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1.  つぐない 《ネタバレ》 
子供時代の思い込みによるふとした発言や行いが不測の事態を招き、取り返しのつかない不幸をもたらすことがある。後にそれに気づいたとき、どうやって贖罪すればよいのか。贖罪すべき相手が他界していたら、どう心の整理をつければよいか。そういうことに焦点を当てた映画だ。ブライオニー(B)は姉とその幼友達ロビーとの関係を勘違いしていた。相思相愛なのに、一方的にロビーが姉に横恋慕していると思い込んだ。そこで従兄ローラの強姦未遂事件の犯人をロビーであると証言し、ロビーが姉に宛てた卑猥な手紙を提出する。その背景には、Bの初恋相手がロビーで、彼にふられたことが影響している。ロビーは逮捕、投獄され、四年後に兵役志願して戦死する。姉も後を追うように爆撃関連死する。作家になったBは真実を自伝小説にするが、贖罪の気持ちを込めて、死なずに幸せになった二人の姿を書き込んだ。せめて物語の上だけでも幸せになった二人の姿を残したかったのだ。 次々と視点と目先が変るので集中力を強いられる。Oから見た姉とロビー、真実の姉とロビーの姿、ロビーの悲惨な戦場体験、看護婦になったOの悔恨、数十年後の作家となったOのインタビュー。ロビーの牢獄場面を省略して、いきなり戦場にいるので唐突感は免れない。気になる点がある。強姦事件の時、ロビーは家出した双子を連れて帰ってきた。アリバイがあるのにどうして逮捕されたのか。少女の曖昧な証言だけで有罪になるとは思えない。Oはローラとポールの結婚を知って、強姦犯人がポールだったと知る。ところがOは、それ以前に罪を後悔してい看護婦となり、姉に謝罪の手紙を送っている。犯人がロビーでないと、どうやって知ったのか。強姦されたローラがポールと結婚するのも不自然な成り行きといえよう。和姦だったとして、皆が心配してローラの弟の双子を探している最中に、庭で秘め事をするだろうか。証言を撤回して、ロビーの名誉は回復されたのだろうか。 陰影と色彩に富んだ映像の美しさは特筆すべきものがある。修復されないOと姉とロビーの関係が「壊れた花瓶」で象徴されている。ダイナモ作戦の長尺の映像は素晴らしいが、映画の本質とは別である。インタビューでOが心から悔いているように見えないのも短所だ。涙ひとつ見せない。Oを成功した作家としているところも物語にそぐわない。不幸な人生の方が主題に似つかわしい。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-05 15:42:44)
2.  綴方教室 《ネタバレ》 
小学校の女子児童の作文が原作という異色作。 貧困にあえぎながらも、明るく懸命に生きていく庶民の姿が清新に描かれる。 綴方とは作文のことだ。先生は、「見たまま、思ったままを正直に、一番頭に残っていることを自由にのんびりと書け」と指導する。写生文の勧めだ。それは正子の、横着者だが可愛い末弟、弟との英語ごっこ、弟との胡瓜の取り合い、鶏をさばく、立ち往生する馬車、道端の団子売り等の文に結実する。しかし、それだけでは「良い作文」にすぎない。原作が優れているのは、豊かな物語性を包容していることだ。 裁判所からの立ち退き命令が、実は家賃催促にすぎなかった。 兎をもらった作文が、思いも寄らぬ筆禍事件を引き起こし、父親が失業の危機に陥る。 友達が母親と田舎に行く話を羨んでいると、実際は離婚で帰るのだった。 自転車が盗まれたことが、父親がブリキ職人を辞め、日雇い人夫になることに繋がる。 芸者に売られていく娘を目撃するが、それが我が身にも降かかりそうになる。 父親が仕事にあぶれていると仕事が飛び込んできて、喜び勇んで出掛けて行ったが、仲介人に騙されて給与が貰えず、泥酔して帰ってくる。 このように、一方ならず劇的なのだ。貧困の悲哀を描いても明るさを失わないのは、人が良すぎて世渡り下手だが、妻子思いの父親の存在が大きい。どこか可笑しくて温かみのある、愛すべき人物なのだ。 正子にとって貧乏は特別なものではなく、日常だ。だからありのままに描いた。貧乏故に意外な出来事や幸不幸が起りやすい。それが文章に起伏をもたらし、期せずして物語性をもつに到った。貧乏も、子供の明澄な眼と感性を通じて文章化されると、瑞々しい抒情性を持ったものになる。一種の奇跡だ。その作文に目を付けた監督の感性が素晴らしい。 冒頭、カメラは、荒川を映し、明るく歌を唄って下校する子供達の姿を追い、あばら家集落に消えるを見せ、明るくはしゃぐ広子の様子を捉え、広子の長屋の入口にたどり着く。観客に映画の世界観を端的に表出して見せる、傑出した導入部だ。日常をそのまま切り取ったような自然な演出で、観客を無理に感動させようとするあざとさとは無縁。長屋のセットも本物とみまがうもの。寔に好ましい。この映画を通じて得た経験が、黒澤明に大きな影響を与えたものと察する。 
[地上波(邦画)] 8点(2014-09-09 18:11:49)
3.  TSUNAMI-ツナミ- 《ネタバレ》 
惜しい映画だ。ディザスター映画の肝心要は何といってもパニック場面。「デイ・アフター・トゥモロー」のスタッフを招聘してCGパートを作成したと聞く。これは成功している。津波が押し寄せからの場面だけでも見る価値はある。だがそれに至るまで群像劇の描き方に物足りない部分がある。主人公の男は、数年前のスマトラ地震のときに出漁中で、自らの判断ミスで叔父を死に至らしめるというトラウマを抱えている。男は妻と別れ、一人で幼子を育てている。孤児となった叔父の美しい娘とは相思相愛だが、叔父への自責の念のため、思いを伝えられないでいる。この娘へのプロポーズのときに大地震、大津波が発生する。この人間ドラマ部は悪くない。トラウマや障害を乗り越え、さらに大津波に呑まれながらも愛を貫く姿は感動的。しかし残念なことに、残りの人間ドラマ部は、皮相的であり、とってつけたような軽薄な人間関係に終始している。男の弟がレスキュー隊員で、最後には殉職するのだが、この男の恋愛が浮ついたラブコメである。恋人は浪人生なのに女子大生と偽ったり、とってつけたような恋のライバルが登場したりで、重厚な物語の主題と乖離している。これがあるための全体の印象が浮薄に感じられる。大変損をしていると思う。さらに言えば、恋のライバルでちょこまかと動き回る小男が必要以上に登場するが、これはうるさいだけの存在でしかない。もう一人の主人公である地震博士は、離婚した妻と娘との家族愛を取り戻す物語であるが、描き方が通り一遍でしかなく、ころころ性格の変わる妻にはいらいらさせられる。これに加え、漁村をリゾート化しようという開発派と、反対派の対立が描かれる。地震・津波の科学パートだが、目新しい発見や発明があるわけでもなく、見るべきところはない。メガ津波といった言葉だけが大仰で、地震観測や地震予知に関してはおざなりしか描かれていない。監督は興味がないのだろう。韓国で興行収入歴代四位を打ち立てたそうだが、よほど宣伝がうまかったのだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-08 21:05:21)
4.  劔岳 点の記 《ネタバレ》 
冒頭、陸軍の地図作りの意義について、ロシアの脅威に対して、国内の詳細を知ることが急務であると説明している。戦争と剣岳周辺の地図とに関係があるとは思えないので、無理があると感じた。また登頂を日本山岳部に先を越されるのと良しとしないとも言う。だが、それなら地図作成チームとは別にアタック隊を組めばいいではないか。簡単なことである。初登頂しろと命じながら、のんびりと半年もかけて地図作りをやらせている。筋が通らない。一事が万事この調子で、最後まで盛り上がらない。感動もどきはあるのだが、真の感動には至らない。それは、肩透かしされることが多いからだ。 【肩透かし】 ①ここから最難関の頂上アタックだ、と思ったら、簡単に雪渓登って、岩に取りついたと思ったら、途中省いて、もう登頂。盛り上がるわけないよな。簡単に登れそうな山にしか思えない。 ②さあ登頂したぞ、みんな大喜びするだろう、と思ったら、全員寡黙。景色を見ているだけ。苦労して登頂したのに感動しないの? ③軍部が成功の報を聞いてさぞ喜ぶ、と思ったら、行者に先を越されていたことを知ると、全く喜ばず、なかったことにしたいなどと言い出す始末。地図を作成するのが急務の目的ではなかったのか?目的は達成できたし、山岳会より先んじたはずなのに。 ④陸測部と山岳会の初登頂対決、と思ったら、両者がライバル意識をさほど露わにはせず、最後はなんとなく仲間扱い。陸測部はのんびり、山岳会は良い人。ああ中途半端。 ⑤地元の剣岳信仰の人たちの強い反発がある、と思ったら、特に無し。長次郎の息子も最初は猛反発していていたのに、途中から応援している。どうして思想転換したのか不明。 ⑥未踏峰の登山なのでさぞかし犠牲が、と思ったら犠牲者は無し。数日後山岳部も登頂している。本当に言うものの難登山だったのかという疑問が湧く。 ⑦未熟キャラのノブが山の仲間達との心の触れ合いを通じて成長してゆく物語、と思ったら、そうでも無い。二度も死にそうになったのに、妙に淡々としている。 ◆山を美しく撮り、自然の厳しさは表現できている。山岳映画としては成功。好感はもてる。でも感動は薄い。感動させようという意気込みが見られない。ただドキュメンタリータッチで撮れば良いと思っている。感動は製作者たちの心の中にあるのだろう。 音楽と映像が乖離していた。
[DVD(邦画)] 7点(2010-12-10 03:31:54)
5.  つみきのいえ 《ネタバレ》 
町全体が海に沈んでおり、海面がどんどん上昇しているようです。船で物資が届けられるので、人間社会は崩壊してなさそう。おじいさんは家族との思い出を大切にしながら余生を送りたいので、あの家を敢えて離れないのですね。というか町全体に愛着があるようです。子供時代から住んでいるふるさとだから。そして愛する妻との恋愛の思い出もある。幼馴染というところが泣かせますね。生涯一度の恋を貫いた理想的な人生だったのですが、老後は悲劇的です。それにしてもまあ、奇妙な生活ぶりで、悪くいえば偏執的傾向のあるご老人ですね。これは言い過ぎでしょうか。長年の孤独がご老人をそうさせたと解釈しましょう。■海面が上昇するに従って、上階に改築を重ねていったのでしょうか?であれば床下にドアがある奇妙な構造の説明がつきますが。しかし階下には家族の思い出が詰まっています。海面上昇に遭いながらも、何十年かは一緒に住んでいたのかもしれません。家族が水禍で亡くなってしまったと考えれば、老人の気持ちもさらに理解できようというものです。ご老人はあの家で死を迎えるつもりですね。心は家族との思い出に水没しながら。思い出にふけること以外に何の楽しみもないご老体を見るのはつらいです。最後は前向きに生きる姿を見たかったのは無いものねだりでしょうか。希望がないアニメに思えてしかたありません。■地球温暖化へのメッセージが込められいるという意見があります。たぶんそうでしょう。町全体が徐々に海底に沈むことは歴史上稀有なことですから。老人は人類を恨んでいるのかもしれません。それでさらに孤独が増した考えれば、よけい同情しますよ。■「汚れなき子供」向けのアニメを「汚れある大人」が鑑賞すればこんな感想が出てきます。ああ、わが心の中の汚れの海面も上昇しているようです。子供のときに観たかった。
[DVD(邦画)] 6点(2010-03-04 12:16:17)
6.  ツィゴイネルワイゼン 《ネタバレ》 
繰り返し現れる記号を元に解読してみます。①骨。骨=美と死の象徴。中砂は、赤い骨の話をした芸者小稲の美しい骨格を愛する。妻園も小稲そっくり。青地と先に死んだ方が骨を与える約束をする。中砂は死の観念に取り付かれている。②不幸。中砂に捨てられ溺れ死んだ女。盲目の門付け、肺病の夫をもつ女、弟が自殺した小稲、死の床にある青地の義妹。精神に安らぎのない中砂も不幸。③熟れる。死の一歩手前の状態。中砂はその時が最も美しいと感じる。青地の妻周子が”熟れた”花の花粉で”熟れる”と抱く。抱かれた周子は以前は食べなかった熟れた桃が好きになる。こんにゃくも、周子の舌も”熟れて”いる。桜が満開に”熟れた”下で、中砂は自殺する。最も美しいときに死にたいという美学。④三角関係。門付けの三人組。この人間関係が二転、三転する。中砂と青地と小稲。中砂と青地と園。中砂と青地と周子。周子の妹の妙子と青地と中砂。中砂の娘豊子と園と小稲。人間関係はつねに三角関係。人生の象徴であり、不幸の原因でもある。⑤トンネル。これは異界への入口。何度も繰り返し出てくる。中砂の家へは切り通しを通らないと行けない。中砂=異界といってもいいほどで、不思議なことは全て彼を通して起る。⑥幻聴。ツィゴイネルワイゼンの聞き取れない言葉が発端。生きていることの違和感、住み難さの象徴であり、死への入口でもある。最後レコードが鳴っているときの青地の言葉は聞こえなくなる。死の世界へ同化してしまったから。⑦類似性。小稲と園がそっくり。門付けの三人組と子供の門付け三人組も類似している。妙子は生死を彷徨いつつ、現実か幻覚かわからない話をする。この妙子がこの映画の世界観と類似。青地と中砂は合わせ鏡の関係。⑧交換。中砂は青地に妻を取り替えようと提案。又先に死んだ方が骨を与えようと言う。生と死、この世とあの世は交換可能。⑨食事。生の象徴で、何度も登場する。葬式など死を連想する場面には必ず食事シーンが出る。生を強調することにより、逆に死を強調している。⑩あの世。ラストの豊子の足跡は六文銭で、これは三途の川の渡し賃。死んだのは中砂ではなく、青地の方だった。逆もまた真実。何故ならこの世とあの世は交換可能だから。主題は「この世に確かなものは何もなく、生と死の区別でさえも曖昧である」ということ。そして「その曖昧さこそが生きていることの証しでもある」。
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-10-13 17:56:08)(良:1票)
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