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1.  8年越しの花嫁 奇跡の実話 《ネタバレ》 
二人の出会いの夜、飲み会を終え具合の悪い佐藤健は電車へと向い、土屋太鳳は二次会に付き合うため後景の中へ消える。 が、観る側の期待通り駆け足の音が次第に大きくなり、土屋が再び背後に現れる。  一方で、記憶を取り戻そうと雨の中佐藤のアパートを訪ねる車椅子の土屋のシーンでは、 倒れてもがく彼女のショットに、佐藤の乗るバイクの音が響いてくる。  こうしたオフの音響の活用は、必ず戻ってきてくれる互いの存在感というものを強くアピールせずにはおかない。 佐藤が撮り貯める携帯動画の画面も、語りかける対象が画面上不在であるゆえにエモーションの喚起力を増すのだろう。  八年の経過を点描してゆく木々の芽吹きや開花、落ち葉。 高台や海辺の校庭、橋梁などロケーションも豊かでいい。 北村一輝や中村ゆりらの善良な助演もさりげなく泣かせる。 ありがちなBGM垂れ流しもなく、終始控えめに徹しているのも美点である。
[映画館(邦画)] 7点(2017-12-25 22:58:27)
2.  バリー・シール/アメリカをはめた男 《ネタバレ》 
TWAパイロット時代のエピソードがまずは語られる。何を思ったか、自動操縦を手動に切り替え、 機を揺らして乗客を怖がらせて楽しむバリー・シール。 手動⇔自動のシーンはこの後のエピソードでも登場するが、ここでは彼の大胆不敵さ、茶目っ気、 ふと日常から逸脱して刺激を求める彼の性向のようなものを描写したのだろう。 それと共に、安定した人生から自分の腕一つを頼りに波乱の人生を選択していくドラマを冒頭で簡潔に示唆する挿話でもある。  人生の選択を迫られる転換点というべき契機がいくつもあるが、そこで主人公が逡巡したり悩んだり決断したりという描写はほとんどなく、 一呼吸置いて次のショットでは彼はすでに行動に移っているという繋ぎが多い。  場当たり的で選択の余地なく状況に流されているような印象を生むが、そうした巻き込まれ型的な展開が テンポの良いカッティングと場面転換の軽快さ、そして常に動き回る手持ちのラフなカメラワークと相乗して、 映画の疾走感となっている。  主人公バリー・シールはいわゆるワルであるながらトム・クルーズの好漢ぶりが中和して憎めないキャラクターに仕上がっている。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-10-26 23:00:44)
3.  PARKS パークス 《ネタバレ》 
前半は移動のシーンで構成されていて、橋本愛と永野芽郁は公園内をひたすら駆け巡る。 その移動を、どのように撮っているのか、鳥瞰ショットがたびたび挿入されて公園や街と彼女らの小ささが対比される。 その大胆な高低はまず二人の出会いの切り返し(井の頭線とアパート)を強く印象づけ、 後半のフェスティバルでの見つめ合いへと繋げている。 風が渡り木々がざわめき橋本の髪を揺らす現在パートと、静的な過去パートもきっちり意識して区分けする徹底ぶりもいい。  映画の骨法としては二人を途中で仲違いさせるのは基本なのだが、後半まで和気藹々の状態が続く。 まさかこのままという事はないだろうと不安になったところで、フェスティバル直前からの一筋縄ではいかない転調にやられた。
[映画館(邦画)] 6点(2017-09-18 22:28:20)
4.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 
冒頭の戦場シーンから一六年前に遡り、そこから十五年後に話が戻る。 デズモンド・ドス氏の信念を裏付ける描写として、父親が参戦した第一次世界大戦のトラウマであるとか幼少期の体験も 語られる必要があるということで、そうした話法がとられたのだろう。 後々、説明的に挟まれるフラッシュバックと共に少々まどろこしくはあるが、前大戦の記憶をダブらせるという意味での時制往還かも知れない。  パンフレットによればドロシー夫人との出会いは実際は教会だったらしいが、病院での出会いへと脚色されたことで、 テリーサ・パーマーの白衣の美しさが際立ったのは勿論、注射針を刺す行為が後々までのモチーフともなる。 同書で相田冬二氏の書くレンガとベルトのモチーフに留まらず、岩山デートやジャクソン基地での登攀訓練、もやい結びのエピソードなども クライマックスで多重の意味をもたらすだろう。  二人の出会いのシーンでさりげなく仄めかされる野鳥のエピソードも、ラストで崖から宙を渡る主人公へと引き継がれ帰決する、と。  アンドリュー・ガーフィールドの発する「one more, one more」の響きが強く印象に残る。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-06-25 22:33:25)
5.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》 
アーカイブ映像なども多々織り交ざっているだろう事件現場のスぺクタキュラーな再現ぶりが見事。 監視カメラ映像の挿入も巧妙でドキュメンタルな効果を大いに発揮し、 中国系移民の青年を始め、表情の良い俳優が多いのでアップも苦にならず、爆発現場や銃撃現場のシーンでは緊張に満ちた臨場感が出ている。  現場保存のために路上に放置された、毛布にくるまった遺体。その傍に付き添って立哨警備する警官の表情。 ようやく回収車が到着し、遺体は車に乗せられる。それに対し、警官は敬礼をもって静かに見送る。そんなさりげない点描がグッとくる。  ラストは常套的で、如何にもあざとく、ナショナリズム紛いのメッセージに少し感動が冷まされるが。
[映画館(字幕)] 6点(2017-06-17 00:10:03)
6.  パーソナル・ショッパー 《ネタバレ》 
古屋敷で夜を迎えるヒロインが歩を進めると床が静かに軋み、窓を開けると様々な夜の音が飛び込んでくる。 序盤から音に関するデリケートな演出が為されており、それは終盤に向けて静かなサスペンスが最高潮となるよう、仕組まれている。 携帯に文字を打ち込んでいく、忙しない打音。グラスの破砕音。壁を打つ、くぐもった音。  携帯電話の映画だが、クリステン・スチュワートが神経症的にキーを打つ指先のアクションとして、リズミカルな効果音として 対話を画面に表象させていくという映画的な用法が為されているのが見事だ。
[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2017-05-20 16:00:38)
7.  バーニング・オーシャン 《ネタバレ》 
指令室で口論している主人公らのシーンで、ガラス窓の外側から彼らを捉えたショットに切り替わり、音声がオフになる。 ふと挿入される作業員らからの視点に何やら不穏な感覚を煽られる。  劇中の登場人物は事故が起こる事を知っていないが、観客側は知っている。 事故発生まではこの焦らしのサスペンスで引き込まれ、 シャワー中のカート・ラッセルを襲う爆発の衝撃の強烈さに震撼する。  位置関係の提示も、ほとんど黒い影と化した人物の把握もままならず、揺れに揺れるカメラもきついが、 噴出する泥水流に吹き飛ばされたり、火炎の中を逃げ惑うキャストなど、危険で過酷なショットからは撮影の苦労が偲ばれる。  海中に飛び込んだものの、様々な落下物が水中にも降り注いでくる。『プライベート・ライアン』の再来のような恐怖感を体感した。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-05-02 13:48:14)
8.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》 
主要なキャラクターは若干4名。そういう意味では経済的なのかも知れないが、その分船内の美術のスケールと豪華さによって 見る楽しさが持続する。それでもドラマをほぼ二人だけで見事に牽引するのだからどちらも大したものである。 中盤までは、ジェニファー・ローレンスを除く二名と観客が秘密を知っている、その事がサスペンスを生み、 後半は二人の愛憎の劇とスペクタクルで魅せていく。 命綱を使った救出劇は『オデッセイ』には及ばなかったか。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-03-26 21:59:54)
9.  ハルチカ 《ネタバレ》 
序盤はあまり乗れないのだが、メンバー間の不協和音が現れてくる中盤のロングテイクあたりからぐんぐんと良くなる。  主演二人が背中合わせに座る、夜の埠頭のショット。コンクール以降の、台詞省略の効いた画面による語り。 屋外から響いてくるホルンの音色に導かれて廊下へ飛び出した橋本環奈の全身に吹き付ける風。  『箱入り息子の恋』でもピアノを弾く夏帆の運指をきちんと撮っていたように、ここでも橋本を始めとする俳優ら本人の演奏を巧拙に係わらず 誠実に撮っているのがいい。フルートを懸命に吹く彼女の顔と手の表情などとても素晴らしい。  中盤で主演二人が屋上から中庭を覗くシーン。ふとここで思ってしまうのは、フェンスのない(現実的には)危険な屋上だなということだが そこがラストの大団円の舞台装置となるに至ってそのフェンス(壁)の不在が映画的には必然であったことがわかる。  ラストの幸福感あふれる祝祭的な空間と運動。さわやかな笑顔を見せる橋本と佐藤の切り返しショットが気持ち良い。
[映画館(邦画)] 7点(2017-03-05 09:23:12)
10.  破門 ふたりのヤクビョーガミ 《ネタバレ》 
多勢に無勢の佐々木蔵之介を助けに戻るか、否か。 クライマックスで逡巡する横山裕のシーンが、いつまで悩み考えるのかというくらい長く、もどかしい。 逆に、躊躇なく行動させた方が高揚感を維持出来たように思うのだが。 中盤で結構なバイオレンスを見せるのに対し、最後の乱闘が少々ぬるいというのもある。  一方でキムラ緑子と横山の母子が食卓を挟んで語り合うショットなどがやはり巧い。 横山が夕食を平らげ、爪楊枝を口にする芝居にふと滲むくつろぎの生活感など、絶品である。  それと対応して、ソファで宇崎竜童と対峙する佐々木蔵之介も貫禄の芝居がはまっている。 眼の剥き出し方もただ事ではない。
[映画館(邦画)] 6点(2017-02-01 23:40:48)
11.  バイオハザード: ザ・ファイナル 《ネタバレ》 
無数のコラージュが集積してヒロインの像を象っていくオープニングは、彼女のアイデンティティをめぐるドラマを象徴する。 鏡像の反射を活用すべく設定された美術や道具立ても、分身の主題を強調する為のものだろう。  そうした謎解きはともかくとして、あの手この手のアイデアを駆使したアクションの釣瓶打ちによって、 追い追われるの状況のみを展開していく潔さがいい。  装甲車上、タワービルからピット内の地下エリアへ、装置の高低差のサスペンスを活かした見せ場がふんだんな上、 打撃系のインパクトを強調して組み立てた格闘がパワフルで素晴らしい。「指を切らせて腹を断つ」とか。  各ショットは短いながらもケレンある構図でコンティニュイティがしっかりしているので、速度に同調すればこのアクションは見れる。  ラスト、再びの映像イメージのコラージュによる記憶の補完もまた、何となくゴダールの『映画史』を連想させたりするといえば大袈裟か。 アクション映画の引用コラージュ集とも云えるし。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-01-18 16:26:41)
12.  浜辺の女(1947) 《ネタバレ》 
オープニングの波や、主人公の見る海中の悪夢、土砂降りの雨など、水のイメージの豊かさがまずはルノワールらしさだろう。 その悪夢の特撮風イメージも、『マッチ売りの少女』で特撮好きを表明しているルノワールの趣味が感じられ、 ハリウッドのシステムの中で、断片的ながらもその作家的特徴を記している。  浜に打ち上げられた難破船の中のジョーン・ベネットとロバート・ライアン。 船側の窓を通して、チャールズ・ビックフォードが手前に近づいてくるのに気づき、二人は画面右手に移って隠れる。 窓の内と外を捉えたルノワール的ショットにさらに素早い横移動が加わり、サスペンスフルだ。  水と対になるライターの炎とクライマックスの火事もフォトジェニックである。  画家の設定だが、話題となる絵を一切見せないあたりもさすが。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2016-12-10 16:40:20)
13.  バースデーカード 《ネタバレ》 
登場するロケーションが基本的に見晴らしの良い高台。山の手である。よって生活感も希薄。メルヘンチックですらある。 が、開き直ってそれに徹しているところがいい。全編通して清潔感に満ちた映画だ。  風通しのよい坂道や勾配は、主舞台の長野、そして母親の故郷も小豆島に設定することで 徹底され、そこに必須アイテムである自転車滑走シーンを入れ込むことも抜かりない。 手紙の朗読、そして橋本愛の涙。その単調な繰り返しになってしまいそうなところ、そうした運動を取り込んで映画を維持している。  病院の屋上、車椅子の宮崎あおいに、ユースケ・サンタマリアが背後から優しく手を差し出すと、彼女がそれを握り返す。 同様の触れ合いが吉田監督の『旅立ちの唄』にもあったが、他にも頭をなでたり、CDを手渡したりというスキンシップを おろそかにしていないのがいい。 終盤に登場する結婚式のベールのエピソードが感動的なのは、回想ショットで宮崎あおいが心を込めて手編みする指の動きの美しさゆえである。 宮崎から橋本にベールが受け渡されるショット繋ぎの美しさと二人の表情の素晴らしさに打たれる。  クライマックスが『アタック25』出演というのも、なかなか大胆である。
[映画館(邦画)] 7点(2016-10-22 23:07:27)
14.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
映画に対する感動、というよりは実話に対する感動といった方がよい。 ラストも結局は実際のモデルに頼ったようにみえる。  まずは眉をしかめたトム・ハンクスの表情のアップの多さが気になってしまう。 夜間にジョギングする彼のシルエットの背後に影が覆いかぶさるようなショットなどにらしさがあるが、 トラウマのシーン以外、人物の顔に深い陰影を落とせないのは今回も実在の人物をモデルとしているからか。  簡潔に処理した二度の回想シーンなどはともかく、ビル群に突っ込んで爆発する妄想CGまで必要か、結構無駄を感じる。 わざわざコンピュータ処理に頼らずとも、誰しもがそれを連想するのだから。   隣席に同乗した女性の代わりに乳児を抱いてショックに備える男性客のエピソードなど、細部のドラマはさりげなく感動的であり、 ラストのアーロン・エッカートのジョークも爽やかでいい。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2016-09-25 20:09:30)
15.  HiGH&LOW THE MOVIE 《ネタバレ》 
冒頭でこれまでのドラマの顛末らしきものや多極的な勢力図らしきものを説明してくれるのだが、この時点で脱落しそうになる。 どうやら、五つのグループ+αの抗争となるらしい。  案の定、話は中途半端な場面であちらへ飛びこちらへ飛び、過去に飛んではさらにその又過去へと飛ぶ。 とにかく散漫でストレスばかり溜まる。  おまけに、のべつ幕無しに音楽が鳴りっぱなしで鬱陶しい。どうやらこの気障なオニーチャン達のプロモーションらしい。 とにかく苦痛でストレスばかり溜まる。  そして、キーワードは例によって仲間、仲間、俺たちは仲間。まただよ。  それにしても、とにかくよく殴りよく蹴る。話をしていても脈絡なく殴りだしてしまう、というのが凄い。 まるでミュージカル映画が突然歌いだすように。いわゆるバイオレンス・ミュージカルか。 当人達はあくまで真剣だ。ここでは大乱闘も盛大な舞踊なのである。  俳優らの周囲にはスモークが焚かれ、美術もいい仕事をしている。女優たちに当てられる照明も配慮が行き届いている。 スタントも結構無茶をやって頑張っているのが何よりである。
[映画館(邦画)] 3点(2016-08-13 23:16:44)
16.  バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生 《ネタバレ》 
内容とはあまりにも不釣り合いな、冗談きつい上映時間。これだけで、才能ありませんと云っているようなもの。 当然の事ながら、ドラマの流れは淀みまくる。 例によって、どこまで効いているのかいないのか、痛覚のさっぱり伝わらぬインフレCGアクション。 案の定、身体を通して発露させるべき情動は希薄で、単に派手なスペクタクルに終始する。  要するに、『マン・オブ~』の欠陥そのままという事である。  そもそもがヒーロー対決ありきの企画なわけで、観る側からすれば動機付けが後付けとなるのは解りきった事。 もっと開き直ればよいものを、無理に理屈付けしようとするから苦しい言語説明となる。 原作の絡みなど、知ったことではない。  9.11を出汁に使うかような冒頭のビル崩壊スペクタクルからして不愉快になる。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2016-03-27 19:39:04)
17.  俳優 亀岡拓次 《ネタバレ》 
視線を案内・誘導するフォーカスではなく、虚実のドラマの演出に沿ったファジーさを残し、空間を獲得するフォーカスは意図的なものだろう。 手前で安田顕らが会話する奥で山崎努の黄色いダウンが何やらうごめいている図の面白さは、前景を邪魔しない後景のソフトフォーカスの選択センスによる。 カブを飛ばす安田と背景のスクリーンバックのシュールな味わい。山形の地下道がふと照明が変化した瞬間に異空間に変貌する様。 居酒屋のカウンターでの、安田と麻生久美子が交わす対話と間が絶妙だ。  原作ものだが、如何にも横浜聡子らしい奔放なセンスとユーモアを満喫させてくれる。
[映画館(邦画)] 8点(2016-02-01 23:47:42)
18.  パディントン 《ネタバレ》 
いかにも、ヨーロッパ各国の抱える現在的なテーマが背景に仄めかされてはいるが、先ずは愛嬌あるキャラクターの表情や動きが目を惹きつける。  パディントンが引き起こすドタバタアクションもいろいろと趣向を凝らしてはいるし、垂直空間での高低のアクションもいろいろと取り入れてはいるのだが、 それらはスリル以前に『ブレードランナー』やら『MI』シリーズのパロディに留まっているのが惜しい。 その緩さがファミリー向けのテイストかも知れないが。  クライマックスの博物館では、家族がそれぞれの個性やキャラクターを活かして伏線に準じた活躍を披露もするが、ここでもっと博物館の特性を活かして アクションを展開して欲しいと思う。  家族が彼を見直し、受け入れていく展開も少々食い足りない。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-01-29 23:49:59)
19.  白鯨との闘い 《ネタバレ》 
画面手前に小道具類を大きく配置した構図がやたらに多いのは3Dを意識したのだろう事はわかるが、2Dでみるとかなり煩わしい。 時代を再現した折角の美術や小道具なのだろうからもう少しじっくり見せて欲しいところなのだが、ショットは短く忙しない為、それらを味わう暇もない。  そして、例によって多すぎるアップショット。流れを幾度も遮る時制の往還。回想ドラマの難しいところだ。  ロケ・バニョスのスコアは漁のシーンを美しく盛り上げもするが、 ヘムズワースが全神経を集中して白鯨を察知するシーンに音楽はどう考えても不要だろう。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-01-17 22:02:16)
20.  母と暮せば 《ネタバレ》 
長崎を舞台とする映画なら、坂の勾配は必須の要件と云っていい。 舞台となる二階家は結構な高台の上だ。映画の当初からそれは湾の眺望と共に提示される。 それだけでなく、大学の講堂の座席から教壇を見下ろす、二階から階段下を見下ろす、 枕元の吉永小百合を見下ろすなど、二宮和也のポジショニングにも高低や段差が意識されている。  中でも上がり框を舞台として履物を脱ぐ、居間に上がる、鼻緒を治すなど足への拘りは顕著で、二宮の白いソックスに関わる演出はとりわけ目を引く。  舞台劇的な趣向をベースとしつつ、 二階部屋に差し込む美しい西日や長雨や曇天、木枯らしなど天候の効果を加味してドラマの緊張を高めている。 映画は雲の上から始まり、雲の上へと帰る。宗教画になったきらいもあるが。
[映画館(邦画)] 7点(2015-12-20 23:54:54)
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