1. パッドマン 5億人の女性を救った男
ネタバレ 7年前劇場で鑑賞 当時鑑賞した際は、インド映画独特のテンポの良さに飲まれて(普段は、インド映画はほとんど観ない)、なんとなくふーんと思って観たのだが、7年ぶりにプライムビデオで見直して、もやもやが形になった ①主人公は、こんなおっさんになってはじめて、当時のインドの女性が生理の際にどのような行動を強いられていることに気が付いたらしいが、それはありそうなことなのか(それだけ男には隠していたということなんだろうか?) ②主人公の試作した生理用品はインド社会(貧困層)では珍しいはずなのに、なぜインド女性は見た瞬間に、「それ」と分かって顔をそむけるのだろうか? ③主人公は当時の伝統的な生理への対応を絶望的なものとして受け取っているが、それでは当時一般的な生理への対応のやり方はどの程度不衛生で、腹膜炎や不妊症といった具体的な問題をどの程度引き起こしていると理解していたのか、さらに女性のQOLをどれだけ阻害しているという理解だったのか?(そこが描かれないままに、信念だけで行動する姿が、今一つ理解できない。現代の先進国の人の視点で理解しようとするのはエスノセントリックにすぎるのでは) ④社会的因習にもとづくものとはいえ、妻を筆頭にあれだけ女性たちが強烈に強い不快を訴え「女にとって恥ほど重い病気はない」と言っていることを、全く顧みないというのは一体どういうことなのだろうか 自分の信念にもとづくものとはいえ、他人の感情をそこまで踏みにじるのは暴力的なのではないだろうか 先進国の人間の視点では、因習に縛られる女性のほうをなんとかしたくなるが、それこそエスノセントリックに過ぎる視点で、妻や周囲の女性たちからすれば主人公はとんでもないモンスターなのではなかろうか ⑤55ルピーの生理用品が贅沢といっているが、2000年の円換算で55ルピーは130円ほどの値段 生理用品が贅沢なのことだけが問題なのではなく、インドの貧困のほうが解決されるべき問題なのではないだろうか? ⑥ソーシャルビジネスという観点でいうと、単に安く製造すれば、広く流通するわけではない。すばやく投資や流通を呼び込むためには、少なくとも当初は一定の価格以上で売れることが重要のはず。実際に主人公の「革新」によって、インドの生理用品市場は革新が起こったのだろうか?またそんなに革新的な技術であれば、当然、リバースイノベーション的な影響が先進国にあってもしかるべきではないのか? ⑦社会的な評価だけで手のひらを返したように歓迎する人々を、主人公は、なぜにこんなに簡単に受け容れられるのだろうか 社会的な評価だけで、インドの貧困女性たちの因習が終わったかのように描かれていたが、それは本当だろうか [映画館(字幕)] 5点(2025-05-15 14:23:13) |
2. ハンナ・アーレント
ネタバレ 映画のできそのものより、話の前提となる理屈が混乱していて、もやもやする このての映画は、ある程度以上の論理性と知識を有する人間を対象にしているのだろうから、論理や話の筋道を大事にしてほしい ハイデガーとアーレントとの関係の描き方が中途半端 30歳代半ばのハイデガーを、映画公開当時60歳のKlaus Pohlに演じさせているのは、悪意があるとしか思えない と、色々難癖をつけたが、全体とすれば佳作だと思う == 私の理解が間違いなければ、アーレントは(この映画で扱われていることに関していえば)、次の2つを主張している ①アイヒマンは極悪人などではなく小心者の小役人にすぎず、彼の悪は表層的で凡庸である(悪の凡庸さ)がゆえに、容易に社会に広がり世界をむしばむ恐ろしさがある ②ナチの所業にはユダヤ人指導者が関与しており、彼らはなぜ抵抗できなかったのか、彼らのモラルがなぜ破壊したのかという問いを投げかけることは重要である (近年では、①について、あまりにもアイヒマン個人の「悪」を軽視し、自説に都合の良いように単純化されているという非難があるが、これはもちろん映画の中ではとりあげられていない) もやもやするのは、ユダヤ人たちが、①②どちらに怒っているのかがぼやけていること どうやら、最後の方になると②のほうが強調されているようだが、かりに②を非難するのであれば、もうちょっと彼らの理屈を語らせてほしい というのも、アイヒマンの裁判で、ナチにユダヤ人の中央組織を作らされ、その組織が収容所の現状を知りつつユダヤ人移送にかかわっていたことが明らかにされ、しかも傍聴者(多分ユダヤ人)が怒りを訴えて外に出される場面が描かれているからである [インターネット(字幕)] 6点(2025-05-07 11:21:57) |
3. 花筐/HANAGATAMI
私の中の大林信彦は「学芸会レベルの芝居しかできなくなった日本の役者を使って作るなら、学芸会のような映画で何をやれるかをやってみよう」という戦略をもった監督 最晩年になって、こういう映画になるのは、実に味わい深い みるに値する作品になっている しかし、窪塚 俊介のわざとらしいひきつった笑顔は、やりすぎではないか そして、戦時中の映画をとるのに現代の体格のだけが良い役者を使うのはいかがなものか 旧Jの小柄な人々をつかえば、もっとそれらしくなるんじゃないか なにより、先の世界大戦を被害者として描いていないところは、交換をもったのだけれど [インターネット(邦画)] 5点(2025-05-01 12:34:14) |
4. はじまりへの旅
ヴィゴ・モーテンセン主演ということで視聴 ストーリーや脚本の説得力の無さを、俳優の演技でカバーしてる、という感じでしょうか 妻との関係とか出会いとか、なんであんな教育になったとか、多分設定にはあるんでしょうが、脚本的には全て無視して、俳優さんのお芝居でなんだかお話の世界に引き摺り込まれました きちんと育つって重要だな、この作品のテーマとは多分全然違う妙な感想を持ちました [インターネット(字幕)] 6点(2025-04-17 21:45:12) |
5. ハムレット(1996)
いろいろいちゃもんをつけたいところは多いですが、4時間近くを退屈させない素敵な映画です。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-03 13:40:51) |
6. パッセンジャーズ
≪ネタバレ≫比率が高い映画は、だいたいろくなもんじゃないが、これがその代表例。ここまで落ちに持っていく流れがぐだぐだしていると、みんながこの落ちを予想し始めるにきまっている。 [インターネット(字幕)] 5点(2013-09-01 05:23:40)(良:1票) |
7. パリ、テキサス
映像の美しさに打たれる20代、ストーリーの間合いに感心する30代、心の風景に染み入る40代って感じだが、上手に年をとるのはむずかしい。もう少し年齢を得てから、また見てみたい映画である。 2024/12/18追記 60歳代になったので久しぶりに見てみました 映像が美しいというより、自分好みの色彩というのが正確ですね 単純にナスターシャ・キンスキー美しいなあというのが感想です 嫌いな映画じゃないですが、トラヴィスにもジェーンにも感情移入ができず、さらに、これからジェーンとハンターにどうしろっていうのか、イラっときますね 長く生きるとロマンティシズムを失いますね [DVD(字幕)] 7点(2012-11-26 23:51:36) |
8. パリジェンヌ
あまりカトリーヌドヌーブを魅力的と思ったことがなかったが、このドヌーブはとてもキュートだ。単に若いからか。 [DVD(字幕)] 6点(2012-10-30 13:33:23) |
9. 反撥
ホラーとしてもSchizophrenieの世界を描く映像としても、よくできているが、何よりも、映像の美しさと、カトリーヌ・ドヌーブがこんなにうまい女優であることに、驚く。 [DVD(字幕)] 8点(2012-10-13 06:41:46) |
10. 万事快調
当時の時代の空気と、時代背景とは無縁の焦燥感や虚無感が伝わってきた。比較的分かりやすい作品だが、何を伝えたいのかが見えてくるまでが、退屈な作品でもあった。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-26 21:22:34) |
11. パニック・ルーム
それなりに面白く見られます。ただ、もう少し面白くなりそうでならないので、やや歯ぎしりしたくなる作品でもあります。特に、デビット・フィンチャー監督だから、とか、「ジョディが『ハンニバル』を蹴って出演した作品」というガセネタを信じていたりすると、期待を裏切られる気分になると思います。 [DVD(字幕)] 5点(2011-11-22 23:41:03) |
12. バットマン(1989)
ジャック・ニコルソンのアメリカン・コミック的なところにものすごく感心した思い出がある。 [映画館(字幕)] 7点(2011-09-25 19:56:58) |
13. 裸で御免なさい
ダニエル・ジェランが全く魅力的でないうえに、薄く隅々まで女性蔑視的で、つまらない。ブリジッド・バルドーの可愛さが台無しだ。 [DVD(字幕)] 4点(2011-07-24 23:33:33) |
14. 8 1/2
ワーグナーを使わないで、ニノロータで通したほうが、粋な映画になったと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-06 13:55:23) |
15. パラダイン夫人の恋
ネタバレ パラダインの感情に感情移入しにくいし、アンソニーのパラダインへの恋が分かりにくいので、どうしても納得感が薄くなる。 [DVD(字幕)] 6点(2011-05-04 07:50:51) |
16. バルカン超特急(1938)
1938年にこれだけのものを作ったことに、驚くべきだろう。 [DVD(字幕)] 6点(2011-04-01 13:16:56) |
17. パッション(1982年/ジャン=リュック・ゴダール監督)
相当難解なんではと構えていたけれど、割に、すっと入ってきた。終わり方も、いいですね。 [DVD(字幕)] 5点(2009-08-16 03:31:58) |
18. 破戒(1962)
宮川一夫の撮影と市川崑の構図が素晴らしいが、内容的にはやや劣るか。情感を前面に出し過ぎる演技が悪いのか、原作が悪いのか。 [DVD(邦画)] 6点(2009-03-23 17:54:03) |
19. ハウルの動く城
ショタコンまで取り込もうとするジブリのあざとささえ感じなければ、まあまあ。風呂敷を広げ過ぎた上に無理にたたもうとするのは、千と千尋も同じだが、こちらのほうが、やや薄っぺらい。木村や賠償の下手具合は(木村の妙な訛りは、直したほうがよいにせよ)そう気にならなかったが、フランス語の吹き替えのほうが数段、深みのあるストーリーだと感じた…ていうことは、下手なんだろうな。ぜひ、まともな声優さんをつかって、もう一度撮り直してはどうだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-31 23:22:36) |
20. パルプ・フィクション
昔見た時には、スリリングでものすごく新しい映画に感じたが、ちょっと長くて、退屈さを感じた。時代にエキスが吸い取られるタイプの映画なんだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-01 17:20:51) |