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1.  トスカーナの贋作 《ネタバレ》 
女が男に惹かれる。それは女の息子の指摘で明らか。二人が車中で交す本物偽物議論。女の妹は本物と偽物を区別をしない。その夫は妻を吃音で呼ぶが、妹にはそれが恋の歌に聞こえる。男によれば、その夫こそが本物。単純な世界を受容しているから。ただ楽しさを追求する子供は正しい。コーラ缶は陳腐だが、博物館に飾れば違って見える。価値は視点で変わる。男が絵に無関心なのは、絵画自体が本物の模造に過ぎないから。「モナリザもジョコンド夫人を描いた複製」男が本を書いた契機は、ある母と子が複製ダビデ像を本物のように眺めているのを見たから。女はそれは自分達母子だと言う。二人は過去に接点があった。店の女から夫婦と間違われ、女は夫婦を演じることを提案する。理想的な結婚へのあこがれがあるから。新婚者が黄金の生命の樹の前で愛を誓う場所で、女は新婚の頃を思い出す。男は相手を思い遣る心が大切で、愛を誓うのは無益と悟っている。「葉の散った冬枯れの庭だって美しい」女が男の肩に頭をのせる塑像の価値を巡って議論となる。男は、老人に忠告され女に優しくする。料理店で、女は化粧をするが、また議論となる。疑似夫婦の境界が無くなり、感情が迸り、お互いに相手を責める。女は教会で頭を冷やす。円満な老夫婦の姿を見た男は女に優しくし、二人は塑像と同じ姿勢をとる。新婚時に泊ったホテルで、女は妹の夫をまねて吃音で男の名を呼ぶが、男は戸惑う。鏡を眺めていると鐘が鳴った。振り向くと、女が、思い出して、といっていた光景がこれだと分ったが、皮肉にも時間切れを告げる鐘でもあった。愛における本物偽物議論が命題。母子家庭の女は、息子との関係がぎくしゃくし、結婚に対するあこがれが強い。無意識に愛も複製できると考え、疑似夫婦を演じる。男にとって、愛は複製できないもので、複製は最初から無効。愛は総じて贋作だが、「贋作は本物よりも美しい」こともある。その為には、「意志ある迷子」が必要。その好例が女の妹夫婦で、議論の無い世界に住む。女がいくら真似しても贋作に過ぎない。本物と偽物の二元論ではなく観客を参加させる映画。観客は鏡の中にいて、答えは映画の中にない。偽りの夫婦と本物の夫婦の境界はどこか?光彩陸離たる背景の流れる車窓、何を書いたか不明の本の署名、見えない塑像の顔、カメラ目線での鏡の見立て、実像と虚像が入り混じる演出が芸術志向だが、洗練されてない印象を受けた。
[DVD(字幕)] 7点(2014-09-11 16:59:48)
2.  塔の上のラプンツェル 《ネタバレ》 
CGによる肌、布、植物等の質感の再現は頂点を極める。奥行きの空気までも再現したかのような背景は申し分のない素晴らしさ。俯瞰、仰瞰、スパイラルと自由に動き回る目線(カメラ)移動は、観客を物語の世界に引き込む効果がある。着実な技術の進歩がみられる。◆童話ラプンチェルの設定を巧く活かして、そつのない恋愛・冒険物語に仕立て上げている。悪女ゴーテルにより赤ん坊の時にさらわれてきたプリンス。彼女の髪に若返りの力があるためだ。塔に幽閉されている少女は当然ながら自由への憧れが強い。そこへひょいと出現したが追手からかろうじて逃れてきた、ちょいと軽めの泥棒青年。これで恋愛パートは成立。◆意表を突いたのは次の部分。①少女がどうしても見たいと思った、誕生日毎に揚げられる空飛ぶ灯籠群は、実は誘拐された少女への思いを込めて国王妃と人民が揚げるものだった。②少女が自分の本来の姿と母と思っている人の正体をどうやって知るのかに注目していたが、秘密を解く鍵は少女の描いた壁画の中にあった。見慣れているものの中に秘密が隠されていたという驚き。少女が自らの力で自分と母の秘密を解くところが水際立つ。③ラストの展開は「総てを知った少女が、青年を助けにお城に馳せ参じる」と予想したが異なった。脱走した青年が少女に会いに来た。ただ青年がいつも他力本願なのは遺憾。脱走も馬と悪党達のお膳立て。◆ラストで、少女は瀕死の青年を救うために髪の力を使おうとする。青年はそれでは少女が死んでしまうと髪を切ってしまう。結果髪の能力は失われ、ゴーテルは魔法が解けて老いた姿で転落死(カメレオン、グッジョブ)、青年は奇跡的に少女の涙で生命を取り戻す。これは原作の「女の涙で男の盲目が治る」の因襲。両者の自己犠牲精神が奇跡を呼ぶわけだが、遺憾なことに青年を治すと少女が死ぬ理由が説明されていない。◆髪には若返る力、治癒力があるが、他の使用アイデアが面白い。長髪エレベーター、緊縛用、光らせて水中探索、ターザンの綱代わり。でも少女の能力は髪だけではない。真の能力は純粋な心だろう。それが閉ざされた青年の心を開き、悪党達に夢を持つ心を思い出させ、馬を仲間に引き入れる。観客も冒険にはらはらしながら、実はそこに感動している。◆気になる点。生まれたばかりなのに髪が長すぎ。ゴーテルは若返ってから魔法の花が発見されたのに、赤ん坊をさらいにきたときには老けていた。
[DVD(字幕)] 9点(2012-08-09 18:17:12)
3.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 
テーマは子供とおもちゃとの別れ。子供は大学生になって引っ越して行き、おもちゃは別の子供の元へ届けられる。 人間にとっては子供時代との決別を意味します。楽しく遊んだおもちゃも、成長すると遊べなくなります。現実の世界の出来事に興味が移り、ファンタジーの世界に遊ぶことも少なくなります。子供に見られるより、大人に見られたいと思う年頃ってありますよね。大学生ともなれば、もうその段階を越えています。一方おもちゃは童心のまま。永遠の子供です。人間の子供に遊んでもらうのを夢見ている。別れが来るのは当然ですね。 ◆物語はおもちゃ達が持ち主であるアンディが自分たちを捨てたと思い、保育園へ引っ越します。 熊のロッツォは心を閉ざしたおもちゃです。心から愛されていたと信じきっていた持ち主に捨てられた経験の反動で人間不審に陥ってます。子供達との関わりを最小限にし、保育園のおもちゃを支配しています。新入りのおもちゃは乱暴な年少組に壊される運命です。人のよさそうな熊が実は悪役だったところが最大のサプライズでした。アンディが自分たちを捨てたのではないと知ったおもちゃ達は帰ろうとします。それを邪魔するのがロッツォ。脱出のドラバタがあり、ロッツォともども焼却場に入れられるおもちゃ達。おもちゃ達はロッツォを信頼しますが、ロッツォは彼らを見捨てます。間一髪で助かりますが、彼らを見殺しにしようとしたロッツォの罪は重いですね。どうしてロッツォは改心しなかったのか?それは人間との関わり合いが原因なので、おもちゃ同士の友情ではなんとかならないからでしょう。それほど捨てられた傷心が大きかったということです。 ◆考えてみればおもちゃの運命も過酷です。いくら持ち主に気に入られたとしても、よほどのことがなければ、最後には捨てられ焼却処分される運命です。この映画を観て子供たちにおもちゃへの思いやりの心、おもちゃへの感謝の気持ちが芽生えれば、救われるおもちゃも増えるでしょう。すべての子供に観せたい映画です。大人もたまにはファンタジーに浸ってみるのも良いものですね。純真だった子供の頃を思い出すことは自分を見つめなおす良い機会になります。大人の鑑賞に堪える深みのある映画でした。
[DVD(字幕)] 9点(2011-09-16 13:58:17)(良:2票)
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