1. チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜
《ネタバレ》 田舎高校の部活動を舞台にした青春物なら「スウィングガールズ」や「シムソンズ」のほうが遥かに良かった。 実話物にありがちな散漫さを感じる。ダイジェスト的なところもあって、深くまで入り込めない印象。 これならドキュメンタリーで観たほうが良かったかも。 [DVD(吹替)] 4点(2020-05-03 18:16:27) |
2. 沈黙 ーサイレンスー(2016)
《ネタバレ》 恩師であるフェレイラ神父の棄教が信じられないガルペとロドリゴ。その二人の神父がフェレイラの消息を訪ねて日本にやってきたが、直面したのはキリスト教を拒絶する過酷な現実だった。 拷問されても信仰を捨てずに命を落とす姿に、複雑な感情が沸いてくる。形だけでも踏み絵をすれば助かるのにとも思ってしまうが、そんな簡単には神を踏みつけられないのだろう。 キチジローは人間の弱さの象徴。吐き気がするほどに醜い。我が身かわいさに身内を見殺しにしたりロドリゴ神父を密告で裏切ったりしては懺悔して許しを請う。そんなに都合よく神に許されるなら、悪行への免罪符としての利用してるだけにも見える。キチジローの懺悔を聞くロドリゴもさすがに許しがたい思いを抱いたはずだが、結局棄教したロドリゴを心から信奉し理解していたのはキチジローかもしれない。 原作は昔読んだが、詳細はすっかり忘れていた。 中学校の社会の教科書にもキリシタン弾圧で多くの信者が殺されたと書いてあったが、神が本当に存在するのならなぜ信者を救えなかったのかと子供心に思ったものだ。 秀吉は昔読んだ子供向け伝記でも天下統一した英雄だったけど、こうしたキリスト教迫害を指示した張本人である負の面を見ると、素直に英雄視できなくなってくる。 無宗教の人間にとっては、宗教や信仰は正直ちょっと怖さも感じる。宗教は本来人の心を救うものだが、ときには争いの元にもなる。それは排他性を誘発しやすいからだ。自分の信じる神が唯一絶対的な存在だから、それ以外をなかなか認めようとしない。 宗教が根っこにある紛争は、今も昔も世界の至るところで起きている。そういうこともあって宗教には無意識に深入りしないようにしてきたかもしれない。だからキリスト教のこともよく知らなかったが、この映画で少し触れることができた気はした。 [DVD(字幕)] 6点(2018-01-27 22:49:18) |
3. 超高速!参勤交代
ウェルメイドな時代劇。アイデアがあって脚本もよく練られて、うまくまとまっている。が、惹かれるものはあまりなかった。安心して見ていられる時代劇だが、もっと滅茶苦茶に型破りか、あるいはその逆にリアルな方がよかったような。その点が、ちょっと中途半端で物足りない印象に。 [DVD(邦画)] 5点(2015-08-28 22:24:05) |
4. 父の秘密
《ネタバレ》 クソガキどもの陰湿なイジメには怒りがこみ上げる。これが親の立場であればなおさらで、殺意が生じるのも無理はない。娘を親が守らなくて誰が守るのか。それが娘が死んだと思い込んでの復讐殺人という愚挙であったとしても、カタルシスを感じるほどに共感してしまう。 いい意味でも悪い意味でも作られたストーリーという感じがしない。淡々とした描写が、妙にリアルで生々しい。セリフがなくても伝わってくるものがある。その反面、尻切れトンボのような終わり方にはモヤモヤが残る。この後の男の人生を想像させる余韻はあるのだけれど、それをちゃんと見せてほしい気もする。 娘が生きていたことを知り、後悔しながら殺人罪で刑に服すのだろうか。娘は父に心配かけまいとして、あんなイジメに一人で耐えたのだろうに、黙っていることが裏目に出てしまった。娘は父の犯罪を知れば、どんな衝撃を受けるのだろう。父と娘の愛情とすれ違いが哀しい。 大海の中をボートで一人帰るラストでは、妻を亡くし、娘も殺されたと思っている男の荒涼とした心の様が伝わってくる。すべてを失い、自分の人生も投げて、自殺も覚悟しているのかも。イジメに加担した他のクソガキはどうなったのか、殺された男子よりタチの悪いのもいたんだからちゃんと何らかの報いを受けさせないと。日本でも似たようなイジメ事件は起こっているし、川崎の少年イジメ殺害事件にも通じるような胸糞悪さ。でも、父の姿にまだ救われる。父は救われないけれど。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-05-26 22:34:30)(良:1票) |
5. 小さいおうち
《ネタバレ》 結構いい話なのに、あまり引き込まれず感情移入しなかったのはなぜだろう。 安定感は感じるけれど、どこか教科書的な作りというか。 しきりに郷愁を誘うようなレトロな演出。 そうしたあざとさが気になったのかもしれないし、板倉に惹きつけられる魅力やエピソードが足りずに、タキ、時子、板倉の恋愛感情の絡みがいまひとつ伝わってこなかった気もする。 監督に反戦へのメッセージがあって、それをさりげなく表現しようとしているのだけれど、わざとらしくてくどく感じるところもあった。 わかりやすくするのはいいけれど、説明的にすぎたような。 [DVD(邦画)] 4点(2015-02-07 00:09:24)(良:1票) |
6. ちょっとかわいいアイアンメイデン
《ネタバレ》 女子高の拷問部を舞台とした、SMレズのソフトポルノのような作品。 4コマ漫画が原作だけに、コミカルな仕上がり。 アイアンメイデンって何のことかと思ったら、拷問用具の名前だった。 以前は今まで脱いだことのないスター女優が、主演で濡れ場を披露なんてことが割とあった。 最近はそういうのをあまり見かけなくなったが、その代わりに、グラドルやイマイチ売れない清純派女優が、主演と引き換えに裸になるケースが目に付く。 木嶋のりこもグラビアでセミヌード止まりだったのが、ここではフルヌードで、しかも同性愛にSMプレイ。 そこがこの映画の売りで、グラドルだけに見事なプロポーション。 でも、それほどハードな濡れ場はなく生温いし、ストーリーはAVのドラマ仕立て部分とさほど変わらないほど陳腐で早送りしたくなるほど。 他の三人の拷問部員、吉住はるな、間宮夕貴、矢野未夏もグラドル出身で、狙いはわかりやすい。 女子高生役はどう見ても無理があり、特に一番裸を晒している矢野は場末の風俗嬢にしか見えない。 [DVD(邦画)] 4点(2014-12-27 00:10:10) |
7. チョコレートドーナツ
《ネタバレ》 ちょっとは泣けてきてもよさそうな話なのに、まったく泣けなかった。 まず、ゲイカップルのラブシーンが生理的に受け付けない。 レズカップルなら平気なんだけど、ドン引きしてしまう。 それがそもそも差別意識だと短絡的に結び付ける人もいそうだけど、そういうわけでもない。 この嫌悪感は、あえて例えるなら自分の両親のベッドシーンを想像するのに近いような気持ちの悪さだろうか。 もちろん、両親に愛情はあってもだ。 その生理的な気持ち悪さは、人格や人権の否定にはつながらない。 性的指向は個人の自由なので、誰が誰を愛そうが誰に迷惑をかけるわけでもない限り勝手にやればいい。 マルコのことを最も親身に考えていたのはルディとポールであり、二人が育てるのが最も適しているにも関わらず、同性愛を理由に執拗に阻もうとする人達の意味がわからない。 そういう子供を自分の子として愛をもって育てようなんて、そうそうないほどありがたい話だろうに。 登場人物の心情がきちんと描ききれていないような気はする。 ルディの少年への深い思い入れは、同じマイノリティへの共感があったのか、それとも子供を産めない二人が家族を持ちたかったのか、掘り下げ方が少し物足りない。 ゲイカップルとマルコのつながりが切っても切れないほど深くは感じられなかったので、もっとエピソードを重ねたほうがよかった。 ポールの上司がポールをクビにしただけではなく、わざわざ裁判にまで首を突っ込んだのも不可解。 よほどの恨みでもないと、よくある差別意識だけでは説明がつかない気がする。 上司が人格障害の偏執者のように感じられた。 また、ダウン症の少年が死ぬ映画というのも、作り手のあざとさのようなものを感じてしまう。 それでも、しっかり感情移入できるきめ細かい流れがあれば泣けもしただろうけど。 実話に基づくというふれこみが衝撃的だが、フィクション部分も多い。 インタビューによると、薬物中毒の母を持つ障碍者の子供を世話をするルディのことを知り、それにインスピレーションを得て、もしゲイカップルがそういう子供を養子縁組しようとしたらどうなるのだろうかという着想で作り上げたシナリオなので、実際子供が死んだわけでもルディが裁判を起こしたわけでもないようだ。 最後の手紙はじんわりと効いてとても良かった。 ただ、そこに至るまでに入り込んで熱くなってはいかなかったので。 [DVD(吹替)] 5点(2014-12-08 02:39:54) |