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1.  どん底(1957) ネタバレ 
 やはり黒澤作品の中でもエンターテインメント性の点では随一だと思う。だから何度でも観てしまう。しかし、どういうわけか、このレビューでは低評価なのが不可解。  言わずと知れたゴーリキーの原作の翻案だが、江戸時代の封建的な秩序が個々人を縛っている中で、食い詰めた無宿者や前科者が集う腐れ長屋を舞台として、底辺に太々しく生きる「人間」の開放的なエネルギーを暗さもなく、とことんコミカルかつポップに描くのが堪らない。  この作品を観ていると、この時代の人々は「日本国家」という帰属意識はなく、せいぜい「お上」(幕府とか〇〇藩とか)という漠然とした公共意識の下に生きているのがわかる。  いや、そんな公共意識などもなく、ひたすらギリギリのその日暮らしをむしろ謳歌していると言った方が正しいのかもしれない。ラストで見せる見事な馬鹿囃子の完成ぶりはそうした底辺を生きることに何ら恥も引け目も感じてはいない生き様を映し出している。  トップクレジットは三船敏郎だが、思ったほど見せ場はなく、物語の軸を作っているのは胡散臭いお遍路の左卜全、インテリ崩れのイカサマ博打師の三井弘次、偏屈な鋳掛屋の東野英治郎らである。ここが従来の黒澤作品と異なる趣向でまた楽しめる。  特に三井の役は世間の酸いも甘いも達観するかのような「三百代言」を弄する曲者で、彼の粋なセリフにエンディングを飾らせているのが抜群に心地良い。  本当に胸の空く大好きな作品だ。
[DVD(邦画)] 10点(2025-07-20 21:50:51)★《新規》★
2.  東京物語 ネタバレ 
 もう5,6回は観ているだろうか。  かつては「家長」として大きな権力と権威を振るっていたであろう父が、戦後民主主義の時代になって、成長した子どもたちは言うことを聞かなくなり、むしろ親に「ああしろ、こうしろ」とズケズケと指図するようになって、ささやかに落胆する。  とはいえ、子どもたちにもそれぞれの仕事と家庭があるので致し方のないところでもあり、老夫婦の面倒を最も親身になってみてあげるのが二男の未亡人という血縁のない人間であったわけで、しょせん「血の絆」などというものは頼みにならないものだというメッセージは、現代にもしたたかに響く。  この物語の根幹は、こうした戦後における「家父長制」の崩壊にあるわけだが、やはり「家族」と「血」における絆は所詮は脆いものであり、大事なのは「血」よりも「愛情」であることを説教臭さのない柔らかいタッチで観る者に伝えてくれるのがこの作品の素晴らしいところ。  そしてまたタイトルにある「東京」も、復興へまっしぐらという活力を取り戻し、人々の生き様も朗らかで華やかにみえて、上京してきた主人公の老夫婦にとってはどこか息苦しさを感じてしまうという矛盾。そこには当然、出迎えた息子や娘たちの温情の乏しい対応も影響している。  数ある小津作品の中でも「戦後日本」の抱える光と影を如実に描いた傑作だ。
[インターネット(邦画)] 10点(2025-06-30 04:37:25)(良:1票)
3.  毒薬と老嬢 ネタバレ 
 優しくて面倒見もよく、近所では聖女のように敬われている二人の老女が、13人もの老人男性を殺して屋敷内に遺体を眠らせている、希代の殺人鬼であった――。と聞けば、『サイコ』や『悪魔のいけにえ』も真っ青の恐怖ホラー映画と思いきや、その実は風刺やトンチの利いたドタバタ・コメディである。  第二次世界大戦もいよいよ大詰めとなる1944年、日本であれば国策映画しか製作を許されない非常時に、こんなに素っ頓狂な映画が撮れるというのは、さすがは自由の国アメリカならではと感心してしまう。  この時代、まだ高齢化社会の到来という緊迫感はなかったにしても、老人の孤独感と閉塞感というのは次第に米国社会でも問題視されていく流れが生れていたのかと感じる。  とにかく奇人変人大集合であるため、主人公ケーリー・グラントが負けじと奮闘している。グラントがここまで目をむき、奇声をあげ、ズッコケまくる役どころも珍しいのだろうが、長身でスマートな美男がとってつけたように過剰なコメディ演技でたたみかけてくるのが、途中で食傷気味になる。元々のキャスティングであったというボブ・ホープなら、もっと肩の力を抜いた自然体でドタバタを演じてくれたのではないか。
[DVD(字幕)] 7点(2025-02-18 07:14:18)
4.  トッツィー ネタバレ 
 日本公開当時、たしか「彼はトッツィー、彼女はダスティン・ホフマン」というキャッチコピーで宣伝されていたはずだが、とにかくホフマンが毎回3時間以上も費やしたという女装がハイレベルである。だが、女装の見事さ以上に目を奪われるのはホフマンの熱演ぶりである。  実力はある(と本人は思い込んでいる)のに意固地な性格が災いして干されている中年役者マイケル。窮余の一策とばかりに女装し、「女優」として売り出したらまさかの大当たり。一躍スターの座に就くが、一生「女性」でいるわけにもいかず、また共演する女優ジュリーを好きになってしまい、真実をどう打ち明けるかで頭を悩ませる。  スター俳優の女装という部分が独り歩きしがちであるが、テーマは男が女を「演じる」ことで実感する、社会に遍在する「性差」であろう。女として過ごす時間の中で、マイケルは女ならこうあるべきだという要求の不条理をはじめて自覚し、それを芝居の中でぶっ壊そうとする。それが視聴者や共演者から意外な好評を博したから彼はスターに持ちあげられるのであるが、所詮それは「異色の」という形容詞を冠する存在でしかない。  まだジェンダーギャップという概念をはじめ、LGBTQだとかシングルマザーだとか今日では浸透している性愛や家族のあり方も「特殊」とみなされていた時代に、そうした問題群を堰を切ったように詰め込んだ上でコメディとしてまとめ上げた点は特筆すべきではないか。  マイケルが自らの正体を明かす手段として、生放送の本番中に自らの役柄の設定を勝手に改変するというクライマックスは意表を突かれたが、ホフマンらしいマニアックさが生かされていて好きである。  余談だが、マイケルと同居する友人の舞台作家を演じるのがデビル・マーレーであるが、ホフマンより13歳も年下と死って驚いた。ホフマンが若々しいのとマーレーが老け顔なのか、劇中では同年代としても全く違和感がない。
[DVD(字幕)] 9点(2022-08-10 21:05:59)
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