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K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 
-Skyfall-造語。あるサイトに“天が落ちても正義を成就せよ”というラテン語の格言から引用…って書いてあったけど、真偽の程は定かではない。 クレイグ・ボンドも安定の3作目。前の2作が前編・後編だったので、実質本作からが新しい展開となる。 列車上のアクションで、パワーショベルの橋を渡った後、カフスボタンを直すのが、何とも言えないくらいセクシーで格好良い。アクションヒーローは沢山居るけど、こんな仕草が似合うのはやはりジェームズ・ボンドだなって思う。あと前作にあった“2秒で切り替わる忙しいカメラワーク”も出てこないので、迫力のアクションを安心してじっくり楽しめた。  死んだと思われたボンドが復帰テストを受けるのは新鮮。スパイの秘密兵器を少しずつクレイグ・ボンドのリアル路線の世界に馴染ませてくるのも面白かった。もっとも、現実にありそうな銃と発信機とシンプル。本シリーズは秘密兵器で冒険はしないんだな…と思わせといて、マシンガン搭載のDB5登場にニヤリ。テーマソングの使い方も見事。射出座席もあるよ。って感じにシフトノブの蓋を開けるボンドがお茶目。これ1作目でディミトリオスから巻き上げたDB5(改)だろうか?  前作のボンドが、スパイなのにコマンドー並みに暴れまくってたけど、今回はMI6の仲間との連携、チームワークを感じさせた。Qが若者だったり、現場エージェントが実はマネーペニーだったりと、今までのイメージを覆すお馴染みのキャラの登場のさせかたで、往年の007らしさを上手に取り入れてきたと思う。最高齢のボンドガールをMが熱演。ボンドだけでなくMも人間味がどんどん出ていて良かった。Mの交代劇も『そうなるんだぁ』と納得してしまった。あれ、名字がマロリーじゃなかったら“M”じゃなくなってたのかな?ボンドの手に渡る犬の置物も涙を誘う。  今回ボンドの出生地が舞台で、ジェームズ・ボンドというのがコード・ネームじゃなく本名だったことに軽く驚いた。 エンディングでお馴染みの『JAMES BOND WILL RETURN』も、てっきりコード・ネームだからこそ。と思ってたから…
[映画館(字幕)] 8点(2021-11-25 23:51:08)
22.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
-Quantum of Solace-“慰めに対する(ごく僅かな)分け前” ん~解釈が難しいタイトル。“Quantum”が敵の組織名ってことで、報酬の部分に掛かってるんだけど…今度改めて考えよう。 前作の直後も直後。ホワイトを捕えて移送中のカーチェイスから始まる、なんとも痺れる展開。カーチェイスの後に続くオープニング曲もカッコイイ。 …なのにですね、アクションシーンになるとチャカチャカ切り替わるカメラが、ハッキリ言ってウザいんですわ。およそ2秒毎にカメラが切り替わるから、脳ミソが処理できず、せっかくのアクションの凄さがサッパリ伝わらない、もったいないカーチェイスだったわ。その後のミッチェルとの追い掛けっこ。2秒毎のカメラ切り替えに、時々競馬みたいな競技が入って、変なサブリミナル映像みたいで笑ってしまった。そんなアクションのカメラワークだから、ワンカット4秒くらい続くと“お?長いな”って思うくらい。ボンドとミッチェルがガラス屋根を突き破って落ちるシーンとか、CMではカッコ良かったのにな…。  Mがどんどん好きになる。灰皿のシーンは笑ってしまった。あとヴェスパーと恋人の写真、ボンドに資料を見せた後、背中を向けるシーンは、ワザとボンドに盗む隙きを与えてるな。向き直ってから資料に目を落とさないところとかも含めて。 最後ヴェスパーの恋人を追い詰めたあと建物の外で、字幕ではM「片をつけた?」ボンド「いいえ」M「意外ね…」と。セリフはM「彼はまだ生きてる?」ボンド「はい」M「驚いたわ…」と。こんがらがるけど、敵組織に繋がる重要参考人を殺し続けたボンドに対するMの皮肉が込められてる。頑張れ字幕。  可哀想な最後を迎えるフィールズ。親しくなったボンドに名前を聞かれて「ただのフィールズよ」って誤魔化してたけど、ストロベリー・フィールズって言うんだな。可愛い名前だけど、本人は嫌だったろう。 今度の敵の目的が水。当時は石油でなく水ぅ~?って思ってたけど、現実問題、水道民営化の波が日本にも訪れている昨今、スパイ物も国家間の軍事バランスだけでなく、国家に入り込む巨大企業を絡めてきたんだろうな。 前作に比べて、終始コマンドー並みに暴れまくってる印象のボンド。復讐劇なので仕方ないけど、ボンドらしいスマートさは欲しかった。 前作でシャワーの下でヴェスパーを抱きしめたボンドの対比で、炎に包まれてカミーユを抱きしめるボンドがカッコイイ。
[映画館(字幕)] 5点(2021-11-01 01:35:32)
23.  タワーリング・インフェルノ 《ネタバレ》 
-The Towering Inferno-“そびえ立つ地獄絵図” カメラが捉えた決定的瞬間とか、そういうので見たビル火災。ジョエルマビル火災の映像は子供の頃のトラウマだ。炎や煙から逃げる為に、助からないと解っているのに飛び降りる心理状態。将来住むなら一軒家だなって思ったね。 そんなジョエルマビル火災と同じ年に、この映画が公開されたことを後から知って、とても驚いた。当時の人はどんな思いでこの映画を見たんだろう?とか、興行的にマイナス要因じゃないか?とか。そもそも、ビル火災を娯楽として観るのってどうなんだ?ってなってしまいそうだけど、いやいや、そこは映画なんだからどんどん観よう。  OPの空撮が結構長い。サンフランシスコのビル群が街の巨大さを実感させる。その中でも当グラスタワーの高さが別格で、未来の建物って感じがする。それと当時日本ではまだ30階建てのビルが数本あった程度だそうだから、あの映像だけで、ほえぇ~~ってなっただろう。 当時のパニック映画の中で、ポセイドン・アドベンチャーと双璧と言える本作だけど、乗客自ら移動して活路を見出すポセイドンと比べ、こちらのゲストはジッとして動かない。主役が消防士(救助する)側だから、あまりゲストに勝手に動かれると困るというのもあるだろう。また本作では、活路を見いだそうと最初の場所(パーティ会場や寝室)から移動したら、ことごとく被害に遭うというのも、作品比較として興味深い。そしてポセイドンと違い、女性陣がほぼ役立たず。ゴンドラ乗ってから感傷に浸ってないで、もっとテキパキ・黙々と逃げろ。あとエレベーターでパワーズ隊員が宙吊りになった時、足掴むとかしてくれよって思った。そんな役立たずな女性陣の中で、一番頑張ってたリサには助かってほしかった。だけどあの“普段なら絶対乗りたくないゴンドラ”に、一部の男どもが助かりたいがために我先に群がり、理性を持って止めに入った人たちを蹴落とす地獄絵図は、凄惨の極み。  チーフ・オハラハンの感情を抑えた静かな言葉。冷静で重く、頼りがいがあって、メッチャカッコイイ。エレベーター救助の後、避難所で休んでる姿はボロボロ。それでも呼び出しがあればスッと立ち上がる姿が、またカッコイイんだ。上司にしたい度高し。 貯水タンク爆破のメチャクチャな提案。これ命令じゃないんだ。隊員の安全・避難経路が確保できないから、上司も提案は出来ても命令は出来ない。だからオハラハンは単身、自己責任で行かなきゃいけないし、パーティ会場で消火活動をするスコット隊員(ロボコップのオムニ社のジョンソン)も連れていけない(=命令になるから)。ここは消防士の労働基準をタテに民間人のロバーツを活躍させる、映画として上手い運び方だと思う。  高層ビルなのに椅子を投げて簡単に割れるガラスとか、壁に沿ったエレベーターにヘリからオハラハンを降下させるには屋上より上からじゃないと無理とか、あのヘリで3トン以上あるエレベーターを持ち上げられるのか?とか、色々思う所はあるけど、当時はあんな高層ビルが燃えること自体が想像の産物だったろうから、少々脳内でリアリティの補完が必要。 流石に時代を感じるようになってきたけど、未だに災害の恐怖と様々な教訓を与えてくれる本作。2回目の視聴になると、あのOPの実在するビル群に、いつかグラスタワーのような火災が起きるんじゃないかと思えるようになり、恐ろしく思えるようになった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-10-31 15:43:39)
24.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
~Casino Royale~賭博場の王者。バトル・ロワイアルとかにも通ずる“最後に勝ち残る唯一の者”みたいなニュアンスがあるみたい。 学生の頃に“007=マンネリシリーズ”の烙印を押してしまい、過去作品をちゃんと観てきていなかったので、公開当時、前評判が悪かったダニエル・クレイグにも、特に不満も期待もなく、映画の日(元旦)だからと劇場に観に行った。そして私の007のイメージは跡形もなくブチ壊された。  007って何をやるにしてもスマートな印象だったけど、まだ若いくてダブルオーに成り立てのボンド。その最初の殺しの荒っぽいこと。それでもお決まりのガンバレル・シークエンス。初任務での迫力のパルクール。 この人がジェームズ・ボンドかぁ、悪くないというか、むしろカッコイイけど、でも、007ってこんなだったっけ? ヴェスパーのシャワーのシーンで見せる優しさ。ル・シッフルに負けてナイフを持ち出す弱さ。毒を盛られて死にかける危なっかしさ。この若く荒々しいジェームズ・ボンドに、気持ちが完全に持っていかれる。今までのボンドに比べて人間臭いから伝わるクレイグ・ボンドの魅力と強さ。  世界を股にかけるスパイ映画らしく、海外旅行感を感じさせる。だけどこの作品は色とカメラワークが凄く綺麗。ヴァレンカがル・シッフルの船に上がるシーンの黄金色の海。モンテネグロの鉄道。さらわれるヴェスパーを追うボンドの背景。映像から漂うゴージャスさ。何だろう、単に海外の綺麗な風景とかでなく、カメラの映し出す発色、その時間を感じさせる色がゴージャス。 生々しい拷問、アッサリしたル・シッフルの最後も007らしくない。普通、007の拷問はもっと、サラッとしたピンチっぽいし、最後はル・シッフルとのカーチェイスとか殴り合いだろう…ってところだけど、シリーズの呪縛、マンネリさを払拭する予想外な展開。  物語の最後、コモ湖の別荘でホワイトを撃っての決めセリフ。そしてようやく流れるジェームズ・ボンドのテーマ。007の誕生の物語。オープニング曲You Know My Nameのアンサーがここに来るカッコ良さ。話逸れるけどOP曲の後、最初に出てくる主要人物が、シリーズの後々まで絡んでくるホワイト。たまたまにしても上手に絡まったもの。 ヴェスパーを失った悲しみを背負うボンドの落ち着き具合が、私に共感を抱かせる。そして007という特殊なキャラクター、ポジションを、劇中クレイグ・ボンドの成長と共に体感出来た。すでにあった007シリーズではなく、私の中の007=クレイグ・ボンドが誕生した瞬間だった。
[映画館(字幕)] 10点(2021-10-28 09:22:02)
25.  007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
新型コロナ感染拡大により、公開予定から1年半以上も延期となった本作。確かに、コロナはどこかが作った兵器じゃないか?とか、ワクチンを打つと後々まで人体に影響が出るんじゃないか?なんて、不安が広がっている時期の公開は、避けたい内容かもしれない。  イタリア・マテーラの美しい景色。そこを舞台に繰り広げられるド派手で豪華なカーチェイス。序盤から『これこそ007』と言える満足度。ノーミの“ウワサ”は耳に入っていたけど、やはりショック。MI6本部のネタは面白かった。今回のボンドガール・パロマはとてもチャーミングで、もっともっと出番増やしてほしかったな。監督に日本人の血が入っている為なのか、サフィンとボンドが対面するシーンは、メトロン星人を彷彿とさs…あっセブンだからか!  私の中ではジェームズ・ボンド=ダニエル・クレイグなんです。強さ、格好良さ、不器用さ、弱さが視える、本当に素晴らしいボンド・シリーズだったと思う。本作が最後と言われていたので、どのような結末になるか期待と不安が両方あった。他の007シリーズは1話完結感があるので、いつ終わっても、いつまで続いても大丈夫な創りだった。だけどクレイグ版は1作目からストーリーが続いているため“最後”と言うからには、次には続かない終わり方をするんだろうなって。そういう意味では前作の終わり方でも良かったとは思う。もう、続きが気になるとかでなく、クレイグ・ボンドが観られるなら、それだけで観に行きます。って感じ。…愛なのか?  タイトルは『死ぬ暇はない』なんだけどTime to DieをNoで否定してるんだと思う。ので、 ~No! Time to Die~死に時は今じゃない。って感じだったりね。 おぉ、たまたまだけど現時点(私でレビュー25人目)で平均点7.00。なんかスゲー!
[映画館(字幕)] 7点(2021-10-17 02:08:58)
26.  ダイヤルMを廻せ! 《ネタバレ》 
~Dial M for Murder~ダイヤルのMは“殺人”のM。 序盤、完全犯罪のタネ明かしから入るのは珍しいと思った。説明聞きながら電気を消して、暗い中で動けるかとか確認するスワンも芸が細かい。 タネ明かしから見せるってことは、当然その通りにいかないって想像が付くんだけど、奥さんが私も出掛けるって言われたときはドキッとした。その後時計が止まって計画がズレるけど、こっちは特に悪影響なかったんだっけか? 優秀な警部相手に、とっさの思い付きで“駅で彼を見た”とか“上司の電話番号を聞くため”とかポンポン出てくるトニー。苦しい言い訳にも取れるけど凄い。 マークの推理が、最初の完全犯罪のタネ明かしとほぼ一緒なのが、ハラハラして面白い。さすが推理小説作家。 最後の鍵がマーゴのでなくスワンのだと気がつくシーン、警部の読み通りになるところをトニーのセリフ無しで見せるのも上手いなぁ。 しかし、殺人とは言え、不倫カップルに制裁を加える夫が悪人に描かれるって、なんか時代を感じてしまうなぁ。最後にマーゴとマークが警部と一緒にトニーを出迎えるところ、ハッピーエンドと言って良いんだかモヤるけど、全てを諦めて二人に酒を薦めるトニーが格好良くも見えた。  そもそも鍵を開けてすぐ、階段のカーペットに鍵をしまったスワン。自分の家の鍵とそっくりだからそうしたのか?家の鍵が多様になった最近の家では使えないネタ。このアパートの玄関、この時代にオートロックなのか?トニーが出ていくとき鍵かけてないよーな。 有罪から死刑になって執行されるまで早っ!とか、警部令状もなしにマーゴの鍵で家宅捜索しようなんてアウトローとか思ったけど、一番ビックリしたのがインターミッション。105分の映画で途中休憩が入るなんて予想外だった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-17 21:38:47)(良:1票)
27.  タクシー運転手 約束は海を越えて 《ネタバレ》 
親ひとり子ひとり。タクシー運転手と乗客の、一期一会のほのぼのした映画…と思いきや韓国の黒歴史の映画でした。 光州事件。この映画を見るまで知らなかった。 1980年といえば割と最近の出来事、8年後にオリンピックをやる国で、同じ民族に銃を向ける事件があったなんて… 政治に無関心なキム。大金のために人の仕事を横取りとか、面倒に巻き込まれたくないからUターンとか結構酷い。 当時の10万ウォンは37万円くらいらしい。こりゃ大金だけど、命をかける金額かというと… 危険には目を瞑って光州に行くキム。ソウルから光州まで270kmくらいだって。結構な距離だな。 緑のコロコロしたタクシーが可愛い。小さいなぁ、Nワゴンの方がデカイんじゃないかな?60万kmも頑張ってるのが良いね。 でもあの車でソウル→光州270kmはキツイ。 光州の町並みは、荒廃して無人で不気味だけど、どこか懐かしさが感じられる。日本で'80の町並み再現の大変さを考えると、CGなのかな?よく出来ている。 光州の人が良い人ばっかり。おにぎりくれたり、タクシー直してくれたり、泊めてくれたり。こういう細かい描写から、キムとピーターが感じる事件の怖さと軍に対する怒り、同胞が傷つけられる悲しさが伝わってくる。 殴る蹴るの暴力が、人に銃口を向けるまでに発展。キムと光州のタクシー運転手たちが、自分に出来ることを命掛けで行うのは観ていて辛い。あんな緑のコロコロした小さい車で、軍のライフル銃を防げるとは思えない。ファンさんは無事だったんだろうか? でも無事帰れて、無事ウンジョンに会えてよかった。大家さんも娘に優しくしてくれてよかった。 最後にピーター本人が出てきて、この物語もある程度実話をベースにしていることが解った。 でもなんで、偽名使ったのかな。保身のため…かなぁ?信頼は海を超えられなかったか?(※解決済み) カーチェイスはともかく、東京のホテルで提供されるサッポロラガーのラベルが当時の楕円形のものなのが再現度高い。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-09 23:17:24)
28.  ターミネーター:ニュー・フェイト 《ネタバレ》 
~Dark Fate~暗黒の宿命。何故か日本ではニューフェイト(新たな宿命)になってた。順番で言えばターミネーター6にあたる作品。 制作にキャメロンが入ったってことで、期待感が高まった。 冒頭、サラ・コナー若くないか?…そしてあれは、ジョンじゃないか!エドワード・ファーロング演じる、私たちのジョン・コナーじゃないかっ!! もうね、冒頭5分、28年ぶりに本物のジョンを観られただけで1800円払った価値があったね。 ジョンが殺されたことはショックだったけど、完璧なものの続きを作るっていうのは、こういう、観る側にも痛みを伴う事なのかもしれない。 かつてエイリアン3で、キャメロンは自分が作った(私たちが)愛すべきキャラクターを3人も殺された。自分が残した希望を、別な監督に抹殺された。 他人の手によりこねくり回され、無職の空き巣や、砂鉄のラスボスにされた不遇な英雄ジョン・コナーを、本作では生みの親の手によって美しい姿のままで殺した。『どうして2で終わってくれなかったんだ?』と言わんばかりに。 劇中サラが「ジョンの写真1枚持っていない」って、新作の度に顔が変わるジョンに対するキャメロンの皮肉に思えた。Dark Fate=暗黒の宿命か…  3を彷彿とさせる骨格とリキッドメタルの敵ターミネーター。半分人で半分機械、サルベーションのマーカスを思わせるグレース。ジェニシスから加わった年とともに老ける設定のT-800。本作では過去の失敗を全否定するのではなく、過去の良いところを上手く取り入れて昇華していると思う。 新たなジョン・コナー≒ダニー。新たなスカイネット≒リージョン。次に続きそうだけど絶対次はないだろう。 輸送機でのアクションとか凄いんだけど、何が起きてるかよく解らないのが今風。可能なら市街地カーチェイスとか、年寄りにもわかるベタなアクションにしてほしかったかな。  リンダ・ハミルトンって、ターミネーター以外に大きな当たり役がないし、出演本数も多くはないんだけど、本当にすごい女優だ。あの年齢であの筋肉、あの風格。1本のシリーズで全部出しきってる、大女優。 しかし、シュワもリンダも歳をとったなぁ。 劇場で、シュワたち一行が山小屋を出る辺りから、ポツポツと席を立つ人が…映画が詰まらない訳じゃない、トイレが我慢できないんだ。 私たちファンも、歳をとったなぁ…
[映画館(字幕)] 8点(2021-08-06 00:40:13)
29.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 
~Genisys~Genesis(創世記)をモジッた造語。架空のコンピューター・システム名。 この作品は日本でも英題でも“ターミネーター5”とは呼ばれない。 シュワルツェネッガー本人が久々にT-800を演じるとのことで楽しみにしていたけど、リアルタイムには観られず。 初見はテレビでやってたのを録画して観たんだと思う。今回DVDで見直したけど、内容殆ど忘れてた。 「誰だお前?そして、お前は誰なんだ??」スタートレックTNGのオブライエン似のジョン・コナー。せっかくクリスチャン・ベールで納得していたのに、これは無いだろう。しかもちょい役ではなく敵側のボス・キャラとか、これはあんまりだ。 カイル・リース。『ハイスクールではクォーターバック。週末はジム通い。昼食代わりにプロテイン飲んでるぜ』みたいなマッチョ・ゴリラがカイルだって?カイルと言えば生傷だらけで、細いけど無駄のない締まった身体、影のある疲れた表情だろう。こんな、どう考えても色っぽい作業(合体)に不向きなゴリ…カイルに、1984年の草食系なサラが惚れるとは思えない。 タイムスリップ直前まで、焼失したはずのサラの写真を持っているカイル。あぁ…この作品は3や4の続きとか以前に、1とも繋がってないんだ。って解釈。これはもう、5とは言えないわ。 タイムトラベルしてからは間違え探し的な再現度の高さで、とても見応えがある。フォークリフト付きのトラックの黒人おじさんお久しぶり。ゴロツキ3人組も出てきた。4よりリアルさを増したシュワのCG。もう1人老けたシュワが出てきて…おぉ!面白い! サラもかなり変わっちゃったけど、9歳から鍛えられてたら顔も引き締まるってことで、納得しておこう。 T-1000も『銃では倒せないけど、当てることで動きを止められる』表現が良く出来てたと思う。このT-1000を倒すまでは合格点。 ここから未来へタイムトラベルが訳がわからない。このタイミングで未来に行ったら、まだカイルと“合体”してない訳だからジョンは産まれないよな…。2017年でジョンが産まれても意味ないよな… それとT-800を一体捕まえてチップ奪えば、タイムマシンがチョチョイと出来るわけ??本作まで少なくとも3体も奪われてるんだから、抵抗軍もタイムマシン使い放題じゃん。 それ使ってか、突然現れるジョン(推定45歳)。サラはまだ子供を生んでないから、未来の子供(歳上)が出てきても、どんな感情で迎えるんだか…2017年に行って、更に老けたT-800は面白かったけど…う~ん。 ジョンとダイソンの息子が出てきたけど、2が存在しない時間軸だから、ジョンとダイソンの子は、子供の頃会ってないんだよな… 今度はジョンがターミネーターに!…って、こんなことしたらもう末期だ。 この砂鉄のジョン・ターミネーター、なんで2017年に来てカイルやサラの命を狙うのかイマイチ解らない。なんで?今二人を殺したら、何かあるの? 最後はT-800がT-1000のリキッドメタル機能を手に入れて終わり…何だこれ?どの辺の層にニーズがあったんだ? T-800をアップデートしたり、英雄ジョンを悪人にして殺したり、サラを肉食系美女にしたり、カイルを役立たずにしたり…迷走極まれり。って感じ。 1を観た当時はカイルとサラの逃避行が成功するよう、心のなかで何度も祈ったけど、今作の生存ルートは、別な人たちの別なお話だ。
[地上波(吹替)] 3点(2021-08-05 23:46:41)
30.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
~Salvation~救済(救済者)。洋題には4は付かない。 これは“ターミネーター4”と呼ぶよりは“ターミネーター・サルベーション”。 シリーズ前作で興行的&満足度的にヤラカシてしまったことを救済する意味と、登場人物を救済する者という二つの意味がありそうだ。 そしてこの作品は3の続きとしてより1の前日譚として観ると、割としっくり来た。 作中T-800が新兵器として開発されているのと、ジョンが頻繁にサラのテープレコーダーを聴いてヒントを探している辺り、サルベーションは、1さえ観ていれば(2を観ないでも)楽しめる作りになっている。 そもそもジョン・コナー役、フニャっと弱々しいニック・スタール(3)と、キリッとたくましいクリスチャン・ベール(本作)では、容姿が違いすぎるしね。 軽火器で応戦するイメージだった抵抗軍が、A-10や潜水艦を運用してたりと、かなり強力な組織なのに違和感を感じるけど…まだジョンは抵抗軍のリーダーじゃないから、初期の頃はこんな充実してたんだなぁって、思おう。 様々なターミネーター達と抵抗軍の戦いは、未来の戦争映画として迫力があり、ジョンがヘリで飛び立ってから墜落するまでの1カット風撮影とか、かなり見応えがあった。 T-800の起動は驚いた。出てくるとは思わなかったから、なんか嬉しかった。1の最初の髪型だったのも、おぉっ!て。 サルベーションは三部作だったらしいので、きっとカイルが過去に行くまでくらいの10年間を描く予定だったんだろう。スターの今後とかジョンとケイトの子とか、色々ネタはあったんだろうな。観たかった気もするけど、この1作だけでも充分かも。 タイトル話に戻るけど、まだ子供のカイルをジョンが救い、心臓にダメージを受けたジョンをマーカスが救い、マーカス自身は人生をやり直すことで過去の過ちから救われる。そんな救済者たちの物語としても成立している。
[映画館(字幕)] 6点(2021-08-05 22:28:57)
31.  ターミネーター3 《ネタバレ》 
~Rise of the Machines~マシーンの台頭。 あの完璧な満足度を与えてくれた名作の続編に、更に続編を作るのか。 どう考えても誰かが全力で止めるべきだろう。あの物語の続きを、誰が観たいと思ったんだろう。 ネットのおかげで、眉をひそめたくなる裏話、大人の事情がたくさん目に付く。知れば知るほど存在意義がわからない作品だ。 この作品の影響で、ターミネーター・シリーズは“別なアプローチの作品”や“パラレル・ワールド”“仕切り直し”“2の正当な続編”なんてものが作られ、ファンを困らせることになった。 改良型ターミネーターT-850。お笑い要素の増えてしまった登場に不安になったが、シュワちゃんから感じる安定感は流石。このT-850が未来のジョンを殺したって設定は上手だと思った。 純粋な液体金属T-1000が敵として完璧だったために、今回のT-X(骨格を液体金属でコーティング)は、前より退化してしまったように感じる。 しかもベースが女の子だから強敵感が薄く、無言でシュワと戦うさまは、まるで兄妹喧嘩。「お兄ちゃん!いい加減にしないと、怒るよ!」つい応援したくなってしまうほどだった。 多くの方のご指摘の通り、この作品最大の敗因は、ニック・スタールをジョン・コナーにしたことだろう。エドワード・ファーロングを出せない事情があったにせよ、ニックは私たちの好きなジョン・コナーじゃなかった。 3のジョンは世界を救うカリスマではなく、コソコソと日陰に生きる無職の空き巣…落ちぶれルートのストーリーで行くなら、ジョン役は本人エドワードを出さないと収まりが着かなかったと思う。顔も似てない、繊細な美しさもないニックが、只々可哀想過ぎる。 たまたま盗みに入った動物病院がかつての同級生ケイトの持ち物で、ケイトはT-Xのターゲットでジョンの未来の妻。ケイトの父親はスカイネット開発の最高責任者…狭すぎる世界観とご都合主義。 避けられない核戦争。審判の日を回避して、それこそ未来を変えて、安心して死んでいったサラが浮かばれない。 2の頃は珍しかったCG技術も向上し、滑らかで見応えのある映像は増えた。ターミネーターのダメージ表現は凄かったし、CGばかりに頼らないクレーン車のアクションも凄いなって思った。けど… こんなの、二度と見るまい。…と思っていたけど、久しぶりに見るとそこそこ面白かった。DVDの特典映像、キャンディ軍曹は新鮮。
[映画館(字幕)] 4点(2021-08-04 01:25:18)
32.  ターミネーター2/特別編 《ネタバレ》 
~『ターミネーター2』のつづき~…続きってほどでもなく、単なる追加。  T2はLD発売当初に買ったけど、2年ほど前に買ったDVDが特別編で…ありゃりゃ、初めて観たかも?追加シーンの幾つかは知ってたのに、観た印象がない。これだけ大好きで数十回は観た映画なのに、私の中で公開版のアレで完璧だったから、何も足したり引いたりする必要性を感じなかったんだな。だから、たぶん今まで特別編を観てなかったんだわ。  印象的な追加映像…サラが毎日見る審判の日の夢。カイルが出てきたのは嬉しいけど、これを毎日なんて、まさに悪夢ではないか。未来の公園で子供と遊ぶサラは、良い歳なのにまだバーガー屋の制服を着てる。逆に言えば、そんな夢のない未来しか描けないほど、当時のサラの精神はボロボロだったんだろう。食事中ジョンに話しかけられても放心状態だったり、ダイソンに突然出産と兵器開発の違いを語ってジョンに咎められるとか、結構病んでるのがわかる。 リッチなダイソン家…まぁ、そこを掘り下げてもだから、カットもわかる。 T-800のチップ破壊未遂…特撮技術は凄い。これをカットするキャメロン監督の思い切りの良さも凄い。 T-800の笑顔…これは面白かったけど、公開時に入れていたら、コメディの印象が強くなりすぎたかも? 壊れていくT-1000…最初パトロール警官で登場したT-1000は、中盤からヘルメットとサングラスの白バイ警官に擬態。最後の工場では上半身はパトロール警官、下半身は白バイ警官になってた。受けたダメージの影響で、パーツが欠損していくんだろうか? ここまでは公開版も一緒だけど、特別編では手足が地面や柵と同化してしまう“エラー”が再現されていた。これらのシーンは弱点の無さそうなT-1000も弱ってきてる印象を与えるのと、サラが2人になった時、足のエラーで偽物を見分けたりと、公開版に入っていても面白かったかも?  上映時間がちょっと長くなったけど、面白さは遜色ない。だけど特別編を観たら、わざわざ公開版を見る必要性がなくなる気がするから、初見はぜひ公開版を。2度目以降は特別編での鑑賞がオススメ…って、こんなネタバレ・レビューで書いても意味ないか。  特別編とは関係ないけど、1のサイバーパンクな音楽に比べ、2の音楽は重々しい。なのに最後、ガンズンのハードロックが流れる。好きなバンドだけど、映画の世界観にはいまいち馴染めてない感じがして、そこだけちょっと引っ掛かってて、LDで観てた頃は歌の前に再生止めてたわ。今では歌も含めて好きだけどね。
[DVD(字幕)] 10点(2021-08-04 00:19:27)
33.  ターミネーター2 《ネタバレ》 
~JUDGMENT DAY~最後の審判の日。 一番好きな映画の続編という事で、2が公開されると知って、期待と不安の両方があったな。 期待出来たのは、引き続きキャメロン監督。更に、あのエイリアン2の監督だから、続編創りは上手いだろう。という一点。そんな期待以上に前作で『主人公が死に、サイボーグを倒したサラが、人類滅亡の嵐に向かって行く』という完璧な終わり方をしたので、続編は必要無いと考えていた。 それとキャメロンの前作『アビス』が、良い映画だけど自分的には満点の出来ではなかったので、T2も合格点、まずまずの出来で終わるんじゃないかなぁ?という不安があった。 『どんな出来でも、私が一番好きな映画を作った監督の作品。応援しなければ!』という変なテンションで、事前情報は極力入れずに向かった映画館。今は無き東宝日劇で初日に観賞…  あのドン臭い女子大生のサラが、強い意志と引き締まった身体、感情むき出しの表情で登場してビックリ。この作品に賭けるリンダの気迫を感じた。サイバーダイン社でSWATから逃げる時、天井に銃を連射する姿勢の格好良さ。物陰に飛び込んだ時、足で棚を蹴る受け身の取り方。役者さんというより訓練を受けた傭兵のように美しかった。 実年齢より大人びた不良少年のジョン。だけどどこか繊細で、守ってあげたい感が母性をくすぐる。笑顔の裏に影を感じるところがカイルの子って感じで、他に考えられないくらい、ジョン・コナー少年だった。 そしてまさかターミネーターが味方になるとは。これで驚けたのも、事前情報を入れてなかった功績。テーマソングのガンズ・アンド・ローゼズに掛けたであろう、薔薇を踏み潰しての登場、華麗なウィンチェスターのスピンコック…未来の殺人サイボーグが旧式として登場し、自分より高性能な新型と戦う展開は熱いアツい。 T-1000の非常識な性能と、足止め程度に銃が効く絶妙なバランス。倒し方が解らない絶望感…よくこんな敵を思い付くものだわ。 鉄格子を抜けて拳銃がカツン。道路転げてバールの腕がカランカラン!極め付けは至近距離からマシンガンで蜂の巣!そう、こういうのが観たかった! 少年とサイボーグの交流。人を殺さないターミネーター。前作と違いちょっぴりコメディ要素が入る。メキシコでふと『これ、あのターミネーターの続編なんだよな?』って我に返りかけた瞬間、サラの真面目なナレーション『ジョンと遊ぶサイボーグ…』私の心が読めるのか!?ってビックリしたわ。見事にハードな世界観に引き戻された。 映画史に残る別れ。炎に包まれるサムズアップ。観たいものをしっかり観せてくれた映画。続編の最高傑作。 後に雑誌で見たけど、どこかの劇場ではエンドロールで拍手が起きたそうな。その場にいた人羨ましい。あぁ私もあの日あの時、拍手すれば良かったな…  ~『ターミネーター2/特別編』にちょっとつづく~
[映画館(字幕)] 10点(2021-08-04 00:10:23)
34.  ターミネーター 《ネタバレ》 
~The Terminator~信号回路の終端抵抗。無機質でカッコいいネーミングだ。 レンタルビデオ屋に並ぶシュワルツェネッガーのポスターたち。コマンドー、ゴリラ、近くプレデターってのもやるらしい。そして人気急上昇の彼を、一躍ヒーローに押し上げた作品こそ、このターミネーターだ。 …という認識だったが、詳しい友人の話を聞くと、このターミネーターは悪者ロボットらしい。そして主人公は別の人で、シュワと戦って死んでしまうそうな…なんかイメージと違う。 初見は日曜洋画劇場だったと思う。そんなにお金の掛かっていない映画なんだけど、とにかく衝撃だった。 主人公カイル・リース。未来からただ1人、援軍も武器もなく、無敵のサイボーグから1人の女性を守るためだけに、身一つで過去に来た男。どこか影があり、疲れ切った表情を見せつつも、絶対不利な状況でも諦めずに戦うカイルは、今までのヒーローとは違う魅力を見せてくれた。 当初はシュワの活躍に期待していたが、物語が進むうちに、カイルとサラの逃避行が成功するように、祈るような気持ちで観てしまった。皮膚が破損し、焼かれ、骨だけになっても襲ってくるターミネーター。最後自分の身を呈してサラを守るカイル。自己犠牲。こんな悲しい結末ってあるだろうか?スカッとするSFアクションを観るつもりだったのに、私には最高に悲しい恋愛映画に映った。 同姓同名殺人事件に巻き込まれ、友達まで殺され、一方的な被害者だったサラ。当然ながらカイルの突飛な話は信じられない。一番安全なハズの警察署さえ襲う殺人鬼から自分を守ってくれるカイル。信頼関係と愛情の芽生え。終盤ボロボロになったカイルを鼓舞、最後は自らターミネーターにとどめを刺す。最初ドン臭い普通の女子大生で、守られるだけの存在だったサラが、最後は銃を手に嵐が来る未来へと旅立つ。こんな絶望的な結末ってあるだろうか? …余談だけど最後サラが南米に行ったのは、唯一生き残った(ハズの)家族、イグアナのパグちゃんを安全に逃がすためだろうと推測。 ノストラダムス、マッドマックス、北斗の拳…当時小学生だった私たちにとって、数年後の世紀末に核戦争とかで地球が滅びるのは当然の出来事で、避けられない確実な未来だった(半分本当にそう思ってた)。 核戦争が起きるキッカケは諸説あったけど、米ソの対立ではなく、コンピューターが人類に対し戦争を始めるという、ターミネーターの設定はリアリティーがあった。2029年にもなれば、人間そっくりなサイボーグはもちろん、タイムマシンの一つも出来て当然だろう。って。 カイルは死に、世界は近い未来滅びる事は変えられない。だけど小さな希望(ジョン・コナー)は守りきった。 悲しい結末なのに何度も見直してしまうこの作品の魅力。何十回、何百回と観ているうちに、そのうちカイルが生還する結末(タイムパラドックスだ)にならないかな?って、気持ちで観てたこともあったな。  いつまでも大好きな映画。
[地上波(吹替)] 10点(2021-07-31 23:38:20)(良:1票)
35.  ダイ・ハード/ラスト・デイ
~A Good Day to Die Hard~『頑強に抵抗するには良い日だ。』インディアンの死生観を表すことわざをもじったもの。ちょっと陽気でハッピーな原題を、なぜわざわざラスト・デイという邦題にしたのかは疑問。作品の出来のイマイチさから、最終作を印象付けて観客動員を稼ごうとしたのか…  5年くらい前にTVでやってるのを観ました。せっかく1~4まで見直したのに、5は手元にないし、借りたり買ったりするほど面白かった記憶もないので、なにか余程の機会に改めて見ることがあれば、きちんとネタバレでレビューしたいと思います。 3でスピードやリーサル・ウェポンっぽさを取り入れ、4で-24-っぽさを取り入れ、今作では007やミッション・インポッシブル、ボーン・シリーズっぽさを取り入れようとしたのかな?って思いました。そのせいでダイハードっぽさが相当薄まった印象です。 1と5だけ観ると、同じ設定上のキャラクターとは思えません。
[地上波(吹替)] 4点(2021-06-20 22:39:38)
36.  Wの悲劇 《ネタバレ》 
ダブリューの悲劇。アメリカの推理作家の『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』のオマージュとして、日本の作家が作った推理小説『Wの悲劇』を劇中劇とした、舞台女優の悲劇を描いた映画…へえぇ~~。 薬師丸ひろ子の脱アイドル、本格的な映画女優を意識してか、処女喪失というショッキングなオープニングから始まる。彼女が感情の微妙な変化を、声と表情の演技で出そうと頑張っているのが伝わる。…良く言えば今の薬師丸ひろ子の演技は、この時ほぼ完成されている。 オーディション後に落ちたと知らず、静香に花束を渡す昭夫。その花束でバシバシ叩かれたあとの、キラッキラの笑顔と優しい言葉が印象的。なにか思っていた世良公則のイメージと違って違和感を感じなくもない。脱いだパンツ挟んでの昭夫と静香の電気のひもバトル。何とも青春していて良いね。 こんな過去のアイドル映画の集大成っぽい内容が1時間弱続き、いきなり物語が動き出す展開は見事。 羽鳥翔の自分を語りつつ、静香に頼んでいるようで、逃げ道を作らせない有無を言わせぬ圧。演技の勉強を頑張りすぎたせいで、役と事件を天秤にかけ、事の重大さを故意に鈍らせる静香。記者会見で女優として現実の自分を演じ通す静香の姿は痛々しくもリアル。一方、翔がかおりを摩子役から下ろすためのいびり方は演技とは思えないくらい、本当にありそうで怖かった。 昭夫が刺されてからが駆け足で、主要メンバーのその後が気になって仕方ない。特にかおりは、あんな事件を起こさなかったら実力から再起は確実だったろうし、可愛そうでならない。 でもそういう、蛇足になりそうなところを敢えて描かないで、静香と昭夫の別れでアッサリした終わりも悪くないと思えるようになった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-06-20 21:48:46)
37.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
~Die Hard 4.0 Live Free or Die Hard~『自由に生きる、さもなくば頑強に抵抗を。』モトはニューハンプシャー州の標語だそう。サイバーテロ映画なため、単純に4でなくプログラムとかのVer.4.0ってのが国際標準タイトルとのこと。 ナカトミビルの活躍から早いもので19年。前作から12年。ホリーと髪を失ったマクレーンが、筋肉ムキムキになって帰ってきた! マクレーンと言えば、経験と知恵で敵に喰らいつき、ゴキブリのように隠れて、油断した敵を仕留めるイメージだったのに、トレーラーからヘリの操縦までこなし、正々堂々真正面から打ち勝つような、戦車みたいな男になってしまった。コンピューターを駆使する戦いだから、頭を使うのはハッカーの役目に。 独立記念日前日だけに、歴代大統領の演説を繋げた犯行声明はシャレが効いていて怖くて、発想がスゴイ。 敵も女カンフー使いやパルクール使いと、格闘アクション色を強くしている。日本人が見ても綺麗なマギーQをマクレーンがバッキバキ殴るのは、なかなか容赦なくて見応えがある。 1で「きょうパパはくるの?」と可愛かった子どもが、こんなに大きくなって…夫婦愛から家族愛に広がったのは良いけど、この人危機がないと日常生活はダメダメ。何が決定打でホリーと離婚したのか、なぜルーシーはあそこまでジョンを嫌うのか。せっかくルーシーの家で始まるなら、何やかや大事にされてる1のクマのぬいぐるみがチラッと…なんて思ったり。 過去3作との大きな違いが場所と時間。ダイハードと言えば限定された空間での活躍が特徴だったけど、シリーズ毎に活躍範囲は広がっていき、今回はニューヨークからメリーランドへと州すら跨いでの活躍に。そして1と2は一晩の戦い。3は朝から夜中。今作は一日半不眠不休の戦いと長い。当時人気だった-24-の影響を大きく受けたんだろう。 電気が止まっているのに夜中に車が結構普通の速度で走っていたり、朝は走っている車がなく、どういう訳か道路の真ん中で立ち往生している車が多かったり、暴動が起きてても不思議じゃないのに歩いてる人が居なかったりと、なんか不自然。 メインがF-35だけど、単独飛行なのがちょっと変。そもそもあんなに接近する必要性ある?ぜんぶ生身のマクレーンと戦わせる話の都合上の演出なのが…。市街地の被害関係なしでトレーラーの足止めにミサイル使うし、あんな危ないパイロットを最新鋭機に乗せちゃマズい。CGで珍しい画が撮れるのは良いけど、リアリティは大事にしてほしかった。面白いんだけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2021-06-17 11:43:33)
38.  ダイ・ハード3 《ネタバレ》 
~Die Hard: With a Vengeance~すさまじい勢いで頑強に抵抗する。“3”と銘打たないことから、某シリーズのように前作を抜きにして正当な続編として作られたとか、仕切り直しの意図があったのかもしれない。確かに2はあまりに1の出来事を踏襲していて、その部分が今後のシリーズ化には足枷になったと思うし、マンネリ化を避ける意味でもこの方向転換は良かったと思う。 今作ではいよいよマクレーンの所属署のあるNYが舞台で、ホリーはロスで単身赴任だという。 なんか自分の勘違いか、ジョンはロスからNYに出戻り、ホリーはジョンのもとに戻ってきてたと思っていたけど、1のままの設定のようだ。 謹慎中で朝方まで二日酔いのダメ親父っぷりを見せるマクレーンが良い。普段がこんなだと、几帳面な会社人間のホリーは嫌になるだろう。 マクレーンの味方の警察側は、いつも足を引っ張るか、役立たずが多かったけど、今回は刑事仲間がいるのも嬉しいし、みんな結構責任感が強く頼りになる。 敵は金儲けのテロリストと職業軍人の混成チームみたいで、無口なカティアが怖カッコイイ。 何回も見てるのに、マシアスの奥さんだったって今回知ったわ。奥さんに撃ち殺されるなんて… スタイリッシュな真夏のNYの風景からデパートの大爆発。タクシーでセントラルパークを激走(クレイジータクシーってゲームに大きな影響を与えている)。地下鉄、ハーレム、ウォール街。遠くにツインタワーも見える。あちこちで起きるテロ行為が、金塊強奪事件に結びつくストーリーも、よく練られている。 旧作より舞台が広がり、NY市全体が舞台(しかもCGではなく本物)となっていて、観光する楽しみと、知っている風景が破壊される楽しみが味わえる。…こんな表現も、今使って良いのかわからないけど、9.11同時多発テロ以前だから出来た作品で、もうこんな規模の爆発ロケものは作れないかも? 大都会で火薬とガソリンの臭う、人類史上最後の超大作かもしれない。 出来れば最後、タンカー爆発から間を置かずに解決編に。そして国境の町(州はずれ?カナダ?)でなくNY市内で終わらせてほしかったかな。 2までのお約束を排除し、シリーズらしさが薄いからか評価は低いみたいだけど、単品としても面白いし、シリーズとしても好きな作品です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2021-06-12 14:40:01)
39.  ダイ・ハード2 《ネタバレ》 
~Die Hard 2: Die Harder~もっと頑強に抵抗する。こんなサブタイが付いていたなんて知らんかった。 NYに転属したのにワシントンが舞台。マクレーンもポケベルを持つようになった。 乗っけからスチュアート大佐の謎の裸踊り。きっと『今回はこんな引き締まった、強そうな敵と戦いますよ』って伝えたかったんだろう。マクレーンはトドみたいだからな… ホリーの隣、スタンガンお婆ちゃんの読んでる雑誌の裏表紙はリーサルウェポン?「シャンパンいかがですか?」と終始粋なスチュワーデス、言われたら言い返す。 今回は途中からグラント少佐の特殊部隊が味方について、観てるこちらもホッと一安心。…と思いきやまさかの裏切り。これには当時驚いた。 当時は気にならなかったけど、プロの軍人相手に一人で渡り合うマクレーン。ちょっと余裕もありそうで、テロリストの知識も豊富で、今思うと強すぎかもしれない。空砲とは言え署長に撃つのはやりすぎか。 コンベアにズルルッ!つららグサッ!エンジンでドビャッ! 前作に比べて、結構痛そうな死に方が多かった気がする。ホラー出身のレニー・ハーリンだからだろうか? それでも観ている最中はあまり気にならなく、最後の悪党どもをまとめてドカン!はスカッとする。 その炎が誘導灯になって、ピンチの飛行機がまとめて助かるのも胸のすく展開。次々着陸する飛行機のジェット気流が煙に渦を巻くシーンが好き。 リポーターのコールマン。ジョンが思い出せないスチュアート大佐がパッと出てくるとか有能だけど、最後ジョンとホリーが抱き合うところを撮らない人だから、いつまでも出世しないで現場走り回るんだろうな。違法な情報収集と出世欲のカタマリのソーンバーグとは対照的。 空港のFAXはサンヨー、悪者の無線機はケンウッドだ。まだまだ日本強いぞ。  前作から一年後の、またまたクリスマス。管轄外で孤立無援、限定空間での戦い(空港だから広いけど)。同じ名前ネタは兄弟ネタに。 前作に引き続きホリーのピンチ、同じ飛行機にソーンバーグ。パウエルの援助はともかく、クリスマスとは言えこんな偶然ってあるか? 最後はリムジンでなくカートの後部座席で帰るジョンとホリー。エンディングはおなじみ『Let It Snow』 かなり強引な設定。あまりに前作を意識していたので、当時『面白かったけど、次回作を作るの大変そうだな』って思ったわ。 これが2ではなく、シリーズを経て20年後くらいに作られていたら、それはそれで同窓会的にホンワカと観られたかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-07 09:06:39)
40.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 
~Die Hard~頑強に抵抗する。思いつくイメージはゴキブリ。テロリストが悠々と通路や部屋を動くのに対し、マクレーンはダクトの中やエレベーターの隙間を煤まみれになって這いずり回る。ピッタリなタイトルだ。  リムジンに初めて乗るジョンが助手席に乗るのが面白い。この映画を単体作品と考えると、話し相手が欲しくて寂しいから助手席に乗ったと解釈できるし、シリーズものとして考えると、頼んでもいないリムジンに警戒している用心深い性格にも見える。最後はホリーと後部座席に乗るのも、どちらに解釈しても納得できる結末。上手いな。  そもそもホリーとの関係はどうなのか?私は悪いのはジョンだと考える。 日本の社風だからとジェナロ姓で働くが、本社はともかく直属の高木社長にはきちんと「夫はジョン・“マクレーン”」と伝えている。高木は彼女の立場を理解しているし、不仲の夫にリムジンを用意するくらいの立派な人物だ。 ちなみにナカトミの会長の名前はオズ。日本の古風な映画監督・小津安二郎と、エコノミックアニマル・日本だけに金の単位のOzも掛かっていると思う。…ってオズの魔法使を観て思いついた。 よりを戻したいホリーに対し、ジョンはカリフォルニアに着いても家に連絡入れてない。パーティだと言うのにラフな格好で来るし、パーティ中はシャワー浴びて部屋で一人でくつろいでる。なんか高木社長に失礼だ。家に泊まるよう誘うのもホリーから。ホリーも夫より仕事を選んだ負い目もあるんだろうけど。ジョンは卑屈で心の狭い内弁慶な人みたいだ。 ハンスの最後、会社からもらった腕時計をジョンが外す結末も、仕事より夫婦愛を選んだ象徴的なシーン。シリーズ化して2人は別れたが、単体として観ると、とても素敵なハッピーエンド。  ジョンのヒーローらしくない口の悪さ。窓際の自分に気が付かないパウエルに「スティービー・ワンダーかよ!」は酷いけど面白い。 この時パウエルが「雪よ降れ~雪よ降れ~」って歌ってる時に死体が降ってくる演出、これも酷いけど面白い。 音楽繋がりで、もしかしたらだけど、この映画の音楽は全部、クリスマス・ソングやニューイヤー・ソングがベースになってる?今回初めて気がついたけど、トニーが電話線を探すシーンの不気味な音楽、よく聞くと『Winter Wonderland』なんだ。…他のは知らんけど。 今回気がついたもう一つ、ジョンがガラスの散らばる部屋から逃げるけど、ダメージを減らすため片足だけを犠牲にしてる。片足ケンケンしたのか、大ジャンプしたのか…  TVの学者「これをヘルシンキ・シンドロームと言います」キャスター「スウェーデンの?」学者「…フィンランドです」ディレクター「…(ストックホルム)」ボインのポスター。違うほうのジョンソン。トゥインキーの味。こういう小ネタも面白い。 今から33年前の映画で、当時はタバコ喫煙やカセットテープが現役なのと、携帯がない事を除けば、時代を感じさせない映像とアクション。 ちなみに戦後43年目の作品となると、公開からどれだけ年数が経ったか、思い知らされる。 たぶん今から10年後も、アクション映画の代表作として君臨しているだろう。
[レーザーディスク(字幕)] 10点(2021-06-04 00:18:52)
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