Menu
 > レビュワー
 > K&K さんの口コミ一覧。2ページ目
K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 812
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123
投稿日付順123
変更日付順123
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  ダイ・ハード2 《ネタバレ》 
~Die Hard 2: Die Harder~もっと頑強に抵抗する。こんなサブタイが付いていたなんて知らんかった。 NYに転属したのにワシントンが舞台。マクレーンもポケベルを持つようになった。 乗っけからスチュアート大佐の謎の裸踊り。きっと『今回はこんな引き締まった、強そうな敵と戦いますよ』って伝えたかったんだろう。マクレーンはトドみたいだからな… ホリーの隣、スタンガンお婆ちゃんの読んでる雑誌の裏表紙はリーサルウェポン?「シャンパンいかがですか?」と終始粋なスチュワーデス、言われたら言い返す。 今回は途中からグラント少佐の特殊部隊が味方について、観てるこちらもホッと一安心。…と思いきやまさかの裏切り。これには当時驚いた。 当時は気にならなかったけど、プロの軍人相手に一人で渡り合うマクレーン。ちょっと余裕もありそうで、テロリストの知識も豊富で、今思うと強すぎかもしれない。空砲とは言え署長に撃つのはやりすぎか。 コンベアにズルルッ!つららグサッ!エンジンでドビャッ! 前作に比べて、結構痛そうな死に方が多かった気がする。ホラー出身のレニー・ハーリンだからだろうか? それでも観ている最中はあまり気にならなく、最後の悪党どもをまとめてドカン!はスカッとする。 その炎が誘導灯になって、ピンチの飛行機がまとめて助かるのも胸のすく展開。次々着陸する飛行機のジェット気流が煙に渦を巻くシーンが好き。 リポーターのコールマン。ジョンが思い出せないスチュアート大佐がパッと出てくるとか有能だけど、最後ジョンとホリーが抱き合うところを撮らない人だから、いつまでも出世しないで現場走り回るんだろうな。違法な情報収集と出世欲のカタマリのソーンバーグとは対照的。 空港のFAXはサンヨー、悪者の無線機はケンウッドだ。まだまだ日本強いぞ。  前作から一年後の、またまたクリスマス。管轄外で孤立無援、限定空間での戦い(空港だから広いけど)。同じ名前ネタは兄弟ネタに。 前作に引き続きホリーのピンチ、同じ飛行機にソーンバーグ。パウエルの援助はともかく、クリスマスとは言えこんな偶然ってあるか? 最後はリムジンでなくカートの後部座席で帰るジョンとホリー。エンディングはおなじみ『Let It Snow』 かなり強引な設定。あまりに前作を意識していたので、当時『面白かったけど、次回作を作るの大変そうだな』って思ったわ。 これが2ではなく、シリーズを経て20年後くらいに作られていたら、それはそれで同窓会的にホンワカと観られたかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-07 09:06:39)
22.  ダーティファイター(1978) 《ネタバレ》 
- Every Which Way But Loose - 歌の歌詞からの引用のようだけど、良く解りません。 無い頭をこねくり回して “(お前にその気になって)束縛を振りほどこうとしてみたけど…” なんて。合ってんのかなぁ? 邦題は解りやすくダーティハリーに乗っかってますね。ストリートファイトを題材にした映画で、ゲームのストⅡが出た時に「あ、ダーティファイターのゲームだ」なんて思ったっけ。  基本アクション俳優のイーストウッド。ダーティハリー3でくすりと笑えるシーンはあったけど、本格的なコメディ映画に挑戦した作品って言えるかな?カントリーソングをバックに、広大なアメリカ大陸をのんびり旅する、ゆる~い展開が心地良い。根底にあるのは、惚れた女を一途に追い掛ける不器用な男の物語で、そのまんまカントリーソングの主人公をイーストウッドが演じてるイメージ。 …あくまで私のイメージだけど、カントリーって失恋とか叶わない恋とかを、カラッと爽やかに歌ってる感じ。似てるけど失恋、片思いをジメッとウジウジ歌ったのが演歌ってイメージ。  ファイロとクライドが本当に仲良く観えて、動物相手にじゃれ合って、しっかり相棒を演じられるイーストウッドって、凄い人だなって改めて感心。 ただこのファイロって人物、人のピーナッツ横取りしたり、素っ気ない女のスープに入れ歯入れたり、売られた喧嘩は必ず買って、むしろ売らなくて良い喧嘩売るくらい。呆れるくらい自分勝手。 追いかけた女との結末は意外。『そう来たかぁ』って。だってソンドラ・ロックなのに。まぁでもカントリーソングの主人公らしい結末かもしれない。 勢いで挑んだ最強の男タンク。最後なぜそうした?タンクの老いに対する同情心?自分が王者になり、追われる立場になることへの面倒臭さ? “人間の相棒”オーヴィルに、意外な活躍をするエコー。口が達者なママ。どこか憎めない暴走族から警官コンビ。それなりに魅力的な登場人物のお陰で、何とかかんとか後味さっぱり、ほんわかコメディに仕上がっている。
[地上波(吹替)] 6点(2022-10-22 13:54:03)
23.  TAXi 《ネタバレ》 
ワイルド・スピードと双璧とも言えるカーアクション映画シリーズ。コメディ色が強いので、みんなが楽しめる作品。 どこにでもありそうなセダンが、スイッチひとつでカリッカリのチューニングカーになる馬鹿らしさ。この有り得ない展開が、公開当時は受け付けなかったけど、年々許せるようになって、今では結構好きになった。  地を這うようなローアングルショット。路面を縫うようにスイスイ車線変更するカメラワーク。改造車の馬鹿らしさとは対照的に、カーチェイスは迫力満点。車線変更直後に同車線上に自転車が走ってたり、車の間をギリギリですり抜けたりと、観てて結構危ないシーンもあった。  コメディ部分はオーソドックスなのとコテコテなののミックス、エミリアンのアホさ加減が笑えるか許せるかで評価変わりそう。 ジベール署長のドイツ人嫌いとか、韓国人タクシーのネタ“顔の区別がつかないから”とか、人種国籍ネタは結構ブラック。 あんまり深く考えないでボヘ~~っと観るのに適してるね。
[地上波(吹替)] 6点(2022-02-10 12:23:01)
24.  ダイヤルMを廻せ! 《ネタバレ》 
~Dial M for Murder~ダイヤルのMは“殺人”のM。 序盤、完全犯罪のタネ明かしから入るのは珍しいと思った。説明聞きながら電気を消して、暗い中で動けるかとか確認するスワンも芸が細かい。 タネ明かしから見せるってことは、当然その通りにいかないって想像が付くんだけど、奥さんが私も出掛けるって言われたときはドキッとした。その後時計が止まって計画がズレるけど、こっちは特に悪影響なかったんだっけか? 優秀な警部相手に、とっさの思い付きで“駅で彼を見た”とか“上司の電話番号を聞くため”とかポンポン出てくるトニー。苦しい言い訳にも取れるけど凄い。 マークの推理が、最初の完全犯罪のタネ明かしとほぼ一緒なのが、ハラハラして面白い。さすが推理小説作家。 最後の鍵がマーゴのでなくスワンのだと気がつくシーン、警部の読み通りになるところをトニーのセリフ無しで見せるのも上手いなぁ。 しかし、殺人とは言え、不倫カップルに制裁を加える夫が悪人に描かれるって、なんか時代を感じてしまうなぁ。最後にマーゴとマークが警部と一緒にトニーを出迎えるところ、ハッピーエンドと言って良いんだかモヤるけど、全てを諦めて二人に酒を薦めるトニーが格好良くも見えた。  そもそも鍵を開けてすぐ、階段のカーペットに鍵をしまったスワン。自分の家の鍵とそっくりだからそうしたのか?家の鍵が多様になった最近の家では使えないネタ。このアパートの玄関、この時代にオートロックなのか?トニーが出ていくとき鍵かけてないよーな。 有罪から死刑になって執行されるまで早っ!とか、警部令状もなしにマーゴの鍵で家宅捜索しようなんてアウトローとか思ったけど、一番ビックリしたのがインターミッション。105分の映画で途中休憩が入るなんて予想外だった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-17 21:38:47)(良:1票)
25.  タクシー運転手 約束は海を越えて 《ネタバレ》 
親ひとり子ひとり。タクシー運転手と乗客の、一期一会のほのぼのした映画…と思いきや韓国の黒歴史の映画でした。 光州事件。この映画を見るまで知らなかった。 1980年といえば割と最近の出来事、8年後にオリンピックをやる国で、同じ民族に銃を向ける事件があったなんて… 政治に無関心なキム。大金のために人の仕事を横取りとか、面倒に巻き込まれたくないからUターンとか結構酷い。 当時の10万ウォンは37万円くらいらしい。こりゃ大金だけど、命をかける金額かというと… 危険には目を瞑って光州に行くキム。ソウルから光州まで270kmくらいだって。結構な距離だな。 緑のコロコロしたタクシーが可愛い。小さいなぁ、Nワゴンの方がデカイんじゃないかな?60万kmも頑張ってるのが良いね。 でもあの車でソウル→光州270kmはキツイ。 光州の町並みは、荒廃して無人で不気味だけど、どこか懐かしさが感じられる。日本で'80の町並み再現の大変さを考えると、CGなのかな?よく出来ている。 光州の人が良い人ばっかり。おにぎりくれたり、タクシー直してくれたり、泊めてくれたり。こういう細かい描写から、キムとピーターが感じる事件の怖さと軍に対する怒り、同胞が傷つけられる悲しさが伝わってくる。 殴る蹴るの暴力が、人に銃口を向けるまでに発展。キムと光州のタクシー運転手たちが、自分に出来ることを命掛けで行うのは観ていて辛い。あんな緑のコロコロした小さい車で、軍のライフル銃を防げるとは思えない。ファンさんは無事だったんだろうか? でも無事帰れて、無事ウンジョンに会えてよかった。大家さんも娘に優しくしてくれてよかった。 最後にピーター本人が出てきて、この物語もある程度実話をベースにしていることが解った。 でもなんで、偽名使ったのかな。保身のため…かなぁ?信頼は海を超えられなかったか?(※解決済み) カーチェイスはともかく、東京のホテルで提供されるサッポロラガーのラベルが当時の楕円形のものなのが再現度高い。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-08-09 23:17:24)
26.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
~Salvation~救済(救済者)。洋題には4は付かない。 これは“ターミネーター4”と呼ぶよりは“ターミネーター・サルベーション”。 シリーズ前作で興行的&満足度的にヤラカシてしまったことを救済する意味と、登場人物を救済する者という二つの意味がありそうだ。 そしてこの作品は3の続きとしてより1の前日譚として観ると、割としっくり来た。 作中T-800が新兵器として開発されているのと、ジョンが頻繁にサラのテープレコーダーを聴いてヒントを探している辺り、サルベーションは、1さえ観ていれば(2を観ないでも)楽しめる作りになっている。 そもそもジョン・コナー役、フニャっと弱々しいニック・スタール(3)と、キリッとたくましいクリスチャン・ベール(本作)では、容姿が違いすぎるしね。 軽火器で応戦するイメージだった抵抗軍が、A-10や潜水艦を運用してたりと、かなり強力な組織なのに違和感を感じるけど…まだジョンは抵抗軍のリーダーじゃないから、初期の頃はこんな充実してたんだなぁって、思おう。 様々なターミネーター達と抵抗軍の戦いは、未来の戦争映画として迫力があり、ジョンがヘリで飛び立ってから墜落するまでの1カット風撮影とか、かなり見応えがあった。 T-800の起動は驚いた。出てくるとは思わなかったから、なんか嬉しかった。1の最初の髪型だったのも、おぉっ!て。 サルベーションは三部作だったらしいので、きっとカイルが過去に行くまでくらいの10年間を描く予定だったんだろう。スターの今後とかジョンとケイトの子とか、色々ネタはあったんだろうな。観たかった気もするけど、この1作だけでも充分かも。 タイトル話に戻るけど、まだ子供のカイルをジョンが救い、心臓にダメージを受けたジョンをマーカスが救い、マーカス自身は人生をやり直すことで過去の過ちから救われる。そんな救済者たちの物語としても成立している。
[映画館(字幕)] 6点(2021-08-05 22:28:57)
27.  Wの悲劇 《ネタバレ》 
ダブリューの悲劇。アメリカの推理作家の『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』のオマージュとして、日本の作家が作った推理小説『Wの悲劇』を劇中劇とした、舞台女優の悲劇を描いた映画…へえぇ~~。 薬師丸ひろ子の脱アイドル、本格的な映画女優を意識してか、処女喪失というショッキングなオープニングから始まる。彼女が感情の微妙な変化を、声と表情の演技で出そうと頑張っているのが伝わる。…良く言えば今の薬師丸ひろ子の演技は、この時ほぼ完成されている。 オーディション後に落ちたと知らず、静香に花束を渡す昭夫。その花束でバシバシ叩かれたあとの、キラッキラの笑顔と優しい言葉が印象的。なにか思っていた世良公則のイメージと違って違和感を感じなくもない。脱いだパンツ挟んでの昭夫と静香の電気のひもバトル。何とも青春していて良いね。 こんな過去のアイドル映画の集大成っぽい内容が1時間弱続き、いきなり物語が動き出す展開は見事。 羽鳥翔の自分を語りつつ、静香に頼んでいるようで、逃げ道を作らせない有無を言わせぬ圧。演技の勉強を頑張りすぎたせいで、役と事件を天秤にかけ、事の重大さを故意に鈍らせる静香。記者会見で女優として現実の自分を演じ通す静香の姿は痛々しくもリアル。一方、翔がかおりを摩子役から下ろすためのいびり方は演技とは思えないくらい、本当にありそうで怖かった。 昭夫が刺されてからが駆け足で、主要メンバーのその後が気になって仕方ない。特にかおりは、あんな事件を起こさなかったら実力から再起は確実だったろうし、可愛そうでならない。 でもそういう、蛇足になりそうなところを敢えて描かないで、静香と昭夫の別れでアッサリした終わりも悪くないと思えるようになった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-06-20 21:48:46)
28.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
~Die Hard 4.0 Live Free or Die Hard~『自由に生きる、さもなくば頑強に抵抗を。』モトはニューハンプシャー州の標語だそう。サイバーテロ映画なため、単純に4でなくプログラムとかのVer.4.0ってのが国際標準タイトルとのこと。 ナカトミビルの活躍から早いもので19年。前作から12年。ホリーと髪を失ったマクレーンが、筋肉ムキムキになって帰ってきた! マクレーンと言えば、経験と知恵で敵に喰らいつき、ゴキブリのように隠れて、油断した敵を仕留めるイメージだったのに、トレーラーからヘリの操縦までこなし、正々堂々真正面から打ち勝つような、戦車みたいな男になってしまった。コンピューターを駆使する戦いだから、頭を使うのはハッカーの役目に。 独立記念日前日だけに、歴代大統領の演説を繋げた犯行声明はシャレが効いていて怖くて、発想がスゴイ。 敵も女カンフー使いやパルクール使いと、格闘アクション色を強くしている。日本人が見ても綺麗なマギーQをマクレーンがバッキバキ殴るのは、なかなか容赦なくて見応えがある。 1で「きょうパパはくるの?」と可愛かった子どもが、こんなに大きくなって…夫婦愛から家族愛に広がったのは良いけど、この人危機がないと日常生活はダメダメ。何が決定打でホリーと離婚したのか、なぜルーシーはあそこまでジョンを嫌うのか。せっかくルーシーの家で始まるなら、何やかや大事にされてる1のクマのぬいぐるみがチラッと…なんて思ったり。 過去3作との大きな違いが場所と時間。ダイハードと言えば限定された空間での活躍が特徴だったけど、シリーズ毎に活躍範囲は広がっていき、今回はニューヨークからメリーランドへと州すら跨いでの活躍に。そして1と2は一晩の戦い。3は朝から夜中。今作は一日半不眠不休の戦いと長い。当時人気だった-24-の影響を大きく受けたんだろう。 電気が止まっているのに夜中に車が結構普通の速度で走っていたり、朝は走っている車がなく、どういう訳か道路の真ん中で立ち往生している車が多かったり、暴動が起きてても不思議じゃないのに歩いてる人が居なかったりと、なんか不自然。 メインがF-35だけど、単独飛行なのがちょっと変。そもそもあんなに接近する必要性ある?ぜんぶ生身のマクレーンと戦わせる話の都合上の演出なのが…。市街地の被害関係なしでトレーラーの足止めにミサイル使うし、あんな危ないパイロットを最新鋭機に乗せちゃマズい。CGで珍しい画が撮れるのは良いけど、リアリティは大事にしてほしかった。面白いんだけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2021-06-17 11:43:33)
29.  探偵物語(1983) 《ネタバレ》 
赤川次郎の原作自体が、薬師丸ひろ子をイメージした作品だって聞いた記憶があるが、このタイトルからして、相手役は松田優作をイメージしていたんだろうか? 探偵事務所に所属しているけど単独行動・孤立無援な辻山は、個人事務所だけど仲間とワイワイな工藤ちゃんとは、人物像が真逆と言うか… 本で見るとナルホドってなるかもだけど、実際画で見るとかなり無理があるトリック殺人。ものすごい偶然が重なってたどり着く推理。都合よく置いてあるペンダント。ゆるく楽しむのが正しい観方なんだろう。  事件解決からが見応えがあって、辻山の部屋での長回しが素晴らしい。というか、ここから先だけでも良いんじゃないか?って思ったりする。 今まで直美を“調査対象の子ども”として、一歩引いた距離で扱ってきたが、ホテルの話を聞き、落胆の表情を見せる辻山。 「ずっと一人で寂しかった!」「…一人で居て寂しくないやつなんていないよ」直美を大人としてみて本心を話す。 「帰ります」と2回。背中に向けて投げ捨てるような告白の言葉。そんな事解ってるから振り向きもしない辻山。 アイドル映画の告白シーンなのに、重苦しく物哀しい。切ないテーマソングの入り方もイイ感じ。 空港での別れのシーン。エスカレーター逆走から手を重ねて無言のキス。 キスの後も名残惜しそうにしがみつき、胸に頭をくっつける薬師丸ひろ子の演技は素晴らしい。 …ただディープキスにしたのはどうだ? 欧米の映画に比べて日本の映画界が劣っていると考えている松田優作が、ちょっとやり過ぎてしまったんじゃないかと思うんだけど。どうだろう。 普通のキスで良かったんじゃないかな。話題作りにはなったと思うけど。 もう一回ちょんとキスして、小さく手を降り去っていく直美。しばらく後に小さく手を振り返す辻山。 棒立ちの松田優作と、ディープキスのあとだけにホンワカした音楽がちょっとシュール。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-21 11:04:34)
30.  ダーティハリー4 《ネタバレ》 
~Sudden Impact~不意の衝撃。 4作目にしてアルバート・ポップウェルはハリーの相棒刑事になった。これは覚えていたわ、悲しい最後も覚えてた。しかし友人の出張先になぜ犬を届けるか。 今作はハリー・キャラハン・シリーズのスピン・オフの趣で、主人公はジェニファー。犯人側の心情が撮られたのは初めて。 舞台はサンフランシスコから、架空の街サンパウロに移る。キャラハンは出張でこの町に来ている。 『??俺たちって誰だ?』「スミスと、ウエッソンと、俺だ」カッコイイ。 復讐の相手を見つけるジェニファー(寄り)→事件のフラッシュバックの流れは、キル・ビルにそのまんまインスパイアされてると思った。 ジェニファーの描く自画像と、メリーゴーランドのユニコーンの顔が似てる。銃を手に復讐の為だけに生きる空っぽの自分と、ハリボテで出来た一角獣がダブったんだろうか? タイトル回収は最後のキャラハンの心変わりの事かもしれない。自分があんなこと言ってしまうなんて…的な?ジェニファーには、妹に復讐完遂を伝えたあとは、ぜひキッチリ自首してほしい。 今回、サンフランシスコから飛び出したり、途中から武器をオートマグにしたり、犯罪を見逃したり、最後に歌が流れたり…意欲的に新展開を盛り込んでいるが、この方向でのシリーズ延命はしなかった。色々反響があったのかもしれない。
[地上波(吹替)] 6点(2021-03-31 23:52:09)
31.  ダーティハリー3 《ネタバレ》 
~The Enforcer~法の強制執行者。 人事課に配置換えされたハリーの退屈そうな仕草が良い。 社会の女性ワク拡大のため、市からの要請に無理矢理応えるしかないSF市警。逮捕経験の一度もないムーアを刑事にする。 ムーアも刑事を希望したくらいだから頑張っているが、理想と現実は違っていて、印象的なのは警備員の解剖で、ジョークを飛ばす監察医。立ち会ったのが女性だからの嫌がらせとかでなく、普段からああいう職場なんだろう。環境・習慣・風土を変えてまで女性の社会進出をさせる今とは大違い。 3作目にしてアクションとコメディ色が強くなった。字幕で見てもハリーの「泣けるぜ…」が山田康雄声で再生される。 ムーアが雑に扱っていた鞄が爆弾だったと後から解って、トイレに引き篭もるのが可哀想と言うか可愛いと言うか。 頑張ってどこでもついてくる様子は、パートナーと言うより妹キャラ。女性というだけで何もしてないに表彰される時の苦笑いが印象的。本人も市長にそういう使われ方するの、薄々気がついていて、頑張り屋だけに嫌だったろうな。慣れた相手にはシモネタ連発するから、きっと男兄弟がいるんだろう。経験を積めば良い先輩刑事になれたと思う。 今回アルバート・ポップウェルは黒人過激派のリーダー。堂々と登場した時思わず吹き出した。 同じく皆勤賞の太っちょフランクは、今作でお亡くなりになる。 犯行グループの印象は薄い。過激派に扮した金目当ての強盗団なのはダイハードと一緒かもしれないが、素人感丸出し。こんな連中がどうやって観光地のアルカトラズ刑務所を占拠できたのか謎。 無理矢理使った感がある対戦車ロケット。今思うと無理に派手なシーンを入れなくてもと思うが、当時のニーズだったんだろう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-03-26 14:50:56)
32.  ダーティハリー2 《ネタバレ》 
〜Magnum Force〜桁違いの力。ハリーのM29マグナムとデイビスの357マグナムの対決も表してそう。 完結したダーティハリーの人気に押されて作られたっぽい作品で、邦題のように正式タイトルに“ダーティハリー”は付かない。 前作の続きかって言うと繋がりは薄く、市川崑の金田一シリーズみたく、ハリー・キャラハンというキャラ設定だけを引き継いだ作品だと思っていた。 でも1の同僚チコの話(2週間組んで今は教師をしている)がチラッと出てたのに今回気が付いた。 そもそも1の銀行強盗(アルバート・ポップウェル)が、ポン引き役で出てくるからややこしいんだ。…同一人物役かもしれないけど。  ハリーは最初、職務に不満を見せる友人チャーリーの犯行と疑うが、真犯人は間違った思想を持った新人警官達だった。前作で法律で裁けない悪党を始末し、バッジを捨てたハリーはどう思ったろうか。 一連の犯行がチャーリーのものと思わせるミスリードが、上手く機能したとは思えない…というか、20年ぶりに今回見直すまでチャーリーの存在を忘れてた。 転倒した白バイ警官は自警団グループの誰かで、仲間割れか何かで殺されたんだと思ってたよ。 OPの44マグナムのアップや射撃場での弾丸の説明、スピードローダーを使った華麗なリロードシーンはガンマニア歓喜だが、最後の対決が射撃の名手同士のマグナム対決じゃないのは、リアルさを出す演出だろうか? あの空母から海面までは9mくらいらしく、デイビスがアッサリ転落死してしまうのは、何とも消化不良に思った。  昔テレビで観て大好きだったシリーズで、1〜4はみなクオリティが高いと思っていたけど、吹替と編集(程よいカット)が良かったのかなぁ?今見ても充分面白いんだけど、こんなんだったかなぁ?って。
[地上波(吹替)] 6点(2021-03-24 21:34:25)
33.  断崖 《ネタバレ》 
-Suspicion- “(悪事に)うすうす感づく” このタイトルだと誰もが「いや遅いって!」ってツッコミを入れたくなるかも。 働いたら負けかなって思っているプレイボーイのジョニーと、恋愛経験が殆どなくて、両親への反発・思いつきから結婚に踏み出したリナ。ジョニーが親の遺産目当てなのはミエミエで、椅子を見た時の落胆ぶりがまた可笑しい。質屋で椅子を見つけてもズバッと怒れないリナに、競馬で勝ったから買い戻しといたぜ。で許してしまう辺り、この時代の女性の自己主張の弱さが悲しくなってくる。 崖を見に行ったあとのビーキーの呑気な姿。リナ同様『あんた殺されるところだったんだぞ』って思うと、なんかシュール。結局ブランデーの前フリがあった通り死んじゃうけど。  イソベルって推理作家が出てきて『だれ?』ってなった。ジョニーとリナの共通の友人で推理作家?こんな人いたっけ?ここが初登場で良いんだけど、なんか偶然の出会いからの新婚なのに、共通の友人が出てくると、どこか見落としたか?って心配になる。 毒の前フリのあとの光るミルクは古典サスペンスの小道具として見事。  緊張感ある崖の暴走からの拍子抜けする最後の告白。う~ん、それはアリっちゃアリだけど、今までの殺人に関する前フリが全部思い込みってことになる。だけどリナに内緒で大事な椅子売っぱらったりとか最低男な部分は変わらない。どこをどう良いふうに解釈すればあのジョニーを許せてしまうのか? むしろ「そう、わかったわ、でも別れましょう」ってリナに逆ギレして、咄嗟に安直な方法で殺して逮捕されるとか、そういうのだったら意外性あったかも?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-10-06 09:54:13)
34.  大統領の陰謀 《ネタバレ》 
-All the President's Men- “全ては大統領の部下” ペンタゴン・ペーパーズを観てから、この映画を観たら時代背景とか人物描写とかを理解するのに深みが出るかなぁ?って軽い気持ちで見たところ、やっぱり皆さんと同じような感想を抱いてしまいました。。。 ウォーターゲート事件というと、フォレストガンプの『暗いビルの中で動く懐中電灯』のイメージくらいしか無く、そこが掘り下げられるかと思っていたら、そこは序の序でおしまい。調べるにつれ関係者がズルズル引きずり出される映画の構成から、不法侵入はあれ以上広げようがなかったのかもしれないけど。  やたらと飛び交う人名に大混乱。基礎知識があれば別かもだけど、私のようなポンコツには関係性の整理が難しく、かなり集中力を必要とする映画でした。 水曜の夜にトライして寝落ち。部屋を暗くしていたのが敗因かと思い、金曜に電気つけて再視聴の再寝落ち。舐めてました。日曜の昼になんとか観終わりました。集中してるつもりでもこんがらがってくるので、日曜は人名どんどんメモっていきましたよ。 コルソン、リディ、ミッチェル、ダーディス、バーカー、ダールバーグ、マグガバン、マグレガー、スタンズ、ディープ・スロート、スローン、ゴードン、ポーター、マグルーダー、シプリー、セグレッティ・・・ここにジョンとかモーリスとかケネスとかファーストネームが加わってもう無理!みんなもう誰も知らない人ばっかり!なんて休日だ! 列挙した名前が全部かどうかはアレだけど、これらの人々が“大統領の部下”であり、箝口令のためや、自分の保身の為に黙る人はいたけど、むしろ免罪符さえ与えれば、みんな話したい方なくらいに話してた印象。もちろん主役2人の話術と根気。ブラッドリー主幹の後押しと信頼。ディープ・スロートの裏情報(確認行為)があってこそだけど、大統領の為に黙る人は皆無だったような。  今の最新ニュースを伝えるテレビを横目に、明日の記事をタイプする2人。誰々がいつ捕まって~…。ここ詳しく知りたいけど、当時の人には常識過ぎて、この映画の見どころじゃなかったんだろう。 「え?あんな大物政治家がこの事件に?」なんて意外性を楽しむ映画でも無さそうな。 映画の前に人名や事件の概要を理解して、基礎知識パンパンに武装してみたら、より面白く観られるんだろうか? う~ん…ホント主役2人の記者としての情熱を味わう映画なんだろう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-08 22:57:07)
35.  誰が為に鐘は鳴る 《ネタバレ》 
-For Whom The Bell Tolls-原題まま。 ことタイトル回収についてはラストが全てかもしれません。 「アメリカの事を考えろ…出来ない。マドリード(共和国側最後の拠点)の事を…ダメだ。マリアのことなら、出来る!彼女は私と生きるのだ!」機関銃→鐘。映画を観ての通り鐘を鳴らすとは銃を撃つこと。第2次世界大戦が佳境を迎える時期、この戦争が誰のための戦争かを、観る者に問うているように思えた。  つまり『祖国アメリカの為とは言わないですよ。侵略されている国の為とも言いませんよ。あなたの愛する女のために鐘を鳴らしませんか?』と。 直接的には『独裁政権に髪を刈られ、凌辱を受けている可愛そうなマリアが、あなたが鐘を鳴らすのを待っていますよ。』と。 もっと言えば『海の向こうの戦争なんて興味ないかもしれないけれど、向こうでは字も読めないムサ苦しい現地男に囲まれて、ラテン系のマリアが、東欧系のマリアが、東洋系のマリアが、アメリカ人のあなたが銃を構えて参上するのを待っていますよ。』と。 早い話『軍に入って銃を撃て』と。  中学生くらいの頃、確かNHKでやっていたのを観たんだと思う。過去の名作ってあまり観てなかったんで、ありがたく鑑賞させてもらって、有名なキスシーンと最後のシーンだけ覚えてました。こんなに長い映画だったんだ。 パブロやピラーに比べ、マリアの浅黒メイクの、何といい加減なことか。悲壮感を感じさせる髪は、3ヶ月の間に可愛いくらいには伸びている。ここはあまりにリアルだと引いてしまう。山岳の厳しい環境でロベルトとマリアが隙あらばイチャイチャしてるのも、現実の戦場とは違って夢のある話に思う。 臆病だからとか姿を消しては戻ってくるパブロ。美人じゃないからってピラーの愚痴。作戦決行日に大事な連絡が届かないゴルツ将軍。内容と時間のバランスが微妙で、看板俳優が出演する大作だからって、無理やり170分の長尺映画にしたようにも思える。
[地上波(字幕)] 5点(2022-05-05 16:55:56)
36.  大魔神逆襲 《ネタバレ》 
前作と同年の冬に完成した第3作目。冬といえば雪山。本作は雪積もる高山が舞台です。 今作では神の使いで大鷹が出てくるし、土→水→…とくればエレメント的に“風(もしくは空)”かなぁ?と思ってたら、雪の魔神だそうで…日本には八百万の神が居るんだから、雪の神様が居てもおかしくないか。山々のロケーションがとても綺麗。  序盤に魔神が暴れたり、顔から血が出るのは、1作目の良かったところと、なかなか魔神が出ない2作目の反省からだろうか。戦国の戦いに、ヒロインの涙に導かれて魔神が介入するパターンから、本作は子供が主役に変更されたのは、マンネリ防止のテコ入れだろうか。色々想像は出来るけど、僅か1年に3作品。考える間もなく次の作品を作っていたのが現実かもしれない。  雪を被った魔神はリアリティが感じられる。そして面白いことに、武神像は身体だけでなくご尊顔にも雪が付いているのに、変身した魔神の顔に雪が付いていない。この表現は“雪をも溶かす魔神の怒り”とも取れるが、もしかしたら魔神の中身は“この世のもの”ではないのかもしれない。 大魔神は武神像が変身するのではなく、日本各地にある武神像に、実体のない魔神が憑依して動かせる。だけど武神像一体に付き、憑依できるのは一回こっきり…みたいな裏設定を想像してしまった。 怒りが静まったとき、モトの武神像のご尊顔には雪が付いていたので、あながち間違いじゃないのかな?なんて思ったり。  伝家の宝刀なんて言うけど、今回魔神が初めて刀を抜く。その使い方は…刺すだけ。この辺りがもったいない使い方にも思えるけど、極端に強い武器というのもイメージ崩れるから、魔神さんには、このくらいが丁度良かったのかも?(あ、2作目で湖を割ってるか) 4作目火の魔神編(仮)も観たかった気もするけど、善人に媚びたり、怪獣や悪い魔神と戦う事なくシリーズを終えたのは、良い判断だったと思う。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-30 22:38:55)(良:1票)
37.  大魔神怒る 《ネタバレ》 
前作と同年の夏に作られた第2作目。夏といえば水遊び、本作は湖の畔が舞台です。 で、知らなかったけど大魔神って1体だけじゃなかったのね。日本の各地に武神像があって、本作の魔神は湖の島に祀られている“水の魔神”。1作目のはさしずめ“土の魔神”だろうか?最後の去り際も、それぞれの属性に準じた消え方をしてる。 比較ばかりのレビューになってしまうけど、序盤から山をズンズン歩いていた(音だけ)前作に比べ、本作は魔神の活躍は終盤のみに集積されている。魔神登場まで、そのまんま、ただ時代劇を観てる気分になる。  武神像の顔が赤くなったのは、早百合を見て照れたのかと思ってしまった。破壊のために爆薬を使うのは、前作で有効かどうか気になった戦い方。あれだけの爆薬だったら、たとえ武神像でも粉微塵に破壊できるんだな。 早百合の涙で動きだし、悪を倒した後、早百合の涙で止まる大魔神は、2作目にして正義のヒーロー物になってしまった。止めようのない自然災害、荒ぶる神の怒りを魅せてくれた前作と比べ、同じ大魔神でも別人格の存在に思えた。もちろん2作品の魔神は別々の存在だから、問題はないんだけど、身近な神様になってしまった気がして、残念にも感じた。  ただ自分に害を与えた親玉が誰かを判断し、確実に惨殺(!)するところは、やっぱ大魔神さん怖ぇ…って思えた。 本作の武神像は、名越の殿さまが国の神様として永らく祀っていたものだから、民も武神を信仰していただろうし、村人に優しい魔神になったのかな?
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-24 01:30:26)(良:1票)
38.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
-Quantum of Solace-“慰めに対する(ごく僅かな)分け前” ん~解釈が難しいタイトル。“Quantum”が敵の組織名ってことで、報酬の部分に掛かってるんだけど…今度改めて考えよう。 前作の直後も直後。ホワイトを捕えて移送中のカーチェイスから始まる、なんとも痺れる展開。カーチェイスの後に続くオープニング曲もカッコイイ。 …なのにですね、アクションシーンになるとチャカチャカ切り替わるカメラが、ハッキリ言ってウザいんですわ。およそ2秒毎にカメラが切り替わるから、脳ミソが処理できず、せっかくのアクションの凄さがサッパリ伝わらない、もったいないカーチェイスだったわ。その後のミッチェルとの追い掛けっこ。2秒毎のカメラ切り替えに、時々競馬みたいな競技が入って、変なサブリミナル映像みたいで笑ってしまった。そんなアクションのカメラワークだから、ワンカット4秒くらい続くと“お?長いな”って思うくらい。ボンドとミッチェルがガラス屋根を突き破って落ちるシーンとか、CMではカッコ良かったのにな…。  Mがどんどん好きになる。灰皿のシーンは笑ってしまった。あとヴェスパーと恋人の写真、ボンドに資料を見せた後、背中を向けるシーンは、ワザとボンドに盗む隙きを与えてるな。向き直ってから資料に目を落とさないところとかも含めて。 最後ヴェスパーの恋人を追い詰めたあと建物の外で、字幕ではM「片をつけた?」ボンド「いいえ」M「意外ね…」と。セリフはM「彼はまだ生きてる?」ボンド「はい」M「驚いたわ…」と。こんがらがるけど、敵組織に繋がる重要参考人を殺し続けたボンドに対するMの皮肉が込められてる。頑張れ字幕。  可哀想な最後を迎えるフィールズ。親しくなったボンドに名前を聞かれて「ただのフィールズよ」って誤魔化してたけど、ストロベリー・フィールズって言うんだな。可愛い名前だけど、本人は嫌だったろう。 今度の敵の目的が水。当時は石油でなく水ぅ~?って思ってたけど、現実問題、水道民営化の波が日本にも訪れている昨今、スパイ物も国家間の軍事バランスだけでなく、国家に入り込む巨大企業を絡めてきたんだろうな。 前作に比べて、終始コマンドー並みに暴れまくってる印象のボンド。復讐劇なので仕方ないけど、ボンドらしいスマートさは欲しかった。 前作でシャワーの下でヴェスパーを抱きしめたボンドの対比で、炎に包まれてカミーユを抱きしめるボンドがカッコイイ。
[映画館(字幕)] 5点(2021-11-01 01:35:32)
39.  大怪獣ガメラ 《ネタバレ》 
昭和ガメラをしっかり観たこと無くて、ガメラが敵の怪獣の背中を木琴代わりに叩いて『強いぞガメラ』を演奏していた記憶が薄っすらあるだけ(どの作品か不明)…記念すべき第一作ということで観たけど、最初はガメラも人類の敵だったんだねぇ。 オープニングからもったいぶらずにガメラがしっかり映ってて、どんな顔してるか良く観えるわ。バストアップはなかなか迫力あるんだけど、引きの画で観ると、思いのほか甲羅が薄いのね。なんか胴体がペタンとしててアタマがデッカイ印象。目の電球と火炎放射器が入ってるからなのかな?  登場する航空機は拘りを感じさせる。アメリカ軍のF-102(またマニアックな…)は木型から造ったっぽいし、アラスカ基地(?)のF-104は基地から離陸するだけでなく、隅っこに滑走路に向かってタキシングする機体を再現するなんて芸が細かい。ガメラが飛行しながら空港を破壊するシーンは、想像以上の大爆発。飛び散る火の粉が飛行機に引火する表現はなかなか…飛行機愛溢れる作品です。 銀座に現れるガメラ。天井が壊れたビルの中を逃げ惑う人々に容赦なく火炎吹きかけるガメラが怖い。一番感心したのはTowaビルを襲うシーンで、窓の中に逃げる人が見える。影絵の応用だって解ったけど、こんなアイデアよく思いついたものだわ。  Zプランの巨大なカプセルの本来の使い道が気になって仕方ない。“人類の手に負えないから火星に放り出してしまえ”って結末もエゴ丸出しでブッ飛んでる。 アトランティス大陸とガメラの伝説とか、後の平成ガメラって、昭和ガメラの適当な初期設定を上手にフォローした名作だったんだなって、改めて思った。  人間なんてお構いなしにちどり丸や銀座を破壊する中で、なぜか俊夫くんを助けたガメラの謎。平成ガメラ3の助けられた子供のシーンは、ここに掛かってたんだろうな。子供の思い込みをあっさり捨て流したガメラ3に対し、“ガメラはチビの生まれ変わり”“ガメラはいいヤツ”って思い込みで突っ走るクソガキ俊ちゃんに焦点を当てたのが本作で、この子がすんげぇウザったい。 怪獣が出てきたのに灯台に登る。時間稼ぎのガソリン電車に勝手に乗る。伊豆の大島行きの船に密航する。周りの大人の寛容さも含めて、どうして誰もこのガキをビンタしないんだろう?と疑問ばかりが膨らんだ。 俊夫の切れ長の目、特徴があるなぁって思ったら、この前観た“高校生ブルース”の昇じゃないか! このクソガキがわずか5年であんなクソガキになるなんて。子供の教育って大事だわ…
[インターネット(邦画)] 4点(2023-01-14 18:39:29)
40.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
-Dancer in the Dark- “暗闇で踊る人”。 また-in the Dark- には“見当がつかない”“何も知らずに”“秘密に”って意味があるようで、単純にセルマの視力のことだけでなく、アメリカ社会、息子のジーン、ビルとの関係とも関連してるような感じにも思えます。 劇場予告を見て、汽車のミュージカルシーンに圧倒されて“おぉ!コレは観なくてはっ!”って思って、速攻サントラ買って聞きまくってたんだけど、当時よっぽど忙しかったのかな?結局レンタルビデオで金曜深夜に観たんだよ。思ってたのと違う方向に向かう映画で、叩くことも、称賛することも出来ず、ただ口をへの字にして寝込んだっけ。ちなみに兄は、日曜の朝に茶の間のテレビで観ていたわ…  ハンディカメラで撮ったような色褪せたセピア調の映像は、ドキュメンタリーのようにリアル。ビルを殺すシーン。死刑執行のシーンは「もうやめて…」って思うくらい長く感じられて、目を背けたくなるくらい生々しい。 一方でセルマの妄想、ミュージカルシーンは色鮮やか。面白いのは妄想のセルマがどんどん美しく、女らしくなっていく。工場のミュージカルシーンでは、ほぼ普段どおりの地味なセルマのまま、メガネも掛けたまま。それがジェフとの仲が良い感じに進み、メガネを取り、髪を振り解いて踊る。憧れのノヴィとのダンスでは彼の膝に乗り、107歩では囚人を魅了して回る。 “子供の目の治療に人生のすべてを捧げる母”という彼女が自分で敷いた人生のレール。それがビルの手で狂わされ、リアルに死が迫るにつれ、彼女の中の生きたい気持ち、やりたかったこと、女としての願望が強く出てきたように思えて、こちらもまた生々しく感じた。  トリアー監督。子を思う母親の気持ちを描いた映画なんだけど、監督の意図がイマイチわからない。ビルを殺した場面のミュージカルを最後に登場しなくなるジーン。後半ジーンの気持ちには一切触れず、セルマの描写のみで進むのも意図的。 セルマの一人称表現で撮られてるからか?と思えば、セルマが知らないジェフが診療所を探し当てるシーンは入れる。 ジーンの目は治ったのか?母親の犯罪をどう飲み込んだのか?私たちは事件後のジーンについて、キャシーの行動や言動をもとに想像するしか出来ない。 時代設定がハッキリわからないけど、マッカーシズム・冷戦真っ盛りの時代。共産圏のチェコ移民で白人警官を殺したセルマに、アメリカ社会は冷たい。劇中の設定はわからないけど、キャシーはフランス系、ジェフはスウェーデン系、医師はドイツ系、看守女性はアイルランド系(?)と、セルマに味方するのはアメリカでは力の弱い移民たち。…と、デンマーク人の監督は考えたのかもしれない。 ビョーク。一般人の理解を超えた行動、独特な作風、政治的な言動が目立つアーティスト。でもメジャーで売り出した当時は“可愛らしいビジュアルの実力派シンガー”という印象で、この映画の頃が一番脂が乗っていたかもしれない。真偽はともかく監督からセクハラを受けたというのも理解できる。 プレス機、機関車、足音。聞き慣れた日常の音をキッカケにセルマの妄想世界・鮮やかなミュージカルシーンに繋がるのは素晴らしいけど、最後の音はセルマの首の骨が折れる音と、ジーンのメガネが落ちる音。 この映画の好きな部分はビョークの歌唱力や演技力で、監督の表現したかった映像や社会の生々しさは、私には合わないみたい。
[ビデオ(字幕)] 4点(2022-03-06 13:31:02)
000.00%
120.25%
2111.35%
3182.22%
4718.74%
515719.33%
617321.31%
716219.95%
813316.38%
9516.28%
10344.19%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS