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1.  復活の日 《ネタバレ》 
 こんな時期に、こんな時期だからこそ(?)復活の日・Virusですわ。 人類が細菌兵器をうっかり漏らしてしまっての厄災・滅亡の物語で、唯一南極で生き残りがいたという話。昔見たときには、オリビア・ハッセー綺麗!とか、草刈正雄よくこの美人と何もなかったな(実生活的にね)、などと思っていた。そしても一つ、昔は「死者と話をするの、斬新な演出だな」なんて思っていた。  この映画はそんなことではなく、人の希望を描いていたんだと、この時に及んで深くそう思う。それと同時に理性的・科学的に行動する人々の凄さを描いてもいる。いくらこんな状況とはいえ、システム的に子を作るなんて、今の我々には考えもできない。まあ考えたの小松左京だけど。  物語中、何人ものぞみを失って自死していく人がいるなか、主人公は僅かな望みにかけて潜水艦に乗る。ワシントンから南極まで、普通は歩いてはいけないと思うよね(品川区から台東区まで歩いてイッパイだった自分が情けない)。でも彼は歩いた。多分愛する人に会うために。(食べ物は汚染されていなかったのね)  冷静に考えれば、草刈が歩いて南極を目指した根源とかもっと描いてほしかった気もするが、今のままで十分長い。この話はそんなに簡単に描けるもんじゃないということか・・・、
[DVD(邦画)] 7点(2020-05-05 21:11:31)
2.  故郷への長い道/スター・トレック4 《ネタバレ》 
 劇場で見た時には、捕鯨国・日本に対しての批判めいた感じを受け、ちょっと反感を覚えた記憶がある。むしろ沢山捕りすぎて絶滅に追いやったの、お前らアメリカ人だかんな、と思った。  今見ると、あからさまな日本批判は無く、昔の地球で四苦八苦して任務を遂行して帰ってくるという話が、スター・トレック的でいろいろな描写も面白い。  ただ一点。タイムワープってそんなに簡単にできちゃうの?という事だけ。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-10-08 17:51:06)(良:1票)
3.  不時着(1964) 《ネタバレ》 
 「フライト」やら「ハドソン川」やらの前にこんな名作があったとは。本作では両作と違い53人の人が事故で死んだことになっているが、飛行機事故が起こりその原因をめぐってのドラマであることは一緒だ。途中、事故を起こした機長の性格をめぐる調査の部分がちょっと長くて冗長な感じもなくもないが、クライマックスの事故の再現の展開は面白い。今ならコンピュータシミュレーションなどするところだろうが、この時代は実機で再現だ。ちょっとおっかないよな。   最後に主人公が言う「この欠陥は修正されて」というのが若干引っかかる。これ飛行機の構造的な欠陥というよりは、そんなところにコーヒーを置いた機長の人為的なミスのような気がしてならない。実際、そのシーンを最初に見たときにそのコーヒー大丈夫?と思ったのだ。そしたら案の定で、そういう意味ではがっかりな結末ではあるが、ドラマ的にはとてもゾクゾクして見れたので、よし!である。
[DVD(字幕)] 7点(2017-10-19 20:22:32)
4.  武士の献立 《ネタバレ》 
 『武士の家計簿』『天地明察』など、ここのところ刀に物を言わさない時代劇が、多く作られてしかも皆それなりに面白く、私には嬉しい。   商家の娘から武家の嫁になった料理上手な娘と、料理よりも武芸に執着している料理方の武士の、夫婦の愛情物語が主。江戸時代の料理、特に領主の公式料理方の話が従。武家の料理番というと、『鬼平犯科帳』に登場するねこ殿くらいしか見たことがない。それくらい珍しい着眼点ということなのだろう。  ホントいうと、この主と従の割合が逆に、いやそこまででなくとももうちょっと料理の側に描写を割いても良かったんじゃないかと思う。   主人公の安信の武芸への執着は、そのまま失った想い人への気持ちとなっており、それに相対する形で料理方というものが設定されており、まさしくそれが春なわけだ。  それが、最後に料理と春を選ぶ結末が、実に微笑ましく優しい感動を受ける。   少ない不満点を挙げるならば、加賀の料理、特に饗応料理の底力というか魅力というようなものを、細かに説明するくらいの時間を割いても良かったのではないか。加賀藩の安定を知らしめる、つまりは諍い事からの脱却を意味する宴を、彼らの料理がどのように支え、その料理にどのような意味付けがあったのか、なんて事を魅せて欲しかった気もした。
[DVD(邦画)] 7点(2014-07-27 19:19:49)(良:1票)
5.  フィラデルフィア・エクスペリメント(1984) 《ネタバレ》 
 Wikipediaでフィラデルフィア実験という項を読むと、実に凄いことが書いてあって、どのように甲板に体がめり込むのか興味津々で見た。  しかし、やっぱりというか残念ながらというか、その辺は詳細には描写されず、瞬間移動という部分を拡大解釈して、タイムスリップものに仕立てたられていた。  タイプスリップして未来で恋に落ち、過去に戻って後始末をして恋人に会うために戻ってくるという、(映画としては)よくある感じの話。…そういえば、おそらくこのジャンルの嚆矢である「タイムマシン」も、過去と未来の差はあれど、結局はそういう話だっけ。つまり大道ってことか。  だが、いくら何でも磁気実験で時空を行き来できるとは思えず、そう思わせてくれる説得力もなく、ありきたりなタイムスリップSFと言った感。
[DVD(字幕)] 5点(2013-10-09 21:36:11)
6.  プラチナデータ 《ネタバレ》 
 キムタクにキムタク節があるように、二宮くんにも二宮節があるように思う。殊に彼の怒鳴り芝居は「まかた感」が付きまとう。しかし、彼の場合には、そんなにイヤな感じがしないのが救いだが。まあ、それはともかく。   究極の個人情報であるDNAを国が全て取得して一括管理する、しかも権力者たちの特権を仕込んだシステムを作るなどという、ワクワクするような巨悪と戦う個人の話。こういうのはアメリカ映画の大好物な素材なのだが、日本でうまくいくのかどうか…。   無実の罪を着せられた天才技術者が、逃げながら事件の謎に近づくというのは、パターンではあるがそれなりに面白くできていると思う。  しかし、この設定を見て一番気になる、個人情報の一括管理という部分について、物語は殆ど意義あるドラマを語らない。見る者が一番感じている、このシステムの倫理的問題点に、事件の中心がない。真相に気付き修正プログラムを作った兄弟とは違い、何も知らなかった二宮が嵌められる理由も誰が嵌めたのかも語られず。   だが、それより何より、この映画で一番気に入らないのは、次の点だ。最後に彼が真犯人を撃つ部分。彼がトヨエツに銃を渡すカットでは、左手に逆手で銃を持っていた。右手に持っていたものを左手で持ち直した感を出していた。が、実際に撃つシーンでは左手に持ったままだ。どちらの手で撃つかは、どちらの人格が撃ったかを示す、重要な問題であるはずだ。  私としては、真犯人に罰を与えるのは、彼女の創り育てた人格であって欲しいし、リュウが人を撃つのはそぐわないと思うので、その時瞬時に人格が入れ替わるような、銃を持ち替えるカットが欲しかった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-09-19 02:28:20)(良:1票)
7.  フライトプラン 《ネタバレ》 
 なかなか厳しい評価を受けたようだが、私はこの犯罪ストーリーを100分の小品にまとめたのは良かったと思っている。たとえばもっと大作感を出すために、後半犯人との追っかけ合いや取っ組み合い・銃撃戦など、やろうと思えば出来たろう。あれが母でなく父で、その人がスタローンだったら間違いなく。  だけどこの作品の面白さは、謎が謎である間にあると思うのだ。種明かしは正直ショボいとは思うけど、「ええ?ひょっとして妄想?」と思う余地のある間のサスペンスが良いのだ。  だから、犯行後に子供を爆殺したり、金を引き出したりしたら、いずればれてしまうじゃないか、とかの犯行の雑さ加減がちょっと残念だ。罠の巧みさと犯行後の杜撰さがチグハグで。
[地上波(字幕)] 6点(2013-04-18 20:31:54)
8.  舟を編む 《ネタバレ》 
 最初に辞書作成の場面を見た時に「ああ、電子化してやりてぇ」と思った。そして、最終局面頃になれば、前の版との項目比較くらい、データベースでチョチョイと済むような気もした。でもやっぱり、その目で比較を見ないと安心しないのが、彼らの気質なんだという感じも判る気がするのだ。  用例採集の時に使う紙片の、小さな紙を取り扱う音、鉛筆を滑らす音、この辺の描写から、作り手の紙に対する思い入れと言うものを感じる事からも判る。完成したのは’10年という事だが、その時にもまだ紙と鉛筆で改訂版の用例を書こうとしている、彼らのこだわりにちょっと感ずるものもある。メモ専用の機器、ポメラなんてものを思い出す自分はずいぶんと軽薄な感じもするが、そういったモノの基礎となる言葉の指標を作っている、いわば先進洞抗(『海峡』参照)なんだろう、この仕事は。  そうしたものは、辞書一冊の為に紙を新開発するという描写にも表れている。ここの部分はもっと詳しく見たかったところでもある。   さて、馬締くんだが、当初は頼りない無口な青年でよろよろ歩いていたのが、そのうちに走る、喋る、大きく成長した凛とした立ち姿が頼もしい。彼の言葉への思いはかぐやさんをイラッとさせはしたが、嫌われはしなかった、むしろその誠実さが理解されたのが、嬉しい。   それに、偉大なプロジェクトと言うのは、人を虜にするらしい。馬締君は資質があったとは言え、ファッション誌から来た彼女をも辞書の人にしてしまう大いなるプロジェクト、人と人をつなぐ言葉と言うものの魅力なのだろう。だが、映画的にはその部分はちょっとわかりにくい、とうのが玉に瑕だ。  しかし、全体的には馬締め君の静かな情熱とでも呼ぶべき熱意によって、十数年にわたる大事業を成し遂げた、言葉の専門家たちの想い、生き様といったものに感動させられた。  p.s  松田龍平はもちろん、オダジョーもすごく良かった。辞書から外される前は、これがオダジョーとは思わなかったくらい、若い編集者を演じていた。小林薫は久しぶりに見たが、すっかり名優の仲間入りだな。『風の歌を聞け』の頃が懐かしい。
[映画館(邦画)] 7点(2013-04-18 00:02:08)(良:1票)
9.  富士山頂(1970) 《ネタバレ》 
 映像的には雄大で壮麗な富士山を思う存分魅せてくれて、言う事なしなのだが、物語的には、見終わった後に何か気持ちの乗らない感じがするのは、主人公の情熱の源が「業務命令」にあるからではないか?と思っている。  まあ、原作モノだし、その元も実話だしこんな事を言うのも何だが。  不可能と思われる大工事を成し遂げた工事関係者の話は、確かにすごいし、完成直後の台風に耐え抜いたのはジンとくる。だけど、「ウソでもいいから」その感動にふさわしい動機付けをして欲しい気がするのである。  当時としては、会社の指し示す方向に向けて頑張る人が、社会的にも立派な人として賞賛される社会だったのだから、仕方がないと言えば仕方がないが。   偉大な仕事の原動力が、義務感であってほしくない、という「非会社人間」の視点である。  でも、映画自体は面白かったですけどね。
[DVD(邦画)] 7点(2013-04-11 23:44:41)
10.  フライト 《ネタバレ》 
 とんでもない技術の持ち主で、人々の命を救ったことが明白なのに、とんでもないクズ野郎でたくさんの法規違反を犯していた男。さて、この人どうしたものか?という映画だと思っていた。   途中までは。   確か予告編では「英雄か犯罪者か?」的なこと言ってたし、ポスターにもそんな事が書かれていたはず。だけど、物語の主眼がだんだんと彼のアル中の話に移っていて、「罪には問われるけれど、正直に生きることに決めました!息子もそんな自分を認め始めてくれていますっ!」で終わられても、こっちはスッキリしない。  飲んでいたことを認めても、部品故障は明白な事実だし、他の誰でさえこの事故で機を着陸できた人は居ないのだから。  この大きなジレンマに対して、飲んでいたらダメ!って画一的な決めつけで終わっちゃうのが、残念だ。   結局自分は、こういう事が起こり、こういう人が現れた時の、周りの人たちのドラマを期待していたのだ。  ある意味、執拗に機長のアル中事情を描写する映画の視点が、彼がアルコールを呑んだのかどうか、しか問題にしていない調査委員会の対応と共に、その答えなのかもしてないが、そういう事じゃないんだよなあ。
[映画館(字幕)] 5点(2013-03-05 22:30:07)(良:1票)
11.  プロメテウス 《ネタバレ》 
 『2001年宇宙の旅』と同じコンセプトの様な話として、途中までとても面白そうな話だったんだけど、未確認生物が出てくるあたりでもう、ダメ。  あんな、はっきりしたエイリアンでなくたって、『アンドロメダ…』を見たらもっと慎重に行動しなきゃいけないくらいの事、分かろうものに…。少なくとも医者には。   というか、こうツッコまれた時点で、もうこの映画はダメだ。あんな連中が科学者だというのが、受け入れられない。そうなると次々とメッキがはがれてくる。例えば、50年生きた者として言うが、あと80年ほどであれだけの科学技術は得られない。旅の目的から考えて、古代語の翻訳機くらい持ってないのはヘン。地質学者は降り立ってすぐに、最低限あの山についた時点で何か調べるべきだろう。   それでも、地球人類のルーツとその創造者たちの話が、もっと面白く結末していれば、21世紀の『2001年』となったかもしれないのに…。いや、ならないか。 
[DVD(字幕)] 5点(2013-02-05 14:48:15)
12.  BRAVE HEARTS 海猿 《ネタバレ》 
 毎度々のワンパターンと見るか、寅さんのように愛すべきマンネリと見るか。私は、もうこれは、後者の見方で彼らの行く末を見てみたくなってきた。いつもいつも超人的活躍で、要救助者を全員救ってるが、いつかそのうちに「思っていてもどうにもならない時」が来たりするのだろう。そんな展開も含めて、あるいは頑なに、全員救助とかの理想論を押し通すのか?原作を読んでいない自分には、まったく不明だが。  ノーテンキなポジティブ思考のドラマが、何かバブル世代っぽい、というより、バブルの恩恵を最大限に享受したテレビ局らしい精神性とその作り方が、如何にもといった感じで原作者との諍いを起こしているようだ。良いではないか。何も無理してフジテレビで作らなくても。昔の映画は映画会社を変わって作られたシリーズもある。東宝や東映が、この映画の後を引き継いでくれないだろうか?そんなことになってでも、私は彼らのドラマの続きが見たくなってきているのだ。  投稿時に、ふと思った。「全員助かる」は、このシリーズ的にはもう、ネタバレじゃないのではないだろうか?
[DVD(邦画)] 6点(2013-02-01 03:17:46)
13.  ブラックブック 《ネタバレ》 
 ラジオ番組での、田原総一朗のオススメにより鑑賞。   ナチスとレジスタンスの闘いだから、戦争の話に決まっているが、物語の興味は、それよりも人間の暴虐についてなのでは、と思う。  基本的にユダヤ人迫害は暴虐だが、それをいい事に、財産横領のための大量謀殺。無意味な死刑を望まないドイツ将校がいる一方、終戦後にナチス軍の論理によって行われる、銃殺刑。  この辺までは、直接戦争行為の一部といってもいいが、終戦後のナチス協力者たちへの、市民による残虐。丸坊主にされた女の写真は、教科書で見たことがあるが、切られている場面を動く映像で再現されると、ちょっとショッキングだ。囚人を裸にして、汚物を浴びせる連中を見ていると、戦争が人々に与えたストレスと、その反動というのは、尋常じゃないと素直に思える。  正直言うと、レジスタンスの裏切りに関する話は、それほどの興味をそそられない。終盤、何か犯人探しみたいになったあたりで、かなり興味が萎えた。ドイツ将校と主人公の恋愛事情には、もっと興味がなかった。   悪事への制裁とは言いながら、戦争後に一般人を殺してしまった主人公が、その後尼寺にでも入るように、ギブツで暮らす結末は、何故かちょっとショック。結局は、ナチスのためにと言うよりは、富に目の眩んだ犯罪者のために家族を失った事が、彼女のその後の生き方に影響しているのだろうか?   本題とは関係ないが、ヨーロッパでも、進駐軍はイン・ザ・ムードの音楽に乗って、チョコレートばらまいていたんだな。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-29 21:46:49)(良:1票)
14.  笛吹川 《ネタバレ》 
 戦国時代、戦に翻弄された百姓一家の物語。部分的に着色された、モノクロなのにカラー、色がついているのにモノクロという不思議な映画。パートカラーって聞いたことがあるけど、それかな?必ずしも成功しているとは言いがたいが、一部では効果を上げていると思う。『野菊』や『楢山節』など見た時にも思ったが、内容的に保守的な映画を撮る割には、映像効果の追求には大胆な監督なのだと、今更ながら感心する。   ところで、この映画は反戦映画と解説されていることが多いが、私にはそう見えない。戦争は悲惨、不条理、とだけ叫んでいるわけではない。むしろ、貧しい百姓にとっては裕福になるチャンスであったりする。戦というものが一般市民と近しい関係なのだ、これが「戦国の世」というものなんだなあ、と妙なところに感心する。  今、戦国時代と武将は、大企業とその経営者に例えるような、イメージで語られる事が多いと思うのだが、そういった意味では、彼ら百姓は個人商店で、大企業に就職して出世する(か、死ぬか。)という話に見える。過剰な忠誠心や、情に流されちゃう人がいる描写もしかり。そして、個人商店は跡継ぎを失って滅びてゆき、大企業はより強いところに負け、吸収される。あれ?今も戦国の世? 
[DVD(邦画)] 6点(2012-08-04 04:27:37)
15.  武士道残酷物語 《ネタバレ》 
 戦国の世から続く飯倉家とその主君にまつわる話。宮仕えというのは、かくも辛く残酷なものか、と言いたいのかもしれない。  特に4番目の話の残虐さは、尋常ではない。『十三人の刺客』だったら、側近もろとも皆殺しになっているに違いない。ましてや、そこにいるのは錦之助なのだから、いつ殿様に斬りかかっちゃうかとドキドキしてしまった。  まあ、それはともかく、しかし今更、封建主義を批判しても仕方がない。というか、明治時代、現代の会社員の話を見ると、もはや、理不尽の元凶は殿様や、制度だけに起因するものではなくて、家臣側の心根も、そのように習性付けられてしまっているのではないか、と思えてくる。そこの所が恐ろしいといえば恐ろしい。  この映画が作られてからおよそ50年が経過して、今現在、会社組織と働く人の関係が一層おかしなことになっている。今こそ、新しい『残酷物語』が作れるのではないだろうか。今の働く人は、自ら被虐の人となってはいないだろうか? 
[DVD(邦画)] 6点(2012-05-26 07:45:43)
16.  PLANET OF THE APES/猿の惑星 《ネタバレ》 
 ラジー賞の最低リメイク賞を獲ったらしいが、ナカナカどうして面白かった。最後の結末の絶望感は、映画化一作目に匹敵する。とりあえず女性を手に入れて、現地で生き延びられる可能性のある一作目と違って、絶体絶命的状況で、猿も近代化してしまっている今作のラストは、もっと絶望的かも知れない。  本作では、宇宙船が遭難する時に、時間が進んでいるのが明確に描かれており、戻るときも時間が戻っている。にもかかわらず、ラストの展開が時間関係的に逆転しているのは、時間がループしているということなのだろうか?ちょっと判りにくい表現になったと思う。この事によって、ラストの地球が、「あの惑星」の後の姿なのかどうか、よく判らないが、もしそうだとしたら、人間と猿とを区別しないで埋葬した、その後の世界がどう進んだのか?興味深い話ではある。  猿と人間の逆転という異常な世界を生み出した原因が、テーマというか、見るものへの教訓・警鐘になっているのが、この猿の惑星という物語のキモだと思うのだが、そこのところは、あまり重きを置いて描かれてはいない印象。 
[地上波(吹替)] 6点(2012-03-07 03:50:09)
17.  プリンセス トヨトミ 《ネタバレ》 
 これ、全くトヨトミ、無関係じゃない。一応物語の中で、「王女を守れ」という「大阪国民の義務?」っぽい描写がある。しかし、この物語の最大の関心事である「何故秘密にしていて、何故大阪国に固執するか」ということには、全く関係がない。例えば、王女の身元が知れ渡っていたって全く問題ないし、国の存続を望む理由には、見事に無関係だ。「昔、大阪の豪商が明治政府と取引して、独立国の地位を密約した」という話で、どこか支障があるだろうか?  中井貴一が感動げに語る「父と子の二人だけの約束、残りの生を背負った覚悟の会話のため」なんてあまりに個人的な事で、トヨトミの話とつながっていない。そもそも大阪国の仕組みがないと、それが伝えられないのだろうか?更に、その会話の内容「王女を守れ」に、大して意味が無い様に見えるのは、国の主権者が不明だからか。王女は誰かも知られていない、一般市民だし。主権が民にあれば、大阪に固執する意味が不明だし。  逃げ落ちた秀吉の子孫、それを君主とする(←これ、大事だと思う)独立国家の要求。もしくは秘密裏に存続するハナシ。物語のあらすじから期待されるのは、そういう話ではないだろうか?  なんか、肩透かしを食ったような感じ、大通りを歩いていたら、いつの間にか本道が隣りを走っていて、袋小路にハマった感じ、そんな映画でした。 
[DVD(邦画)] 3点(2011-12-05 13:01:39)(良:1票)
18.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
何かに魂を売り渡さないと、到達できない芸術がある、というような価値観は嫌いです。 このニナという人は、完璧に踊ったのかもしれないが、同時に完璧に壊れちゃってます。たまたま鏡の破片で刺したのは、自分自身だったけど、他の人を刺していたかもしれません。そこまでしてやるべき事ではないし、ここまで人を追い込んで良い訳はありません。 昔、「未経験の人間は、経験を演じられない、というのは『演技』というものを侮っている」というような討論をしている、役者の映画を見たことがあります。その魂を感じられなくても、演技する、踊るというのが、演者でありダンサーだと思います。 ここまで役にくわれてしまって、感動するでしょ?と言われても、「ハイ」とは言えません。 
[DVD(字幕)] 4点(2011-09-17 09:05:27)(良:3票)
19.  ブタがいた教室 《ネタバレ》 
TV番宣を見て、ちょっと期待した自分が馬鹿だった。  この先生、最初のベクトルしか持っていない大馬鹿だった。  そもそも、豚を「食べるために」飼うという明らかな着地点があったのに、ブタと子供たちに情を通わせる。子供たちは一生懸命に考えて、命というものに向きあおうとしていたのに、彼らの卒業という瑣末な事情で、生き物の運命を決めさせる。挙句の果てに、食べる方法(って、食べてないじゃん結局)を人の手に委ねちゃうって、ただ殺すだけになっちゃってるじゃん。 「命と食」の教育の前に、まず「命」の教育だろう。生き物の命をありがたく食すというのは、「必要最小限」ということも含まれるべきはずであり、無益な殺生をしないというのも大事な教育だと思うが、ぴいちゃんは食べずに済む道があったにもかかわらず、殺されるという。生き物は食べられてしまう可能性があるのは否定出来ないが、食べられてしまう「為」に生まれてくるわけではないことを、この教師は小学生達に教えるべきだった。  意地悪い見方をすると、この少年たちは、後年、「生き物は人間の都合に合わせて、死んじゃうのはしょうが無いんだ」なんて育たないとも言えない。いやいや、そうは思いたくない、6年2組の生徒たちは真剣に向き合った。しかし、この先生の教育は、所詮その程度にしか思えない。  実に、後味の悪い映画だった。生徒に7点、先生に1点。間をとって4点。  
[地上波(邦画)] 4点(2011-06-17 23:17:36)(良:3票)
20.  武士の家計簿 《ネタバレ》 
江戸時代の日本人の数学力は、今日我々が想像する以上に高かったらしい。高等な数学的な問題の解を、寺社に奉納されていたりするのを、今日でも見ることがある。まあ、今回の物語は、そういう話ではないが、俵の数の話と、鶴と亀の足の本数の問題で、ちょっとだけその初級編が描かれている。 それはそうと、武士の家計簿、今までにない時代劇の切り口で、興味深かった。予告を観た時には、加賀藩の財政の話かと思って、お金持ちで有名だった藩がなぜ?と思ったが、観たら役人武士の家の話で、なるほど「武士の家計」の話だと納得。計算を正しくするということが、生き方を正しくするという事と、精神的に同じことで、あの家の家業は「正しく生きる」という事なんだと、息子への教育で感じた。藩の役人の不正を、最終的に殿様が、正しく処理したのは、救いだった。が、「正しいこと」は、時代と共に移ろってしまい、息子の時代になって、徳川に使えることが正しくないことになってしまうのが、その後の歴史を知る身の我々観客には、切ない。 
[映画館(邦画)] 6点(2011-03-28 22:46:56)
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