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1.  ノスタルジア 《ネタバレ》 
『ストーカー』までのタルコフスキーには、ただただ酔いしれたが、これで初めてハテナを感じた。ノスタルジーのテーマと願望のテーマが今ひとつ重なりきってない、って感じ。ドメニコが言った「かつて生命は一つだった」ということへのノスタルジーととれば重なるけどちょっと無理がある。みなが心を合わせて願わないとならない、っていうのは『ストーカー』にも出てきたが、どうなのかな。とにかくこの監督の映像主体の世界に言語の意味の世界が入ってきたような不満がちょっと。ラストの犬はドメニコの犬なのか故郷の犬なのか。犬はこの監督が繰り返し描くモチーフで、寡黙な・じっと耐えてるイメージがあって、鳥や羽根がそれと対照されてるみたい。ラストの趣向はけっきょく『ソラリス』と同じことやってるわけだけど(故郷に帰ったつもりが…)、まあ酔いしれます。音が凄い。水のポチャンチャポンまで冴えて響きながら、一枚幕を隔ててる感じもあって。映像における霧の隔たりと同じ効果。
[映画館(字幕)] 8点(2013-01-24 10:16:04)
2.  野ゆき山ゆき海べゆき
スカッとはいかないのである。お昌ちゃん奪い返しても、最終的には勝てっこない。白塗りの異形の子どもたちが大人どもをコロがしても、最終的には勝てっこない。そこでスカッとはできない。そこのところをこそ訴えたかったのかも知れないけど、どうもやっぱり空しさのほうが先に立ってしまって。悲恋物語の額縁が作品を窮屈にしてしまった、というか、伸びたかも知れないものを断ち切ってしまった、いう感じがした。一つ一つのエピソードが発展しきらないうちにしぼんでしまうことと関係があるのかも。戯画化された人々の動き、おもしろい面が出ているところもあれば(たとえばロクボクの前での歌舞伎ふう立ち回り)、失敗しているところもあり(先生)、実験をしたという評価どまり。いかにも良識人風の三浦友和の父が、コンコンと日本の「進出」を説明するところは、時代の雰囲気が出ていて良かった。文部省唱歌ミュージカル的試みは、かつて『二十四の瞳』もあるが、まだ可能性がありそう。白黒版。
[映画館(邦画)] 6点(2010-08-17 09:53:27)
3.  野いちご
「お前のベストワン映画は何か?」と尋ねられたら「いろんな方向でのベストワンが十数本はあり、とうてい1本に絞れない」と答える。しかしそこで出刃包丁を突きつけられて「これでも選べない?」と畳み込まれたら、たぶんさして迷わず本作を挙げるだろう(でも決して人生の最後に観たい映画ではない、最後に観るならMGMミュージカルかキートン)。初めて観たのが若い多感なときだったせいか、こころにじっくり沁み込んだ作品。その沁み込み具合は、半端じゃなかった。作品中で主人公イサクが、サラに鏡を突きつけられるシーンがあるが、まるでスクリーンが鏡となってこちらに突きつけてきたような映画であった。人の世のわずらわしさから逃げようとしたものの受ける罰。前半の回想で、サラがイサクへの想いを語っているのを、心地よい回想として眺める階段の場の老イサク、しかし中盤の夢で、彼はサラに裁かれる。サラ夫婦の家庭を窓越しに眺めるイサクの孤独。バッハの平均率の変ホ短調のフーガ。サラたちのように生きたい、しかしそう思う人間はそうは成り得ない、という絶対の壁がこの窓にはある。そして重ねて裁きが続く。イサクの孤独は、彼がそうしか成り得ない人間であったということじゃないか。そういう厳しい認識の果てに、ラストの回想が来る。この釣りの図の見事なこと。これは一人称の映画であり、登場する人々は主人公と照らし合わされるためにのみ存在している。そういう厚みを持てない構造が生かされ、その構造によって深くえぐりこめた作品だろう。
[映画館(字幕)] 10点(2010-08-13 09:56:54)(良:1票)
4.  のんちゃんのり弁 《ネタバレ》 
岸部一徳に「あんた見てるとタダで弁当配りそうだ」と心配させる小西真奈美のキャラクターがピタリ合ってる。真剣になるとおかしくてかわいい。弟子入り志願のとことか、夫とのケンカのとことか、絶対演技過剰なんだけど、なんか彼女だと許せてしまう。そうそう、あとホテルの駐車場で息を確認するとことか。料理の才があったというのは、つまり彼女が家庭の人だったということで、問題は自分の才能が金銭に換算され得るという可能性に気がつかなかったこと、あるいは金銭を請求する交渉から逃げていたということ。ああそうか、昔の時代劇ではよく深窓の姫君が身をやつして町に入りシモジモの暮らしを体験するってのがあったが、あれとどこかでつながってるな、この話。ヒロインの「子どものような手」は姫君の手でもある。それは金銭を請求する手にならなければならない。旦那に慰謝料を請求せず、岸部一徳にはタダで働かせてください、と叫んだり、下町江戸っ子のきっぷのよさ、ってのは、どこか「まだ子ども」ってところがある。最初の保育園で配った弁当代は向うからやってきた、岸部に労働代の封筒を提示されてから「お金下さい」と言った、自分はお姫様のままだった(言っただけでも進歩)。だからラストは本当なら、「お弁当、おいくら」と尋ねられて、値段をはっきり言うセリフでカットってのが正解だっただろう。彼女の将来、前途洋々には見えないが、一緒にハラハラしてやろう、というぐらいの気にはさせる。最初、町に帰ってきたヒロインをおばさんたちが騒々しく取り囲む場で、うるさい下町人情ものなのかと心配したが、そうではなくあれは下町の鬱陶しさを描いていたのだった。本当の「下町の人情」ってのは、岸部がハラハラしながらも見守るところに出ている。写真館がやっていけなくなる今現在の下町の厳しさもちゃんと描かれていた。今までサバのミソ煮はスーパーで調理されてるやつをもっぱら買ってたが、これを見たらつい自分でやってみたくなり、やってしまった。切断面から煮崩れした。それと小骨は前もって取っておかなくちゃいけないんだな、きっと。
[DVD(邦画)] 7点(2010-05-16 12:08:41)(良:2票)
5.  紀子の食卓 《ネタバレ》 
『自殺サークル』を観てないせいか、集団自殺とレンタル家族の、テーマとしてのつながり具合がよく分からず、判断留保の部分が多くなってしまうのだけど、レンタル家族のテーマに限れば、ラストの実家のセットを組んでいくあたりへ向けての緊張は楽しめた。未知の他人の家族を演じることで得た解放感と喪失感、解放したつもりで引きずっていたもの、喪失したつもりでまだ残っていたもの、などなどが、ゴチャゴチャと未整理のまま提示され堆積していく手応え。ただあくまで「提示」であって、結論はない。もちろん結論などなくていいのだが、結論に少しでも接近しようとする試行錯誤があったのかどうか、そこがちょっと疑わしく、既製の「結論」的なものをパッチワークしただけじゃないか、という気分も残る。徹底したモノローグ進行という手法も面白く、弁士つきサイレント映画のような世界、いや弁士は第三者として存在しているわけで、これは本人が脇で説明しているホームビデオって感じか。「お父さんは寂しい」という新聞のスクープがおかしい。
[DVD(邦画)] 6点(2010-02-10 12:06:00)
6.  野火(1959)
戦場を描いていながら、ドローンとした無気力感が全編を覆っている。善玉であれ悪玉であれ、今まで描かれてきた日本軍兵士のイメージとはまったくかけ離れた、だらしのない・みっともない人たち。船越英二、滝沢修、ミッキー・カーチスといった配役の妙。人肉喰いという苛烈な状況を描いても、この監督はユーモア感覚を忘れない。要領の悪さなどを笑わせていく。まあこれがだらしのなさにも通じていくんだけれども。とにかく思想性を抜きにした戦場を描いたということで価値がある。そこから戦争という状況がいかに異様なものであるか、さらにこういう軍隊が必要とされる近代国家がいかに不気味なものであるかが、見えてくる。
[映画館(邦画)] 7点(2009-10-05 11:56:06)
7.  ノートルダムの鐘
これすらもハッピーエンドにしてしまうまでに、もう型が出来上がっている。ハッピーエンドにしとかないと、障害者の社会進出の面からどうのこうの言われる、って心配もあったからかな。主人公を支える小さなものたちもちゃんと登場するし。これでいいのは、フロローのキャラクター。ディズニー作品の出来不出来はだいたい敵役の出来不出来に左右され、これはよかった。ちょっと『セブン』の犯人にも通じていくような。でも彼がラストでエスメラルダに言い寄るのは勇み足だろう。赤い僧服の裁き手たちがズラリと現われ、影がサーッと立ち上がっていくあたりがヤマ。道化祭りのエピソードは本当に怖い。な、世間とはこういうもんなんだぞ、とフロローの言葉を証明する。障害者と世間の関係を残酷に示し、下手なメッセージより濃く、差別のむごさを見せつける。鐘楼のテーブルの上の小さな町、閉じ込められているカジモドのほうがパリの道筋に詳しくなってるってのも、けっこう障害者の在り方の一面をよく見せていた。
[映画館(字幕)] 6点(2009-07-17 12:01:56)
8.  信子
「坊っちゃん」の女性版であるけど(先生も生徒もほとんど女性)、東京と地方が入れ替わっている。夏目漱石では、維新の敗者であった直情の江戸っ子が、因習の地方に向かっていたわけだが、獅子文六のこれでは、直情の地方から軽佻浮薄・事なかれの東京に向かう。明治と昭和での地域世相の違いか。モダンな高峰三枝子に、「…ちゅうですけん」と九州方言を言わせるおかしみ。最初は国語教師のはずだったが、体育に回される。音楽の先生は松原操。問題児えい子さんがドラマを動かす。ハイキングのときいなくなるえい子さんをみんなで呼ぶところ、「え~子さ~ん」の反響、こういうところをタップリとる。最後のほうでもみんなが寄宿舎で「え~子さ~ん」と探し回るとこで、時間を充分にとる。緊張を持続させるためというのでもない。監督がこういう時間が好きなのだろう。人を心配する気持ちが満ちている空間・時間。心優しい監督なのだ。昔の映画は堂々と照れずに“明朗”をやれていいな。
[映画館(邦画)] 6点(2009-03-22 12:13:43)(良:1票)
9.  のど自慢
『人のセックスを笑うな』は珍しい桐生ロケだったが、これも桐生であった。あっちには蒼井優・忍成修吾が出てるが、こっちには伊藤歩が出てる。みんな『リリィ・シュシュ…』の同窓生だ。あれっ、『リリィ・シュシュ』のロケもたしか北関東のどこかだったな。なにか北関東の空気って、どうだ、と“地方”を誇示するわけでもなく、もちろん卑屈さはかけらもなく、シャラッとしていて小気味よい。基本的に笑顔の似合わない女の子ってのが好きで、伊藤歩って似合わないでしょ、けっこう好きなの。でもこれは、暗い子が明るくなりました、って役柄で、笑顔になっちゃうんだ。でもまたそれもいいか(これで高校生演じた後で『リリィ…』で中学生演じたわけか)。予定調和的な話だけど、人前で、大観衆相手に、放送を通じて全国相手に歌う晴れがましさってのは、歌う楽しさの本質なのかも知れない、と思った。竹中直人は、葬儀の受付でただシミジミ泣いてたほうが笑いを取れた。
[映画館(邦画)] 6点(2009-02-07 12:18:05)
10.  ノーカントリー
アメリカ映画って執念深い人を描くといい。追う者と追われる者、もう途中から金より意地の世界になって、自分で道具を工夫したり、自分で怪我を治療したりして、執念が徹底的に燃え上がる。そしてモーテルとホテルの場の緊張が素晴らしい。これであと話が理解できたら文句なかったんだけど、これが分からない。終わりのほうのテープ張られた現場が何なのかが、恥ずかしながら、分からなかった。あそこの前に、映画では描かれなかった事件がひとつあったってこと? 外された空調の枠を見て保安官が何を理解したのかが、こちらが理解できなかった。アメリカ映画は説明しすぎるって常々不満を表明していると、今度はこうなる。もしかして簡単に理解できる映画だったりするんじゃないか、という不安は残り続け、脳の老化のスピードに思いを馳せる今日このごろ。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-13 12:11:30)
11.  ノー・マンズ・ランド(2001)
現代を一つの設定としてうまく言い当てるのも映画の仕事。美しい田園が広がる中、背中に地雷を感じて微動もできず、便意をこらえつつ横たわり続けるという状況に、“現代”が、単にボスニア・ヘルツェゴヴィナという地域を越えて、言い当てられている。この切迫感と、それをうんざりしている気持ちとがまぜこぜになった心理状態。セルビア兵とボスニア兵が、互いに銃で脅して「戦争は俺たちが仕掛けた」と言わせ合うあたりの笑いも苦い。国連もマスコミも最後の裁き手としては登場しない。ただ遠雷が聞こえてくるだけ。
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-12 12:10:00)
12.  乗合馬車 《ネタバレ》 
良きアメリカ、理想的なアメリカの家庭像。仕事に責任感を持ち、信仰心も厚い。そのなかでの若者の成長もの。我慢して大人になる、一人前になっていく。なにかアメリカ映画の一つの基本形と言ってもいいような作品。我慢を続けて最後爆発するってのは、何も仁侠映画だけのものではない。小道具としての犬の使い方なんかが、もう作劇法として練れている。ヒロインとの関係を紹介していくときズボンをくわえて走ったり、ヒロインの家の猫を追っかけたり、そして悲劇の引き金として殴り殺されてしまうという無駄のなさ。そうそう、アメリカ映画の好きなスモールタウン(ヴィレッジ)ものでもあった。この役やるにはリチャード・バーセルメスはややフケすぎてるようにも見えたが、こんなものか、アメリカの青年って。
[映画館(字幕)] 6点(2008-03-17 12:17:18)
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