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1.  ひろしま(1953)
敗戦から7年。 GHQによる映画検閲の廃止に伴い、原爆被害の言説に関する厳しい規制がようやく解かれ、新藤兼人監督の『原爆の子』と、本作『ひろしま』が製作公開される。  アピールの形式はそれぞれ異なるが、どちらの作品の画面にも表現の自由を束縛されてきた鬱憤を晴らさんとする作家の情熱と、「記録すること」への意思、そして犠牲者への想いとが尋常でない強度で充溢している。  それを支えたのが、当時第二の黄金期を迎えていた日本映画産業の充実したスタッフワークだ。  3分弱のシンボリックなカットで被爆の状況を表現した『原爆の子』に対し、本作で表象された被爆の図は、美術セットも衣装もメイクも、そして芝居も現在に至るまでに作られた原爆映画の中でも最も凄惨で、迫真的で、生々しいものだろう。 それだけに、戦争犯罪者に対する怒りと糾弾は直截的だ。  が、本作が指弾するのは、原爆投下者だけではない。 「何故か」当日空襲警報を出さず、新型爆弾の情報隠蔽を画策した軍上層部の棄民体質。 過去の痛みを忘れ、次なる朝鮮戦争特需へ向かおうとする世。 原爆症に対する無知。  現在からすれば、「8年しか経っていない」1953年だが、当時からすれば記憶の風化に対する危機感、切迫感が相当にあった事が映画の語りからは伺える。  硬直した作劇と台詞が貶しどころではあるが、その愚直さゆえに止むにやまれぬ思いが 伝わるのも確かだ。 原発事故一年後の現代日本とを重ねずにはおれない。  
[ビデオ(邦画)] 8点(2012-05-29 21:31:54)
2.  秘められた過去 《ネタバレ》 
ウェルズが監督を始め、製作、脚本、衣装、美術、編集と多才ぶりを発揮。 ロケーションもスペイン、フランス、ドイツ、メキシコと幅広い。  港湾シーンの影の乱舞や、天井を取り込みながらウェルズの威容を強調する不安定な斜め仰角ショットに凄味がある。 とりわけ、船のローリングに合わせて背景セットと手前の人物の揺れをずらす効果は絶大で眩暈すら誘う。  中盤までは回想形式の叙述でありながらも、ジャン・ブールゴワンから引き出されたそのノワールスタイルの暗黒画面によって醸しだされる切迫感がただならない。  『市民ケーン』的な謎解きのドラマに、古城での仮装パーティの喧騒では怪奇映画ムードすら加わって映画的スリルは多彩だ。  クライマックスは天井のスピーカーを通した娘と父との、視線の交わらない対話。俯瞰と仰角の切返し編集、そしてノイズが悲劇性を強調する。
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-05-21 21:01:13)
3.  白夫人の妖恋
製作舞台裏の事情は、廣澤榮(助監督)の「日本映画の時代」に詳しい。  次第に産業的な翳りを迎え予算を抑えにかかる上層部と現場の軋轢や、スタジオシステムが培った大道具・小道具スタッフの臨機応変な知恵と技術が注ぎ込まれた特撮シーンの苦心談など、映画以上に感動的で興味深い逸話が多々あり、面白い。  中国民話の世界を全編セットによって創りあげた美術の豪勢さ。 西湖の水面に咲く色とりどりの睡蓮や牡丹、華やかな中国伝統衣装などがイーストマン・カラーに映える。 トリック撮影を使った山口淑子と東野英治郎の妖術合戦なども楽しいが、最大の見所は金山寺水攻めシーンに展開される怒涛の水のスペクタクルだ。その水量と迫力が凄まじい。 さらには、衣装を風になびかせながら山口淑子と池部良が昇天するイメージが(舞台裏の苦労談とは裏腹に)壮麗で素晴らしい。  いずれのシーンにも、海外との合作に向けた豊田四郎監督及び、新技術の導入と共にカラー特撮時代へと向かう円谷特技監督以下のスタッフの威信が漲っている。  それから忘れてならないのは、小悪魔的な八千草薫の可愛らしさ。まさにはまり役。  
[映画館(邦画)] 7点(2011-05-04 22:53:42)
4.  ピカソ-天才の秘密
ピカソの絵画制作過程が、特殊キャンパスの裏面を通して直に画面上に描写される。  モノクロの簡素な描画(スタンダード画面)から始まり、 最後には大掛かりな油彩(シネスコサイズ)にスケールアップして 変幻自在に絵筆が展開される様が非常に圧巻であり、劇的な構成も工夫されている。  中盤では、色鮮やかなキャンパスと対比して色を落とした硬質な画面で 撮影風景が挿入されその手法の種明かしをしてくれると共に、 フィルム残量を示しながらの時間制限のサスペンス要素を取り入れたりと、 『恐怖の報酬』の監督らしい趣向が凝らされている。  最後の油彩制作過程は裏面からのリアルタイムの撮影は当然出来ない為、 表面側からコマを割っての撮影となり必然的に画家の試行錯誤の「間」は 省略されてしまっているのが残念だが、 このクライマックスの画面変化は凄まじい。  完成品の内側に込められた膨大な下書きと手直しの過程。 絵がまさに躍動する。 モーション・ピクチュア=映画である。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-03-05 17:52:51)
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