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1.  女の都 《ネタバレ》 
巨根博士の家に着くまでの前半部分は、フェリーニ映画の中でも最高にエネルギッシュかつ完成度の高い映像世界だ。まるでカフカか安部公房の世界を大胆に映像化したかのようだった。そしてそれ以降は、甘い生活以後のフェリーニ特有のぐだついた映像が続く。つまり幻想を滑らかに接続することに失敗している。しかしそれでも映画前半の幻想数珠繋ぎともいうべき魅惑の映像に抗うことは難しかった。フェリーニの甘くほろ苦いノスタルジーが、ただのハリボテであると、記憶の中の遊園地に過ぎないと、自分を律しながらも、どうしようもない引力を彼の作品たちに感じてしまうのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2013-01-17 17:31:40)
2.  女が階段を上る時 《ネタバレ》 
成瀬監督の映画はどうしてこんなに面白いのだろう。邦画の三巨匠のように明確なスタイルがあるわけではないのだが、ただただ映画を撮るのが(物語、あるいは感情をフレームの枠内に綺麗に収めるのが)巧いのだ。そんな成瀬監督が高峰と組んで生み出した良質な作品群の中でも、本作は最良の出来といえる。高峰演じる主人公が、群がる男たち(現実に疲れ、汚れた顔の男たち)を掻き分けて力強くも儚く生きていくというストーリーは、古典的ではあるが一人の現実の女性を創出することに成功している。特に終盤で仲代達也が高峰に言い寄るシーンでの、男と女の空間的・精神的距離感と、剥き出しになった生身の台詞の応酬は、痛ましいとさえ思えるほど人間という生物の核心を突くものだった。話は変わるが、本作の題名にあるように主人公が階段を上っていく象徴的なショットが幾つかあるのだが、あれがどうも鼻につくというか、安牌な映像表現のように思えて少し残念。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-31 01:51:50)
3.  黄金の馬車 《ネタバレ》 
この映画の持つ重厚かつ繊細な絵画的色彩は、凡百の映画監督では到底表現しえないものだ。枯れた樹木のような深い色合いの中に、青く透き通った宝石の輝きを感じさせてくれるのだ。そんなノスタルジックな画面の中で、劇内劇内劇ともいうべき三重構造の世界が展開されていく。力強く女の人生を謳歌していくように見える主人公カミーラだったが、現実と芝居の境界がもはや存在しないと気付き、甘ったるく空虚な感情に支配されてしまう。そしてカミーラは決心(あるいは逃避)し三人の男に別れを告げ、ノスタルジックな劇を完遂する。現実と芝居という二元的世界に、もう一つの次元を足すことによって単なる人生の悲哀に過ぎなかった物語に、生きることの真理を垣間見せることに成功している。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-26 23:34:44)
4.  女は二度生まれる 《ネタバレ》 
10点はこの映画を超えるものに出会うまでとっておきたい。裏を返せば、この映画は私にとって限りなく理想に近いものだということだ。川島雄三が大映で撮った三本はいずれも映画史に残る傑作といって差し支えないが、とりわけこの「女は二度生まれる」は川島の漲る才気とキャストとスタッフの力が最高潮の地点で組み合わさった、およそ完璧といえるほどに堅固な作品なのだ。まず俯角と仰角の鋭いショットでもって全編を構成することにより、この映画に研ぎ澄まされた質感とリズムをもたらしている。このことが観客の集中力を促し、時間の経過を忘れさせる要因となる。これは監督だけでなくカメラマンの村井博の力量によるところが大きい。川島は構図に関しては無頓着な方だったが、村井の助言により絵画的な構図を志向するようになったという本人の証言がある。少々狙いすぎの気もあるが、それでも感服せざるをえない構図の連続である。カラーの乾いた感触や池野成の画面を補足するような魅惑的な音楽も手伝って、画面作りにおいては非の打ちどころがないと断言してもいい。次にキャストの話をしたい。もちろん若尾文子の話だ。他の俳優陣も確かな力量の持ち主であることは言うまでもないが、この映画はやはり若尾文子の、いや小えんの物語なのだ。この映画において若尾の魅力が爆発していることに異論を唱えるものはおそらくいないだろうが、それは若尾全盛の美貌のおかげだろうか、はたまた身振りや口調表情など、つまりは演技のおかげだろうか。私はこの映画における若尾を評して名演だったとは言いたくない。小えんという一個の人間がフィルムの上に確かに生きていたのだ。この映画において若尾は紛れもなく小えんだったのだ。川島は小えんという人間の生活をその卓抜な演出手腕により構築し、映画の最後の場面、25秒に渡るフィックスショットにより、小えんのこれから歩むであろう人生をも提示した。フィルムに映ったものは小えんの人生にとってほんの数場面に過ぎない。しかし川島雄三は小えんという人間についての無限の情報をこのフィルムに刻んだのだ。 ただし幾つかの欠点もある。反戦の思いを込めたであろう靖国神社のシーンはこれ見よがしで冷笑を誘うし、路地裏を映した凡庸な数ショットに興醒めする瞬間もある。しかしこれらは些細な欠点だ。未見の方は是非とも観てください。ツタヤに置いてあるし、旧作だから百円だ!
[DVD(邦画)] 9点(2012-12-02 19:12:45)(良:2票)
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