1. パルチザン前史
《ネタバレ》 全共闘運動の激しいエネルギーに圧倒されましたね。京大・阪市大の時計台攻防戦、京都市街戦の迫力はまるで内戦のようで凄まじいものがありました。ただ、これだけのパワーが一般市民にまで浸透しなかったのは、結局滝田修が言うところの「祭り」にまで運動を持っていくことができなかったからなのでしょうかね? しかし、この滝田修という男のキャラクターが非常に魅力的でしたね。関西弁でどことなくユーモア漂う語り口や、家庭を持ち生活のためにアルバイトもするなど地に足をつけた生活の中で闘争活動を行っていくスタイルは、さぞかし多くの人に影響を与えたのだろうなと思わせます。特に大学解体を叫びながら生活のため予備校で教鞭をとらなければならない矛盾を生活費の実態を曝け出しながら弁解するシーンなどは非常に人間臭さがでていましたね。 [映画館(邦画)] 8点(2011-06-05 02:06:54) |
2. 破戒(1962)
《ネタバレ》 差別というものが社会制度として存在することの恐ろしさを痛感させられますね(この当時は形式的には無くなってはいましたが)。非常に考えさせられる作品でした。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-09-13 00:23:05) |
3. パサジェルカ
《ネタバレ》 あのアウシュビッツ収容所をドイツ人女性看守の視点から描いていて、看守(リザ)と囚人(マルタ)の心理的な駆け引きなど非常に興味深い内容の作品でした。 ただ、監督が撮影途中で事故死したため、非常に中途半端な形の作品になってしまったのが残念です。原作があるんですから、誰かが引き継いで完成させて欲しかったですね。点数は未完成ということで満点の半分の5点です。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-08-16 23:54:53) |
4. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
《ネタバレ》 とにかく最初から最後までブラックジョーク満載の作品でしたね。特にラストは悪趣味極まりないんですが、その禁忌的な美しさに心を動かされたのも事実です。 ピーター・セラーズが1人で3役を演じているんですが、その中でもストレンジラブ博士のマッドサイエンティスト振りが強く印象に残る作品でした。大統領を総統と呼んだり、自然にナチス式敬礼をしようとする右手を押さえこんだりと、ナチス崇拝の過去が出てきてしまうところに、結局のところユダヤ人を敵視して根絶やしにしようとしたナチスも、共産主義を敵視してソ連に核攻撃をしかけようとするアメリカも大きな違いは無い(もちろんソ連も)という皮肉が感じられました。 しかし、コンピューター社会の今の方が、この映画のような事が現実に起こりそうでちょっと怖いですね・・・・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2007-04-23 19:04:52)(良:1票) |
5. 橋のない川 第一部
《ネタバレ》 子供ならともかく、大人が部落だからといって火事をそのまま放置したり、「ここはお前らの来るところではない」と面前で言い放つ人たちの神経が今の感覚で見ると正直理解できません。しかし、この作品で描かれているような事が普通に起こっていた時代がそれ程遠くない昔に存在していたことは良くわかりました。 しかし、全体的にはシリアスな作品なんですが、関西が舞台だけあって、伊藤雄之助と北林谷栄のやり取り等どことなくユーモアを感じさせるシーンもところどころあって、思ったよりも観やすい作品でした。 [DVD(邦画)] 8点(2007-03-26 12:56:38) |
6. パリは燃えているか
《ネタバレ》 「花の都」パリが、もしかしたら消えていたかも知れなかったとは・・・・・。コルティッツ将軍の英断を讃えたいですね。 映画としてというよりは、ドキュメンタリーをみるような感覚で観てしまいました。最後のヒトラーの「パリは燃えているか?」の叫びがとても印象的でした。あと、音楽が素晴らしかったです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-06 20:44:19) |
7. 拝啓天皇陛下様
《ネタバレ》 ストーリーとしては、軍国主義の時代に翻弄された人々を描いているのですが、その中で主人公は天皇陛下を敬愛し軍隊を天国だと言い切る異色ぶりで、彼の生涯を通して軍国主義というものを皮肉っています。(非常に粗暴だけど純粋なキャラクターで、渥美清の演技が光ります。) ただ、まだまだ日本も今のような豊かな国ではなく、子供の身売りなんかもあった時代ですから、主人公が、「軍隊は天国だ」と言うのも理解できないことはなく、一面的にこの作品を捕らえることはできないです・・・・・。(まあ、主人公も最後は結婚相手も見つかったし決して不幸な人生では無かったと思いますが。) 渥美清以外の役者さんも非常に良く楽しい作品でした、 [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-07-26 15:09:46) |
8. 8 1/2
非常に芸術的な映画です。いろいろなプレッシャーの中、新しい作品を作り出していかなければならない苦しみが、美しい映像・美しい女優と共に幻想的に描かれています。 「人生は祭だ 共に生きよう」というセリフが一番印象に残る作品でした [ビデオ(字幕)] 6点(2006-04-16 21:52:18) |