1. ナチュラル
《ネタバレ》 いやいや・・野球モノとしても、一人の男の人生復活ドラマとしても浅い出来です。未来洋々たるはずのスタートからつまづいた、そこの部分とその後数年はすぱーっとトバして、天才中年ルーキーとして活躍するあたりから丹念に描き出すんだけど、これがご都合主義でねえ。気の毒なのはマドセンだよ。ワタシなんかはサスペンス好きなので、あの謎の銃撃事件の全容がいつ明らかになるのかと、ずーっと待ち続けるハメになりました。誰の陰謀なのか、黒幕はこいつか、など見事に私の予想は全部外れました。何もないんかい。なんじゃそりゃ。 それにせっかくの野球の試合の、見せ方が下手です。照明が壊れるとかじゃなくて、展開で盛り上げてほしい。タメる部分が違うし。例えばラストのレッドフォードのファウル、あれはいらんと思う。 ただですね、こんな二流の脚本で客を最後まで引っ張ったロバート・レッドフォードのスター力は思い知りました。知的で端整で説得力がある。他の役者だったら、すっかり埋もれた野球映画のひとつ、に今頃なっていたと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-01-06 00:42:01) |
2. なまいきシャルロット
80年代のティーンの女の子の鬱屈と混乱と輝きをこれ以上無いくらい鮮やかにスクリーンに焼き付けた、シャルロット・ゲンズブールの出世作ですね。 ああ、13歳女子の不機嫌、不安定なことったら。「暴走するフェラーリ」脳なんだそうだ思春期というのは。彼女の振れ幅はかなり大きい方とは思うんだけど、気持ちはよく分かります。かつて通ってきた道ですから。 もちろんシャルロットだから、この低気圧の塊みたいな年頃が「瑞々しい」と称される作品となったのです。すらっと長い手足、小さい頭、キレイな肌と仏頂面でも可愛い顔。髪はいつもボサボサ気味で、”令嬢”クララのきちんと感と比べると明らかに”一般の”子なんだけど(空腹でプールサイドで倒れちゃったり)、まあその痛さも含めて魅力的なんでありますね。 ご本人はもうベテラン女優になりましたが、13歳をくっきりと保存したこの作品は永遠に、後世の女子らの共感を得て褪せる事は無いでありましょう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-11-09 09:40:51) |
3. 長く熱い週末
《ネタバレ》 ギャング映画のカテゴリーにしてはちょっと地味ですが、切れ味はなかなかの一品です。自分の力を過信気味のボスはB・ホスキンス。小っちゃい身体でキレながらこまこまと動き回り、自ら真相を追う。やたらフットワークの良いボスではあるんだけどいかんせんワンマン。周りの意見にもっと耳を貸すことができたなら、非業のラストを迎えることにはならなかったのに。このラストシーン、とうとう詰んだホスキンスのアップを数秒間突きつけられる。ヤバさ極まれり。このラスト以外にも、じわーっと冷たい空気感を裂くように銃口が火を噴いたり、突如刃物が閃いたりと、全編緊張が途切れない演出の上手さも印象的。 あまり考えの深くない恫喝型ホスキンスが暴走気味になったとき、ビンタをかまして落ち着かせるヘレン・ミレンの姐御っぷりも見逃せない。こんなに若い時から目が据わっていたのね。 そしてIRA、この頃はテロリストの定番のようにいろんな映画に登場していたなあ。状況がもうだいぶ変わって映画の題材になることは無さそうですね。 [DVD(字幕)] 7点(2017-08-19 00:28:03) |
4. 何かが道をやってくる
《ネタバレ》 ブラッドベリの、正直ちょっと”もたついて長い”原作(個人の感想)のエッセンス部分を上手く抽出して、幻想的なダークファンタジーとして映像化しています。 子どもが持つ「夜」や「嵐」への怖れが画となって視覚化されている上、カーニバルという異世界空間を利用しての幻惑に、分別あるはずの大人までもが絡め取られていくさまはひんやりと怖い。 児童文学のジャンルに入るかと思いますが、この怖さはなかなか本物。学校の女教師が若返りと引き換えに光を失う場面はかなりビビリます。小学生の年で観てたらかなりのショックを受けただろうな。 悪魔は絶対的に強く禍々しく、子ども二人で闘える相手ではない。もう隠れるのみ。そう、雷鳴が轟くまで。 たまに思うのですが、悪魔って人間の作品に登場するぶんにはですが、相手の心の弱みを握ることには長けてるけれど、「隠れている」者を見つけ出すという透視能力は無いようなんですよね。これってどういうことなのかな。西洋の聖典等で悪魔の能力定義とかあんのかな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-06-23 23:41:53)(良:1票) |
5. ナインハーフ
J・テイラーの曲がお洒落で映像が綺麗でキム・ベイシンガーに大人の女っぷりを見せてもらった。印象は強く残ってるけども、面白かったわけではない。隠れM・ロークファンだった私ですが、この映画で彼にやられたわけではありません。 [映画館(字幕)] 6点(2012-01-17 13:22:53) |