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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1249
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  東京のバスガール 《ネタバレ》 
ジャンルとしては「歌謡映画」だそうで、歌手本人が主人公の先輩役で出演して、題名の歌を車内で歌う場面が最初と最後にある。物語としては主人公の仕事と恋愛を中心に、巨額の遺産相続問題という変な要素を絡めてドタバタ喜劇の印象も出している。  観光バスの映画なので昭和33年の東京周辺の風景が映り、開業直前らしい東京タワーも見えている。戦後10年以上を経てGHQも昔の話になっていたが、主人公に身寄りがないとの設定は戦災孤児ということだったかも知れない。また南アジア風の君主国の皇太子から求婚されるエピソードがあったのは、現実にわが国皇太子の結婚が話題になっていたからか、または「王様と私」(1956)の影響もあったかどうか。 主人公は最初に「山形県落合村農業会」といういかにもそれらしい団体を案内していたが(無理にいえば現在の山形市落合町?)、すぐに遺産狙いの変な連中が出て来て邪魔されてしまう。不純物を入れないで、まずはお仕事映画としてちゃんと見せてくれと思っていたが、その後に施設の子どもらを案内したことで、仕事の意義を再確認する場面もあったので結果的には安心できた。 恋愛に関しては、順風満帆だったはずが遺産相続問題で邪魔されて、さらには主人公の明らかな失策もあってそのまま破局に至ったのは非常に意外だった。その後の唐突な挽回は都合よすぎに見えたが、まあ先輩の人徳あってこそのハッピーエンドだったと思っておく。 主人公は親しみやすい可愛らしさのある人で、変なことに惑わされない良識があり、また8時に行くと決めたら通す律儀な(確実性の高い)人物だった。河口湖での顛末は、実は本人にも迷いがあってのことだったかも知れないが、最終的には仕事も恋愛も本当に価値あるものを掴んだらしい。 現実のバスガールが「明るく走る」ばかりではなかっただろうというのは容易に想像できることだが、そもそも歌詞もつらさに負けず職業人として明るくふるまう内容になっている。つらいことの中にいいこともあるのが人生だろうし、また社会全体としてもこの後は経済成長が続くこともあり、劇中2人の未来も明るいはずだと思っておこう、という気にさせられる映画ではあった。  なお主人公の会社は「東京観光バス」という名前だったが、現実問題としては「はとバス」のこととしか思えない。この映画を見て、今どき改めて観光バスで東京を回ってみるのもいいかと思わされた。「はとバス」のPR映画になっている。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-01-21 13:47:13)
2.  トコリの橋 《ネタバレ》 
朝鮮戦争中の空母艦載機のパイロットを主人公にした映画で、海軍の協力により発着艦や飛行中の場面は実写が使われている。攻撃の場面は特撮だろうが、結構リアルなのでこれは特撮だと自信をもって言い切れない出来になっている。 登場するのは主にジェット戦闘機のグラマンF9Fパンサー、ヘリコプターのシコルスキーHO3S-1である。F9Fは戦闘機ながら対地攻撃用に使われていたようで、劇中でも題名の橋の攻撃を行っていた。またHO3S-1は救難が主任務とのことで、発着艦の際は常に滞空して待機し、また敵地で孤立した友軍兵の救出に向かったりしていた。 空母に関して、艦橋に34と書いてあるのはCV-34(またはCVA-34)の「オリスカニー」であることを意味するが、劇中では「サボー号」(字幕)という設定になっている。この名前は、かつてアメリカがした戦争での激戦地の名前を空母につける伝統からすれば、太平洋戦争の激戦地だったソロモン諸島の島の名前(Savo Island)と思われる。劇中でこの空母がいたのは冬の日本海だったらしい。 なお「トコリ」は原作者が作った架空の地名とのことだが、少なくとも「リ」は「里」かと思った。場所としては港湾都市の元山の近くのようである。  この時期にも、大戦後期の主力だったエセックス級空母はまだ現役でいるが、既にジェット機やヘリコプターも搭載して時代が急速に変わりつつある印象を出している。少し前まで敵国だった日本も、戦後速やかに友邦になって人々も親和的であり(戦勝国に媚を売っていただけだろうが)、かつてアメリカ人が生命をかけて戦った敵はどこに行ったのかと思わされる。 その中で、本業は弁護士だという主人公は、前の大戦をせっかく生き延びたのに今どきまた戦地に駆り出されてしまっている。妻子を守るために戦うというならまだしも、自国が脅威にさらされている危機感など本国のどこにもなかったとすれば、この主人公が死地に赴くことの理不尽さは確かに感じられる。アメリカのやる戦争で、職業軍人は別としても一般国民が死んでいくことについて深刻な疑問を提起した映画なのかとは思った。「朝鮮にいるから戦う」とは、いなければ戦わずに済んだはずという意味だったか。  ところでアメリカ映画に出る日本人はヘンな連中ばかりというのは常識だが、この映画で特に呆れ果てたのが「御家族風呂」だった。素っ裸で居並んでお辞儀する一家など想像を絶するが、裸を気にしない子どもらが先に仲良くなったという展開は悪くない。戦争があっても人間同士が仲良くできるのはいいことだ。
[DVD(字幕)] 6点(2022-07-02 09:07:10)
3.  東京物語 《ネタバレ》 
見る人によって受取り方が違って来る映画らしいが、個人的感覚でいえば、劇中の長男・長女の対応はごく自然に見える。また次男の元妻は、いわば嫁の立場として極めて誠実に対応していたようでご苦労様だった。 この長男をはじめとした子どもらもいずれは両親と同じ立場になり、最後には老夫婦だけが家に取り残されることになるのかも知れない。現代だけでなく、この映画の時代や前近代においても跡継ぎ以外は全員家を出るのが当然だったわけで(劇中の三男もそういう感じ)、昔と今が違うとすれば跡継ぎさえも残らないことだが、それは人情の問題というより家という観念の希薄化である。老いた親を見守るためなら誰か一人が地元に残るだけでも十分であり、劇中の末娘なら適任だったかも知れない。 老夫婦としても、この境遇をまあ幸せだと納得しようとしていたようだが、ほとんどの人間にとってもこのあたりが納得のしどころではないか。次男は別として、生きている子は既にそれぞれの社会的地位や家庭を築いており、自分らの生きた証はちゃんとこの世に残っていく。決して慰めなどではなく、本当に幸せだったではないですか、と自分としてはこの老夫婦に言ってやりたい気がする。 なお次男の元妻に関しては、いくら昔の人とはいえ作り笑いが過ぎるのではと思いながら見ていたが、最後になって本音を言ってもらえたのはよかった。  ところで末娘は可愛らしく見えるので女学生かと思ったら教員とのことで、道で会った児童は頭を下げて挨拶し、教室での様子を見てもきりっとした立派な先生である。しかし社会的にはそういう立場でありながら、兄から見れば子ども扱いなのか大事な家族会議にも入れてもらえず、また姉からは小間使いのように使われていた。古い家族観が崩壊すればこういう理不尽な扱いもなくなるのかも知れない。
[DVD(邦画)] 8点(2015-08-03 23:58:11)
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