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1.  薔薇の名前
妖怪のごとき修道士たちの巣窟である修道院は、建物全体の異様さだけでなく、驚くべき仕掛けが施されたライブラリーともども、まさに中世のテーマパーク。この暗黒世界を我が物顔で闊歩してみせるウィリアムを頼もしいと思いつつ、彼だけが現代風の容貌なのに違和感を覚えると同時に、得意満面の謎解き姿もいささか鼻についた。
7点(2004-04-14 15:28:13)
2.  灰とダイヤモンド
「地下水道」を観た後では、主人公のサングラス姿は痛々しい。いとも簡単に武器所持が発覚して追われる彼の姿は、あの暗黒の地下で数多くの修羅場をくぐり抜けて生き延びた男の最期にしては、あまりに呆気無いものを感じさせたが、これも人生の皮肉なんだと思った。
6点(2004-04-08 09:33:26)(良:1票)
3.  鳩の翼
愛情と財産を両天秤にかけて策謀するケイトと、天使のような心を持つミリーの組合せは、あまりにも現実離れしているようで馴染めなかった。しかし、この作品の持つ濃い雰囲気には、抗しきれない魅力がある。ラストでベニスを再訪するマートンの姿をどう解釈していいのかわからない。ケイトの陰で、確固たる意思表示をしてこなかった彼がとった唯一の行動がこれだとすると、二人は...。
6点(2004-03-30 13:26:18)
4.  ハワーズ・エンド
この作品のテーマである「家」については、いまひとつピンとこなかった。しかし、世襲財産で生活に困らない中流階級の偽善ぶりには、大いに納得。彼らの間で翻弄されたあげく、命を落としてしまった夢想家のバスト氏が気の毒でならない。ハワーズ・エンドは、いずれ彼とエレンの子に譲られるとしても、彼の浮かばれない魂が、夜な夜なこの屋敷を徘徊しないことを願うばかりである。
6点(2004-03-29 17:48:03)(良:1票)
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