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1.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
 キューブリック監督の映画に共通するのはホラーだと思います この世に存在するあらゆる恐怖を背景に人間性との紙一重な部分を表現する天才だと思います 私がこの映画を初めて見たのは学生の頃でしたが、わざとあり得ないような人物設定をする事で、現実に潜む人間の狂気をより克明に映し出しているような気がします 最初に書かれている「軍はこのような(中略)保証する」の注釈が、その兵器を開発し世界中のあらゆる国に存在している事実を前に、言い換えるなら、航空会社が「我々の飛行機は決して事故を起こさない」とアナウンスしているのと同じような説得力があり、この映画の主題(ホラー)であると思います  その他のセンスが光る滑稽とも言える劇中のユーモアは恐怖をより際立たせて煽り抜群の構成です Dr.Strangeloveの「総統、私は歩けます Mein Führer! I can walk!」という台詞は、総統は死すとも新しい総統がいつの時代にも現れ、殺戮や暴力、支配と欲に満ちた世界が形成されようとして、新しい総統の元で前総統の理想としていた世界をお手伝いする事が出来、身体障害者のふりをやめて、再び歩き出せるという意味だと思います(私個人はナチを心の底から軽蔑しています)  ところで最後の水爆が全て爆発し、Vera Lynnの歌声が響き始めると、あまりの清々しさにこのような美しい世界の終わりも悪くないなと思わされ、まさにキューブリック氏の魔法にやられてしまっている自分を発見し、映画至上屈指のホラー映画監督を賞賛せずにいられません
[ビデオ(字幕)] 10点(2010-12-24 12:54:56)(良:1票)
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