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コメント数 106
性別 男性
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1.  はなればなれに
あまりに気楽な犯罪映画、あるいはあまりに原初的欲求に忠実な冒険映画である。自身『勝手にしやがれ』について、主題がなく、何をやってもいいそういった種類の映画だった と語っているように、物語の映画を作るゴダールは実に愉快である。ゴダールをして括弧は必要ないと言わしめる明々白々さとは愛したから愛し、金が欲しいから奪い、無茶がしたいからインディの真似事をするといった、映画的な、あまりに映画的な論理によって裏付けされてしまう。美女と犯罪、シャープな画面と無為な会話や動作。優れたB級犯罪映画であり、偏愛の垣間見れる何とも愛しい作品である。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-02-07 14:02:07)
2.  晩春
小津の作品は当然にしてコメディだと形容できるのだが、あの切り返しだけはあまりに凄まじく、ホラーと呼んでしまいたいくらいである。それは『散りゆく花』のなかでグリフィスがリリアン・ギッシュに向けた視線に近い感覚の何かであり、それは様式美であり、愛である。さて、小津の一作品を論じる意味があるのだろうか。小津とは反復であり、心地よい音楽であり、様式美である。娘を重宝しすぎた父親と、沢庵の切れない(嫉妬深い)婚礼期を過ぎた生娘の物語はあまりに中庸に始まり、凡庸な結末を迎える。だがそれを心地よく反復される台詞と仰角の、または特権を与えられる切り返しの、ほんの少しの恐怖が「映画」を形成してしまう。小津はマニエラであり、マニエリスムである。ミケランジェロであり、カラヴァッジオでもある。普遍的であり畸形であるのだから畏怖する以外仕方がないではないか。
[ビデオ(字幕)] 10点(2008-02-07 14:01:23)(良:1票)
3.  裸のキッス
スコセッシやスピルバーグに影響を与えた?それどころではない。作品を観れば、ゴダールやヒッチコックに並ぶ逸材であることは明らかである。短いショットの連結によって確信犯的に重要度を知らしめるその手法は正にヒッチコックの手法であり、事実匹敵しているし、ジャンプカットを始めそれ自体がその運動自体が魅力となりうる事象や技法を提供する姿勢は正にゴダールである。加えてこの作品に触れた折、思い出さずにいられないのが『狩人の夜』である。撮影が同じくスタンリー・コルテスによることは後で知り、驚きと納得を得たのだが、その光をふんだんに取り入れた映像そのものもさることながら、映像によるところの語り口(長回しを厭わず、省略を恐れない)、真相を目撃した際のカッティングであるとか幼女が真相を語った後の流れるような、一連の動きと運命付けられていたかのような録音機からテープへのカメラワークだとか、夢の絶頂であった子供たちとの掛け合いの歌を凍り付くような絶望の歌として再会させてくれるあたり、すべてが『狩人の夜』的なのである。それはつまり『狩人の夜』の素晴らしさを再確認したいのであるが、それと同時に、ゴダールやヒッチコックまでも感じ取らせてくれる、この教祖として申し分ない人物、サミュエル・フラーを本来あるべき陽の下に立たせようとする運動への欲求なのである。 
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-01-04 10:08:52)(良:1票)
4.  パッション(1982年/ジャン=リュック・ゴダール監督)
自分に役割を求めるな。動け。探せ。見出せ。“映画「パッション」のためのシナリオ”を観て気付かされる。映画「パッション」の中でゴダールの分身たる監督は繰り返される「物語」の要求に当惑し反発していた。ゴダールは何も「物語」を否定しているわけではない。「物語を語ること」を否定しているのだ。映画「パッション」の中で「物語」は語られていない、「物を語っている」のだ。劇中で“最小限の努力と最大限のトラブル”と語るように、また“映画「パッション」のためのシナリオ”において「整理して物を語る人はいない」と語るように、映画の中の運動と映画をつくる運動とに同等に意義を与え、つまりは後者に対しての意識的な姿勢を喚起し、またその発信者たちに、監督に、俳優に、スタッフに、労働者に、passionを、情熱あるいは受難を課す。そういった映画である。 火の不在、労働者と監督、映画と工場、愛、受難、情熱。映画「パッション」は退屈である。観客は光の不在を嘆かず、物語の不在を嘆くだろう。だが、もし映画観を、信頼してきた自らの映画眼を破戒される代償を怖れぬ者であったならば、喜びと不審の心をもって受難されることになる。そうして持ち得たもうひとつの眼は自らの創造性を刺激し、真っ白なスクリーンのみならず、既に作られたその映画に対してまでも創造主として臨む人生をもたらすことになるだろう。 
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-12-29 02:32:31)
5.  話の話 《ネタバレ》 
時折見せる写実的な画のあまりの完成度に緊張感が漂う。何故こんなにも光や土や水や木を捉えられるのだ。何故大きな一枚の画を自由に眺める視点のような、二次元を散歩しているような感覚を作り出せるのだ。  現実世界では、男たちが戦争に駆り出され女の下を去って行き、狼は車の排気でくしゃみをする。夫婦同士でさえ仲良くできない両親と言う現実を見せられた瞬間、カラスと林檎を分け合い肩に手を回す子供の夢想はハジけて消える。 一方、牛や猫や男や女が共に縄跳びをし、揺りかごを揺らす2次元の世界。魚までもが同じ画(世界、社会)に収まるフィクションの世界。眩いほどの光を放ち、正体が分からないほどにイノセントな生命。 ユートピアから盗んでしまった子供、ユートピアに近付くための必死の子守唄。 戻ってくる男と戻れない男、片足を失った男。 そして花火。 再び夢想に浸る子供。 それとは対照的に魅力を失っていくユートピア。牛はひとりで縄跳び。男は一人でイスに座る。 必死の子守唄が実を結んだ瞬間。人間ではなく獣によって理想郷を必要としなくなったその瞬間である。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-24 12:49:10)
6.  裸のランチ 《ネタバレ》 
グロテスク趣味のセンスの悪さとユーモアは高く評価する。だが映画から伝わってくるものは、作家の精神異常性、苦悩、なにか得体の知れない外的な力に人間は支配されているという感覚、ぐらいである。これらの現象って全て一つの言葉で説明がついてしまうやん、“ドラッグ”って言葉で。神格化しすぎじゃない?―――そもそも自分はウィリアム・バロウズの大きな特徴であるカットアップという技法が大嫌いだ。筋肉自慢してくる先輩と同じくらい嫌いだ。文をランダムに羅列することで神秘性が増し、新しい意味を示唆しているかのように感じさせる、っておれにはやっつけとしか思えない。本人も分かってないくせに。無意識に訴えかけるという効果は認めるけど・・・まぁ洗脳術の一種やね。バロウズをもっと知っていれば楽しめるエピソード満載なのかもしれないけど、縁のない映画。
[DVD(字幕)] 3点(2006-04-22 05:49:57)
7.  8 1/2 《ネタバレ》 
映画の製作現場を舞台に、周囲を取り巻く息詰まるような人間関係、映画にかける想い、郷愁の念、不信から来る喪失への怖れ、などを描いた自伝映画。とはいえ、フェリーニは他の作品でも自らの体験や想いを軸にしているものが目立つ。それは別に「自分の生活が興味を引く」とか考えているわけではなく、「さも真実らしい嘘をつく」「くそリアリズム」な映画、「何でも夫(監督)の思い通り」で「騒ぎが好き」なだけの「無用な言葉や音楽に窒息させられる」ような「規則的な」映画は作りたくないだけなのだ。人間は複雑で多面的なので、「嘘や妥協のない映画」を作るために「私の映画では全てが起こる」。この映画も「単純なことを伝えるつもりだった」が、こうならざるを得なかった。だが、この確固たる信念が私生活では特にマイナスに作用する。「深刻に考えすぎ」、人を信じられず、妻にさえ正直になれず、過去にしがみつき、「一つを選び取ってそれに人生をかける」ことができずに全てを欲してしまう、ゆえに愛を知らない。「全てを受け入れ、愛する」ことができれば、「全てが真実で輝いて見え」て、ラストの大団円のような開放感を味わえるのだが、信念とのギャップ、矛盾に苦しみ、そうはなれない少数派、孤独なフェリーニ・・・1人の人間の全てを丁寧に映像化したフェリーニ。尊敬と共感で涙が出たほどの作品。 ―――こういった説明調の感想は詰まらぬものだと知りながら、十全な説明を見かけないためとりあえず。
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-04-15 01:55:00)(良:1票)
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