9.  ウエスト・サイド・ストーリー(2021) 《ネタバレ》 
モト作品が観る度に好きになっていく映画だったので、アカデミー作品賞候補の本作にも期待しての鑑賞。 スッキリとした映像、カメラワーク、広がりのある音響に60年の技術的な進化が伝わってくる。 再開発(破壊)されていく街並み。一箇所に集められたバスタブのあまりのリアルさから『この世界観からミュージカルって不自然にならないかな?』なんて心配してしまったけど、歌が始まってしまえば盛り上がる。  体育館の“マンボ”の迫力。左右に分かれてクッキリとするの寒色(青系)のジェッツと暖色(赤系)のシャークスの両陣営の統一感。白いドレスのマリア。コッソリ背伸びして引いたルージュと、アニータに借りた赤いベルトのワンポイント。黒いジャケットのトニーは青いストライプのネクタイ。黄色いドレスのアニータ。彼女の『赤』を使う場所が情熱的なアニータらしく、また映えるんだわ。 “トゥナイト”の美しさ。吹き替え問題が尾を引いてしまった'61年版に対し、レイチェル・ゼグラーの歌唱力は伸びやかで美しい。 日中のメインストリートで繰り広げられる“アメリカ”はよりゴージャスに。きっとどこかで聞いたことのある名曲の数々に、ミュージカル映画が初めての人も、魅了されるんじゃないでしょうか? 古いというだけで観ないのはもったいない作品なので、良いタイミングでリメイクされたと思う。   まだ公開中の映画は極力ネタバレ無しに、簡素に書くよう心掛けたいところだけど、以下はちょっとギリギリのライン。 “クインテッド”で最高潮に盛り上がり、残された少年たちの『どうしよう?俺たちこれから、どうなってしまうんだ?』って不穏な空気を“クール”で鎮める流れが脳内に染み込んでるんだけど、本作は舞台版に近づけたのかな? “アイ・フィール・プリティ”の入るところも、ここで入るのか…って感じで違ってた。この曲は'61年版ではインターミッション後の一曲目なので、重めな映画後半戦の中でも清涼剤的に楽しい一曲なんだけど、本作はインターミッションが無いから、決闘から先のドラマが割と長めに感じられた。後半の流れは'61年版のほうが勢いがあって、個人的に好きかな?
[映画館(字幕)] 7点(2022-03-20 10:17:02)
10.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
~WarGames~最後“s”がつく。ジョシュアにとって、チェスも三目並べも全面核戦争も、たくさんあるゲームの一つに過ぎない。 オープニングからいきなり始まる全面核戦争のシミュレーション。ミサイル基地の扉の分厚さが核の恐ろしさを物語る。 デビッド、Fの子をAにするのはマズいだろう。まだコンピューターが普及してない時代だから、先生たちも成績を手書きで控えてる可能性大だぞ。 でもこんな当時から、マイコンオタクの仲間がデブとガリなのが面白い。あと“ユーザーアカウント”って言葉、こんな昔からあったんだ。 核司令基地の見学ツアー。本当にありそうな“そのボタンじゃない!”ジョーク。突然の核攻撃の緊張感と、あくまでゲームなデビッドの対比が面白くて怖い。 一般の人には馴染みのない地味なマイコン画面を垂れ流すのでなく、ブラウン管モニターには操作するデビッドが映り込む。これ特撮だと思うけど、どうだろう?画面上で起きていることと、デビッドの感情も伝わる上手な演出。 あとジョシュアの声。デビッドの部屋のスピーカーからしか聞えないハズだけど、基地でも同じ声で話す。これも、見る人にわかり易くする上手な演出。 三目並べから核戦争に勝敗が着かないことを学ぶジョシュア。モニターに映される核戦争の映像が無機質で怖い。あぁ日本にも落ちてきた。 「奇妙なゲームです。唯一の勝つ手段が、ゲームをしないことです。もっと面白いゲーム、チェスをやりませんか?」 これが今の時代だったら、遥かに進化したコンピュータが人間に余計な気を使って、適度に盛り上がる演出を加えて、核戦争を始めるかもしれない。
[地上波(吹替)] 7点(2021-05-27 16:28:53)
11.  海街diary 《ネタバレ》 
原作未読。4姉妹もの。 みんなタイプの違う美人で、あまり顔が似てないから、実はみんな異母姉妹とか裏設定があるのかと思ったけど、そういうのは無いみたい。 3人座るとき、長女・幸は正座。次女・佳乃は女の子座り。三女・千佳はあぐらときた。 絶対末っ子すずも座り方変えてくるなと思ったら、食卓を囲むときは正座だけど、普段は体育座りしてるようだ。 千佳は(夏帆自身がそうだけど)左利き。きっとズボラな母親は利き手を直す気がなかったんだろう。 電話が来たとき、幸は佳乃に出ろと。佳乃は千佳に出ろと。で、すずには振らず自分で出る。細かいけど末っ子と一人っ子の差が描けてるかなと思った。 家では一番しっかりしてそうな幸が、不倫という一番世間に顔向けできない事をしてるのがリアルだし、普段はだらしない佳乃が、上司と外回りで食堂に行った際、私情を出さずにきちんと敬語で話す姿もリアル。 札幌に住む母親(大竹しのぶ)の三姉妹のお土産が、包み紙から札幌三越デパートかな。 すずには、六花亭セットとマルセイ・バターサンド。北海道のものだけど、案外どこでも手に入るので、急遽空港で用意したと思われる。 そんなに高いものじゃないし、そもそもすずのために買ったのかも怪しい。三姉妹と値段の差を埋めるために2つにしたのかな?とか、そんなところもリアル。 あと広瀬すずは本当にサッカーが上手いんだな。素人の動きじゃない。 イベントと言えば葬式と法事ばっかりの映画だけど、極端に暗くならず、大喧嘩とか大事件も起こらず、案外ずっと見ていられる映画だった。  ~Our Little Sister~という洋題?サブタイ?が付けられている。若草物語(Little Women)を連想させつつ、意味は“私たちの末っ子”。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-05-21 15:01:34)
12.  裏窓(1954) 《ネタバレ》 
~Rear Window~文字通り裏窓になるが、一般には使わない言葉だと思う。車用語しか出てこない。映画のために造られた言葉かもしれない。 数あるヒッチコック映画の中で、中学生当時観た中で一番好きだった作品。 自分とは直接関係を持たない人にも、それぞれ生活やドラマがあり、勝手に生きている。そんな当たり前の事実を切り取って(のぞき)見る事が出来る作品。 透明なゼリーでアリを飼う“アリの巣監察キット”や、街を作って発展を見るゲーム“シムシティ”を映画でやったやつ。 ジェフリーズのアパートと向かいのアパートの距離を考えると、随分とみんなオープンな生活をしている。当時は今ほど、そんなに隠すものもなかったろうし、ストーカーなんて言葉は無かったおおらかな時代。新婚カップルがいつもカーテンを閉めていて、逆にソッチの方が怪しい雰囲気。今ではそれが普通。 そんな裏窓観察の中、突然現れなくなる登場人物を、一方的な決めつけと妄想で殺人事件として観察する話。そもそも殺人か、単なる不在なのかがメインのため、ほぼジェフリーズの推理通りの殺人事件で、更なるドンデン返しなど無い。 殺人事件は重要だけど、裏窓から見える住人の日常だけでも充分に面白い映画になりそうだ。もっとも、下着姿で踊る娘ばっかり観てしまいそうだけど。 子犬が死んでから、暗がりでのタバコの灯りなんて、想像力を掻き立てられて素晴らしい。 そして手紙を届けるリザが小さく手を振るのが可愛い。さすが公妃。
[地上波(吹替)] 8点(2021-03-13 22:23:50)(良:1票)
13.  ウエストワールド 《ネタバレ》 
実際には行けない世界を体験したい。人に銃を撃ちたい。綺麗な女を抱きたい。その世界のヒーローになり、しかも安全に楽しみたい。人間のワガママな欲求を満たす、大人のアミューズメントパークが舞台だ。保安官になる男が現代のメガネそのままとか、客側のルールは案外ゆるい。 ウエスタンでは本物の銃が使える。中世と古代ローマは本物の剣だけど、どんな安全装置だろう?第二次大戦などの戦場が無いのは、アメリカが戦争ばかりしてたからだろうか。 撃たれたロボットは血が流れて死ぬが、死んだロボットはデロスの係員が回収。西部の街にワゴン車が来て回収する姿は、リアルと言うかシュールと言うか。 ロボットはセンサーによる死んだフリではなく、本当に死ぬ=故障するんだろう、修理をするが騙し騙しの修理なのがリアルで、まるで赤字続きの鉄道会社のようだ。それが最近、中央ユニットの故障が連続発生するのは、新型コロナの感染のように未知で、人間が作ったものに関わらず、後手後手対応になるのがリアル。しかしヘビや馬やニワトリまでもロボットでは、コストが掛かりすぎるだろうとは思う。 ユル・ブリンナー扮するガンマンが三度も登場するのは、安全だから笑える展開だけど、故障中ならそりゃ怖い。自分の安全を保証する管理室が全滅している絶望感は見事。目が銀色に光るガンマンは追跡を楽しんでいるようにも思える。感熱センサーを使っての無言の追跡、しつこさは、後のターミネーターやプレデター他、多くの作品に影響を与えたんだろう。 エンドロールは緑文字で、当時のコンピューターっぽさを出したのか?陽気なウエスタンミュージックからの不気味なギターは、ピーターの悪夢を再現しているようで見事。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-03-13 09:33:30)(良:1票)
14.  ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》 
初見はテレビの吹替版。30年ぶりくらいの視聴。 (Upper) West Sideはマンハッタンの地域名。あまり治安が良くない貧しい街として描かれてる。日本だと…西成? これは多感な時期の少年・少女目線の作品だから、ミュージカルパートに大人は入ってこない。先に住んでいたヨーロッパ系移民と、来たばかりのプエルトリコ移民。彼らは同郷の仲間でグループを作り、どうでもいい縄張り争いに一生懸命だ。 ジェッツもシャークスも若者たちは鮮やかな色の服を着ている。対する大人は白、グレー、茶に制服。 街並みは、ウエストサイドだけに西日が当たるのか、カラフルだけど色褪せている。対して夜の灯りや濡れた路面はどこか輝いて見える。 ミュージカルパートは素晴らしいものばかりだが、特に『クインテット』の疾走感が物凄い。 夜の闘いを前に昂るジェッツとシャークスのコーラス、普段と変わらずベルナルドの帰りを待つアニタ、トニーとマリアのお互いを求め合う歌声は伴奏を飲み込むように溢れ出る。5組の歌の混ざり合いは息を呑む美しさだ。 全てを染める真っ赤な夕焼け。大人たちには普通の夕焼けも、若者たちには燃えるような赤に見えているんだろう。 トニーが死に、抗争も愛も終わり、一人、また一人と運動場から立ち去る薄汚れた服装の若者たち。あれほどみんなが待ち望んだ『トゥナイト』。夜はただ暗く、街灯は虚しく地面を照らす。街が真っ赤に染まった『クインテット』とは対照的に、暗いモノトーンの運動場を赤色灯の赤い光だけが無機質に点滅するラスト。60年経っても学べるものが多い作品。
[地上波(吹替)] 8点(2021-02-04 22:32:58)
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2111.36%
3182.23%
4708.67%
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716019.83%
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