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プロフィール
コメント数 2397
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  日本海大海戦 《ネタバレ》 
太平洋戦争をテーマにした『日本のいちばん長い日』から始まるいわゆる“東宝8.15シリーズ”は第三作目にして日露戦争に逆戻り。唐突感はあるが、これには同時期に新聞連載されていた『坂の上の雲』の影響があったのかもしれない。日露戦争を扱った作品としては新東宝の『明治天皇と日露大戦争』が12年前に製作されて大ヒットしたので、いつかその雪辱を晴らしたいという執念があったのかも。思えば当時は左翼全盛時代、日露戦争のことなんかは学校ではほとんどスルーだし、大日本帝国の富国強兵政策が起こした侵略戦争だなどと教えていたもんです。そんなご時世にこのテーマを選ぶとは、ある意味勇気ある決断だったかもしれません。■三船敏郎は山本五十六・阿南惟幾・木村昌福といった将軍や提督を演じていますが、自分はそんな三船の演技スタイルにもっともジャストフィットしたのが東郷平八郎で、まさにはまり役だったんだと思います。後年に流布された神格された人物ではなく、加藤友三郎参謀長の前で取り乱してしまうような人間臭い一面もきっちりと見せてくれました。笠智衆の乃木希典も、皆が持つ彼のパブリックイメージにはぴったりの好演で、乃木と東郷が対面する場面での「そのお言葉で、乃木はやれます、必ずやります」と203高地の攻略を誓うところは良かったな、名シーンです。■この映画はタイトル通り日露戦争でも海軍作戦がメインで描かれていますが、やはりここでものを言ったのが円谷英二特撮の技でしょう。実はこの映画が円谷の遺作となったのは周知の通りですけど、彼が拘ってきた“水の特撮表現”の集大成を見せてくれます。なんと107隻も製作された大スケールの日露艦艇の繰り広げる海戦シークエンスは見事の一語に尽き、水柱が上がるカットにはほんと拘りを感じさせます。陸戦関係では実質203高地攻防戦しか取り上げていないのですが、まあ尺の関係もあって仕方なかったかも。この陸戦シークエンスは明らかにカネのかけ方が海戦より貧弱なのは否めず、日露両軍とも火砲が発砲しても砲身が後座しないのはちょっとしらける、海戦シーンでは戦艦の主砲が後座するところまできっちり再現しているのにねえ。あとせめて大山巌と児玉源太郎ぐらいは登場して欲しかったな。■『坂の上の雲』ではとかくバルチック艦隊とロジェストヴェンスキーをディスる傾向がありましたが、冷静に考えればあれだけの大艦隊を極東まで引っ張て来れたというのはやはり歴史に残る偉業と言えるでしょう。休養および修理・訓練が十分で待ち受ける連合艦隊と長旅を続けてきて疲労蓄積しているバルチック艦隊では、やっぱこれはハンデ戦だったと言えるかもしれません。あと陸軍も海軍も、艦艇の大損害をちゃんと報告するし乃木将軍の更迭の許可を伺うなど、きちんと天皇や閣僚を通しているところには考えさせられるところがありました。“統帥権の独立”を盾にして天皇まで蔑ろにして好き勝手やった昭和の陸海軍に比べるとえらい違いです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-05-27 22:30:36)(良:1票)
2.  肉体の野獣 《ネタバレ》 
大蔵貢時代の新東宝映画は、実は倒産後に東映やTVで活躍した俳優や監督が多く撮影や音楽などのスタッフも技量は高かったが、如何せん脚本だけはどうしようもないレベルだったと言えるでしょう。時代劇以外はほとんどが原作となる小説がなくつまりオリジナル脚本、まあこれは原作料をかけないコストカット策でもあったでしょうが、そこに社長自ら脚本というかプロットに口を出しまくりだったのも原因だったと思います。そういうハチャメチャな作品群の中では本作はまあまともな方ですけど、よく考えるとこのストーリーは寛一お宮で有名な『金色夜叉』の翻案みたいです。監督の土屋敬之介は倒産間際になってようやく監督に昇格した苦労人で、新東宝では本作を含めて二本しか監督作はありません。ところが倒産後はTV業界で活躍し、『マグマ大使』や『宇宙猿人ゴリ』などのピープロ制作の特撮シリーズや、円谷プロからも声がかかり『戦え!マイティジャック』も監督しています。因みに父は長唄家元で、実兄はなんと人間国宝だったそうです。 まあ元ネタが『金色夜叉』ですからいくら時代を現代にしても古臭いお話しになるのは当然の帰結、主人公の医師が恋人・三原葉子に裏切られて「女は信用できない、復讐だ!」女あさりに精を出すようになるところは全く理解不能。看護婦や堕胎を執刀したTVタレントや同じアパートの未亡人にまで手を付けるけど、まあどんな時代にもいる女癖の悪いモテ男でしかないんです(ちょっと羨ましいけど)。この映画のおかしいところは、説明もなく話が進展したり登場人物が増えたりするところで、編集段階でけっこうカットされたシークエンスがあるように感じられました。 新東宝お得意の題名詐欺ですけど、その詐欺映画群の中でもインパクトの薄い一編でした。でも三原葉子を始め女優陣は綺麗どころを揃えていて、新東宝の女優陣は他社に比べても遜色がなかったと納得させてくれました。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2023-07-16 22:29:35)
3.  日本暗殺秘録 《ネタバレ》 
これはもう血盟団事件と小沼正のことを描いた映画だとしか言いようがありませんね。聞くところによると、実際に小沼正のことをテーマにした映画を撮るために中島貞夫と笠原和夫が脚本を書いていたら、社長命令でオールスター方式の通史形式になったんだそうです。まあそこは140分の上映時間のうち100分が血盟団事件に尺をとっていることからもうかがえます。脚本は時代を反映しているというか全共闘世代に媚びているというかアジっているような過激さで、自民党筋から製作中止の圧力がかかったというのも頷けるアナーキーさです。ラストの226事件の首謀将校たちの処刑シーンなどは、ちょっとトラウマになりそうなぐらいです。でも小沼正を演じる千葉真一は彼のフィルモグラフィ中でも屈指の名演を見せてくれます。彼は同時代の黒沢年男みたいな激情的な演技が持ち味だったんですが、本作ではそれなりに抑えた演技を見せてくれて魅力的でした。彼と悲恋の関係になる藤純子も、博徒映画の姐御というイメージを払拭させてくれる好演です。脇を固める片岡千恵蔵の井上日昭もさすが千恵蔵という存在感で、多少セリフ回しに灘がありましたがその怪物的なカリスマは圧倒的な迫力があります。 桜田門外の変から始まって226事件までの暗殺事件を取り上げていますが、犯人が処刑もしくは自害で終わらなかったのは、血盟団事件とその影響を受けたこの映画では取り上げられていない515事件だけなんですね。小沼正にいたってはこの映画の製作時にはまだ存命で撮影を見学したっていうのだから驚きです。やはりこの事件が起きた昭和一桁のころは、日本の社会はテロに甘いというかまだまだ民度が低かったと結論付けるしかないでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-04-18 20:52:56)
4.  肉体のすきま風 《ネタバレ》 
テネシー・ウィリアムズの戯曲が原作です。テネシー・ウィリアムズというと登場人物のカップルが激しく刺々しいセリフをぶつけ合うというイメージがどうしても付きまといますけど、本作に限ってはとても彼の原作とは思えない落ち着いたストーリーをじっくり堪能できます。 家が隣同士の牧師の娘と医者の息子の、長すぎた春という風情の悲恋物語であります。この娘をジェラルディン・ペイジが演じます。ジェラルディン・ペイジと言えば『バウンティフルへの旅』でオスカー受賞したあのお婆ちゃんですが、彼女にも当然若い時があったわけで(失礼)、その落ち着いた美貌は牧師の娘という役柄にピッタリです。医者の息子はローレンス・ハーヴェイで、彼も親父の跡を継ぐべく医大に進むんですが、ギャンブルに目がない典型的なドラ息子になってしまいます。牧師の娘も、近所の娘たちに音楽を教えながら頭がおかしくなってしまった母親の面倒を見ているオールドミスというありがちなパターンの人生を送って三十路になってしまいます。どっぷり信仰に浸って生きてきたジェラルディン・ペイジの心を吹き抜ける“肉体のすきま風”がこの映画のテーマというわけですけど、この邦題はストーリーを暗示する優れものではないでしょうか。ここでぜひ注目していただきたいのはローレンス・ハーヴェイの存在感で、英国人の彼が南部のボンボンドラ息子を見事に演じ切っています。早世しちゃった人ですが、もっと長生きしていればきっと名優として記憶される存在になってたはずで、実に惜しいです。 パターン化したメロドラマじゃないかという見方もできますけど、俳優の演技がじっくり愉しめる映画でもあります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-19 23:29:44)
5.  人間に賭けるな 《ネタバレ》 
日本生まれで日本でしか行われていないギャンブル競輪をモチーフにしたちょっと珍しいタイプのドラマです。ヤクザに首根っこ掴まれて八百長している競輪選手、組長の女房とは愛人関係で姐さんは彼には競輪選手としての才能があると惚れこんでいる、でも彼の本命は組長の姪っ子で彼女の若い肉体にはすっかり溺れてしまっている。この三角関係に姐さんと競輪場で知り合ったサラリーマンが巻き込まれてゆく。言葉にするとけっこう複雑なプロットなんですが、脚本がなかなか秀逸でスピィーディーな展開は良かったです。競輪特有のレース展開などにはいっさい触れないんですからこの映画はギャンブル映画とは言い難く、姐さんがこの選手にひたすら一点買いで有り金をつぎ込んでゆくけどギャンブル依存症がテーマというわけでもありません。実は本作はこの姐さんと姪っ子が病む“マイ・フェア・レディ症候群”を見せたかったんじゃないかと思います。姐さんは自分の性的魅力と愛情でひとりの人間を変える快感に酔いしれ、姪っ子の方はヤクザの身内と言う境遇から逃れるため男を選手引退させて結婚しこじんまりとした世界を創りたいと願っている。そんな女たちの玩具の身から逃げ出そうとする男を川地民夫はけっこう好演しています。姐さん役の渡辺美佐子は、ハッとする様な美人じゃないけど何と言うか色気に満ちた女優ですね。面白いのはサラリーマン・藤村有弘とのホテルでの情事シーン、部屋の壁に聖堂のゴブリン像が映りバックには聖歌を流すんです。映画全体でも人間を見下ろす神の視点の様な高い位置からのショットが多用されており、それはラスト近くで最終ラップを告げて打ち鳴らされる鐘(ジャン)と教会の鐘がオーヴァーラップされるところで決定的になります。 しかし捜して観るとこういう知られざる秀作があるんですね、まだまだ修行が足りんと実感した次第です。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-01-24 22:02:51)
6.  2001年宇宙の旅
本作は私たちの世代には観たくても観られない“幻の映画”だった時期が長かったのです。封切時に観た友人がいて、彼の持っていたテアトル東京の名が入ったプログラムが宝物みたいでとても羨ましかったものです。ぴあの『もあテン』がきっかけになって再上映を求める運動が起きたことは今や伝説ですが、ついにリバイバルされたときはもちろんテアトル東京に駆けつけました。 最初の20分はセリフがまったくなくて(そりゃ猿人しか出てこないんだから当然ですよね)、この映画まさか全篇セリフがないんじゃないかとちょっと心配になりました。そして上映終了、場内が明るくなると満員の観客の8割が首をひねって「訳わからん」という表情だったのを鮮明に憶えています。でも不思議なんですけど、初見の時からこの作品を難解だと思ったことは一度もないんです。何と言うか、キューブリックのイマジネーションが、自分が何となく宇宙や地球外知的生命体そして神について感じていたことにひとつの解答を与えてくれたような気がしたからでしょう。 映画史には、その作品が登場したことによって映画の概念を変えてしまったオーパーツのような特別な映画がありますが、『2001年宇宙の旅』はその筆頭でしょう。
[映画館(字幕)] 10点(2013-02-11 22:15:16)(良:2票)
7.  尼僧ヨアンナ 《ネタバレ》 
この映画の題材は17世紀にフランスでおきた『ルーダンの悪魔憑き』事件で、中世ポーランドに時代を置き換えています。ほとんどのシーンが荒野に建つ修道院内で展開されますが、確かに悪魔払いを務める神父が自ら悪魔をとり込みわが身を犠牲にするところなど、映画『エクソシスト』に強く影響を与えている気がします。モノクロ画面はあくまで静謐感にあふれ、荒れ果てた修道院周辺の風景が強いインパクトを与えてくれます。そして悪魔に取り付かれた修道院長を演じるルチーナ・ウィンニッカが見せる異様な狂気の演技、おぞましさを通り越して美しさを感じてしまうほどです。自分なりの解釈ですが、この映画は歴史事実を隠れ蓑にしていますが、共産政権への痛烈な批判がメッセージとして隠されているのではと思います。修道院は自由が極端に抑圧された社会の暗喩となっている気がします。そんな社会で人間性を取り戻すには、『悪魔』に取り付かれるしか逃げ道がないのではとも考えてしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-19 20:58:18)
8.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 
本年は『坂の上の雲』がついに映像化されましたが、『坂の上の雲』の行きついた果てがこの映画に描かれた日本だということは悲しくなりますね。反権力・庶民派の岡本喜一が日本の最高権力者たちを主人公とした群像劇を撮ったということは皮肉ですが、終戦前夜に児玉基地から出撃する特攻隊搭乗員たちの幼い顔は、何度観ても泣かされてしまう名シーンです。これはこの映画の価値を損ねるものではないのですが、当時の陸海軍の高級軍人や政治家たちは『戦争の終わらせ方』ということを本当に判ってなかったのだということです。『英霊たちに申し訳がつかない』という情緒的な言い訳を駆使して、惰性で本土決戦まで引っ張ろうとした軍人たちの無能ぶりにはただあきれるばかりです。青年将校たちのクーデター騒動にしても、『国を思う』という言葉とは裏腹に、実際には『戦争に負ければ自分たちの組織(陸軍・海軍)が消滅してしまう、責任を追及される』ことを回避するためだったことに彼ら自身も気がついていなかったのでしょう。戦争はやるからには勝たなければならない、勝つ見込みがなければ戦争をしてはいけないということでしょう。明治の元勲たちはそれが良く判っていたが、昭和の軍人たちは全く理解していなかったのです。 
[映画館(邦画)] 8点(2009-12-30 22:03:20)
9.  日曜はダメよ
これはもう光輝くメリナ・メルクーリと、有名な主題歌を楽しむための映画です。他のギリシャ人(?)俳優も活き活きしていて気持ちが良いです。ジュールス・ダッシン自身が演じる主人公ホーマーだけはミス・キャストですね。彼の演技はなんかわざとらしくて浮いていると思いました。この役をコメディセンスがある俳優がやったらもっと面白くなったんじゃないかな。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-05-16 10:05:50)
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