21. 陽のあたる場所
《ネタバレ》 これはとても秀逸な恋愛劇であり、サスペンスでもあります。 アメリカ映画的というよりも、フランス映画的な感じがします。 フランス映画のような繊細さを持った作品でした。 この男は悪い男ですが、同情はします。 貧しい生まれで、あのようなお嬢さんとお近づきになれたら… 前途揚々たる、夢の生活を手放したくない、ならばいっそのことあの女を、、と考えてしまうのはあり得ることでしょう。 しかしそれを実行してはならないと思います。 それにしても、あの女工が不憫でならない。 あまりに気の毒すぎます。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-03-16 14:01:29)(良:1票) |
22. 昼下りの情事
ビリー・ワイルダーは、とにかく巧い! ただし、内容が二人の恋愛関連話一本槍なのが、たまにキズ。 だけど、このキズというかクドさが、好きな人にはたまらないはず。 とにかく、恋愛模様満載なのだ。 若き少女が、初恋の相手に選んだのは、長身で二枚目とはいえ、50代のオッサン。 しかも遊び人。 この組み合わせ、男にとっては、羨ましさを通り越して、怒りさえ感じてしまう。 逆に、この年代の男なら、希望を感じるのかな? いや、人によりけりか。 とにかくけしからん恋愛絵巻! [DVD(字幕)] 6点(2021-01-26 06:13:23) |
23. ピース オブ ケイク
《ネタバレ》 田口トモロヲが監督だと知らずに鑑賞。 なんだかイマイチだなと感じたのは、そのせいか? 監督は、監督業を専門にしてる人に任せた方が良い。 多部ちゃんにベッドシーンは求めちゃいない! そこを田口トモロヲは分かっていない! 内容に関しては、恋愛の面倒なところばかりが強調されていたように思う。 本当に相性が良ければ、ここまで面倒な事にならないハズ。 むしろ相性の悪い腐れ縁カップルのような気がしてならない。 [インターネット(邦画)] 4点(2021-01-01 20:39:08) |
24. 百年恋歌
《ネタバレ》 第1話は良かったが、第2話が非常に苦痛だった。第3話もイマイチ。 第1話 ビリヤードで知り合って、その後手紙を出す。 それで恋仲に。 なかなかテクニカルなナンパだ。 メールアドレス交換じゃ、こう上手くはいかないだろう。 この時代ならではの良い話という事か。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-12-23 06:27:17) |
25. ヒポクラテスたち
《ネタバレ》 医学生の日常が実にリアルに、そして時に面白おかしく描かれており、楽しめた。 音楽と効果音は、いかにもこの年代の日本映画という感じで、とてつもなくダサい! [インターネット(邦画)] 7点(2020-12-18 13:49:31) |
26. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 これ、結構良かったなぁ。 自分を探さないロードムービー。 若い頃、これと似たようなことやってたけど、結局疲れてリタイアしたなぁ。 若い頃の刹那的な移住旅。 客観的に見てる分にはとても楽しい。 自分はこんな旅、二度と経験したくはないけども。 とにかく孤独なんだよな。 移住先、旅先で人との出会いはあるけど、とても希薄なつながりな気がしてね。 [インターネット(邦画)] 7点(2020-12-12 00:31:29)(良:2票) |
27. ひき裂かれた盛装
成田三樹夫が主演クラス且つ現代劇で出ている数少ない映画という理由、つまりは成田三樹夫を目当てで鑑賞。 実際に見てみたら、期待通り成田三樹夫の魅力が炸裂しており、しかも藤村志保が予想以上に美しくて、得した気分。 しかしツボにハマったのは藤村志保のボディガードのご婦人。 これが実は一番面白かったかも! [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-29 22:42:24) |
28. 光(河瀬直美監督作品)
生きていると辛い事は沢山ある。 せめて映画を見ている間くらいは厳しい現実を忘れたい。 現実と真摯に向き合う姿勢は評価に値するが、いささか厳し過ぎる内容。 個人的にはキスシーンまでは蛇足だと思われる。 顔を触るシーンだけで十分官能的。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-10-21 10:29:54) |
29. his
女性の社会進出やLGBT問題などを盛り込んでおり、リアルな社会問題を扱っている。 その為か少々、真面目すぎる内容。 脚本を今泉監督が担当していない影響がありそうだ。 余談ですが、個人的に藤原季節という役者の外見はいけ好かない、生理的に受け付けない何かを感じます。 [インターネット(邦画)] 5点(2020-10-09 12:03:21) |
30. ピクニック(1936)
《ネタバレ》 戦慄するほどの映像美! こんなにも美しくて詩的な映像は久しぶりに観た気がする。 なんという凄まじき美しさだ。 河の流れのまぶしさに目を細める。 流麗に流れる音楽に心潤う。 心地よいウグイスのさえずりに心癒される。 シルヴィア・バタイユの可憐さに息をのむ。 切ない幕切れにため息をつく。 そんなこんなな40分。 短篇ながら、個人的にジャン・ルノワール作品の中ではベスト。 一般的にルノワール作品として映像的に評価の高い『河』を遥かにしのぐ美しさだった。 しかし・・・ 本作のレビューが私一人とは・・・ あー、なんという哀しさよ。 勿体なさすぎる。 こういう映画をもっと沢山の人に観てもらいたい! ジャック・ベッケルが10年後に完成させた作品とのこと。 ベッケルはお気に入り監督の一人なので、その点も嬉しい。 ベッケルはやっぱり凄い! [CS・衛星(字幕)] 10点(2020-09-11 01:55:50)(良:2票) |
31. ピエラ 愛の遍歴
《ネタバレ》 老いと病気に正面から向き合った作品。 それをフランス映画的な特有の雰囲気で紡ぎだす。 ピエラの少女時代を演じた女の子がとにかく美しい。 少女と大人のちょうど中間の時期。 その時期特有の美しさが印象深い。 この少女の美しさだけでも見る価値がある。 だがこんな可憐な少女であっても、やがては老いる。 例えば、ピエラの母親の様に、頭にシラミが湧いて髪の毛を剃られるというような老いが待っている。 この病院の雰囲気が実に無機質で侘しい。 人間の老いというものは実に残酷。 どんなに美しい女性でも老いからは逃れられない。 人間の老いという奥深いテーマを、独特のゆったりとしたリズムで描いた作品。 しかし、あんな空しい殺伐とした病院に、老いて入院はしたくないものだ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-08-23 19:43:26) |
32. ビッグ
《ネタバレ》 とんでもないファンタジー映画だった。 ところどころ、ご都合主義だし。 こんな有り得ない設定をどう楽しんだら良いもんやら・・・ 無為な時間を過ごしてしまった感が大きい。 おまけに彼女も可愛くない。 トム・ハンクスの演技だけは評価します。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-08-07 22:23:21) |
33. ビバ!マリア
《ネタバレ》 ブリジット・バルドーを見せる為だけに作られた映画だと思っていたら、何やらルイ・マル監督らしい趣味の悪さが散見され、意外にもクセの強い作品だった。 革命といった政治色、更には宗教も絡んでくるなど、なかなか厄介な内容。 さりげなく気色の悪い拷問器具も登場するし。 他にもシュールな表現がチラホラと。 『地下鉄のザジ』と同様、個人的にはかなり苦手な内容だったが、ブリジット・バルドーの魅力は堪能できたから、まあいいっか! [ビデオ(字幕)] 4点(2020-08-02 02:51:59) |
34. ビヨンド・アワ・ケン
《ネタバレ》 まずまず面白い。 ラストの、ドンデン返しをドンデン返しでひっくり返す脚本が最大の見どころか。 でも何だか分かりにくい。 ラブコメとも言える内容だけに、軽いノリで見たいところだが、分かりにくいドンデン返しが、そのノリを削いだ。 純粋なラブストーリーでもなく、軽いノリのラブコメでもなく、中途半端な印象。 監督の、自己満足な作品のような気がしてならない。 [DVD(字幕)] 5点(2017-11-05 19:26:26) |
35. ヒロシマナガサキ
《ネタバレ》 気分が良くなるようなドキュメンタリーではないし、面白いというようなものでもない。 ただひたすら原爆の悲惨さを目の当たりにした。 今までに観た、どの原爆関連の映像より、過激で激しい。 容赦のない悲惨な映像の数々。 顔を歪めずにはいられなかった。 この映画を観て意識が変わったのは、どんなに外見が酷い方々を見たとしても、それを好奇の目で見たりはしないだろうということ。 日本が今後、兵器を保持するべきかどうかについては、この映画を観ても尚、分からない。 同じ過ちを犯さないという点では、日本は今後も兵器を持つべきではないかもしれないが、世界の中で日本だけが兵器保持を放棄しても意味がない。 ただ一つ間違いなく言えることは、世界の全ての国々が核兵器を持たないというのが理想だということ。 でもそれは理想であって、現実にはほぼ不可能だということを考えると、どうにもやりきれない思いにかられる。 広島と長崎で被爆した方々の気持ちを察すると、今だあちらこちらで戦争が起きているという現実は、どうにもやりきれないに違いない。 この映画を観たところで、その悲惨さは理解できるものの、世界の戦争を未来永劫、廃絶することが困難である以上、心に残るのは、その無力感のみである。 今自分が生活している平凡な幸せに、ただただ感謝するしかない。 [DVD(吹替)] 6点(2016-07-08 02:11:37) |
36. ヒズ・ガール・フライデー
《ネタバレ》 とにかく、やかましい映画。 背が高くハンサムな男がおいしい思いをするという大正義。 まったく見ていて読売巨人軍な気分になる。 自分だけが主人公、自分だけが勝てばよい。 そういった思想が露骨に現れた、アメ公映画の決定版。 我こそ正義な、ムカつく映画の極米。 [ビデオ(字幕)] 1点(2016-04-09 23:59:36) |
37. ビッグ・リボウスキ
コーエン兄弟の映画だから、と期待して観てしまうと物足りなさが残る。 だが、とっても愛すべき映画で、個性的過ぎてウザイけど、どことなく憎めないキャラのオンパレードで、平和な香りが漂う。 面白かったのは、十分変人な主人公3人衆に対して、ボーリング場でいつも喧嘩を売ってくる男。 変人たちでさえ、ひいてしまうほどの変人ぶり。 まあ、こんな奴は現実には、まず居ないと思うけど。 ストーリーは二の次で、変人たちの競演会といった内容。 とにかく普通の人間が出てこない。 ひたすら変人たちが躍動する。 普通の人が出てこないから、逆にインパクトが失われているというか、変人同士でインパクトを殺し合っているかのようだ。 これは、変人たちの「個性」をぶつけ合う、ベトナム戦争の様なサバイバル映画なのかもしれない。 [DVD(字幕)] 6点(2015-02-08 01:57:47) |
38. ひみつの花園
《ネタバレ》 90年代特有のチープな邦画イメージが拭えない。 疾走感はあるものの、随所に強引な展開が見られ、その疾走感に乗り切れず終了。 肩の力を抜いて、しかも、リアルタイムで観られたならば、少しだけ評価は上がったかもしれない。 西田尚美の若い頃より、30代の頃の方が魅力的だと思う。 今はおばちゃんになっちゃったけど。 ハマリ役だと思うけれど、他の登場人物たちが、どうにもウザ過ぎる連中ばかりで、観ていて苛立ちも発生。 特に、利重剛のキャラは、チープな本作においてさえ、浮いている。 作品の主軸は、金そのものに執着する女。 こういう人って、男女を問わず、現実に沢山居るなぁ。 金は貯めたいけど、それは使いたいから貯めるし、金は使わないと、ただの紙切れだと思っている私には、そもそも価値観の合わない映画だった。 [DVD(邦画)] 4点(2015-02-02 01:03:56) |
39. 引き裂かれたカーテン
《ネタバレ》 アメリカ人が“鉄のカーテン”で閉ざされた国、東ドイツに潜入し、重大な機密を盗み出すという、ポリティカルサスペンス。 アルフレッド・ヒッチコックらしい美しい映像。 その中で繰り広げられる、アメリカ仕込みのご都合主義的なストーリー。 これが何とも、悪い意味でアンバランス。 終始緊迫感があり、楽しめる人には楽しめる内容となっているものの、あまりにイベント一つ一つが単純すぎる。 そして、主人公たちがピンチに遭遇する回数も多すぎ、しかも都合良く切り抜けすぎ、と不自然な流れ。 そして、最後はハッピーエンド。 ううむ、素直に楽しめなかった私に問題があるのか、この作品の都合の良さに問題があるのか・・・ ちょっとした問題作のようにも思う。 どうでもいいが、ヒロインに魅力が無いのが、隠れ致命傷。 まあ、これは個人的な趣味の域を出ないが。 [DVD(字幕)] 5点(2013-03-27 00:23:10) |
40. 人斬り
《ネタバレ》 異色豪華キャストで、脚本に橋本忍。 つまらないわけがない! 以蔵は野性的ながら、一方で繊細な面を持っている憎めないヤツ。 ただ少しだけ頭が足らない。 頭が足らないから、偉い奴らにいいように使われ捨てられてしまう。 これは現代社会のサラリーマンみたいなもんだ。 ブラック企業に勤めているサラリーマンがまるで以蔵のようだ。 そういう意味で、ラスト、飼い主に報復するという顛末は胸のすく思いだが、以蔵自らの命をもって報復するというのは、どうにも切ない。 もっと良い解決方法はなかったんだろうか、と思う。 映画としての完成度も高いし、キャストも良い。 なかなか良い掘り出し物を見つけた気分だ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2013-01-23 12:05:15) |