21. ひき裂かれた盛装
成田三樹夫が主演クラス且つ現代劇で出ている数少ない映画という理由、つまりは成田三樹夫を目当てで鑑賞。 実際に見てみたら、期待通り成田三樹夫の魅力が炸裂しており、しかも藤村志保が予想以上に美しくて、得した気分。 しかしツボにハマったのは藤村志保のボディガードのご婦人。 これが実は一番面白かったかも! [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-29 22:38:17) |
22. 光(河瀬直美監督作品)
生きていると辛い事は沢山ある。 せめて映画を見ている間くらいは厳しい現実を忘れたい。 現実と真摯に向き合う姿勢は評価に値するが、いささか厳し過ぎる内容。 個人的にはキスシーンまでは蛇足だと思われる。 顔を触るシーンだけで十分官能的。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-10-21 01:00:29) |
23. his
女性の社会進出やLGBT問題などを盛り込んでおり、リアルな社会問題を扱っている。 その為か少々、真面目すぎる内容。 脚本を今泉監督が担当していない影響がありそうだ。 余談ですが、個人的に藤原季節という役者の外見はいけ好かない、生理的に受け付けない何かを感じます。 [インターネット(邦画)] 5点(2020-10-09 11:59:19) |
24. ピエラ 愛の遍歴
《ネタバレ》 老いと病気に正面から向き合った作品。 それをフランス映画的な特有の雰囲気で紡ぎだす。 ピエラの少女時代を演じた女の子がとにかく美しい。 少女と大人のちょうど中間の時期。 その時期特有の美しさが印象深い。 この少女の美しさだけでも見る価値がある。 だがこんな可憐な少女であっても、やがては老いる。 例えば、ピエラの母親の様に、頭にシラミが湧いて髪の毛を剃られるというような老いが待っている。 この病院の雰囲気が実に無機質で侘しい。 人間の老いというものは実に残酷。 どんなに美しい女性でも老いからは逃れられない。 人間の老いという奥深いテーマを、独特のゆったりとしたリズムで描いた作品。 しかし、あんな空しい殺伐とした病院に、老いて入院はしたくないものだ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-08-23 19:31:42) |
25. ビッグ
《ネタバレ》 とんでもないファンタジー映画だった。 ところどころ、ご都合主義だし。 こんな有り得ない設定をどう楽しんだら良いもんやら・・・ 無為な時間を過ごしてしまった感が大きい。 おまけに彼女も可愛くない。 トム・ハンクスの演技だけは評価します。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-08-07 22:23:21) |
26. ビバ!マリア
《ネタバレ》 ブリジット・バルドーを見せる為だけに作られた映画だと思っていたら、何やらルイ・マル監督らしい趣味の悪さが散見され、意外にもクセの強い作品だった。 革命といった政治色、更には宗教も絡んでくるなど、なかなか厄介な内容。 さりげなく気色の悪い拷問器具も登場するし。 他にもシュールな表現がチラホラと。 『地下鉄のザジ』と同様、個人的にはかなり苦手な内容だったが、ブリジット・バルドーの魅力は堪能できたから、まあいいっか! [ビデオ(字幕)] 4点(2020-08-02 02:31:57) |
27. ビヨンド・アワ・ケン
《ネタバレ》 まずまず面白い。 ラストの、ドンデン返しをドンデン返しでひっくり返す脚本が最大の見どころか。 でも何だか分かりにくい。 ラブコメとも言える内容だけに、軽いノリで見たいところだが、分かりにくいドンデン返しが、そのノリを削いだ。 純粋なラブストーリーでもなく、軽いノリのラブコメでもなく、中途半端な印象。 監督の、自己満足な作品のような気がしてならない。 [DVD(字幕)] 5点(2016-09-21 00:39:58) |
28. ヒロシマナガサキ
《ネタバレ》 気分が良くなるようなドキュメンタリーではないし、面白いというようなものでもない。 ただひたすら原爆の悲惨さを目の当たりにした。 今までに観た、どの原爆関連の映像より、過激で激しい。 容赦のない悲惨な映像の数々。 顔を歪めずにはいられなかった。 この映画を観て意識が変わったのは、どんなに外見が酷い方々を見たとしても、それを好奇の目で見たりはしないだろうということ。 日本が今後、兵器を保持するべきかどうかについては、この映画を観ても尚、分からない。 同じ過ちを犯さないという点では、日本は今後も兵器を持つべきではないかもしれないが、世界の中で日本だけが兵器保持を放棄しても意味がない。 ただ一つ間違いなく言えることは、世界の全ての国々が核兵器を持たないというのが理想だということ。 でもそれは理想であって、現実にはほぼ不可能だということを考えると、どうにもやりきれない思いにかられる。 広島と長崎で被爆した方々の気持ちを察すると、今だあちらこちらで戦争が起きているという現実は、どうにもやりきれないに違いない。 この映画を観たところで、その悲惨さは理解できるものの、世界の戦争を未来永劫、廃絶することが困難である以上、心に残るのは、その無力感のみである。 今自分が生活している平凡な幸せに、ただただ感謝するしかない。 [DVD(吹替)] 6点(2016-07-08 02:08:19) |
29. ヒズ・ガール・フライデー
《ネタバレ》 とにかく、やかましい映画。 背が高くハンサムな男がおいしい思いをするという大正義。 まったく見ていて読売巨人軍な気分になる。 自分だけが主人公、自分だけが勝てばよい。 そういった思想が露骨に現れた、アメ公映画の決定版。 我こそ正義な、ムカつく映画の極米。 [ビデオ(字幕)] 1点(2016-04-09 23:59:36) |
30. ビッグ・リボウスキ
コーエン兄弟の映画だから、と期待して観てしまうと物足りなさが残る。 だが、とっても愛すべき映画で、個性的過ぎてウザイけど、どことなく憎めないキャラのオンパレードで、平和な香りが漂う。 面白かったのは、十分変人な主人公3人衆に対して、ボーリング場でいつも喧嘩を売ってくる男。 変人たちでさえ、ひいてしまうほどの変人ぶり。 まあ、こんな奴は現実には、まず居ないと思うけど。 ストーリーは二の次で、変人たちの競演会といった内容。 とにかく普通の人間が出てこない。 ひたすら変人たちが躍動する。 普通の人が出てこないから、逆にインパクトが失われているというか、変人同士でインパクトを殺し合っているかのようだ。 これは、変人たちの「個性」をぶつけ合う、ベトナム戦争の様なサバイバル映画なのかもしれない。 [DVD(字幕)] 6点(2015-02-08 01:57:47) |
31. ひみつの花園
《ネタバレ》 90年代特有のチープな邦画イメージが拭えない。 疾走感はあるものの、随所に強引な展開が見られ、その疾走感に乗り切れず終了。 肩の力を抜いて、しかも、リアルタイムで観られたならば、少しだけ評価は上がったかもしれない。 西田尚美の若い頃より、30代の頃の方が魅力的だと思う。 今はおばちゃんになっちゃったけど。 ハマリ役だと思うけれど、他の登場人物たちが、どうにもウザ過ぎる連中ばかりで、観ていて苛立ちも発生。 特に、利重剛のキャラは、チープな本作においてさえ、浮いている。 作品の主軸は、金そのものに執着する女。 こういう人って、男女を問わず、現実に沢山居るなぁ。 金は貯めたいけど、それは使いたいから貯めるし、金は使わないと、ただの紙切れだと思っている私には、そもそも価値観の合わない映画だった。 [DVD(邦画)] 4点(2015-02-02 00:40:49) |
32. 引き裂かれたカーテン
《ネタバレ》 アメリカ人が“鉄のカーテン”で閉ざされた国、東ドイツに潜入し、重大な機密を盗み出すという、ポリティカルサスペンス。 アルフレッド・ヒッチコックらしい美しい映像。 その中で繰り広げられる、アメリカ仕込みのご都合主義的なストーリー。 これが何とも、悪い意味でアンバランス。 終始緊迫感があり、楽しめる人には楽しめる内容となっているものの、あまりにイベント一つ一つが単純すぎる。 そして、主人公たちがピンチに遭遇する回数も多すぎ、しかも都合良く切り抜けすぎ、と不自然な流れ。 そして、最後はハッピーエンド。 ううむ、素直に楽しめなかった私に問題があるのか、この作品の都合の良さに問題があるのか・・・ ちょっとした問題作のようにも思う。 どうでもいいが、ヒロインに魅力が無いのが、隠れ致命傷。 まあ、これは個人的な趣味の域を出ないが。 [DVD(字幕)] 5点(2013-03-27 00:23:10) |
33. 人斬り
《ネタバレ》 異色豪華キャストで、脚本に橋本忍。 つまらないわけがない! 以蔵は野性的ながら、一方で繊細な面を持っている憎めないヤツ。 ただ少しだけ頭が足らない。 頭が足らないから、偉い奴らにいいように使われ捨てられてしまう。 これは現代社会のサラリーマンみたいなもんだ。 ブラック企業に勤めているサラリーマンがまるで以蔵のようだ。 そういう意味で、ラスト、飼い主に報復するという顛末は胸のすく思いだが、以蔵自らの命をもって報復するというのは、どうにも切ない。 もっと良い解決方法はなかったんだろうか、と思う。 映画としての完成度も高いし、キャストも良い。 なかなか良い掘り出し物を見つけた気分だ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2013-01-23 12:05:15) |
34. 昼下りの情事
ビリー・ワイルダーは、とにかく巧い! ただし、内容が二人の恋愛関連話一本槍なのが、たまにキズ。 だけど、このキズというかクドさが、好きな人にはたまらないはず。 とにかく、恋愛模様満載なのだ。 若き少女が、初恋の相手に選んだのは、長身で二枚目とはいえ、50代のオッサン。 しかも遊び人。 この組み合わせ、男にとっては、羨ましさを通り越して、怒りさえ感じてしまう。 逆に、この年代の男なら、希望を感じるのかな? いや、人によりけりか。 とにかくけしからん恋愛絵巻! [DVD(字幕)] 6点(2012-11-25 00:57:11) |
35. 白夜(1971)
《ネタバレ》 ロベール・ブレッソンの貴重極まりない作品を、やっとこさ鑑賞することができた。 しかし、貴重ということは、それだけ評価されていないという見方もできるわけで、残念ながら、本作もロベール・ブレッソン作品の中では、それほど出来がいいとは言えなかった。 うだつの上がらない主人公の男は、ある晩、ある女と出会う。 この女は、付き合っている彼氏とうまくいっていない。 そこで、男はその女性の相談相手となる。 これが悲劇の始まり。 私自身も、若かりし頃、経験があるが、とかく彼氏とうまくいっていない女性って、近くにいる相談しやすそうな男に頼ったりする。 つまり、相談にのってくれそうな男に一時的にすがる。 それが、この映画の主人公で、「自分を頼ってくれている」、「自分のことを異性として好んでくれている」と、勘違いしてしまう。 だが、その女性が彼氏とよりを戻すと、とたんに相談相手だった男友達など用無しになってしまう。 そして、アッサリと関係を切られてしまう。 自分にもそういった苦い経験があるだけに、非常にリアルなものを感じた。 リアルさという点では、さすがロベール・ブレッソンと言いたいところだが、話の内容が薄っぺら過ぎる。 相談にのった男が、ただ失望し、茫然するばかりという締めくくりだ。 まあ、これはこれでリアルだから、アリと言えばアリだが・・・ どうにも救いようの無い話だ。 [映画館(字幕)] 5点(2012-10-27 20:45:00) |
36. BIUTIFUL ビューティフル(2010)
《ネタバレ》 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の個性的な映像は堪能できたが、余命2か月という設定が個人的には合わなかった。 自分がもし末期がんで、あと余命2か月と宣告されたら、素直に諦めて身辺整理するだろう。 だがだが、子供の行く末を案じるのは同じかも・・・ いつ死んでも怖くないと思ってはいるが、確かに子供の将来は心配だ。 子供を持つ親が、死に臨んでの現実的な描写が多く、実際に自分が主人公の立場に立たされた時、健康な時には思ってもいなかった心情が発生するかもしれないと思うと、どうにも居たたまれない気持ちになる映画であった。 イニャリトゥ作品はどれも好きだが、この作品は自分にとっては微妙だった。 しかし、映像美と主人公の演技は素晴らしく、イニャリトゥの次回作に期待したい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-08-15 19:28:53) |
37. ビフォア・ザ・レイン
《ネタバレ》 時折挿入される気分を害するグロテスクな映像。 痰を吐いたり、ゲップしたり、とにかく下品な演出のオンパレード。 ひげ面のジジイが主人公なのも頂けない。 いや、そういった理由以前に、とにかく映像・音楽・演出などの全ての面において、生理的に合わなかった。 [ビデオ(字幕)] 0点(2012-02-21 01:10:35) |
38. Peace ピース
《ネタバレ》 『選挙』で選挙活動に密着して、その裏社会をカメラにおさめた。 更に『精神』では、精神患者にモザイクをかけずに取材し、精神疾患の闇に迫った想田和弘監督。 その想田和弘監督が、今までの2作品で撮ってきた“観察映画”というスタイルの、“番外編”という形で本作を発表した。 この“番外編”という位置付けが観る前からひっかかった。 観た後では、“番外編”というのが、一種の「逃げ」のようにも感じた。 『選挙』での、あのハイテンションと面白さ、『精神』での、あのスキャンダラスで危険な香り、それらと同等のレベルでのパワーが、本作には残念ながら感じられなかった。 思うに、『選挙』と『精神』という2本の“観察映画”が面白かったのは、そのタブーな世界に、果敢に接近戦を挑んだ監督の勇気と気迫が根底に感じられたからである。 “番外編”だから・・・と言われてしまえばそれまでだが、本作には表の世界しか出てこない。 身体が不自由な人、末期がんのご老人。 それらの人を、ストレートにカメラにおさめただけでは、パワーが物足りない。 もちろん『選挙』の面白さ、『精神』のヤバさには遠く及ばない。 というわけで、想田和弘監督には、次回は是非“番外編”とかうたわずに、“観察映画”第3弾として、『選挙』『精神』に匹敵するパワーを持ったドキュメンタリーを撮ってほしい。 [映画館(邦画)] 6点(2011-08-28 01:36:17) |
39. ビッグ・パレード
《ネタバレ》 『ビッグ・パレード』と言うから、さぞかし派手で楽しいパレードを予想したのだが、まるで反対だった。 『ビッグ・パレード』とは、戦時下における車や兵隊の“大行進”だったのだ。 でも、このビッグ・パレードの演出に凄みがあった。 大量の兵隊たちが敵陣に向って突き進んでいくが、敵方の機関銃にバッタバッタと倒れていく。 そんな仲間たちを尻目に、倒れるまで敵陣に突き進む兵隊たち。 死をも恐れぬビッグ・パレードに、戦争の狂気をも感じた。 サイレントの音楽付きだったが、音楽もそのビッグ・パレードを盛り立てる様に躍動。 何だか得たいのしれない迫力を感じた。 サイレント映画だからこその、独特の迫力だったのかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-06-10 23:32:56) |
40. ピョンヤン・ダイアリー 1994-1997
オーストラリア人が北朝鮮を旅した際に、手持ちカメラでもって、北朝鮮の実態を映像におさめようと、旅先の日々を綴ったドキュメンタリー映画。 日本のニュース映像で垣間見る北朝鮮の映像は、非常に限定、いや、人為的に偏った映像であり、それが日本人の北朝鮮という国に対する偏見を生んでいる。 アメリカ傘下の日本では、北朝鮮の実態そのままをニュースで報じることは現実的には不可能である。 そんな中で、オーストラリア人が北朝鮮を旅して、監視付きながらも北朝鮮の映像を中立的立場で撮って見せた本作はとても価値があり、有意義なものであると私は感じた。同じ人間である以上、日本人も北朝鮮も平和を願っているという点では共通である。 勿論、できれば戦争は避けたいと北朝鮮人も思っている。 だが、アメリカが世界を牛耳る世の中で、アメリカにおんぶにだっこである日本が、北朝鮮を正しく理解できるはずもない。 それはアメリカに影響を受けた報道規制の中でしか、我々日本人は北朝鮮の思想や実際の姿をニュースで見ることしかできないからだ。 北朝鮮は小国ながら、社会主義国としての立場を貫こうと奮闘している。 こういった北朝鮮の真っ直ぐな姿勢を、もっと日本人は客観的に評価すべではないか? もちろん、北朝鮮の全てを肯定しろという意味ではない(飢餓問題など)。 報道規制されたマスコミの情報だけで、北朝鮮を悪い国だと決め付けている日本人、アメリカにぶら下がり安穏としてアイディンティティを持ち得ない日本人は、北朝鮮のこういった真っ直ぐな姿勢にもっと興味を持ち、理解する努力すべきなのではないかと思う。 アメリカに抑圧され、操作された日本報道文化の中で、どうしたら我々日本人が、同じアジアの国で自国のアイデンティティを貫いている北朝鮮を理解できるのか。 中立的な本作を観ていると、そういった疑問や不満がわいてくる。 念のために書いておくが、本作は決して北朝鮮寄りに創られたドキュメンタリー映画ではない。 オーストラリア人が、極めて中立的な立場で創り上げたドキュメンタリー映画である。 極めて客観的で中立的な本作を観るにつき、アメリカ式資本主義に対立する、社会主義国に関する日本人の理解の低さ、そしてマスコミ報道を丸ごと無意識に信じ込んでいる日本人の愚かさを感じずにはいられない。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-31 03:21:42) |