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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  二十四時間の情事 《ネタバレ》 
「ヒロシマ・モナムール(広島、我が愛)」。  「君は何も見ていない」という言葉は、アラン・レネ自身の自問自答がこの映画に刻まれているのではないだろうか。 「夜と霧」がそうであったように、人が殺された“跡”とそれを記録したフィルムを通して見たにすぎない。直接あの惨状を見てはいないのだ、と。 レネが冒頭で原爆の惨状を伝えるフィルムとして関川秀雄の「ひろしま」を選らんだのも、あの日を経験した・あの日に家族や友人を失った者が大勢参加したフィルムだったからだろうか。岡田英次も「ひろしま」に出ていたのだから。  原爆資料館、被爆者を治療する映像、それを再現した映画が重なり、2人の男女が情事にふけながら広島の話をするのである。いや、話すのは広島にとって外部の人間であるエマニュエル・リヴァ。岡田英次はそれを黙って聞くように彼女の体を抱き続ける。人の死が刻まれた映像と共に二人は新しい生命が生まれる勢いで性交を続けるのである。 「夜と霧」が「死」だけの描かれたドキュメンタリーとして終わったならば、この映画は「死」の次にある「生」を交えながら描こうとしたのだろうか。 さすがにあれだけズッコンバッコンされると平手打ちどころじゃないけど。岡田英次もちょっと殴りたくなったわ。  2人の男女は心の中に戦争の傷跡、見えない傷が刻まれている。家族を失った男、最愛の恋人を失った女。2人は共通の痛みで接近するし、また完全な理解者にはなれないだろうという心の距離も置いている。自分の故郷にいる岡田英次は尚更だ。それは英次にとってもリヴァの過去を知らないという問題が出てくる。  リヴァもまた自分の愛した軍人と、軍人として生きていた英次の境遇を重ねているだけ。同情?興味本位?疑問が浮かぶ関係の二人は心の底から愛し合っていない。冒頭で二人の肌を覆う灰?のような粉が消えていくのは表面上の事に過ぎない。  広島のデモ行進で呼び起される彼女の記憶・「手」に刻まれた忘れることのできない記憶。冒頭シーンからして手、手、手が映される。 広島が変わりゆく街並みの中で「あの日の惨劇を絶対に忘れるものか」といたるところで叫ぶように(デモのプラカード、写真や絵まで混ざる遺影の生々しさ、被爆した人間のようなメイクを施して祭りを見物する人々、メイクで背中の火傷を再現する描写など)、女も英次に恋人の面影を狂ったように求め始める。  リヴァが悩んだ次は英次が悩む。英次はリヴァの記憶を直接見ることは出来ないのだから。リヴァが思い浮かべる故郷ヌヴェールの姿も英次は恐らく知らない。この瞬間に2人の男女の間に決定的な心の壁が生まれる。 英次がストーカーまがいの行為までして彼女を追うのも、それが悔しくてしょうがなかったのだろうか。自分も彼女も何も知る事が出来ないという点じゃ一緒だ、と。  その見えない壁は、ラストでそれぞれの故郷の名で異性を呼び合う瞬間まで存在していたのではないだろうか。何て事を思ってしまう。
[DVD(字幕)] 9点(2015-06-19 13:06:26)
2.  日本の悲劇(1953) 《ネタバレ》 
よく木下恵介の事を「お涙頂戴のクソ野郎」と言う人もいるが、「風前の灯」や「お嬢さん乾杯!」といったコメディを撮っている木下が好きな俺は褒め言葉の一つだと思っている。 ただ、今作に限ってだけは「お涙頂戴のクソッタレ野郎がっ!!!」と声を大にして同意したい。 子供の前だけで泣くのは立派に見えるかも知れないが、流石に何回もグチグチ泣き出されたら誰だって「あざとい」と思うわ。 あのクソ板前も言ってるだろうが「めそめそしないでしっかりしろよ」って。大事な涙は子供が出世した時にとっといてくれません?弟が観客の声を代弁してくれてるぜ「すぐに泣くんだ」とよ。 「二十四の瞳」は滅多に泣かなかったというに。 歌に始まり歌に終わる本作は、どんなに絶望的な状況でも情緒を忘れない木下が完全に情緒を投げ捨てる。 まずは強烈なファーストシーン。 ドラムの連打にニュースフィルムでも見るような戦後の混乱の様子。 青空教室、バラック、マッカーサー、うどんの食べたくなる情景。 そして画面を支配する重苦しさ。戦争によって全てを失い、残った子供たちを食べさせるために自ら闇に堕ちていく母親。だが皮肉にも彼女の頑張りは様々な屈折を経て失望と憎悪の対象に変わってしまう。冷めた親子関係、女の悲劇、男の悲劇、日本の悲劇。 徹底したリアルな会話がさらに拍車をかけて母親と視聴者の心を追い詰める。 母親はどんなに辛い目に遭おうと耐え続ける。そこには希望とも言うべき子供たちがいたからだ。尊厳が無くとも子供たちがいれば生きていける。ただその希望が離れてしまう時、彼女の体を支配するのは生存本能ではなく死だ。ヒロイン達に辛く当たる人々も、日々のストレスを誰かに吐かないとやりきれない。殴ったことを一応謝った板前はまだマシ。 サイレント映画のような魅せる事にこだわった描写も凄い。 男に体を辱められた様子を割れたガラスで表現する徹底ぶり。 ヒロインのストーリーと同時進行で娘の危険な恋も描いていく。 母に失望した娘、嫁に失望した夫、世の中に失望した者同士の情事。三つ巴の電話越しでのやり取り。親が親なら子も子供。飛び出した塾の外で一瞬笑みを浮かべふっと失望したかのような表情をする女の顔。 俺はこういう徹底的に暗い話は大嫌いなのだが、この恐ろしい出来栄えは評価しなければならないだろう。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-09 00:02:54)
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