Menu
 > レビュワー
 > あにやん‍🌈 さんの口コミ一覧
あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ 《ネタバレ》 
 『プリキュア』の映画。映画をいっぱい見てきてる中でも最も敷居もハードルも高くて、これまで手が出せなかったわ。想像してみてよ、トシ食ったオカマが女児達に囲まれて一体どんな顔して見てられる?  テレビの『プリキュア』は(ニチアサ総じて)これまでなんとなく映ってた的な、見てるってほど見てはいない状態ね。『プリアラ』のあきゆかにはヅカみが感じられて、あきゆか回はわりとしっかと見てたけど。  『HUGプリ』も最初はキャラがキラキラ綺麗な、あとは毎度のプリキュア程度の印象だったのだけど、えみるとルールーが出てきて、その二人がアンバランスなコンビを形成してゆくあたりから注目し始めたのね。抑圧されたプリキュアファンの小学生と敵が送り込んだスパイのアンドロイド。その二人がプリキュアになるに至って、もうのめり込むようになって。   『HUGプリ』は徹底的な自己肯定の物語。その攻めの姿勢は大人が見てびっくり。いじめや差別や固定概念を否定し、ジェンダーフリーを高らかに謳うのね。「女の子だってヒーローになれる!」がキーワードの作品の中で、主人公が言った「男の子だってお姫様になれる!」というセリフ、世の中のどれだけの男の子が救われたことか。今日の放送では遂に男の子のプリキュアが誕生して、その姿勢を更に確固たるモノにしたわ。   映画版は『HUGプリ』と初代の『ふたりはプリキュア』をメインにした作り。歴代プリキュア55人が登場!とは言っても全員が物語に絡んで大混乱、みたいなコトにはなってなくて。過去作のファンには物足りないかもしれないけれど。  オリジナルな物語にはちゃんとドラマがあってメッセージがあって、1つの作品として完結してるのね。テレビシリーズにあるような攻めの姿勢は抑え気味だけれど、新旧プリキュアの競演は感動的。  クライマックス、怒涛の55人プリキュア大競演の盛り上がりは『レディ・プレイヤー1』のクライマックスをも凌駕するわね。心で応援して(応援グッズ、大きいお友達は貰えないのよね)リアルで涙ダダ漏れ。  マシェリ(えみる)とアムール(ルールー)の出番は少なかったけど、あの美しい変身シーンを大きなスクリーンで見られて感激。ルールーのネジネタ笑えたし。  ミデンの世界の間、フルCGになるのだけれど、そこはキャラをゆらゆらと動かし過ぎな気がしたわね。リミテッドな手描きシーンに合わせちゃダメなのかな?   でも、テレビシリーズと併せて、この眩しく煌びやかな世界が東映動画の魔女っ娘モノから変身ヒロインモノに連なる大きな歴史の到達点だと思うと感動もひとしお。『魔法使いサリー』から『HUGっと!プリキュア』までその歴史に立ち会えてる自分って、もしかして幸せなのかも。『プリキュア』のある世界に生まれて良かったわ。   ちなみに平日の昼間に見たので、女児より大きいお友達の方が多くて身の置きどころ無し!ってコトはなかったけど、映画終わって涙目で「プリキュアのパンフレットください」って言うのは最大のチャレンジだったわね・・・
[映画館(邦画)] 9点(2018-12-02 20:27:04)(笑:1票) (良:1票)
2.  映画 聲の形 《ネタバレ》 
 耳が聞こえないというのは、この映画では障害ではなく個性であるのだと思います。これは障害者の映画ではなく、いじめの映画でもなく、個人と個人についての普遍性を持った映画、なので障害やいじめに固執すると矮小化してしまう、そこを山田監督は真面目に丁寧に、バランス良く描いています。   それぞれの自分を守るための戦いが生む摩擦、その戦いから逃走する事で更に生まれる摩擦、ひたすら繰り返される闘争の傷とその痛みの容赦の無さ。映画はそこに真正面からぶつかっています。他者のパーソナリティを受け入れると共に自分のパーソナリティも受け入れる、それがどれだけ大変な事か、どれだけの傷を乗り越えてゆかなければならないか、その闘争について映画もまた表現の闘争を繰り広げている訳です。ゆえに受け手は見ていて古傷が痛む訳ですが、映画が戦っている以上、受け手もまたその戦いに向き合い、見届ける必要があって。   そんな映画の心を示す映像表現の数々が秀逸です。アニメならではの心象風景とリアルとの共存を端的に示す、顔の上のバッテンマークは勿論ですが、足だけ、顔が欠けている、誰かが収まっていていい筈なのに空いている、そんな不安定な構図が重ねられて、ほのぼのとした絵柄とは裏腹なヒリヒリとした痛みを伴う緊張感をずっと投げかけてきます。   同じ監督と脚本家、そして同じ京都アニメーション製でありながら、この作品とは正反対に位置しているとも言える『けいおん!』(摩擦は意図的に最小限に抑えられています)では複数のキャラのモノローグによって人称がブレて、流れがおかしくなってしまう箇所も見られましたが、今回はモノローグにも制限が与えられ混乱をきたす事がない点も成長が感じられます。   決して心地良い時間を運んでくれる映画ではありませんが(そもそも主人公のパーソナリティを受け入れられない人もいるかと思います)、そこに向き合う事に大きな意味のある作品です。その闘争の真摯な姿勢を高く評価したいと思います。
[映画館(邦画)] 9点(2016-09-26 21:05:11)(良:4票)
3.  映画 けいおん! 《ネタバレ》 
【リピーターシート2枚を埋め、ポスカをコンプリートした私に、商法を批判する資格はないので書き直し】『けいおん!』は原作、テレビ1期2期と、ずっとこのままでいたいという思いと、時は移り人は変わるという現実感の間でせめぎあいを続ける作品でした。2期13話『残暑見舞い!』は、梓の見る夢が主となる、軽音部の先輩4人が、実は梓の見た夢の中にだけ存在するかのような不安感を煽る一編で、それは『けいおん!』を支配する『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』と同様の閉塞された理想郷に対する(それを否定するのではなく、作品世界全体が単なる幻ではないかという)不安感に繋がり、映画の惹句にもなった20話での唯の「私たちはいつまでも放課後です」という台詞に象徴されるようでもあって。一方で1年生で軽音部を築いた4人は2年で後輩を迎え3年で受験、卒業に向かい、作品内に時が流れているというルールが明示される事によって(永遠を過ごす『サザエさん』や一時代が無限増殖しパラレル化する『ちびまる子ちゃん』と違い)1つの終わりを迎えるのは必至である事が明白であって。そのせめぎあいに1つの結論をもたらすのがこの映画だったように思います。永遠の日常からの飛躍のようにロンドンへの卒業旅行があり、更に成り行きとはいえロンドンライブを行う事によって『けいおん!』は次への変容を見せるかのように思えます。しかし、そのライブによって唯達が辿り着いた結論がクラスメイトのための教室ライブであり、最後はたった一人の後輩のために歌われる歌であり。歌の最後の1フレーズは「ずっと永遠に一緒だよ」。ひとつの作品として閉塞されるのではなく、この先、時が移り人や時代が変容しようとも、『けいおん!』世界の大気は不変であると宣言してみせたのが映画版だったのではないかと思います。なので、某ラジオで指摘されていた、映画として『けいおん!』世界を終わらせる程の徹底的な終わりを求めるのは見当ハズレなんじゃないの?って気もします。普遍的なヌルさ、心地良さを否定しなければ生きてゆけない訳ではないですものね。映像的なミス、不自然な箇所が散見される作品ではあるものの、ジブリを過去のモノにもしかねない「無駄たっぷりの作画」(人の所作が常に重要で必要なものばかりな訳もなく)を細やかに駆使した京アニとメインを女性が占めるスタッフの今後に更なる期待が持てました。
[映画館(邦画)] 9点(2011-12-06 20:52:25)
4.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
キレイにバランスのとれた映画でした。風格を漂わせる映像と音楽を基本としつつ、随所に笑いが入って重くなり過ぎず、過不足のないドラマを散りばめて軽くなり過ぎず。身分の違う二人、定められた自分の運命を呪うよりも、呪縛から解放され、そこから自分の人生を歩み出す事が出来るのだと導いてゆく友情物語は、定番ながら流暢な語り口でサラリサラリと心地良く流れてゆきます。ちょっと庶民感覚に寄り過ぎな感じがあるにしても、吃音に象徴された王の孤独が解き放されてゆく過程はやはり感動的。二人の距離感を示すカメラワークなども教科書的(並んで歩いていた二人が離れてピントがボケて霧の中に霞んで、って)ではありますが効果的で。優等生的な役者の演技の魅力も含めて、全てが「やり過ぎず、過不足なく、きちっと作ってます」って映画でした。イギリス映画って事でダンブルドア校長とベラトリクスとワームテールが出ていて、『ハリー・ポッター』との違いっぷりを楽しんだりもして。ベラトリクスとワームテールは他映画でも共演してる事が多いですねぇ。
[映画館(字幕)] 9点(2011-02-28 08:06:32)
5.  エースをねらえ! 《ネタバレ》 
出崎=杉野コンビの劇場用作品としては、個人的に最高作だと思います(テレビシリーズでは他にも名作が沢山ありますが)。大筋はともかく、細かな部分は原作に必ずしも忠実ではなくて、変更されていたり、独自の要素が入ったりしているのですが、それが1本の映画としてまとめ上げるための効果として見事に機能しています。特に、何度か繰り返される電話のシーンと、重ね合わせられてゆく宗方の母のイメージは、完全に原作ともテレビシリーズとも違う、映画独自の個性として強く心に焼き付きました。ひろみと宗形に物語を絞った事で、失われたモノも大きいのですが、明確な対比(師弟関係、男と女、生きてゆくものと死んでゆくもの)が生まれて、美しい物語が組み立てられる結果になったので、いい選択だったと思います。
[試写会(字幕)] 9点(2004-01-11 12:53:09)(良:1票)
6.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
 有村架純ってこんなに可愛かったっけ?って。『女子ーズ』や『ストロボ・エッジ』ではそこまでじゃなくって、じゃあ、その2作の撮り方が下手だったのかな?とも思うんですけど、とりあえずこの映画は彼女の可愛さだけで半分勝っちゃってるようなもので。その魅力だけで映画を楽しむ推進力になりますもんね。   物語はダメな女子高生が頑張って慶應大学に合格する話(ここでは省略されちゃってるサブタイトルが付いてますが、その時点でネタバレしてます)、でも、宣伝展開から受けるイメージよりも実際の映画はヘヴィな話で。  主人公には複雑な家庭環境があって、息子だけを偏愛する父親と、二人の娘に愛情をかけ、身を粉にして働く母親と。父親と断絶し、母親の溺愛によってダメっぷりを発揮するヒロインと、父親の期待に押し潰されそうな弟と。バラバラに壊れそうな危うい家族の姿を描いた映画としての側面が強かったりします。  また、ヒロインは学校の教師からはクズ扱いされ、ただ友人達との時間だけが生きがい。  そんなヒロインが進学塾に行き、生徒に理解を示す真面目でひたむきな講師との出会いによって変化してゆく、その講師とのコミュニケーションは軽妙で楽しく、幾つもの対比構造の中で輝きを放つパートとなっています。ここら辺、計算されているなぁ、って感じで。   前記の通り、有村嬢が大きな魅力を放っていたのですが、吉田羊もとても印象に残る母親を演じていて、幾つもの感動を誘います。   講師の言説は理想論に過ぎる感もありますし、いい人なイコン伊藤淳史を起用しているあたりからも、あまりに善悪のイメージを描き分けし過ぎていて、やや鼻白む面が無きにしもあらずですが(このあたり原作本をヨイショし過ぎって感じ?)、ここまでしょーもなく生きてきた私から見たら、大人が子供の可能性を潰しちゃいけないのも、子供が目標を持って頑張るのも、全く正しい事だと思うのでした。   ネタ映画のように思えて、実はとても真っ当な青春映画なのでした。
[映画館(邦画)] 8点(2015-05-05 20:57:55)(良:1票)
7.  エンジェル ウォーズ 《ネタバレ》 
ドラゴンとかロボットとか戦闘機とか飛行船とかのワクワクするモノを・・・いや、もっと正直に。ブロンドでツインテールのヘソ出しセーラー服少女が日本刀振り回すよーなワクワクするモノを、あにやん初日に見に行かないワケない!のですが、一方でスナイダーですよ。過去作の私の評価が8点、6点、0点、6点な、平均5点なスナイダーですよ。モンスタージャパンの店先でポスター見て「ぎゃー!何コレ?絶対見る!」状態だったのがスナイダーと知って「・・・微妙か?」って。結論言うと「あーあー、スナイダー、やっちゃった」って。微妙なんてモンじゃない、これはかなりアレだわ。毎回ビジュアル(だけ)が凄いスナイダー、今回も色々と見せてくれます。どこかで見たよーな映像ばっかりではありますけど(ゲームが多いかな。『ギアーズ・オブ・ウォー』的映像世界で、ロボットは『サクラ大戦』の光武みたいだし、ナチ風ゾンビって『バレットウィッチ』っぽい)、どうだとばかりに見せつけてきて。列車バトルでのCG使いまくり長回しアクションなんて笑っちゃうくらいに。ベイビードールはたまに顔がアレだけど、ちっちゃいコってところがビジュアル的にイイ感じで。だけど、もう完全なオタク趣味のみで構成されたアクションに対して、ドラマ部分はまるでスナイダーが延々と自分の趣味の言い訳をしているような状態で。『インセプション』みたいな入れ子細工構造で描かれるのは映画という表現媒体そのものにまで及ぶ虚構性のハナシ。こんな物語じゃ見ててポカーンだわ。いやいや、スナイダー、判ってますって。心配しなくたって私達同じ病を患う人間はベイビードール達をいつだって自由に甦らせ、新たな活躍をさせる事ができるのですから。まあ、だけどやっぱり『ウォッチメン』は認めないし、この映画を誰かにお勧めする気には一切なりませんけどね。
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-15 21:35:29)
8.  映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち 《ネタバレ》 
おっさん声のドラえもんから見てる世代ではあるものの(歌詞書くとアレなんで略すとオツムがツンツルテンだのアンヨが偏平足だのってヤツ)、特に『ドラえもん』に思い入れはなくて、でも、昔レンタルで見た『鉄人兵団』は記憶に残る名作だったのでリメイクとなる今回、初の『ドラえもん』映画館鑑賞。見ていてとても感心しました。高水準の作画、ちょっとした仕草の細やかさや印象的なシルエットなど、繊細な表現がいっぱいあって、一方でメリハリを効かせたSFアクションとしての華も盛り込まれて。鏡の世界の設定に疑問が湧きまくりではありますが(どの時点を「映し」ているのか、それは他者の所有システムと共有された空間なのか、空間内で時間が経過するならば現実との差異が生じるのではないか、その差異はどう補間されるのか、生体は映さないならば食肉は何故反映されるのか、ならば死体は反映されるのか、病院の安置所に死体だけポツンとあったりするのか・・・)、リルルと共に今回新たに生命を与えられたピッポがキャラとしての個性を存分に放っているために、元作品よりも、もっと人と機械生命体との繋がりと、その悲劇とが強調され、より深い感動を得られる映画になりました。しかし。その機械生命体側なリルルとピッポの存在に、更なる魅力を感じれば感じる程、元作品に存在した大いなる欠点が更に大きくリアルな欠点として引っかかってしまうという難点が浮き彫りになりまして。しずかちゃんのひらめきは結果的に侵略者とは言え、宇宙の中で長い歴史を刻んだ文明をまるごとひとつ破滅させてしまう訳で。人と機械の差異など存在しない事を語りながら、このリセット劇は相手が機械であるがゆえに許されるように見えてしまいます。ラストの救済も安直な蛇足に思えますし。ここはリルルとピッポに責を負わせつつ、人間側にその重さを認識させて頂きたかったかな。とは言え、その完成度、面白さや感動は個人的にオリジナルを超えるものだと思いました。
[映画館(邦画)] 8点(2011-03-08 22:17:20)(良:1票)
9.  駅馬車(1939)
幾つものドラマを乗せて走る馬車。そのドラマの多くを語り過ぎていない点が良いですね。なんでもかんでも説明しちゃうとキャラクターは逆にどんどん薄くなっていってしまいますから。過去に何があったのか、どういう生き方をしてそこに至るのか。それをクドクド説明せず行動や表情、登場人物同士の絡みで匂わせてゆく、つまり簡潔にして深いワケです。クライマックスの広大な乾燥湖でのチェイスシーンのカメラワーク、アクションは今の時代でも十分にそのスピード感を堪能できます。そもそも背景が広々していて、しかもモノクロって、本来とても視覚的にスピード感を出しづらい状況なワケで(背景が激しくスクロールしたりしないし、地面は真っ白なので流れがあまり見えないでしょ?)、実際にスピードが出てるからこそなんですよね。人種や男女の価値観など、どうしても時代を考慮に入れて見なければならない部分もありますが、古典として触れる価値は十分にある映画だと言えます。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-23 00:13:58)
10.  L.A.コンフィデンシャル
カフェ襲撃の部分をもう少し判りやすく映像で解説して欲しかったなぁ、という恨みはありますが、何はともあれ、渋い空気に彩られた、弱さを持つ人間同士のぶつかりあいの映画を堪能しました。カメラやライティング、美術、衣裳など、画面を作り出す要素が、もう見事なまでにしっかりと統一されて世界を創造し、ゴールドスミスの音楽が仕上げる、というプロの仕事がまぶしい映画。ただ、デビートって、どの映画に出てきても、デビートその人にしか見えないんですけど。この映画の場合は、この世界に生きるデビート、ではあったんですけどね。映画を見ていて彼に出会うと、ウディ・アレンの『カメレオンマン』を思い出します。
[映画館(字幕)] 8点(2003-11-28 14:09:25)
11.  エクソシスト 《ネタバレ》 
私が、この映画を恐く感じたのは、リーガンが「だうーだうー」言ってるシーンではなくって(公開当時こそ、その恐怖が世の中を席巻しましたが、今となっては、恐怖表現はむしろ大人しいレベル)、カラス神父の信仰の揺らぎの部分に、悪魔が付け入ってくるところ。神父は、信仰と人間性の間で自分の立ち位置を見失いかけていて、そして、その前に立ち塞がる最大の敵の象徴たる悪魔と対決することに。その悪魔は、彼自身の心の中に棲むものとしての象徴でもありました。だから、その結末は、あまりに悲しいのでした。暗いモノトーンの映像、たちこめる霧や白い吐息などから受けるイメージも手伝って、恐いというより、寒々しく悲しい映画としての印象が強いです。
[映画館(字幕)] 8点(2003-11-27 21:40:00)
12.  エイリアン2 《ネタバレ》 
天井のパネル開けたら、そこにエイリアンがうぢゃうぢゃ佃煮状態、っていうのは、大きな石をどけたら、そこに・・・って感じを思わせて「うぎゃ」! さて、この映画は、人権や思想、国家の問題があれこれデリケートな時代に、相手がエイリアンだからこそできる大虐殺アクションの世界。エイリアンに感情移入なんかしてた日にゃ、たまったモンじゃないですけど(平和に暮らしてたら、人間がやってきてメチャクチャにしちゃうんだもの)。ただ、クライマックスの母性同士の激突、というのは、ちょっと「どっちも頑張れ~!」みたいな感じでしたね。そりゃエイリアンママだって怒るわなぁ。メカデザインや荒々しい特撮も良くて、一級の戦争バトル映画でした。個人的には、女性パイロットがカッコ良かったんで、もう少し生かしておいて欲しかったですけど。あと、ジェームズ・ホーナーの音楽、この時はいいんですけど、後の映画も全部この映画のパターン、ってやめてちょーだいな。『タイタニック』見てて、エイリアン出てきそーな感じで仕方なかったです。
[映画館(字幕)] 8点(2003-11-27 20:44:46)(笑:2票)
13.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 《ネタバレ》 
 ツイッターで大々的に話題になっているのだけど、ネットでの大騒ぎがこの映画にとって幸福なコトだとは思えないのね。作品への感想・評価が大袈裟過ぎて、ここに登場するキャラたちが持つココロと乖離しまくっちゃってる状態じゃない。「何気ない佳作」くらいがちょうどいいポジションだとは思わない?   映画を見るに当たって身構えてしまったけれど、幼い子供向けだけにワリとシンプルね。前半、絵本の中に入ってバリエーション豊かな展開をする割にはどうにも単調で見てるのが結構キツいわ。キャラ1人1人のドラマを深読みしようと試みたけど、それぞれの成り立ちに背景はありつつも基本みんな仲良し良いコ状態なので特に深い闇を見せてくれるとかいう訳ではなくて(当たり前)。ナレーションで全部説明してくれちゃう映画だし。   後半の展開は感動的に描けていたわ。ただ、こういうほのぼのシンプルなデザインのキャラで怒涛の泣かせの展開に走る点に意外性があるわけで、その設定そのものはありがちと言えばありがちね。   ネットで取り沙汰されてる『攻殻機動隊』とか『ジョーカー』とかって、真面目に受け止めない方がいいわ。アタシ個人の印象として近かったのは『学校の怪談』シリーズね。  尺も短いし、何か凄いモノを期待して見るのは間違いかしらね。っていうか平日昼間の新宿ピカデリー、子供はちょぼちょぼ、大きいお友達で溢れかえってたわよ・・・
[映画館(邦画)] 7点(2019-11-14 19:38:24)(良:1票)
14.  映画 妖怪ウォッチ/空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! 《ネタバレ》 
 CGとの合成を前提として撮られている実写パートがかなりぎこちないとか、アニメパートの作画がテレビアニメレベルのお手軽さとかっていう明らかな難点はありますが、もっと基本的なところで「この映画は大丈夫なのだろうか?」って心配になりました。   アニメのキャラクターがこちら(現実)側の世界の存在になってしまう事に対する違和感、異常さを描いているわけですが、それはつまり『妖怪ウォッチ』という作品そのものがアニメの世界の話である、現実とは違う世界の物語であると主張しているんですよね。こちら側を毛穴世界(アニメのキャラクターには毛穴がありませんから)と呼ぶ主人公を始め、全てのキャラはあちら側の存在であり、そこには明確な境界が存在しているのですよ、と作品をメタ化してみせます。  更にこちら側の人間が逃避という形であちら側の(アニメゆえの)飛躍的に自由な能力を獲得し、あちら側のキャラはこちら側に来る事で現実に引っ張られて能力が極端に低下するという描写によって、その差異を強調してみせた上で、現実を生きるための努力が必要ですよ、アニメに逃避してちゃダメですよ、と釘を刺してきます。  それが劇場に来ていたメイン層である未就学~小学校低学年の子供達に受け入れられるのかどうか、ちょっと心配。むしろ人間側ヒロインの15歳という設定年齢、そのくらいの世代の人に向かって発信されているようにも思えます。大人に向かって社会と自己とに向き合ってゆかなければならない、そんな時期の人。  夢の側から「夢は夢として現実を生きろ」と主張してくる、なかなかに辛辣で侮れない作品だったりするのでした。   まあ、私なんかは遠い昔に手遅れになってますが。CGジバニャンかわいー。
[映画館(邦画)] 7点(2017-01-05 22:24:13)
15.  映画 ST赤と白の捜査ファイル 《ネタバレ》 
 ドラマ版は第一話をなんとなく見て終了状態だったのですが、映画版、面白かったです。ひたすらキャラものとして。   【以降、映画の仕掛けそのもののネタバレになりますのでご注意を。】   脚本的には結構無理があって。そもそも赤城が逮捕され脱獄し追われるという展開にかなり無理があるので追う方の警察がひたすら無能&お遊び状態に思えてしまい。そこにもちろん裏がある訳ですが、それを事前に100%把握していた人間はごく一部なわけですから、やっぱり無能&お遊びは否定できないんですよね。   それに犯人が犯行の妨げになるSTの解散を目論んだ、っていう設定も疑問。STさえ存在しなければ捜査能力が低下するなんて考えるものなのでしょうか?   大体、ウィルスソフトをばら撒いてワクチンソフトを売りつけるって、そもそも商売として無効化するのが明白なので誰も入札しないんじゃ?   で、だけどキャラが面白くて。赤城・百合根コンビのバカみたいなテンションはアリだと思いましたし(ドラマはあまり見ない私ですが、日頃映画でお馴染みなお二方なわけで、この二人のハイテンション演技が楽しく)、STメンバーや脇キャラも個性的で楽しく。途中、道中を共にする事になる女の子の毒舌っぷりがまたいい感じ。  ユースケ・サンタマリアは毎度のつまんない演技してて、この人ってこんなのしかできないの?とか思っちゃいましたが。   サスペンス映画としてはともかく、キャラものとしてかなり笑わせてもらったので見終わってスッキリ爽やか。なので甘い評価になりました。テレビシリーズをちゃんと見たい感じ。  それにしても、この監督さん、『ガッチャマン』ではなんでこの感覚が全く出せなかったんですかねぇ? 『ガッチャマン』こそはキャラものの基本中の基本ワールドでしょうに。
[映画館(邦画)] 7点(2015-01-25 23:03:44)(良:1票)
16.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 《ネタバレ》 
 見ている間はとても楽しめ、だけど終わってみるとツッコミどころや疑問点、そして猜疑心でいっぱいになってしまったという感じで。   前作でテレビシリーズや前世紀末の映画とは違った分岐した道を辿る事を示した上で、今回は全く未知の『ヱヴァ』が展開してゆく、その、これまで見た事のない全く新しい『ヱヴァ』にはワクワクドキドキできる訳ですが(シンジの置かれた状況と観客の置かれた状況とがシンクロするように何が起きたのかが判らない冒頭からしばらく続く「見るもの全てが未知」な感じに心躍ります)、ゼーレ、ゲンドウ、冬月という老害的キーワードが結局は元の方向にあっさりと軌道修正してしまう訳で、カヲルくんの奮闘虚しく同じところに収まってゆこうとしてるじゃん、みたいな感じで。下手をするとこの一作そのものが大して意味のない寄り道になるような危機感すら抱かせ、監督、今度もまたまた逃げるのか?と疑いたくもなるような、そんな展開。   一方、掴みで東映まんがまつりから『ウルトラマン』、天地真理へと至る世代限定お遊びにウケ、お馴染みキャラ達の一挙一動に心奪われ(もうずっとアスカ好き)、そして何と言ってもシリーズ初のシネスコサイズ、六本木7番の20メートル超スクリーンに展開する壮大なスケールの絵の気持ち良さを堪能しました。  つまり、そういうオタク的快楽って点ではとても優れた作品であると思うんですよね。それは昔の『ヱヴァ』、いやもうガイナックス、更に遡ってDAICON FILMあたりからの伝統的快楽とも言えるようなモノ。でも、そう受け取ってしまうと、それはそれで停滞もしくは退化だよねぇ、って感じもしてしまって。  時代の先端、先進的なもののように思えながらその実懐古主義に支配されているという点で同時上映の『巨神兵東京に現わる』と同様、何かパワフルな作風とは裏腹に停滞して淀んだ精神世界が垣間見えるようで、それは自身の嗜好に対する自戒の念も含めて、あまり気持ちのいいものではないなと。   大劇場が満席状態で老若男女集まった状態ですっかりメジャー化した『ヱヴァ』な訳ですが、その肥大化した知名度に見合っただけのモノが作れるのか否か、そこら辺の覚悟はあるんでしょうかねぇ?  今回は結局バカシンジのバカっぷりが宇宙規模でした、みたいなところで終わっちゃいましたねぇ。なんだかんだ言いつつ面白かったですけど。
[映画館(邦画)] 7点(2012-11-18 15:01:05)
17.  エイリアン 《ネタバレ》 
ジョーンズかわいいわぁ。スクリーンで見るのは今回が初めて。『2』以降は全て公開時に見てるのですが。って言うか、これだけは、ちゃんとしたものを見る事自体が初めて。ビデオやDVDでも見てなくて、テレビ放映のカットされたバージョンを何度か、って。戸田恵子の声で「おふくろさん!」ってヤツ。テレビで見ただけの状態では、ただのSFホラーって印象が強かったのですが、こうしてスクリーンで見ると、美術の素晴らしさに目を見張ります。さすがにコンピュータやディスプレイ周りのセットには時代を感じるものの(ブラウン管に出力された映像関係は特に)、エイリアンを始め、宇宙船、工場のようなノストロモ号内部、巨大なエイリアンの化石、宇宙服等々、画面の隅々まで意匠を埋め尽くしているような感じでホレボレします。『2』以降も美術的には凝って魅力的なカラーを見せていますが、『1』は別格。なんで宇宙船の中があんなにも蒸気だらけ?って思いはしますけど、そういうものだ、っていう確固たる主義の元にデザインされている感じ。リプリーの言動が実のところアッシュ以上に不可解だったり(3人になった時点で残りの2人と何故わざわざ別行動するかねぇ?)して、人のドラマの部分はそんなには印象に残らないのが難点ではありますが。ジョーンズ探しを繰り返すのもねぇ。リプリーにとっては2人よりもジョーンズの方が大切でした、ってのはネコ飼いとしては判らんでもないですけど。エンディングに流れるジェリー・ゴールドスミスの美しいメロディも印象的でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-10-02 14:32:12)(良:1票)
18.  X-MEN:ファースト・ジェネレーション 《ネタバレ》 
とても面白かったです。ちょっと前半、話が飛び飛びになるので、どうなってるのか咀嚼しきれないところもあったのですが(恥ずかしい話、エリックとショウがごっちゃになってて、途中で「あれ?」って)、話の全体像が見えてくると、正義VS悪ってシンプルな構造ではない、元々は同じ立場の人々が、袂を分かってゆかねばならない悲劇が伝わってきて。『X-MEN』でさんざん説明されてはいても、元々は共に生きた、っていう物語をここまできっちりと見せてくれると、シリーズ自体の見方がこれまでと違ってくる気がします。ドラマ中心なこの映画を、ジェームズ・マカヴォイ(@タムナスさん)がいかにも人当りの良さそうな人物(ゆえに心が読めるクセにちょっと人の暗部に疎い)を好演して支えている感じ。ただ、ナチやソ連に「悪」を求めきれず、「悪の根源」としたケヴィン・ベーコンが結局はミュータント側の存在である事によって、『X-MEN』というのは、その起源からしてひたすらミュータント同士の内輪揉めの話であった、ってカタチになってしまうのがねぇ。旧人類こそが彼らを迫害・弾圧する悪しき存在である、っていうのを明確にしきれないあたりは、この物語の限界ですかねぇ。って、そこまでしちゃうと『デビルマン』になっちゃいますか。とにかくこの映画、見応えのあるドラマと能力を発揮する見せ場の面白さとで『X-MEN』の魅力の底上げをしてみせた作品だったと言えます。1作目と『ウルヴァリン』しか見てないんですが、早速シリーズ通して見てみよう、って気にさせましたもの。
[映画館(字幕)] 7点(2011-06-14 20:15:41)
19.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
前作はテレビシリーズをなぞるというか、単にリライトした感覚でしたが、今回はもう殆どオリジナルになっていて、その今までに見た事のない(そりゃもう凄い)映像、見た事のない展開に窒息しそうになるほど息を呑んで見入っておりました。オリジナルなワリには相変わらず展開がブツ切れで唐突だったりするのが気になりましたが、ウルトラシリーズや昭和歌謡といったネタなどは、もう私くらいの世代じゃないと判らんでしょ、って感じで楽しませて貰いました。でも、前作、今作と見てきて、ここまでのところ新しいヱヴァは旧エヴァから進化したのは映像表現だけで、前世紀末のどんづまり感そのままに停滞、あるいは退行してしまってるんでないの?と思ってしまいました。新しい道筋、今の時代の新しい光明を見せられなければ、今、新たに再生する意味はないんでないの?って気がします。新キャラを出し、展開を激しく変更しながら、旧作の殻はまるで破れていない感じ。その差を例えるなら、テレビシリーズは広げた風呂敷にオモチャを色々積み上げた挙句に逃げ出し、前世紀末の映画は広げた風呂敷に積み上げたオモチャをガーン!と蹴飛ばして捨て台詞残して逃げ出し、そして今回の新映画は風呂敷に積んでるオモチャが凄いコトになってるけれど、風呂敷そのものは前と同じもの、と。もはや古典と化してしまったエヴァ、結局はそこに澱んでしまうのでしょうか? またまた逃げ出すのでしょうか? 結論はまだまだ出ない、というのがもどかしいです。
[映画館(邦画)] 7点(2009-06-28 21:34:47)
20.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
元々新しくはあっても革新ではなかった『エヴァ』ですが(引用元をハッキリさせている分だけ潔かったと言えますか)、前回の映画化の最後で後を濁しまくりで外に出て行った癖に、一体どの面下げてのこのこと戻ってきているのかと。今回の映画化は驚くほどに保守的で、ある意味退化しており、そして、その分非常に心地良い、と。テレビシリーズをリアルタイムで見ていた頃の純粋な愉悦そのままの映画でした。そもそもが馴れ合いの土壌から生じたガイナックスに革新を望む事自体が誤りであり、所詮はATフィールドの中に閉塞された、停滞した馴れ合いに、その愉しみの本質があるのだとすれば、その内側から逃げ出さない事にこそ安穏があるのだろうな、と思うのでした。『エヴァンゲリオン』が『ヱヴァンゲリヲン』という古典へと移行した今、その古典の殻の枠に閉じこもり、革新に背を向ける事の快楽を享受するのもまた、懲りないファンであるという点で、監督を揶揄したところで結局は似た者でしかないのだな、と。革新の芽は他にいくらでも存在しているのですしね。
[映画館(邦画)] 7点(2007-09-15 17:05:35)
080.32%
1220.87%
2421.67%
31234.89%
431912.67%
548419.23%
654521.65%
745518.08%
829811.84%
91827.23%
10391.55%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS