ククルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
口コミ数 3

>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ダンサー・イン・ザ・ダーク
この映画を見た人で、セルマの馬鹿さ加減がムカつくと言う人がいる。じゃあ、その人に聞きたい。馬鹿で愚かな人間は主人公になる資格さえ無いのかと。聡明な人間しか主人公になれないのかと。失明すると分かっていて生むのは親のエゴだという人もいる。じゃあ、その人に聞きたい。目に障害を持つ人間は、この世に生まれてはいけないのかと。セルマみたく、あんたいったい何考えてんのさ、少しはなんか言えよ、といいたくなるような人って、この世の中にはたくさんいるじゃない。この映画は、そんな人達が辿ってしまうかも知れない末路を、刻々と描いた映画なんだ。そして、監督はそんなのいたいけな一人の女を、悲劇の中に放り込む。ここまでは全く、『奇跡の海』と変わっていない。しかし、決定的に違うのは、ラストにおいてなのだ。べスとは逆に、セルマは、自分で幸福までたどり着く。自らの心音を頼りに、死の恐怖を軽く飛び越え、あっという間にそこまでたどり着くさまを描いたこの映画は、奇跡だ。その奇跡こそが、それまでのあざとさを払拭している。これほどの映画は、これ以降、二度と現れないだろう。
10点(2002-06-24 16:15:24)(良:3票)
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
700.00%
800.00%
9133.33%
10266.67%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS