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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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1.  晩春 《ネタバレ》 
この娘の父に対する強烈すぎる気持ちを理解しかねる私が言っても説得力に欠けますが、父と娘を題材とした映画の中で本作は最高傑作の一つだと思います。能を見物するシーンであるとか、旅館での娘の告白シーンであるとか、父親が再婚すると一世一代の嘘をついたと告白するシーンから寂しげなラストカットであるとか…父と娘の別れの寂寥が胸にジーンと響きます。 〝そうかね、そうかね〟等々、確認するかのように繰り返し繰り返し言う台詞が何とも奇妙でもあるのですが、そのリズムがどこか心地良く、さらに登場人物の簡単な説明さえしておけばサイレントでも十分に伝わってしまうであろうほど一場面一場面も完璧です。  しかし何と言っても圧巻なのは原節子さんの表情から笑顔が消える瞬間であり、それはそれは震えるほどに素晴らしいです。 
[ビデオ(邦画)] 10点(2009-03-09 18:30:19)
2.  橋(1959年/ベルンハルト・ヴィッキ監督) 《ネタバレ》 
戦争におけるヒロイズムの崩壊を描いていますが反戦を意識したというより、ありのままの戦争を写し出しているように思えます。もちろん主人公たちが子供であるからこそ悲劇性が増しているのでしょうが、それが重要なポイントではなく純粋な視点を借り正面から対峙することで戦争の残酷さを浮き彫りにしているのだと思います。逃げまわる大人の姿、瀕死の負傷兵、戦闘の恐怖、あっけない死、さらに生き残った者に与えられる虚無。順を追うごとに厳しくなるシーンの連続は悲惨なんて言葉じゃ物足りません。さらに、おそらく〝子どもたちだけで戦車を撃破した〟という出来事が噂となり伝われば人々は子どもたちを英雄と呼ぶのでしょう。でも実際はそんな言葉は相応しくない過酷な戦闘をリアルに描出することで英雄を葬り去っています。敵味方問わず多くの尊い命が犠牲となり記録にすら残らず消えていく戦争はあらゆる概念を破壊し、そこには英雄も臆病者もなければ大人も子どももないのかもしれないと考えさせられます。木の上から敵兵を狙う少年が射殺した後に見せる笑顔が何とも不気味で印象深いです。
[DVD(字幕)] 10点(2007-01-15 18:22:06)(良:1票)
3.  廿日鼠と人間(1939) 《ネタバレ》 
リメイク作を先に鑑賞してなかなか良かったので興味を持ちオリジナル版も観た訳ですが、オリジナルという事を考慮すると本作に軍配が上がりますかね。(ただジョージに関しては個人的にはシニーズの解釈が好みです。)厳密に言えば、リメイク作は小説版を、オリジナルは戯曲版を映画化したものですね。もう冒頭から良いです。空をモクモクと覆う雲が忍び寄る影の予兆のようです。リメイク版ではジョージとレニーに焦点を絞っていたのに対して、本作ではカーリー一家やスリム、キャンディといった脇役たちに奥行きを持たせています。カーリーの妻の生活を窺うと単なる悪女ではなく悲劇性も垣間見られますね。キャンディ老人の辛さも伝わってきます。知恵の足りないレニー、檻に閉じ込められたようなカーリーの妻、手を無くした老人のキャンディや黒人のクルックスら社会的弱者が虐げられてしまう現実世界と、そこに宿った一つの友情を描いています。リメイク版にはなかった(確か原作にもない)、怪力のレニーが重い荷車を持ち上げジョージが宙に浮いた車輪にぶらさがるシーンが素晴らしいです。あのシーン一発でジョージが完全にレニーのことを信じきっているのが分ります。夢が叶わないのは悲しいですが、無二の親友を失うのはもっと悲しいですね。
[DVD(字幕)] 10点(2006-03-03 18:44:35)(良:1票)
4.  バットマン リターンズ 《ネタバレ》 
シリーズ最高傑作と言い切ってしまっても過言ではない本作は、キャットウーマンもイイですが、やはり徹底的にデフォルメされた敵役ペンギンの魅力に尽きるでしょう(口から出てる黒い液体は一体なんだ?!)。暗黒面よりも滑稽さや物悲しさを全面に押し出した異形の怪物ペンギンを一度は水没させ退場させたにもかかわらず、わざわざ復活させ筋書き上では何をさせる訳でもなく、動物のペンギンたちによる愛らしくも荘厳な水葬までしてみせたのは、ティム・バートン監督がペンギンというキャラクターを愛していたからに他なりません。それに応えるようなダニー・デヴィートの怪演。こんな立派な退場シーンをもった悪役はそういない。
[DVD(字幕)] 9点(2011-07-19 18:33:54)(良:2票)
5.  バグダッドの盗賊(1924)
豪華絢爛な美術が凄いのですが、特に宮殿をはじめとする世界の広大さを感じさせるところが圧巻です。それは一つに恐ろしく高い天井が鍵になっていて、例えば怪物の口のようなデカイ門であるとか、外に見える月が画面の中央あたりに位置している宮殿の部屋であるとか、その他にも行く先々で縦を使って空間を見せることによって、どこまでも上に突き抜けて行く際限の無い解放感を生み出し、この世界を壮大なものにしています。近年のスペクタクル映画ではこのような構図があまり見られないのですが、スケールを大きくしたいのならば本作をもっと手本にすべきとすら思います。  それから主人公を演じるフェアバンクスの軽快な身のこなしが素晴らしく、画面に映えています。機敏だからこそ王女に惚れた後の体の重さまでもが際立っていて、恋の苦しみが痛いほど伝わってきます。
[DVD(字幕)] 9点(2009-04-14 18:09:47)(良:1票)
6.  ハイ・シエラ 《ネタバレ》 
己の身より約束を優先するボガードの男っぷり。高みへ高みへと上りまっ逆さまに落下する呆気ない無惨さ…というこれは男の映画であるのですが、同時に女の映画でもあります。純情な娘とあばずれ女との対比。求婚されれば恋人がいると泣き出し、脚が完治すれば踊りまわる娘は残酷なまでに無垢。対して一度は頼った男を殴れないという女には不幸なまでの献身さを感じさせます。娘の脚が治った後、ボガードとこの女二人が対面するシーンが良いです。怪しげな恋人と踊りはしゃぐ娘は今までの純朴な描写と異なるからか、その喜ぶ姿は当然であるのにどこか退廃的なものを感じさせます。そしていけ好かない恋人に凄むボガードの怖さと幻想が立ち消えた失望の姿。さらにそこへ乗り込まずにはいられない恋する女…。男と女と、その繊細な恋愛模様がこの一幕でバッチリ描かれています。 それから凄いのは犬の使い方、抜群です。
[DVD(字幕)] 9点(2007-09-25 18:08:02)
7.  二十日鼠と人間(1992) 《ネタバレ》 
映画は鉄道内から始まり鉄道内で終わるが、下車は現実社会との繋がりを連想させる。農場ではジョージとレニーに周囲との距離感を持たせ、弱者が蹂躙される厳しく残酷な世の中で唯一無二の存在であることが強調される。そして二人が飽きずに夢の語る様子は稀有な友情を手にしているだけで満足だった事を伝え、全てを喪失する悲劇的な結末へ向かうあたりが巧い。言葉数少なくもゲーリー・シニーズの哀しげな表情は雄弁であり、賢いジョージが夢は夢に過ぎない事もレニーがいつの日か起こす問題にも感付いているように思え未来を予見させる。キャンディ老人の犬の死もその伏線となっているが、そこにはペットの犬とレニーとを同一化してしまう危うさもある。しかしジョージとレニーは主従関係ではなくあくまで対等に描かれ、モラルだけではどうにもならない現実世界での二人の友情に逆に温かなヒューマニズムを感じ心に深く残る。 役者陣も熱演でありシニーズ、マルコビッチ共に印象深い。特に舞台の演出家としても名を馳せているシニーズは同スタインベック作品『怒りの葡萄』の舞台でも高評価を受けたそうで自ら監督を勤めた今作は渾身の一作だったに違いない。 ちなみに39年のオリジナル版はさらに素晴らしいが、ジョージの解釈に限っては本作の方がレニーの必要性を感じしっくりとくる。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-06 17:10:08)
8.  HANA-BI 《ネタバレ》 
最初の方は北野監督にしては台詞が多いんじゃないかと思っていたのですが、例えば、タケシさん演じる刑事の子供が亡くなってしまったことや、奥さんが不治の病であること、大杉漣さん演じる元相棒が自殺を計ったことなどは、筋立としては重要であっても映画としては面白くも何とも無いから台詞で観客に説明するように簡単に処理しているのでしょう。ここで見せたいのは夫婦の肖像であり、その部分はえらく無口であってもケーキを使ってその仲をみせたりするのは実に見事だと思います。道中でも同様にどことなく物悲しさを感じさせながらギャグをかましていき、その果てに寡黙な岸本加世子さんの刃物よりも鋭くグッサリ突き刺さるような台詞が用意されているのですから堪りません。  それと寺島進さんが追跡者として追ってくるのも移動感が増していて良いです。たとえ彼らが追いつかなくとも北野監督の映画で浜辺で少女が無邪気に遊んでいたらそこはもう天国みたいな所で、紛れも無く終着駅なんですがね。  …ただ、絵の部分に関しては少々くどい感じも受けました。
[DVD(邦画)] 8点(2010-07-27 18:43:37)(良:1票)
9.  白熱(1949) 《ネタバレ》 
最初の列車強盗シーンからもう全開でノリノリです。特に一味の凶暴性は凄まじく、彼らにとって銃は脅しの道具ではなく殺しの道具であり、容赦の〝よ〟の字もありません。そしてやはりギャグニーが素晴らしい。「犯罪王リコ」や「彼奴は顔役だ!」ではどことなく好感も抱けたのですが今回は恐ろしさが全面に押し出され、頭痛持ちという設定が映画をより豊かにしています。また死が訪れる際、多くの者が力なく無惨に階段から崩れ落ちたりするのに対し、花火を打ち上げるギャグニーの鬼気迫った最期は圧倒的です。  しかしそんなギャグニーと同等の、あるいはそれ以上に強烈な印象を残すのは彼の母親と女房です。裏切りなんて朝飯前の豪胆な女房役のヴァージニア・メイヨの初登場シーンは、驚くことに無防備にイビキをかいている寝顔ときてます(ガムまで吐き捨てる!)。さらに一見、普通の地味な母親も息子を指南する姿は悪魔的ですらあります。ギャグニーの行動は終始一貫して母親の指示に基づくもので、女房にも平手どころか蹴りを入れるのに母親には幼い子供の如く抱かれるのです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-22 18:26:55)
10.  パブリック・エネミーズ 《ネタバレ》 
マイケル・マン監督の作品にはついていけないと思うような箇所もあるのですが(例えば、ネルソンの死に際の白い息が止まるところなどはもっとしっかり見せてほしい)、突如として訪れる素晴らしい瞬間と、格好良過ぎる男のドラマに魅了されファンであり続けているのですが、今回はその瞬間は最後の最後に訪れました。 それはジョニーが映画館に行ってから終幕までで、クラーク・ゲイブルのギャング映画を見るジョニーの表情と外で待ち構えるクリスチャン・ベールの表情、そして助っ人ベテラン捜査官の行動…ここまでくるまでの部分は壮大な除幕式だったとすら思えます。  ジョニーとベールは「ヒート」のデニーロとパチーノと同じように一度しか顔合わせをせず、しかも同じように両者の肩越しから撮られているのですが、彼らはデニーロとパチーノのように共鳴し合わず、ラストでジョニーを見送り一緒にフレームに納まるのはベールではなくベテラン捜査官なのです。このベテラン捜査官は〝伝えてほしい〟などと聞き取れなかったはずのジョニーの言葉を確信を持って〝頼まれた〟と、女のもとへ伝えに行きます。それは彼こそがパチーノであり〝男〟なのだからだと思います。・・・ただ、そこで少し残念なのはこのベテラン捜査官の配役で、登場シーンが僅かなので、エド・ハリスとかガブリエル・バーンとか(あまり思いつきませが;)そのぐらいの役者を持ってきて欲しかったです。そうしないと、どうしたって髭のドン・フライの方が印象強くなってしまいます。
[映画館(字幕)] 8点(2009-12-17 19:07:23)(良:1票)
11.  裸の拍車 《ネタバレ》 
冒頭、拍車のカットから始まるのですが、これがカッコイイだけでなくちゃんとラストへの伏線となっていて印象深いです。登場人物たった5人で雄大な景色の中を進んで行くのですが、それぞれの思惑を絡め緊張感を持続させています。また、程よく挿入される銃撃戦もどれも素晴らしいです(特に高みから低みの構図や個々の行動が良い)。・・・ただ、個人的には5人しか出てこないのに5人ともに若干オーバーアクト気味であったり、ラストの純真無垢なヒロインの聖女ばりのアップ(彼女のショットではこれが最も美しくて良いのですが)であったりは、過ぎているように思えてしまうのです。もちろんそれが良くもあるのですが…。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-18 18:14:22)(良:1票)
12.  廃墟の群盗 《ネタバレ》 
銀行を襲撃する前に酒場のカウンターに強盗一味がずらっと並び、端にいるグレゴリー・ペックがウイスキーグラスを滑らせ回すと、数人は手元を見ずにキャッチします。こういうのがカッコイイですし、彼らの強盗家業の長さがうかがえます。さらに騎兵隊に追われるシーンの迫力や砂漠を越えて行く過酷なシーンがしっかりと続き、始めの方は特に見せ場の連続となっています。しかし最も印象的なのはラストの3人の決闘シーンで、実際に撃ち合う映像はないものの、仕掛ける前の静けさのなかにある緊張感や、銃声、馬のいななき、ペックを心配して駆け込んで来た女が目にする見事な死体の演出などで素晴らしいシーンになっています。・・・ただ惜しむらくは、一貫して小ズルイ感じが良く出ているリチャード・ウィドマークに対して、グレゴリー・ペックは正義漢か無頼漢かよく分からないのはともかくとしても、まったく強そうに見えないのは残念です。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-07 18:20:11)(良:1票)
13.  裸の町(1948) 《ネタバレ》 
ドキュメンタリー調でいわゆる〝警察のお仕事〟を追うように描かれているのですが、セットを使わなかったという、この現実の街並みが大変効果的な作りになっています。街の人々をたびたび映したり、一人の刑事の家庭をちょっぴり垣間見せることによって生活感をプンプン漂わせ生き生きとしたものにしています。キビキビした演出で進みますし、最後の捕り物シーンがこれまた素晴らしいのです。ナレーションが犯人に話しかけたりするのも斬新で面白いですし、大都会の真ん中でドンドンドンドン高いところへ登って行く犯人の姿は「キングコング」さながらで、そこから映し出される徐々に小さくなっていく街の姿が印象的です。そしてラストは人々を賑わわせた事件の新聞記事が紙くずとして処理されるシーンで締め、大都会の時間の流れの早さと変わらぬ日常を感じさせます。
[DVD(字幕)] 8点(2008-06-27 18:33:18)
14.  ハリケーン(1937)
ハリケーンという題名に相応しい風と水(海)の映画。バタンバタン開閉する扉、なびく髪、ひらめく布地、しなる木々、そして審判の時を告げるように鳴り響く教会の鐘…と様々な方法で強風を見事に演出している。そして前半の甘い新婚さんの前では穏やかで優しい表情の海が、後半では一転して荒れ狂い全てを洗い流そうとする凄さ。壁に亀裂を作り浸水してくるところなど怖くてとても良い。目を凝らして見たがおそらくミニチュア部分はホンの一部しかなくCGのないこの時代に水しぶきが掛かりそうなくらい迫力を出したのは本当に素晴らしいと思う。また物語は単純だが人物造型は面白く、特に医者などは後年の「駅馬車」の医者と同一人物と思えるほどで下地となっている。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-09 18:12:04)(良:1票)
15.  パサジェルカ
アンジェイ・ムンク監督の遺作と聞いていたのですが、どうやら完成前に既にお亡くなりになったようで撮れなかったシーンはスチール写真やナレーションで構成されています。それも含めて、と言うよりそれのおかげもあってか?極めて秀逸な出来映えとなっているのですが、ナレーションによる説明は中立的に聞こえる一方、明確に問題提起への誘導をしているようにも聞こえムンク監督の意向と同じものかは分らない感じもします。それでも、収容所の場面を観る限りではナチスとポーランド政治犯という図式にさして重要性はなく、あくまでマルタとリザという普遍の人間性を主にした支配する者とされる者の関係を追及することで、人間の内面を抉り出しているように思います。それも特に会話するわけでもなく佇まいだけで伝わる雰囲気が絶妙です。最後も本当にあれで終りにするつもりだったのか続きを作るつもりだったのか分りませんが、先を見なくとも既に十分に人間の本質に迫っています。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-13 18:13:27)
16.  パンと植木鉢 《ネタバレ》 
珍しい手法、面白い切り口なのでついつい作品の世界に引き込まれます。テーマは慈しみの心と実践が大切ということでしょうか。個人レベルでの手を差し伸べ合いが人類救済の第一歩であり、そこに可能性を見出しまています。こう文章に起こしてみるとかなり気恥ずかしいテーマなんですが、正面から熱く訴えるのではなく距離を置き時に笑いも交えながら嫌味なしにサラっと流しているので好印象。言うなれば撮影秘話のようなメイキング映像を観ているような感じなのです。もう本当なのか演技なのか線引きできないくらい自然であり、監督の答えをそれぞれの代役である爽やかな青年たちによって違和感なしに提示するあたり巧妙な構成です。それにしても本作を撮り、自分の若き頃の役に壮大な希望を持つ青年を選んだ監督は今でもきっと夢追い人なのでしょうね。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-02-19 18:06:27)
17.  反則王
人の好い人間が生きにくい競争社会で萎縮してしまう姿と、ストレス発散するように生き生きとリングで暴れまわる姿の対比が人間の哀しさや強さ、可笑しさまで感じさせる。何かに夢中になるというのは凄くパワーの要ることで、それが生き甲斐となると日常生活の原動力ともなる。その力こそ普段は隠れて見えない人間の根底にある生命力というものであり、その人の真の姿なのではないだろうか。マスクを外した時こそが本領発揮の時なのだ。 そして何よりデホを演じるソン・ガンホが素晴らしい。上司からバカにされ、憧れの人から相手にされず、親からも認めてもらえないという情けないキャラクターに魅力を吹き込み共感させてしまうのだから恐れ入る。哀しき小市民の人生がユーモアたっぷりに力強く描かれており反則王を応援せずにはいられなくなる。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-02 18:23:35)
18.  白昼の決闘 《ネタバレ》 
ヒロインのパールの移り気が物語を豊かにすると共に訳の分からないものにしていますし、サムが登場するまでの前半部は退屈に思えます。おそらくパールの魅力があまり出ていないせいです(例えば馬を乗りこなしたりすればラストの射撃も説得力が生まれる)。 それでも、ライオネル・バリモアとリリアン・ギッシュの老夫婦やウォルター・ヒューストンの牧師(声が良い)と脇はガッチリ固められ、グレゴリー・ペックの悪漢ぶりも良く、暗闇に浮かび上がる目や銃などは印象的ですし、何よりラストの岩場の決闘シーンは力がみなぎっており、ここまでの唐突さも別に構わないではないかと思わせるほどです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-08-05 18:51:42)
19.  ハーフェズ ペルシャの詩
何だかよく分からず、文化を理解していないと細かい事までは理解できない作品だと思うのですが、そうでなくともこれは説明的なシーンをほとんど省略してしまっています。その代わりに度々、出てくるのが移動シーンです。似たような風景のなか移動する度に、走るのはもちろん車移動までしっかり挿入してくるのですが、不思議なのはこれがあまり〝移動〟を感じさせないことです。わざとそうやって撮っているのでしょうけど、〝愛からは逃れられない〟って事なのかどうかは不明です(主人公以外の移動もあるので)。  それはともかくとして、麻生久美子さんが登場するファーストショットの美しさなどは素晴らしいですね。民族衣装もよく似合っています。
[DVD(字幕)] 7点(2009-03-06 18:11:51)
20.  バンディダス 《ネタバレ》 
例えば緊張するとシャックリをするサルマ・ハエックが何故にいざって時にクシャミなのかとか、オッチョコチョイな感じの捜査官はここぞというところで何もやらかさないのかとか、はたまたラストのスローモーションシーンとか、かなりいい加減なところがある映画です。・・・しかし、捜査官とお別れをする際の夕日に映えるペネロペ・クルスがとってもキュートですし、キスの件がその最後のシーンまで巧く繋がっていて女二人組に戻るのも合点が行くというものです。それにサム・シェパードの「つるんでるのが楽しかった」なんて台詞がとっても良いですし、ペネロペとサルマのラテン系美女を愛でる作品としては十分です。胸元がはだけた服装で川で腕立てふせしますし、夢のような変態プレイまであるのだっ!…といっても過度な期待は禁物、ポロりはありませんって、これはある意味、本作における最高のネタバレなのだ。
[DVD(字幕)] 7点(2008-08-26 18:45:40)(良:1票)
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