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1.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 
史劇の最高峰に位置する伝説の作品。ローマによるユダヤ属州の圧政、かつての親友への怨讐、ガレー船による戦闘、四頭馬車競争、癩病、キリストの奇跡と内容は盛りだくさんだ。変容の物語としても読める。 ベンハーは、友人メッサラの姦計により冤罪をこうむり、ユダヤ豪族からガレー船の漕ぎ手という奴隷身分に堕とされるが、臥薪嘗胆の末、海戦中に助けた司令官の養子に迎えられてアリエス二世となり、宿願の帰郷を果たす。ベンハーは、最初はメッサラとの再会を喜び旧交を温めることを望んでいたが、密告を要求されたため断交する。奴隷になってからはメッサラへの復讐心に燃えるが、メッサラの死後は圧政の根源であるローマ帝国への反抗へと怒りの矛先が変わる。しかし、磔上のイエス・キリストの「敵を許す」という箴言に触れ、心から怒りの感情が消えるのを覚える。魂の浄化である。変容は他にもある。ベンハーはメッサラに復讐するつもり、つまり殺害する気でいたが、それが四頭立て馬車競争にすり替わる。メッサラが事故死したので復讐を果たした結果となった。物語は途中までベンハーの復讐譚だが、終幕はキリスト受難劇へと変貌する。これらの劇的な展開が感動を呼ぶ最大の要因だろう。映画では触れられていないが、二人が短気なのが災いの元だ。密告をめぐる諍い程度で絶交することはない。かつての親友でもあるし、お互いに立場上の利用価値も高いのだから。瓦落下事件のとき、メッサラはベンハーに恩を売って友情を回復させることもできたし、母妹の助命を条件に密告させる方法もあった。短慮が身を滅ぼす結果となった。気になる点がある。ベンハーが奴隷になってもエスターからもらった指輪をはめている。エスターの父親が急に登場しなくなる。メッサラが、ベンハーが自分の母妹は死んだものと思っていることを知っている。キリストに帰依してないのに母娘の癩病が瞬時に治る。尚原作では、メッサラはベンハーの財産を奪い、エスターの父親に現金の在処を尋問して下半身不随にしてしまう。馬車競争の時アラブの族長が賭けを申し出たのは、財産を奪い返す意味があった。メッサラは馬車競争事故を生き延び、ベンハーに刺客を送る執念を見せる。ベンハーと、東方三博士のバルタザールの娘との間に艶聞がある。1925年映画ではキリストは死んだ赤ん坊を蘇生させる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-30 14:55:18)
2.  ベティ・ブルー/インテグラル<完全版> 《ネタバレ》 
男と女が惹かれあって恋に落ちる。魂と魂をぶつけあうような情熱的で本能的な恋。男はそれで満足、「30歳で初めて生き始めた」。女と一緒に居られるなら、どんなことでも厭わない。女は男の全てだった。だが女は「透明な感性を持つ奇妙な花」だった。男の作家としての才能を認めると、男が作家デビューできるように全力で応援し、愛の結晶である子供を欲しがった。女は無垢な少女であり、同時に男を叱咤激励し、成長させる母親でもあった。だが両方共得られそうもないとわかると精神が崩壊し始めた。男は女に与えられるもの全てを与えた。花、ケーキ、車、広大な田舎の土地、果ては強盗までして島をプレゼントしようとした。女は「この世に存在しないものを求めていた」。女にとって、この世に理想は存在せず、「どこもかしこも血の海」だった。傷ついた魂は自傷に走り、遂には自分の目玉をくり貫いてしまう。ショック状態と薬の影響で、意識の戻らない状態となった女。男は「二人で旅に出よう」と声をかけ、安楽死させる。魂を開放し、男の側に留まらせるのだ。これで男はいつでも女と一緒だ。男は作家となるべく原稿を書き続ける。女の求めた夢の実現のために。◆映画のエッセンスの凝縮された秀作。“映画愛”が伝わってくる。恋愛映画というより監督の情熱を投影した「ノンストップ青春映画」。随所に構図、ライティング、カメラワークの妙がある。時に原色、時に透明感のある画面と使い分けている。場面と場面を結ぶカットが多彩で美しい。輝く夕日か朝日を背景に、船、電車、車、海岸、猫、犬など、動くものを配する美的感覚。とりわけ小汚い親父に、夕日を背景にサックス、それもテーマソングを奏でさせるセンスには脱帽した。炎の演出も秀逸。女の情熱を象徴させるべく、コテージは大炎上させる。ベットで愛し合う二人の背後で燃える大きな薪の鮮烈さ。チリ・ビーンズを煮るガスの青い炎。チリ・ビーンズは男の生活の象徴で、最初と最後に登場する。最初は一人で寂しく食べ、最後は見えない女と一緒に食べる。ユーモアたっぷりで、酔うとぶっ飛ぶピザ屋の主人、作家くずれの警察署長、おバカな警備員、色情狂の主婦、父親になったことに酔う警察官、オツムの足りないヤク売りと、変な人ばかり登場する。女装はやり過ぎと思ったが、病院に忍び込む伏線ともなっているので納得。「ヒトラー回想録」もギャグだが、笑えない。フリチンは不要。
[DVD(字幕)] 9点(2013-09-12 20:24:27)
3.  ペコロスの母に会いに行く 《ネタバレ》 
「認知症と介護」という重い主題を努めて明るく、諧謔的に表現した人間喜劇である。 前半はハゲを中心としたネタで笑いを誘い、後半は母みつえの若かりし頃の辛苦に満ちた人生に焦点を当て、感動へと導く。 軽過ぎず、重すぎず、喜劇と悲劇の要点を押えての匙かげんが絶妙で、均斉の取れた手堅い脚本だ。 「ペコロス」とは小玉葱のことで、ツルツル頭の陰語、原作者の自らつけた愛称だ。だからハゲネタも嫌味にならない。それどころか、息子をつなぐ重要な品目となっている。 みつえの人生に暗い影を落とすのが夫と幼馴染みのちえ子だ。夫は根は優しいが、神経症の持ち主であり、酒乱で暴力も振るう。給料を一日で浪費してしまうこともあるのだから、妻の苦労は並大抵ではなかったろう。息子雄一は、そんな父のことが大好きだったという。人情の機微が垣間見れて興味深い。みつえが認知症の兆候を見せ始めたのが夫を亡くしてからというのも有り得べきことである。 みつえは十人兄弟の長子なので、少女時代を通じて弟妹達の面倒を見なければならず、畑仕事も手伝わなければならず、学校にもろくに行けなかった。そんな彼女の心の支えが友達のちえ子だった。だが、ちえ子は口減らしの為、奉公に出ることになり、別れが訪れる。お互いに手紙を書こうねと約束するが、みつえが何度書いても返事は来なかった。 雄一には母と一緒に暗い海をずっと眺めていた記憶がある。どうやら母は入水自殺を考えていたようだ。だが不思議なことに、そこへ手紙が届いた。ちえ子からの始めての手紙で、「生きねば」と認められていた。みつえは感涙し、自殺を留まる。後日ちえ子の元を訪ねたみつえは、ちえ子が苦界に身を沈め他界したことを知る。ちえ子を救った手紙は、皮肉なことにちえ子の死後に出されたものだった。感情が堰を切ったように落涙するみつえ。二人の思い出の曲、早春譜の旋律が流れ、いやが上にも感動が高める。複数の悲劇を一つの手紙に集約する技法は脚本家の取り柄だ。 幻の死人と嬉しそうに会話するようになった母を見て、認知症も悪い事ばかりではないと思い直す雄一。 苛酷な現実に押しつぶされるのではなく、時にはそれを笑い飛ばす事が出来るのが強い人間だ。老監督による人間賛歌として受けとった。
[映画館(邦画)] 8点(2014-04-26 00:47:25)(良:1票)
4.  ベイブ 《ネタバレ》 
ブタは見かけよりバカじゃないことを世界中に知らしめた記念碑的?作品。以後ブタや猪のショーが各地でみられるようになった。 児童文学「シャーロットのおくりもの」の影響を受けていると思う。共に子豚が人間に食べられる運命と知って落胆するのを周囲が励まし、救う話だ。「豚は人間に食べられるために飼育される」という宿命は、裏返せば、生き物の命を奪わないと生きていけない人間の宿命でもある。自然界には食物連鎖、弱肉強食の厳しい掟があり、そのため食糧となる生き物には感謝しないといけないが、本作はそういった主題を正面に据えているわけではなく、あくまで子豚にとっての危機としての扱い。ベイブを見守るのは、寡黙ながら彼の牧羊豚としての才能を真っ先に見つけた農場主、疑似家族となった母犬のフライ、ベイブをライバル視し、一度は邪険に扱ったが最後には和解する犬のレックスなど。公開当初、技術の進歩により動物が本当に演技しているように見えるのが売りだった。今みても見劣りしない。ベイブが周囲の温かい応援により成長し、自から運命を切り開き、最後には立派な牧羊豚になる姿をユーモアとアクションを交えて描く。注目度の低い子豚を扱い、感動的な成長物語にまでまとめ上げた脚本が手柄だ。普通ならベイブが努力に努力を重ねて牧羊豚になるような「根性もの」にするだろうが、一風変わっている方法が採られる。人間はあくまで、動物と会話できないという設定が潔くて良い。会話が通じると甘くなってしまう。農場主を娘夫婦や孫たちと心が通わず孤独としたことで、両者の心が通う下地が出来た。それが農場主が子豚のためにダンスする場面で活きてくる。ベイブが優勝しても喜んだそぶりはみせず、ただ寄り添い、一言祝福を贈るだけ。その凛として気高い姿に作品の質の高さを見た気がします。違和感を覚える箇所が一つある。それは、羊を襲った野犬に対して、ベイブが猪突猛進して撃退する場面だ。そんな力量があるなら、訓練すれば牧羊犬と同様の追いこみ運動ができるだろうに。ベイブの特徴は、あくまで非力で、羊たちに命令したり脅したりせず、礼儀正しく接して、納得して協調行動をとってもらうことにある。従って野犬撃退の方法もそれに倣い、うまい嘘でもついて、追い払うような内容であってほしい。最後に牧場主がベイブに贈る言葉「That'll do(よくやった)」を製作者におくりたい。良質な映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-12-17 02:28:45)(良:2票)
5.  ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ 《ネタバレ》 
ローレンスは、洗練された態度と物腰で壮大な物語を創りあげ、富豪有閑婦人から巧みに大金を巻き上げる大物詐欺師。フレディは、さもしくも女性の同情を引いて小銭を巻き上げる小物詐欺師。二人は南仏のリビエラで縄張をめぐって対立し、どちらが先に目標の女性を騙すか勝負し、負けた方が去るという取り決めをする。目標になったのは歯磨き会社令嬢のジャネットだった。 二人が出会って、諸事あって、いつしか師弟関係となるが、実はそれはローレンスがフレディを追い払う作戦だった。この一連の導入部の進展が絶妙だ。二人は最初から最後まで争っていることになる。だから緊迫感が持続し、笑いも絶えない。 内容は、詐欺師同士の騙し合いで取り立てて目新しいことはないが、最後の二つの仕掛けだけは新鮮だった。 一つは、登場する女性は単純で、騙されやすいこと。これが観客を誤誘導し、実はジャネットは詐欺師だったというどんでん返しに観客があっと驚くと仕掛けになっている。もう一つは、去ったジャネットが帰ってくること。そして三人が手を組むことになる。騙されたままでは後味が悪いが、戻ってきて仲間になるのなら、鑑賞後感が爽やかだ。これがこの映画が愛される理由だろう。ローレンスの渋い演技と、フレディの大袈裟な演技との対比も見逃せない。良質の喜劇だ。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-08 21:27:42)
6.  ベオウルフ/呪われし勇者 《ネタバレ》 
原作の英雄叙事詩「ベオウルフ(B)」は、若きBが怪物グレンデルを倒す話と老いてからドラゴンを倒す話の二部構成。これを新解釈で補完し、整合をもたせた脚本は新鮮味がある。Bは怪物の右腕を引きちぎって倒すが、その母である魔女の逆襲に遭い部下を殺される。魔女を倒しに1人で向かったBは、魔女の誘惑に負け取引をしてしまう。魔女を殺したと嘘をつき、交わって魔女に息子を授け、「竜の杯」を魔女の元に置くのを条件に、財宝と永遠の強さをもらい、歴史に名を残す偉大なる王にしてもらう。魔女の言葉に嘘は無く、予言通りにBは王となり、富と名声を得、どんな侵略者も彼の王国を侵略することはできなかった。しかしこれは呪いだった。魔女の息子は成長するとドラゴンとなり、父に復讐しにやってきたのだ。「竜の杯」も戻された。Bはこのとき前王も魔女と取引をし、王の地位を得ていた事を悟った。死闘の結果Bは右腕を失う代わりにドラゴンの心臓をつぶし、相討ちとなる。Bの遺言で王の地位は親友に引き継がれたが、またしても魔女が姿を現す。 ◆どんな勇者でも悪魔の誘惑には勝てない心の弱さがある、というのがテーマ。Bも倒した海の怪物の数を水増しするなどの虚栄心を持っていました。美女や王の地位や富や名声は魅力的です、それが一度に手に入るとなると大概の人間は誘惑に負けるでしょう。魔女の呪いは隠されているのですから、誰でも良い取引と思います。怪物の右腕を奪い、自らの右腕を失う、これは呪われた運命の輪の象徴でしょう。自らの蒔いた種を刈らねばならなりません。キリスト教が魔女を否定するまで呪いの輪が続く事が示唆されます。前王は何故自殺したのでしょうか?息子を殺したことへの償い説、老いる前に英雄のままで死にたかった説、魔女の呪い説等が考えられます。2組の親子が同日に死んでいるので、息子が死んだら親も死ぬという呪いかもしれません。親子で殺し合いをし、勝っても負けても死ぬという怖ろしい呪いです。 ◆怪物の姿がゾンビで萎えました。ドラゴンと魔女の造形は合格点。Bが裸になるのは勇気を示す意味があるのでしょう。冒頭梁にネズミが走り回り、それを梟が捕まえ、夜空に飛翔して、王国を俯瞰で見せるというシーケンスに美的センスを感じました。やれば出来る監督ですから、エログロに走らないで、美を追求してもらいたいものです。王妃がいつまでも若いのは謎。
[DVD(吹替)] 7点(2011-09-21 23:04:30)
7.  兵隊やくざ 《ネタバレ》 
◆軍隊では道理が通らず、不条理が幅を利かす処。大宮はやくざ出身。体は人並み外れて頑丈、殴られても平気で、滅法喧嘩が強い。上官を上官とも思わない不遜な態度は常に事件を巻き起こす。大変な問題児だが、その行動は、彼なりの義侠心に基づき、情に厚い。軍隊という窮屈な場所が嫌いでただひたすら自由になりたいと願っている。それは徴兵されて軍隊に入った兵隊たちのあこがれの具現である。観客が彼の型破りの活躍を見てすっきりするのはそのせい。だが土台、軍隊という巨大組織に対して一人で立ち向かうのは無謀である。そこで有田という知恵者の上官の登場となる。二人でコンビを組んだことで、軍隊に立ち向えるようになった。有田の活躍は時に大宮以上。大宮も最後に思わぬ知恵を発揮する。二人の友情が見もの。「俺があいつを見捨てても、あいつは俺を見捨てない」◆もう一人の味方は女郎屋の音丸。あれこれ世話を焼いてくれる。炊事班の横流し情報もくれたし、逃走用の拳銃や服も用意してくれた。女郎の悲哀とが軍人の悲哀がリンクする。自分の意思に関係なく女郎屋に売られ、あちこち流れ、いつ果てるとも知れない命。音丸が自殺した新兵の話を聞いてさほど同情しなかったことからも、その苛酷さが分かる。同じ境遇同士、意気投合したのだ。◆野木二等兵が脱走して自殺する事件。大宮は自分が声をかけたことで自殺したと自分を責め、男気を発揮し、野木をいじめた上官に殴りこみをかける。だがそれ以前に大宮と野木の友情を描いていないので話が浮いてしまっている。◆有田はひたすら除隊を願っていたが、それが叶わないとわかり失望する。大宮は有田を助けるため脱走を持ちかける。見事な脱走劇だが、大陸で生き延びらえるが疑問である。また家族に大変な迷惑をかけるので、痛快事には感じられない。【得られた知識】①軍隊では、星の数(階級)よりメンコ(飯)の数。同期の絆は大きい。②女郎屋に将校専門がある。③明けても暮れてもビンダという内務班の殺伐とした生活ぶり。④大学出が、わざと幹部候補生の試験にすべると、ずぼらを決め込むことができる。⑤ビンタ、拳骨以外の制裁は禁止。⑥軍隊では一つ隊が違えば敵同士。砲兵と歩兵は赤の他人。⑦演習の強行軍は30キロの荷物を背負って三日間で300キロ移動。⑧脱走して自殺→演習中事故死扱い。⑨他の部隊に転属されるときはクズの兵隊を出す。⑩ヘソ酒。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-10-25 01:57:00)
8.  ペイチェック 消された記憶 《ネタバレ》 
マイケルは(M)パクリの天才技術者。新3Dディスプレイもたった2か月で完成。機密保持のため開発期間の記憶は消される。そこまでする必要があるか甚だ疑問。◆Mはオールコム(O)社との3年契約の仕事を受諾。誰でも躊躇、リスクが大きく、内容も知らない。動機は金。これでは主人公に感情移入できない。◆Mは未来を見れる装置”未来ビュー”を開発。未来では、未来ビュー発明の影響で戦争が勃発し、核戦争が勃発していた。Mはウイルスで未来ビューを機能不全に。◆Mは記憶を消されるが、それなら自分宛のメッセージを密かに送っておけばよい。例えば切手に暗号化した情報(メモやアイテムの使用方法)を付加しておくとか。恋人に頼むとか。意味不明のアイテムを自分に送っても用をなさないリスクがある。◆刑事がMの煙草を吸うのは偶然。この場面をMが未来ビューで見た筈がない。未来を知ってからアイテムを用意したのだから。煙の中で特殊眼鏡を着用するが、どうしてそれに気づくのか?記憶は無いのだ。メモの数字とロトが一致するのを知るもの偶然。外部とは接触不可なのにエジソン社の鍵を入手している。◆原作ではアイテムは7つ。未来を見て、未来から物質移動させてきたものと説明だ。会社は悪く無く、開発目的は圧制に苦しむ民衆を支援するもの。Mも機械を破壊はせず、会社の経営に参画する。◆途中までアイテムを使ったサバイバル頭脳戦だったのに、アクションになり、最後は機械を爆発させるだけという単純な結末に脱力。だったら最初から爆発するように仕掛けておきなさい。流れも悪い。命がけでO社に侵入したのに、未来ビューのウイルスを除去して自分の未来を見るなんて流暢なことするな。時間が無い。またそのような危険な場所に恋人を連れてゆくな。それに記憶がないので恋人は赤の他人としか見えないはずだが。敵子分もMを追わず自分の未来見てるし。◆未来社会のはずなのにビルや車など現代社会そのもの。「マイノリティ・リポート」に較べるとB級。◆O社の見たMの未来はこうだ。MはFBIに拘束される。それはMの提出した特許(実はO社が勝手に提出)がデッカーの技術を応用したものだったから。残った記憶を調べるめに脳内を操作され脳温上昇で死亡。一方Mの見た未来は、O社で銃で撃たれるというもの。矛盾がある。◆設定は魅力的だが、内容が薄っぺらで、人類を大惨事から救ったというカタルシスを得られない。
[DVD(吹替)] 6点(2011-02-08 02:54:38)
9.  変身(2005) 《ネタバレ》 
終わってみれば「純愛の悲劇」でした。二度ほど挿入される「ガラスが割れる赤いシーン」につられて犯罪もののミステリーと思って観てました。全体としてそこそこのレベルには達していると思いました。蒼井優の演技力が光りますね。しかし首をかしげたくなるようなことが多いのも事実です。1.移植された京極の脳が純一の脳を支配するようになっていく恐怖ですが、京極はピアニスト志望で母親思いのやさしい人物として描かれているので、どうして暴力と殺意に支配される人格に変化していくのかが疑問です。京極になっているときに鳴らすのが童謡「靴が鳴る」ですから、違和感が大です。京極=悪という図式にしないと成立しない映画でしょう。2.純一の家族がまったくでないのはどうして?犯人から少女をかばい銃で撃たれて入院している有名人です。真っ先に駆けつけるでしょう。天涯孤独であったという設定がほしかったです。マスコミも取材にくると思いますよ。3.橘女医(研究生?)を殺す必要があったでしょうか?信頼していない彼女に日記を託すのも不自然ですし、彼女が日記を教授に送っていたのがばれる場面はもっと不自然です。彼女の行方不明のニュースが流れますが、そのわりには警察が動いていないですね。教授もまったく疑っていない。真っ先に純一が調べられる筈ですが。死体をどう処理したのか?4.若生はどうやって純一の居場所を知ったのか?結局殺されちゃったんでしょうね(不明)。またなんで拳銃を持っているの。5.京極の意志で動いているのなら父親(不動産屋の社長)に復讐すればいいのに。助けた幼児を殺そうとするから視点がずれてしまうんですね。6.撃たれる場面では犯人に顔の左側を向けているのに、撃たれたのは右脳。7.京極の行動、拳銃をもち父親の不動産に押入ってお金を奪って、それを屋上からばらまいて自殺という不自然さ。母親が病死しただけでそんなに自暴自棄になるだろうか?最後に、めぐがいう「死ぬなら、わたしの前で死んでよ」は意表をついてよかったです。ここから純愛路線へ。
[DVD(邦画)] 5点(2009-03-21 19:17:26)
10.  北京原人 Who are you? 《ネタバレ》 
去りゆく北京原人とマンモスに向かって「走れ、もっと走れ。自由になれ」と佐倉が叫んで終ることから推考すれば、脚本の意図は、北京原人を野生に戻すことが良心に叶った行為であると結論づけ、生命を弄ぶ行き過ぎた科学に警鐘を鳴らすものだろう。 だがその意図は脚本の致命的な過誤により破綻しているので全く伝わらない。 原人は化石DNAより復活されたものである。それも動物の子宮や人工子宮も使わず、時間と粒子を操って短期間にカプセルの中で成育させたものだ。なので彼等は生まれたてで、当然過去の記憶はないし、野生については現代人以上に何も知らない。脚本家は原人をタイムマシンで連れて来た場合と混同しているようだ。そんな原人とマンモスを野生に放つのは愚挙以外何物でもない。 ところで原人などよりずっと重要なものがある。それはDNAから原人を短時間で成人にまで復元できる科学技術だ。これを使えば、人間や動物のクローンがいくらでもできる。世紀の大発明である。蒸気機関車が発明されて産業革命が起きたのと同様のパラダイムシフトが起こるだろう。なのにそのことについての言及が一切無い。この技術を用いる試験に何故北京原人のDNAを選んだのか疑問だ。脳内を映像化する発明も凄いものだ。 陸上競技での活躍、原人と車の追跡劇、マジックショーでの消失、復活マンモスの暴走など、随所に楽しませる事項を盛り込んでいるのは評価できる。しかし、いろんな場面で周到さが足りない。例えばセスナで北京に行く場面でも、免許、航続距離、パスポート、中国の研究所と連絡する周波数をどう知るかなど、何の説明もない。他にも、原人にシャトルのハッチは開けられないだろうとか、北京原人の骨から生まれたから中国人と主張するとか、原人を隔離しないで観光させるとか、原人を復活させてから発表をどうするか考えるとか、疑問の嵐だ。それに現代人と北京原人との恋愛はありえないだろう。まあ、そんなことは忘れてもいいが、気になることがただ一つある。原人が出した百m8秒9の驚異的世界新記録は正式に認定されるのだろうか?原人は人間かどうかの問題を含んでいて深い。と、余計なことを考えされられる迷惑な映画だ。制作費20億円かけて配給収入4.5億円と大コケ。Uu-pa! 原作者、Who are you?
[インターネット(字幕)] 3点(2014-06-10 00:57:07)
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