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onomichiさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 401
性別 男性
ホームページ http://onomichi.exblog.jp/
年齢 55歳
自己紹介 作品を観ることは個人的な体験ですが、それをレビューし、文章にすることには普遍さを求めようと思っています。但し、作品を悪し様にすることはしません。作品に対しては、その恣意性の中から多様性を汲み取るようにし、常に中立であり、素直でありたいと思っています。

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1.  ベンジャミン・バトン/数奇な人生 《ネタバレ》 
彼らは永遠を求めた。 そして、それを見つけた、、、のだろうか? 海と解け合う太陽を胸に刻んだのだろうか?  この物語はファンタジーであり、寓話である。2人の男女が同じように年を経るのではなく、男は80歳から老いを逆行し、若年化する過程で女の時間に自らの年齢を重ねていく。2人は共に40歳代という人生の中間地点で、ようやくお互いを真っ当に愛し合えるようになる。それは短いが故に密度の濃い時間の流れであった。その後、ベンジャミンとデイジーは別離という運命を受け入れる。  ベンジャミンの物語をひとつの人生として考えれば普通と変わらないのではないか、という見方があるが、デイジーという常に身近に感じる他人の人生と重ねあわせると、やはり若返りという逆向きの人生というのは特異であると言わざるを得ないだろう。それは、ベンジャミンとデイジーの年輪の重なりにこそ、恋愛によって輝いている時間が短いというある種の人生訓的な観念を想起させる。 しかし、ベンジャミンとデイジーにとって、それは現実以外の何ものでもなかった。だから彼らは40代前半で意図的に出会い、愛し合い、別れる。そして、そこに永遠を確信する。 ベンジャミンとデイジーは「終わり」を現実として認識していた。長い人生があり、お互いが愛し合える短い時間がそこにしかないということを。。。恋愛について意図的であるということは、自らの人生に対して鳥瞰的であり、「私」を超えて、第三者的であることを意味する。この映画がファンタジーでありながら、本格小説の如き重みを備えるのはその視点故だと思う。 普段、僕らは人生が限定的であることを知ってはいても、そのことを意識から遠ざけて生きている。時の流れがあり、それに身を任せることにより、永遠という時間は常に遠ざかっている。  ベンジャミンとデイジーは永遠を確信する。 永遠はその瞬間にあり、瞬間は永遠に引き延ばされるから。 
[映画館(字幕)] 9点(2009-03-18 20:54:45)(良:1票)
2.  ペイ・フォワード/可能の王国 《ネタバレ》 
心と体に傷を持ち、過去に縛られ外界に対して心を閉ざす男-ケビン・スペイシー。信じることを渇望しながら、それをアルコールによってしか満たせない女-ヘレン・ハント。そんな2人のラブストーリーとしてみれば、この映画はとても切実で素直に心を動かされる。2人のオスカー俳優のやりとりは時に微笑ましく、観る者を優しい気持ちにさせてくれる。 2人を結びつける少年はキューピッドの役回りである。黄金と鉛の矢を携えた気紛れな幼児として描かれる小天使。彼は世の中の「善きこと」をめぐる自身の満足感とその効果を秤にかけて思い悩む少年として描かれる。その中で少年は「ペイ・フォワード」という言葉/約束事を思いつく。「ペイ・フォワード」とは何か?「善きこと」を行うということは本来的に自己満足を伴い、常に自己欺瞞の罠に捕らえられるのであるが、それを「ペイ・フォワード」という約束事に置き換えることで「善きこと」を行おうという心情を常態化(システム化)させる試みである。劇中でそれは本人の意図とは全く別のベクトルで成功するが、最終的に少年は自らの「善きこと」の為に自らを犠牲にして命を落とす。まさに少年は天使となったわけである。「ペイ・フォワード」は人と人を繋ぐ約束事であると同時に、ケビン・スペイシーとヘレン・ハントを結びつけた愛情そのもの、キューピッドはアモルであり、エロスと同一視されることに思い至らせる。  しかし、約束事としての「ペイ・フォワード」は結局のところ、愛というものを単純化して目に見える行為として強制、定式化したともいえる。ある意味で子供的な発想である。 正直言って、こういった単純化や定式化に大人(青年?)の複雑さを捨てきれない僕は賛同できない。そういったものを易々と神話化してしまうのが如何にもアメリカ的だなぁと感じる。ラブストーリーとして観ればとても秀逸な作品だと思うが、そういう意味で少し不満も残った。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-06 02:10:23)
3.  ベイビー・イッツ・ユー
「クリエイター」と「グッドモーニング・バビロン」を観て以来、ヴィンセント・スパーノという役者は僕にとってちょっと気になる存在だった。そんな彼の初主演映画がこれ。残念ながら観たのがもう15年以上前なのであまりストーリーは覚えていないけど、ヴィンセントがシナトラに憧れて誰もいないキャバレーのステージで「夜のストレンジャー」を歌うシーンは印象に残っている。良家のお嬢様だった若きロザンナ・アークェットが次第にヒッピーかぶれになっていく様も印象的だ。どちらも切なく痛々しい。
7点(2004-02-21 23:56:35)
4.  ベルベット・ゴールドマイン
僕が初めて定価で買った洋楽アルバムがデビッドボウイの「ジギースターダスト」だった。あれから20年ちかく経ったが、いまだに僕の愛聴版である。5~6年前にCDを購入したらExtraとして入ってたなぁ「ベルベット・ゴールドマイン」。なんかのシングルBサイドだったんだよね。確か。デビッドボウイの世界というのは多分にビジュアル的なものがあり、当時を知らない僕らには、「ジギースターダスト」を聴くことによって、そのステージングの神秘的なイメージをよく喚起されたものである。デビッドボウイには「ダイアモンドドッグス」や「スペースオディティ」という名作もあるけど、「ジギースターダスト」というアルバムは、SF的な要素を盛り込みながら、リアルタイムの音楽ムーブの末路を予見する形で、セルフポートレイト的なロックスターの隆盛をクールに演じきった記念碑的な作品であるといえる。さて、「ベルベット・ゴールドマイン」という映画は、ビデオジャケットを観れば一目瞭然、デビットボウイそのものの再現を目的としているように感じられる。ロックスターを目指した一人の美しい青年が巨大なショービズにどのような形でまみれていったか、そこで何を得て何を捨てたのか、という幾ばくかのセルフストーリーを盛り込むことによって今の時点からみた当時のムーブのある側面を炙り出そうとしているようにも見える。しかし、この映画のボウイ的な世界は、C.ベール演じるフリークの視点から描かれるが故に類型的にならざるを得ず、僕らが「ジギースターダスト」を聴いて描くボウイの意外とクールな自己演出的なイメージが宙に浮いてしまうように感じる。実はこの映画の中にデビッドボウイそのものはいない。そこにはボウイ的な世界がとても浅はかなイメージで描かれているにすぎない。まぁある意味で「ジギースターダスト」というアルバム世界をなぞっていると言えなくもないが、映画にするならそれはとても中途半端な気がする。もう少し違った見方ができるのかもしれないが、「ジギースターダスト」というアルバムに思いいれのある僕のような人間にはこんな感想しか書けないようだ。あと、C.ベールが回顧する地点の1984年というのは<ボウイも歌ってましたね。関係ないけど>、日本では洋楽全盛時代。グラムロックへの印象はだいぶ違うものを感じました。あれはダサかったのか、それとも神格化へ昇華していたのか?!
7点(2003-12-07 14:51:57)
5.  ベティ・ブルー/愛と激情の日々
僕はこの「ベティブルー」の世界に否応なく惹きつけられる。言うまでもないが、これはゾーグの物語である。そしてこれは、「恋」と「愛」という感情と世界をめぐるリアルな物語なのである。「恋」は受難である。僕らはそれを受け入れた途端に、あの輝かしいキラキラとした、それでいて息苦しいほどに高揚した感情が単なる受難に変わるのを知っている。それは、恋という感情にとって、彼女が世界そのものだからである。それから、彼は恋の感情を追憶しているだけの自身に気がつくかどうか。気がついたら、終わりだし、気がつかなくてもそれはまた同じことなのだ。ベティは誘う女として登場し、ゾーグは彼女に恋をする。一緒に暮らし始めた頃から、彼女は、ひたすら一途な感情をゾーグにぶつけてくるようになる。時にそれは、ゾーグの理解を超えた激しさを見せ、彼を戸惑わせる。僕は、それをゾーグ自身の心の揺れそのもの、そのリアルな反映だと思っている。自らを傷つけるベティ、それもまさにゾーグ自身なのだ。この映画が奏でる優しいメロディに潜む恐ろしいほどにリアルな物語。それは、ゾーグという意識の物語でもあり、それはまた、ベティそのものでもあるのだ。
10点(2003-11-01 23:47:26)(良:1票)
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