1. はなれ瞽女おりん
120本以上の映画に出演してきた岩下志麻が「一番好きかもしれない」とまで言っている作品。話としては暗いが、記憶に残るのはほほ笑んでいるおりんなのが不思議。「生きる」という事について考えさせられる。そしてなんといっても素晴らしいのが映像。舞台である明治~大正時代をリアルに感じられるし、宮川一夫カメラマンが切り取る自然風景はまさに圧巻。これだけでも見る価値があったというもの。本作で岩下志麻は77年の映画賞を総なめ。その演技力はさすがだが、欲を言えば瞽女屋敷に身を置いている時分のおりんは10代の女優に演じてほしかった。「その子はまだ子供ですから、あまり酒飲ませないで下さい」と言われても、30代半ばの岩下志麻ではぴんと来ないもので…。その他、奈良岡朋子、安部徹、樹木希林など脇を固めた俳優たちも素晴らしかった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-07 18:01:30)(良:1票) |
2. 八甲田山
《ネタバレ》 大作、力作、そんな言葉がぴったりの映画だけど、正直それほど楽しめなかった。簡単に言えば「八甲田雪中行軍遭難事件」の単なる再現映像になってはいないか?ということだ。映画ならば人間ドラマを見せてほしい。そこが希薄だと感じた結果、せっかくの豪華キャストもありがたみが無くなってしまった。加山雄三は当時落ち目だったのかもしれないが、緒形拳、丹波哲郎あたりは役不足でしょう…。苦難の連続も、徳島大尉も神田大尉も、その他の人らも面白みに欠ける。ただただ雪との闘いでこれだけ長いとかなり疲れる。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-08-26 12:30:12) |
3. 幕末
《ネタバレ》 坂本龍馬が勝海舟を斬りに行くあたりから近江屋事件までの話。龍馬自体がもう有名すぎるので、なぞってるだけに思えて大して面白くない。これではスター出演による再現ドラマといった感じだ。何らかの工夫、別角度からの描き方などが必要だったかもしれない。俳優陣もやたらと目に涙を浮かべながら、熱演でござい!と力の入った演技を見せてくれるが、どうも空回りしてる印象が強い。良かった点を挙げるとすれば、「俺がおかしくなったら、お前が殺してくれる」という、龍馬と中岡の信頼関係だろうか。時代的な背景はあるにせよ、なかなか言えることじゃない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-03-01 20:12:18) |
4. ハリーとトント
《ネタバレ》 とても雰囲気が良い。旅を通していろいろな人と出会い、親切に触れ、昔話によってハリーの人生が見えてくる。1970年代はアメリカにとって明るい時代ではなかったと思うが、(だからこそ)前を向いて強く生きていこうっていうメッセージも込められているのかな?と思った。15歳だか16歳だか18歳だか知らないけどメガネの女の子とノーマンがくっついたのも嬉しかった。ただ、ネコにフライドチキンを与えるのはまずい…。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-06 21:08:03) |
5. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 なかなかの重苦しさ、狂う直前までいったパピヨン=スティーヴ・マックィーンの演技が良かった。暗闇&飯半減でも友を裏切らなかったパピヨンは強い男だ。後半、おっぱい出して暮らしてる民族に救われるとか古臭い展開だな~と思ったが、最後に実話モノと知ってびっくり、あんなココナッツ袋で向こうまでたどり着いたのも事実なんですね・・・、サメを意識しながらだから相当怖かった事だろう・・・。できれば自由になって喜ぶパピヨンの姿を見たかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-12 17:48:13) |