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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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21.  バイロケーション 《ネタバレ》 
原作も一応読んだが、映画化に当たってはかなり手際よくまとめたようで、映画だけでも全体像はわかる。前宣伝ではラストが衝撃的とされていたようだが、実際は最後だけがひっくり返るような構造ではなく、徐々に観客の思い込みが覆されて自然にラストにつながる展開に見えた。結末が「表」「裏」の2種類あるのも基本的には肯定できる。ただ背景事情の省略のために最後までわからないこともあり、また御手洗という男は映画ではほとんど不要な人物になっている。 題名の現象に関しては、この映画で二重人格の実体化のような意味づけをされているのは原作を超えた趣向である。しかしそれだと本来は本体に統合するよう努めるのが筋ということになり、劇中で共存が理想というようなことを言っていたのは明らかに変である。物語中の状況ではやむを得ない発想だとしても、「裏」の最後の独白など聞くともう外部の常識が通用しない閉鎖世界ができてしまったようで、かなり独りよがりな印象になっていた。こういう変なところに踏み込まないで止めていた原作の方はまともである。 映像的な面では全般的に好印象だが、人や物が霧消する表現は少々安っぽい(演出上の意味のある場面はあったが)。キャストに関しては、まずは滝藤賢一氏が原作でも描写された凄みのある表情を見せている。また主演女優はこれまで可愛気がない人だと思っていたが、今回は女性的なところが前面に出ていたようで、特に結婚後の様子は可愛らしくも見えたのが意外だった。この映画で最もいいと思ったのは実はこの点である。また酒井若菜という人も嫌いでない(けっこう好きだ)。  なお冒頭の外国の場面は、19世紀のリヴォニア(現在のラトヴィア共和国)で起きたとされる事件の再現映像のようなものかも知れないが、仮にこの手の現象が実在するとすればこれ以前のはるか昔からあったはずで、現象自体が19世紀から発生し始めたかのように台詞で説明していたのは変である…オカルトの世界で話題になったのが19世紀のヨーロッパから、というならわかる。 ちなみにここでしゃべっていたのは何語なのか。リヴォニアの寄宿学校の事件とすればフランス語かドイツ語を使っていた可能性があるのでは。
[DVD(邦画)] 5点(2017-06-30 19:48:23)
22.  はなればなれに(2012) 《ネタバレ》 
2012年の東京国際映画祭などに出品されたのは86分版であり、ほかに今年は100分版というのが劇場公開された(されている)とのことだが、自分が見たのはDVD収録の86分版だけである。映画のほかにノベライズ本があり、読むと少し細かい背景事情や登場人物の心理も記されているが、この映画ではなかったものとして扱うしかない。ちなみに同じ邦題のフランス映画は見たことがない。  そのような前提で思いついたことを適当に書くと、まず主演女優に関しては完全に騙されたという印象があった。この人が出るからには、ほんわかして心癒される笑顔が見られるはずだと思っていたらそれはラストの一瞬だけで、実際は仏頂面が大半だったのは全く意外だったが、まあ当方が勝手に思い込んでいただけのことで怒っても仕方ない。小型で軽快なウシ科動物(通俗表現でいうカモシカのような)を思わせるスタイルの良さだが、劇中ではその運動能力を使い余したような怠惰な雰囲気を出していた。 個別の場面としては、まずは海の見える屋上の絵画的な美しさが目立つ。また3人で腰かけていた火山島の岩場海岸は箱庭的な印象があり、個人的には「春の祭典」第1部背景画を思わせるものもあったが、あるいは皆で銭湯に出かけたようにも見えた(水鉄砲で襲撃されたのはそういう意味だろう)。ダンスやテニスの場面では、一人ひとりの即興的な動きが大きく発展しまた収束していく様子が、人間の理性で仕切れない世界の偶発性とか刹那性の表現に思えなくもなかった。 全体構成に関していえば、ばらばらだった3人がたまたま一定時間だけ居場所を共有し、またそれぞれの動きに返っていったということだろうが、それで以前と何がどう変わったのかはわからない。吸殻入れを常備することにしたとかいう変化はあったようだが、そもそも世界の出来事など全てが偶発的で因果関係を確定できるものでないとすれば、細かく詮索しても仕方ない気がする。 以上、特に映画愛好者でもない一般人の感想としてはこの程度である。正直よくわからない映画だった。  なお映画と関係ない話だが、ノベライズ本にある子どもの写真のエピソードは、人間という存在への根源的な敬意の念を呼び起こすものになっていて感動的だった。これを映像化しても意味不明になりそうな気はするが。
[DVD(邦画)] 5点(2015-05-06 01:28:29)
23.  バニラボーイ トゥモロー・イズ・アナザー・デイ 《ネタバレ》 
近年、邦画のロケ地として栃木県がのしてきているようで、この映画でも最初から栃木県が前面に出ている。自分が気づいたところでは旧・喜連川町(現・さくら市)と宇都宮のオリオン通りが出ていたが、このまま最後まで栃木県では映像的に地味だろうと思っていたら後半は本物の沖縄に行ったようで、うるま市のゆるキャラ「うるうらら」が狙撃されて倒れたのは気の毒だった。 ストーリーとしてはただの高校生が世界の命運を左右するタイプの大それた話で、終盤などは一応スリリングな展開になっているが、そもそも主要キャスト3人をジャニーズJr.で固めた企画なのでたかが知れるところはある。NERV風の演出とか「宇宙人、未来人…」とか、微妙に既成アニメのパロディに見えるところもあるがだから何だという感じである。基本的にはコメディだが全編にわたって笑えるわけでもなく、寒いギャグが多い中で部分的に可笑しいところもあるという程度だが、個人的には「今日、恋をはじめます」とウィキペディアはツボだった。 なお少し感心したのは、NSAという略語の意味が2つあったということである。また1999年7月生まれの「恐怖の大王」が出て来るので、昭和年代から生きてきた者としては、もうこのネタをこういう風に使える時代になったのかと感慨深いものがあった。  ほか登場人物としては、男を見るためだけの映画かというとそうでもなく、マネージャー名目でついて来ていた女子2人(演・美山加恋、山崎萌香)も可愛く撮られているので、そこを目的にして見るのも変ではない。他の生徒役ではイケメンにデレデレしていた女子(演・北村優衣?)には笑った。またヒロイン役の竹富聖花(当時)さんはこの人に似合いのクールな美少女役だが、今回はアクションもあっての大活躍で、「女の子なのに!」のところはそうだそうだと言ってやりたくなる(反論は認めない)。この人にはどうか今後とも頑張ってもらいたい。
[DVD(邦画)] 4点(2018-05-06 19:58:22)
24.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 
人が作ったプログラムからいったん本物の人間のように進化して、そこからさらに別の超越的存在になっていく、という段階を踏む発想は、ほかにあったか知らないが個人的にはユニークに思われる。ただしその本物の人間の段階では妙に性欲がらみのことが重視されていたようで、まるでエロがなければ人間の本質に迫れないとでも思っているようなのはあまり納得しない。人類の活動力の根源は性欲だとかいう前提なのかも知れないが、それならOSなどでなく普通に人工知能搭載のラブドールにしておけばいいだろうとしか思えない。 それでも前半はほのぼのした笑いもあって結構いい雰囲気だったが、後に行くほど醒めてしまって終わり方だけを気にする状態になっていく。全編を通じて何らかの人間ドラマが展開されていたようでいて、結局最後まで何が言いたいのかはわからなかった。人類が特定の個体に特別の関係を求めようとすること自体が間違っているという想定だったのなら、ほとんど破滅的な近未来像ということになる。 どうも自分としては乗れない感じの話だったが、しかし主人公が比較的親しみやすいキャラクターだったのは安心できた。また大学時代からの友人も感じのいい人物で、この二人の関係は(非常に微妙だが)これからも大切にした方がいい。  なお余談として、舞台は一応ロサンゼルスということになっていたが(街頭の路線図、元妻の台詞、小包の宛名)、なぜか特定のアジア系住民が目立つのが近未来の姿のようである。劇中ニュースによればインドは併合されるらしいので警戒が必要だ。そのほか素朴な疑問として、いわゆる膝かっくんというのは世界的に分布しているものだったのか??
[DVD(字幕)] 4点(2017-12-31 19:26:01)(良:1票)
25.  灰色の烏 《ネタバレ》 
赤い果実はまあいいとして、天狗は暗喩どころでなく下品である。またTVのぐさっ、ぐさっというのは趣向としては面白いが、ニュース番組の出演者としては不自然だ。ほか同じような動作をしつこく繰り返す場面が二つあったが、これは何らかのこだわりがあったものか(特に二回目は“執拗な抵抗”の表現?)。またDVDを見る限り、最初と最後に真っ暗な画面が何秒か続くのも考えがあってのことかも知れない。 物語の面では、冒頭から刺激的な映像を通じてかなりシビアな状況が提示されていたので問題点はわかったが、その後の展開と結末がわからない。主人公自身が変化したのはともかく、当初はとんでもない人格破綻者に見えた母親までが、最後はおとなしい要介護者のように変わっていたのは納得しかねるものがある。加えて現実世界での決着をどうつけたのかも不明であり、リーダーは失格、保護者から苦情が殺到してキャンプクラブは廃絶ということでは主人公も穏やかな気分ではいられないはずで、これは見ていてかなり気になった。 また中学生も、個別の行動としては理解不能なところが多かったが、これはまあ思春期の少女なのでそういうこともあるかも知れないと思えなくもない(思考放棄)。印刷屋の娘とその友人では外見的な印象に結構な差があったが(友人の方が明らかに女性的)、これは問題の所在をビジュアル面で表現したものと考えておく。 全体として年齢性別を選ぶ映画のようでもあり、理性的に見るより感性的に受け取れるものが多ければ勝ちということかも知れない。自分としては納得できるものがなかったが、映画の雰囲気としては悪くなく、何よりハッピーエンドだったのは安心した。まあ若年者の成長譚であってホラーではないので、最後は全員破滅して終わりなどということは当然ないわけだが。  なおキャスト面では、特にエビ中の人(アイドルグループ「私立恵比寿中学」のメンバー)の演技が心許ないところがあって一か所笑った。ただメイキングで本人が「演技力とかないんですけど…温かい目で見てください!」と言っていたのでこれはそのように対応したい。 ほか個別の場面としては“猫をかぶる”の説明のところが好きだ。この小学生2人は屈託がなくて大変結構だった。
[DVD(邦画)] 4点(2016-12-30 16:38:31)
26.  ハーモニー・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
スペイン・ハンガリーの合作映画ということになっている。主要人物としては母親役と後半に出る女性役がスペイン系で、また端役の人々やスタッフなどにはマジャル人っぽい名前も見える(イシュトヴァーンとかゾルターンとか)が、主役級の男2人と子役はなぜかアメリカ人で台詞も英語である。 撮影場所はブダペストと、スペインのVielha, Lleida(カタルーニャ州の山の方)だとエンドロールに出ているが、劇中の場所設定としてはアメリカのような感じで、摩天楼のある大都市の近郊で雪原や雪山が見えたりするので場所感覚が混乱されられる。いろいろ混成状態の国籍不明映画だが、ほか登場人物が唐突に東洋の大国への憧れを語る場面があったりして(陽の昇る方角)、製作資金の出所に媚びたのかと思わせるのが興を削ぐ。とにかく南欧風の雰囲気が期待できる映画ではない(寒々している)。  内容的には、自分が見た範囲でいえばアイアムレジェンドを思わせるが、それほどの映像的な見せ場は当然ない。邦題はゾンビ映画を予想させるが、序盤と終盤にスリリングな場面があるだけで、ほとんどは人間ドラマとして展開する。ストーリーはそれなりにできており、意味は大体わかるが心に染みるものはなく、表面だけさらった感じで正直かなり退屈だった。無線の声とか後半の新たな人物なども形ばかりで半端な存在感しかなく、結果的には単なるアイアムレジェンド劇場公開版の安易な焼き直しに終わったようでもある。 物語で見せようとしていた割にその物語面での充足感がなく、ハリウッド娯楽大作志向の軽薄な印象だったので点数は厳し目につけておく。ちなみに邦題はともかくとして原題(英語)も実態を表現している気はしない。  登場人物としては、中心人物の子役は2002年生まれで当時12歳くらいだろうが、芸達者すぎて小賢しく見えるので好感が持てない。また後半に出た黒髪のクララ・ラゴという人(マドリード出身)は「スターシップ9」(2016)でも見たことがあり、今回も期待していたが役として半端なのは残念だった。役名がWomanとしか書いてなかったので、もしかしてゾンビ役かと思ったがそうでなくてよかった。
[インターネット(字幕)] 3点(2022-10-15 10:34:18)
27.  HALLOWEEN NIGHTMARE ハロウィン ナイトメア2 《ネタバレ》 
名前からすると「ハロウィン ナイトメア」(2015)の続編らしい。前作は見ていないが、これ単独で見る限りはストーリーなどどうでもいいように見える。ほとんど空虚な映画だが、そこを何かが起こりそうなこけ脅しと、主演女優の映像で埋めて1時間にした感じである。 こけ脅しに関しては、いかにも何かが起こりそうでいて、何もないまま次の場面に移って束の間の安心感を生じさせるのは、中身のないホラー映画の典型のようでもあるが実はそれほど嫌いでない。また女子高生4人組がメインと見せておいて早々に脱落者を出してしまい、主演女優ばかりが終始目立っていたのも結果的には悪くない。武田玲奈さんの初主演映画らしいが(自慢にもならない感じだが)、この人の顔はもちろんすらりとした体型を含めた全体像を印象づける映画になっており、そっちの方が真の製作目的かとも見える。 また、どこかのショップ(注:原宿に直営店があった輸入コスチューム・ランジェリー販売店)で「かわいい」連発の映像を延々と流すとか、カボチャの投げ合いをまた延々と続けるとかを含めて全体が1時間なわけだが、終盤のパーティ会場の怪しげな空間(注:東武線曳舟駅近くのダイニングバーを借りたらしい)での妙な高揚感も含めてgirlyな色付けがなされており、これがエンディングにも引き継がれて変な余韻を残す映画になっていた。 ほか細かいところでは、女子2人が走って逃げた場面で傘が裏返ったとか、2人目の失踪場面で背後に宅配便のトラックが意味ありげに停まったとか、主人公が友人を探しに出ようとして少し突っかかったとかいうのは意図不明だった。しかし女子2人の後を追ってストーカーが出て行ったところの流れは好きだ。  ちなみに山下洋助監督は、この少し前の「リスナー」(2015)というオムニバス映画で「RADIO GIRLS」というのを見たことがある(女子高生4人の太ももが見どころとのこと)。その時点で東京芸大の院生だったはずだが、当時からこういうことをやっていたらしい。 そのほか余談として、主人公の父親が関わっている月刊誌に「比謝愛未VS狐憑き」という記事があったので“比嘉”愛未ではないのかと思ったが、今野敏という作家の「心霊特捜」という小説に比謝里美(ひじゃさとみ)という登場人物がいて、「狐憑き」というエピソードもあるらしいので読んでみるかという気になった。映画化の素材としてもいいかも知れない。
[DVD(邦画)] 3点(2018-05-24 18:58:23)
28.  バニー・ザ・キラー 《ネタバレ》 
発情したウサギ男が人々に襲いかかる映画である。 こういう設定でホラーの怖さなど期待するはずもないわけだが、グロ場面も撮り方のせいか半端に見えるところがある。コメディとしても大笑いするものではなくエロい場面もほとんどないが、それよりこの映画の本質は下品ということであって、既存のジャンルに当てはめるより下品映画とか下劣映画とか下賤映画とかいうカテゴリーを作った方がいい。  登場人物の人種・国籍(言語)・性的嗜好は多様なようだが、これは要は現地(撮影地は北東部のかなり田舎)でも旧来の秩序が失われたということの表現か。ウサギ男が男女関係なく襲っていたのは尋常とはいえないが、そのことを含めて一般常識の枠組みからの逸脱なり解放を表現したキャラクターということかも知れない。 一方で、片時も休まず年中発情している点では便所に籠っていた若い男も同じことである。しかし誰でも構わないわけでは決してなく、ちゃんとそれなりに見える(一見これがヒロインかと思う)相手に御執心だったわけで、この男こそがいわば人としての基本路線を体現した存在ともいえる。エンディング後の場面では、この男だけが修羅の地を脱して楽園に到達できたような印象もあり、ここで救われた気がした現地の観客も多かっただろうと思っておく。 ちなみに微妙なことだが、もしかしてフィンランド人は自国民よりスウェーデン人を高級(上物)と思っているのか?? 若い男が最初に目をつけたのが英語を話す外国人で、最後に受け入れられた相手が先住民だった??らしいのも意味ありげだが(原点回帰?)、どこまで深読みしようとしていいのかわからない。  そのようなことで、個人的には史上最低最悪のフィンランド映画は何かを探る気分で見ていたが、このくらいだとまだ最低ではないと思われる。 なお笑える場面は多くなかったが、ノコギリから始めていきなりボウガンができてしまい、それでいきなり変なものを撃ったのは少し笑った。一般にいう動物に危害を加えていません的な愛護精神も踏みにじっている(※造形物のため実際に虐待してはいない)。 ほか可笑しくはないが共感できたのが「最高のオッパイ」で、ここは中国人と価値観が一致していた。この点はキャスティングの上でも最重要だったはずで、最終的にはこの本物のヒロインが少し好きになった。
[インターネット(字幕)] 2点(2020-05-23 09:27:26)
29.  バトル・オン・ザ・ボーダー ノルディック 極寒の攻防 《ネタバレ》 
原題のGränsenは国境を意味するらしい。内容としては、第二次大戦で中立だったはずのスウェーデンの軍人が国境を越えてドイツ占領下のノルウェー領内に侵入する話であるから、邦題のカタカナ英語よりは英題の“Beyond the Border”の方が実態に合っている。 真面目に見れば、大戦中で極度に緊迫したヨーロッパ世界と、それを知っていながらどこか他人事のような人々の住む中立国の間には簡単に越えられる架空の境界線しかなく、軽率にもそれを越えてしまったことで起きた悲劇と解される。スウェーデン王国では戦前戦後を通じて徴兵制があったようだが実戦経験があるわけでもなく、劇中兵士を見る限りは一般市民も同然で、無惨な死体を見ただけで腰を抜かす連中ばかりのようだったが、これは実際そんなものかと思わなくもない。  ただ見ていて非常に抵抗感があったのは、スウェーデン側の行動に全く正当性がないことである。事件の原因を作ったのは主人公の弟、その後に事態が際限なく拡大したのは主人公のせいであって、死んだ連中はほとんどこの兄弟のために殺されたようなものである。主人公(恐らく職業軍人)が弟のことになると常軌を逸した行動に出るのが異常で全く共感できない。 またそういう納得のいかない展開に、何だかんだと理由をつけて無理やり戦争活劇に仕立てたのは最悪である。暗殺者に狙われたことで被害者意識を出しておき、さらにドイツ側に無駄に残虐な将校がいて拷問していたとかスウェーデンに侵攻する作戦があるとかいう話を出してきた上に、ノルウェー人の個人的復讐心まで加えて補強して、最後はもうどれだけドイツ兵を殺してしてもいいことになっていたが、しかしこれではただの大量殺人でしかない。他人を悪者にすれば自分が何をやってもいいということにはならないだろうが。死んだドイツ兵にも家族がいたはずだとかいうことを考えてみろ。 日本人なら、こういう普通の人間を狂わせてしまう戦争というものが許せないとか結論づければ簡単だろうが、しかし戦争がどうこういう以前に製作姿勢が問題であって、最後の立ち小便など見ると作り手の品性までが疑われる。点数は、まず銃を置けと諭しただけで殺された気の毒なドイツ兵に入れておく。  ちなみに余談として、森の中で直線的に木が伐られていた場所が出たのは国境の表現と思われる。実際に、Googleマップの衛星写真で現地(ヴェルムランド地方のTorsby付近)の国境を見るとこうなっている。
[DVD(字幕)] 2点(2018-07-08 18:58:37)
30.  バレンタインナイトメア 《ネタバレ》 
「ハロウィンナイトメア2」(2015)に続くシリーズのようなものらしい。前作もちょっとどうかという感じだったがこの映画に関しては、予算面のほかにも例えば(素人がいうのも何だが)よほど時間がなかったとか、あるいは3時間くらいに作ってしまって無理に短縮したとかいうような、何かの事情があったのではという気がした(真面目に作ったという前提でいえば)。特に“フランケンシュタインの怪物”の件が唐突で、何がいいたいのかは薄々わかるとしても、それが今回の事件全体とどう関わっているのかがわからない。 ちなみに大事なところでオーケストラ付きの歌曲(リヒャルト・ワーグナーとのこと)が流れるのは別に好きではないが嫌いでもない。が、エンディングで出ていた邦訳で、自称が基本的に「僕」だったのに一か所だけ「私」だったのは、仮に何か意図があったとしても変である。この歌詞とストーリーとの関係もあまり明瞭でない気がした(要はあの場で死んだということか?)。  また最も不満に思ったのは、主演女優の魅力がほとんど出ていないことである。役柄との関係なのか演出なのかその他の理由かわからないが、他の映画で見た時の(2回だけだが)強力なオーラのようなものが感じられず、単なる普通の女子のように見えている。かえって死者役の芋生悠という人が、特殊メイクなしだといい感じに見えた。また他の映画では名もない端役に甘んじていることもある佐々木萌詠さんが、今回は目立つ役だったのは個人的に嬉しい(また悪役だ)。もう一人、加納美香役の藤井衣瑠花という人が頑張って演技していたのは目についた(少し笑ってしまうところもあったが)。 ちなみに監督の今野恭成という人物は、この少し前の「リスナー」(2015)というオムニバス映画でも名前を見たことがある。今回は監督・脚本・撮影・編集を一人でしていたようでご苦労様だった。
[DVD(邦画)] 2点(2018-05-24 18:58:26)
31.  晴れのち晴れ、ときどき晴れ 《ネタバレ》 
舞台となった瀬戸内海の景観や、古い港町の風情が美しく映像化された映画である。キャストに関しては、特に主人公の娘役がしっかりした感じで好印象だった。普段はもっと普通にかわいい人のようだが、この映画では情けないような恨みがましいような表情が特徴的で微笑ましい。脇役にもベテランが多いので安心できる場面も多く、ほか地元のエキストラも多数参加していたようで、地域住民の支持と支援を得て作り上げた映画ということが窺える。   以上が評価すべき点だが、しかし残念ながら褒めていれば済む映画では全くない。 実態としてはとにかく主人公があまりにバカでやかましく、始まって数分で見るのが苦痛になる。以降も最後まで共感できない(したくもない)人物のままなのは“トラさん”映画として致命的である。また笑いを取るにしても、単なるバカでは寒々とするばかりで失笑さえ生じない。音楽を止めてシーンとしても笑えないものは笑えないのであり、これでは真面目にやっている役者が気の毒になる。 そういう不快な点を抑えて印象を好転する要素がドラマ部分にあるわけでもなく、説得力のない展開を適当に重ねて都合よく「男はつらいよ」の形式に当てはめたようだが、そのせいで特に終盤が理解不能なものになっている。最後まで主人公に全く進歩がなく無責任に去っただけに見えているのは、この映画単品で見れば欠陥としか思えず、この調子では続編も期待しようがないだろう。 そもそもご当地映画のはずであるのに、夜間に若い女性を拉致する住民がいるなどという話を作ってしまっていいのかどうか。人情物、地域興しといった無難な題材を扱っていて、程度の問題はあるにせよおおむね感動的な物語だろうと予想していたにもかかわらず、実際見ればこれほど不快に感じられた映画というのも珍しい。  恐らくは地元の皆さんが期待を寄せていたであろう映画を酷評するのは誠に心苦しいのだが、そういった理由で本心を偽るのも不誠実であることから、ここは正直に点をつけておく。
[DVD(邦画)] 2点(2014-05-26 21:21:44)(良:1票)
32.  ×ゲーム(バツゲーム)(2010) 《ネタバレ》 
この原作者の著作は読む気にならないが、今回は原作がどうなっていたのか気になったので読んだ。 原作でも根本原因はいじめだが、起こったことは単なる性格異常者の猟奇犯罪という印象が強い。それだけでは不足と思ったのか、映画では組織的な復讐ということにして社会性を持たせているが、そのためにかえって荒唐無稽の度合いが増してしまっている。また話を大きくした割に、最後に糾弾すべき相手が特定されずに拡散してしまったのは、いわば社会派崩れの腰砕けという印象もあった。 いじめる側や黙認した教員の悪質さを強調して観客の憎悪を煽るのは、映画の見せ場である残虐行為を心理的に肯定させるためだろうが、劇中の大学教員の発言によれば、こういう映画ができるのも世間がそれを望んでいるからだと言い訳していたようで、結局は一般大衆の嗜好に媚びた形になっていたようである。登場人物のうち金持ちの同級生は行き過ぎた復讐という意味合いを出すための存在だったのだろうが、結果的にはあまり印象に残らず、この男が語った心の傷の説明も取ってつけたように思われた。  また原作では性格異常者の極端な執着としか思えないものを、映画では悲しく痛々しい愛情という印象に変え、破滅的なラブストーリーとして一定の共感が得られるよう再構成したと見える。これはアイドル映画としての性質からも十分理解できる。 それと同時に主人公の男の境遇にも憐憫とやるせなさを感じなければならないのだろうが、しかしこの男は最初から態度が極めて苛立たしく(本物のバカ)、自分としては真っ先に死んで当然だと決めつけていたら主人公だったというのが意外な展開で、最後までこの男には同情する気に全くならなかったのは作り手の意図に沿っていなかっただろうと思われる。  そのほか映像化という面では悪い印象はなく、主役の人物も苛立たしい(バカな)人間像を好演している。刑の執行時のおふざけ感などはいいとして、残酷描写はそれほど徹底しておらず(尻に穴がない)、真に迫っているのは登場人物の顔芸だけだったようだが、それも残虐なだけの映画ではないという作り手の意図を反映していると解することはできる。 ただ現実問題として、自分としては見ていて最初から最後まで不快感しかなかったというのが実態だったので、それをそのまま反映した点数にしておく。関係者の皆さんはご苦労様でした。
[DVD(邦画)] 1点(2017-06-30 19:48:18)
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