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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  マッドゴッド 《ネタバレ》 
『スターシップ・トゥルーパーズ』や『ロボコップ』など数々のSF映画で特殊効果を担当し、その容赦ない血みどろぐちょぐちょ映像で幾つもの伝説を残してきた、グロ映像界の巨匠フィル・ティペット。彼が約30年もの月日をかけて制作したという、悪夢のような未来社会を独創的なストップモーションアニメで描いたディストピア物語。いやー、相変わらず血みどろぐちょぐちょでしたね~、これ。手作り感あふれる小さな人形たちがただひたすら焼かれたり切り裂かれたりプチっと潰されたりと、ひたすら虐められる映像が最後まで延々と続きます。これを何十年もかけて地道に創り続けてきたフィル御大の根性が凄い(笑)。でも『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『コララインとボタンの魔女』をこよなく愛する自分としては、こーゆーシュールでグロテスクな世界観はもろ好み!手を変え品を変え最後まで徹底的にグロに拘った、この唯一無二の世界観は素晴らしいとしか言いようがない。ただ、こーゆー内容なんでストーリーはほぼあってなきが如し。自分は分かったような分からなかったようなで途中からちょっぴり退屈しちゃいました。もう少しお話の内容でも魅せてくれたらなお良かったんですけどね。とは言え、ここまで徹底的にイキ切ったグログロ映像はもはや匠の技。自分は最後まで充分堪能させていただきました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2024-03-11 09:15:06)
2.  マッシブ・タレント 《ネタバレ》 
彼の名は、ニコラス・ケイジ。かつてヒット作を連発し、大人から子供まで大人気を誇ったハリウッド・スターだ。アクション娯楽大作に立て続けに出演したかと思えば、その演技力の高さからアカデミー賞を取るなど、まさに我が世の春を謳歌していた。だが、私生活の散財癖から莫大な借金を背負うと、金を返すために低予算の駄作ばかり出演するようになり、気づけば世間から冷めた目を向けられるように。監督やプロデューサーからは足元を見られ、多くのファンも離れてゆき、妻とも離婚、年頃の一人娘からもウザがられる存在に。今や過去の栄光と酒だけが生きがいの典型的な落ち目のハリウッドスター。そんな彼にある日、少し変わった仕事のオファーが舞い込んでくる――。スペインの大富豪の誕生日パーティーに参加するだけでなんと100万ドルが貰えると言うのだ。金の為に仕方なくスペインのリゾート地へと向かうケイジ。そこで彼を待っていたのは、彼の熱狂的な大ファンだという大富豪だった。早速彼と豪華な食事や酒を楽しむケイジだったが、帰り道、CIAを名乗るスパイに拉致される。彼らによると、大富豪は陰で国際的な犯罪組織を率いる裏社会のボスらしい。家族の安全と組織に誘拐された政治家の娘を救うため、スパイとして再び大富豪の屋敷に舞い戻ったケイジは、危険を感じながらも豪邸の中を探り始める……。落ち目のハリウッドスターであるニコラス・ケイジが落ち目のハリウッドスターであるニコラス・ケイジを演じているということで今回鑑賞。いやー、ケイジさんの自虐ギャグ満載でけっこう面白かったですね、これ。全盛期の彼のヒット作『コン・エアー』やら『ザ・ロック』などのネタがてんこ盛りで、リアルタイムで観てきた自分としては思わず笑っちゃいました。特に、興行的にも役者としても一番ノリにノッていた名作『フェイス/オフ』にやたらしがみついてるケイジさんとかもうツボです。泥酔して若い頃の自分と妄想の中で会話するシーンとか実際にやってそうで怖い。この落ちぶれ具合は、もはや演技じゃなくて本人による再現VTRでしょ(笑)。ただ、大富豪の正体が分かるまでの前半部分、若干ネタがスベってたのとストーリー的にちょっともたもたしてたのが残念!もっと前半から飛ばしてほしかったかな。最後は復活したニコケイが再びスターに返り咲いて、家族とも仲直りしてジ・エンド。まぁ、「なんじゃそりゃ!!」ですけど、余りにニコケイが幸せそうで思わず拍手を贈っちゃいましたわ。全盛期も落ち目の時期もずっと見守ってきた生粋のニコラス・ケイジファン?の自分としては、とても感慨深いものを感じながら最後まで暖かく見守ることが出来ました。ありがとー、ニコラス・ケイジ。これからも身体に気を付けて、いっぱい映画に出てね!
[DVD(字幕)] 7点(2024-03-07 09:12:49)
3.  マーベラス 《ネタバレ》 
世界を股にかけて暗躍する凄腕女アサシンの戦いをダイナミックに描いたクライム・アクション。なんというかゆるーーーい映画でしたね、これ。よく分かんないまま始まってよく分かんないままお話が進んでよく分かんないまま終わっちゃいました。一番よく分からなかったのは、主人公演じるマギー・Qと悪役であるマイケル・キートンがそれまで命をかけて戦ってたのに、何故か急にエッチしちゃうところ。「俺たち、このまま殺るかそれともヤるか、どっちにする?」ってなんでやねん(笑)。冒頭であっけなく死んじゃうサミュエル・L・ジャクソンが中盤で「実はどっこい生きてました」って再登場するのもテキトー過ぎてもはや失笑レベル。なんか、シリアスでいくのかコメディによせるのか、最後までどっちつかずの中途半端な感じでいまいち面白くなかったです。
[DVD(字幕)] 4点(2023-07-01 02:19:02)
4.  マザーズ(2016) 《ネタバレ》 
子供が出来ない夫婦のために代理母となる決断をしたシングルマザーが遭遇する不条理な事態を淡々と描いたマタニティ・ホラー。監督は、自分には何がいいのかさっぱり分からなかった『ボーダー/二つの世界』のアリ・アッバシ。自分の好みとは全く正反対のその内容に、「この監督の映画はもう観ない」と決意したのですが、一作だけでそう判断するのはフェアではないと思い、最新作と思われる本作を今回鑑賞。と、思ったらこちらの方が2016年制作のデビュー作だったみたいで。とは言え、内容の方は『ボーダー~』と同じく、さっぱり面白くなかったです。終始ブレブレのカメラワークで撮られた小汚い映像、起承転結に乏しい退屈でありがちなストーリー、全く魅力を感じない根暗なキャラクターたち……と、見れば見るほど睡魔が襲い掛かってきて、最後まで観るのが苦痛で苦痛で仕方なかったです。ここまで自分の好みとは正反対の感性を持った監督も珍しい。改めて、「この監督の映画はもう観ない」と決意した次第であります、はい。
[DVD(字幕)] 3点(2023-02-13 09:07:27)
5.  マトリックス レザレクションズ 《ネタバレ》 
その革新的な映像でかつて一世を風靡したSFシリーズの約20年振りとなる続編。第1作目を観たときにその超絶カッコいいアクションにかなり衝撃を受けた自分としては、いまさら感を感じつつも今回鑑賞。まぁアカン映画でしたよね、これ。とにかくストーリーがさっぱり分からない。第1作目で何とか成立していたかなり無理やりな設定。2作目、3作目と回を重ねるたびにどんどん破綻していったそれが今回で壊滅しちゃった印象ですかね。最後まで独りよがりでとにかく強引の一言。これで肝心のアクションシーンのキレが良かったらいいんですけど、それも明らかにクオリティが下がってます。最後のカーチェイスなんて下手なゾンビ映画みたいで違和感ありまくり。キアヌ・リーヴスも体力的に仕方ないのかもしれませんがずっと手をかざしてあとはCGまかせって、さすがにちょっとアカンのちゃいまっか。ちゅうわけでかつてのファンの義務感で観ましたが、正直作らん方が良かったなぁという感想しか残りませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2022-11-18 09:07:35)(良:1票)
6.  マリグナント 狂暴な悪夢 《ネタバレ》 
彼女の名は、マディソン。何処にでもいるような平凡な専業主婦だ。だが、結婚して何年にもなる夫とは現在倦怠期の真っただ中。原因は、彼女が何度も流産を繰り返したことと、酒癖が悪い夫の暴力癖。その日も些細なことから口論となり、マディソンは激高した夫から壁に叩きつけられ後頭部を強打してしまう――。そしてその日からマディソンの日常は崩れ始める。なんとソファに寝ていた夫が、謎の侵入者によって無残な惨殺死体となって発見されたのだ。その不気味な顔をした恐ろしき殺人者は、その日を皮切りに様々な人を血祭りにあげてゆくのだった。さらに驚くべきことに、その殺人者が犯行を重ねるたびマディソンの心に白日夢となってその凄惨な殺人が再現されてしまう。果たしてこれは何なのか?原因を探る担当刑事は、事件の核心は養子だったというマディソンの失われた過去にあると突き止めるのだったが……。凶悪な殺人鬼によって文字通り悪夢の世界へと囚われてしまったある一人の女性の恐怖を描いたサスペンス・ホラー。監督は稀代のヒット・メーカー、ジェームズ・ワン。これまで数々の作品で観客を心の底から楽しませてきた彼の最新作は、そんな原点回帰とも言える血みどろ系のゴリゴリホラーでした。もちろん超期待して今回鑑賞してみたのですが、これがそんな上がりに上がりまくった僕のハードルを易々と超えてくる素晴らしいエンタメ映画でした!単純にむちゃくちゃ面白かったです、これ。冒頭から中盤まではちょっとお話の筋が掴みにくく、「シーン単体としては面白いけど、お話としてはどうなんだろ、これ」と思わせといてからの、後半の怒涛の伏線回収には完全にやられちゃいましたわ。特に、主人公の秘密が明かされる中盤のクライマックス!このシーン、かなりヤバいですね(笑)。これまで幾多のショッキングシーンを見慣れてきた僕でも思わず「ひえぇぇぇぇぇ¥#%!!」となっちゃいましたわ。このリミットの振り切り具合は素晴らしい。主人公が殺人鬼によって引きずりこまれる悪夢の世界もどれもセンス爆発で大変グッド。警察署でこの怪物が暴れまくるアクションシーンなんて終始キレッキレでご飯何杯でもいけます。うん、めっちゃくそ面白かった!9点!!
[DVD(字幕)] 9点(2022-03-21 05:01:02)
7.  マー/サイコパスの狂気の地下室 《ネタバレ》 
女手一つで自分を育ててくれた母親とともにとある地方都市へと越してきた女子高生、マギー。持ち前の明るい性格からすぐに友達もでき、転校から数日後にはクラスのイケてるグループからパーティへと誘われるまでになっていた。そんなある日、彼女は友達と飲む酒を手に入れるために町の酒屋の前で代わりに買ってくれる大人を探してたところ、とある年配の女性と知り合う。スー・アンと名乗るその黒人女性は、それどころか自宅の地下室を自由に使ってもいいと提案してくれるのだった。面倒臭い大人たちの目を避けるために、戸惑いながらもスー・アンの自宅へとやって来たマギーたち。広い地下室で自由に酒を飲み、今という時間を楽しむ彼女たちにスー・アンはこれからいつでもこの地下室を好きに使っていいとまで言ってくれるのだった。夢のようなそんな言葉を素直に受け入れ、友達も呼んで夜な夜なパーティーに浮かれるマギーたち。だが、マギーは知らなかった。彼女が、過去の辛い出来事を機に心を病んでしまったサイコパスであることを――。今どきのティーンエイジャーが、偶然知り合ったサイコパスな女によって恐怖のどん底へと叩き落とされる姿を描いたサイコ・サスペンス。実力派女優オクタヴィア・スペンサーが、そんな心を病んでしまった中年女性を演じているということで今回鑑賞してみました。率直に言って題材は良かったと思うんですよ、これ。何気に豪華な役者陣も、このありがちなストーリーに説得力を持たせることに貢献している。問題は、監督の演出力。雑と言うか稚拙と言うか、映画として面白くなりそうなポイントをことごとく外しているんです。頭空っぽな今どきティーンエイジャーの主人公たちが、最初は親切だと思っていた黒人のおばちゃんに地下室に閉じ込められて……なんて、エンタメホラーとして普通に面白くなりそうなのに、これがちっともそうならない。この監督って、これまでホラー映画というものを観たことがないんじゃないかって疑っちゃうくらいでした。物語の重要なポイントとなる、このサイコパス女性の過去を描く回想シーンの挿入の仕方も恐ろしく稚拙。彼女の足の悪い娘の存在なんて、居る意味あったのかってくらいでした。クライマックスでようやく、このサイコパスな女の暴走が始まるわけですが、これも見せ方があまりにテキトーでさっぱり怖くない。題材はシンプルで良かっただけに、もっとホラー映画を分かった監督に演出して欲しかったですね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-07-02 18:00:35)
8.  魔女がいっぱい 《ネタバレ》 
魔女は本当に存在する!そう、いたるところに――。両親を事故で亡くし、以来お婆ちゃんの元へと引き取られた8歳の少年である〝僕〟。心に深い傷を負った僕は、ずっと心を閉ざし独りぼっちで生きていた。優しいお婆ちゃんのことは大好きだけど、でもやっぱり僕はお母さんが恋しい。そんなある日、僕は町で不思議な女の人を目撃する。そう、その人はなんと身体に蛇を纏わりつかせ、邪悪な目をしながら僕にお菓子をあげるって言ったんだ。怖くなった僕は、すぐさまお婆ちゃんにそのことを話した。するとお婆ちゃんは驚きの真実を教えてくれた。「そいつはきっと魔女だよ!魔女はね、子供が大嫌いでいつだって子供を醜い動物に変えてしまおうって考えてるんだよ」――。身の危険を感じた僕は、お婆ちゃんに言われるまま、アラバマの高級ホテルへとやってきたんだ。だけど、そこには恐ろしいことに魔女たちのボス、大魔女とその大勢の仲間たちが会議を開くためにやって来ていたんだ。魔女たちは世界中の子供をネズミに変えようとしている!そのことを知った僕はもちろんすぐさま魔女たちの計画を阻止するために動き出した。でも、瞬く間に返り討ちに遭った僕は、とある無力な動物へと変えられてしまう……。『チャーリーとチョコレート工場』で有名な児童文学作家ロアルド・ダールの原作を、最新のCG技術で映像化したエンタメ・ファンタジー。監督は、エンタメ映画界の巨匠、ロバート・ゼメキス。率直な感想を述べさせてもらうと、いやー、面白かったですね~、これ。チョコレート工場同様、ちょっぴり毒を含んだこの世界観は自分には完全にツボでした。純粋無垢な子供が見たらトラウマになるんじゃないかってくらい、魔女たちの造形がかなりグロテスクで気持ち悪いのが大変グッド。大魔女を演じたアン・ハサウェイなんて、その性格の悪さが滲み出ていて?なかなかの嵌まり役でした。ロアルド・ダール常連と言ってもいい食べるの大好きおデブボーイもナイスな仕事ぶり。ネズミに変えられた主人公たちも可愛かったですし、彼らと魔女たちの戦いはどれも撮り方が凝っていて胸がワクワクしちゃいましたわ。クライマックスの魔女たちがぽんぽんネズミに変わるシーンなんて最高でしたし。そして最後の意表を突く終わり方!まさかのそのままかーい(笑)。しかも余命3年って…。いかにもロアルド・ダールらしいその毒気のあるオチに僕のテンションは爆上がりでした。うん、なかなか面白かった!8点!
[DVD(字幕)] 8点(2021-05-14 04:01:02)(良:1票)
9.  マイ・ビューティフル・デイズ 《ネタバレ》 
演劇大会へと出場するため、遠く離れた地までドライブする三人の高校生とその担当となった先生の何気ない日々を淡々と描いた青春ドラマ。まあやりたいことは分かるし、等身大の登場人物たちを優しく見つめるこのほのぼのとした世界観にも好感が持てるものの、どうしても付きまとうこの物足りない感。正直、なんてことないお話過ぎて心に残るものがいまいち感じられないんですよね、これ。もう少し、この作品ならではといった個性が欲しかったところ。ただ、高校生の一人を演じたのがまだ無名だったころのティモシー・シャラメで、彼の初々しい姿が見れたのは眼福でした。ま、そんな感じです、はい。
[DVD(字幕)] 6点(2021-02-18 02:24:37)
10.  マーウェン 《ネタバレ》 
彼の名は、マーク・ホーガンキャンプ。豊かな想像力と細部にまで拘った唯一無二の世界観によって人気を博す人形写真家だ。第二次大戦中のベルギーの小さな村マーウェンを舞台にした、魅力的な女性ヒーローたちがナチと戦う一連のシリーズは特に人気だった。近々ニューヨークで個展を開くことも決まり順風満帆に見える彼だったが、その私生活は決して順調とは言えなかった――。そう、彼は数年前にバーで男どもに因縁を付けられ、生死を彷徨うほどの酷い暴行を受けたのだ。以来、過去の記憶もなくなり、精神の安寧のためには薬も手放せなくなるほど心に深い傷を負ってしまったマーク。郊外の一軒家で誰にも心を閉ざし独りぼっちの生活を送る彼だったが、それでも想像の中にある自分だけの世界、マーウェンに居れば幸せだった。だが、残酷な世界はそんな彼の空想の中にまで侵食してきて……。実話を基に、孤独な写真家の想像上の世界と現実との葛藤を独創的な映像で描いたヒューマン・ドラマ。監督はエンタメ映画界の名匠、ロバート・ゼメキス。冒頭から緻密に再現された、主人公が創り出した人形写真の世界観にまず圧倒されます。明らかに人形の登場人物たちがいきいきと動き喋りまくるんですから、この最新技術の粋を極めたであろう映像はさすがロバート・ゼメキスといった感じですね。悪逆非道のナチスどもと戦う五人の女性たちもそれぞれ個性豊かで、彼女たちを率いるアメリカ軍大尉のいかにもプレイボーイ然としたところも大変グッド。そんな人形たちの世界をひたすら引きこもって創造し続ける主人公の偏執的な感じなど、この残酷な世界から必死に逃れようとしていることが痛いくらいに分かり、なんとも切ない。なんとなく僕は、アウトサイダー・アート界の伝説的人物、ヘンリー・ダーガーの創り出した「ヴィヴィアン・ガールズ」を思い出しちゃいました(知らない人はレッツ検索!)。ただ残念だったのは、後半の展開。物語の焦点は、酷い暴行を行った男どもの裁判に主人公が出廷し証言するのかどうかというところになるのですが、それが空想世界内におけるナチスとの闘いといまいちリンクしきれていない。それに向かいに住む女性とのラブストーリーも正直微妙だし、彼女に付き纏うDV彼氏の扱いもなんとも中途半端。このポップでありながらどこかフェティッシュな独創的な世界観は非常に魅力的だっただけに、惜しい!
[DVD(字幕)] 6点(2021-01-31 00:30:38)
11.  マ・レイニーのブラックボトム 《ネタバレ》 
1927年、その日、シカゴの小さな録音スタジオは緊張に包まれていた。何故ならブルースの母と呼ばれる気難し屋で有名な人気歌手、マ・レイニーが自らのバンドを引き連れ収録へと臨んでいたからだ。レコードとして発売されたら大ヒット間違いなし、彼女を口説き落とした白人の音楽プロデューサーは、人生を懸けて入念なリハーサルを重ねていた。だが、長年白人から虐げられた生活を余儀なくされていた彼女は最初から無理難題を要求し、スタジオは瞬く間にひりひりするような空気に包まれる。そこに野心に燃える若手トランぺッターも加わったことで、緊張は一気に頂点へと昇り詰めるのだった。果たして、彼女の最大の名曲とされる「ブラックボトム」は無事に録音できるのか?何度もテイクを重ね何枚も原版を無駄にしながらも時間だけはどんどんと過ぎてゆく……。まだ黒人が著しく虐げられていたこの時代、自らの音楽だけを魂の拠り所に生きたブルース・バンドの意地とプライドのぶつかり合いを描いたヒューマン・ドラマ。長年人種差別問題に高い関心を寄せていた俳優チャドウィック・ボーズマンの遺作となった本作、制作に名を連ねているのが名優デンゼル・ワシントンということもあり今回鑑賞してみました。偏屈で気難し屋で白人たちを目の敵にする人気ブルース歌手マ・レイニーを演じるのは、実力派のヴィオラ・デイヴィス。そんな実在した歌手をモデルにしてはいるのですが、本作はまるっきり創作だそうで。と言うか、舞台はほぼこの狭い録音スタジオの一室のみ、そこで様々な事情と思惑を抱えた登場人物たちの激しい応酬がメインとなるその内容に、「なんだか舞台劇のようだなぁ」と思ったら、実際にそうらしいですね。実力派の役者陣が織りなす、まさに魂の咆哮とも呼ぶべき密度の濃い演技合戦は見応え充分でした。特に、普段は軽佻浮薄な言動を繰り返す若手トランぺッターを演じたチャドウィック・ボーズマンが、子供のころの壮絶な思い出を語るときの鬼気迫るような表情には圧倒されました。素晴らしいとしか言いようがなく、つくづくその急逝が惜しまれます。どうやらレズビアンでもあったらしいマ・レイニーを貫禄たっぷりに演じたヴィオラ・デイヴィスも負けず劣らずの存在感。そして、肝心の彼女の楽曲「ブラックボトム」も、気怠いようなジャジーな雰囲気がなんとも耳に心地良かったです。年老いた黒人バンドメンバーが語る、「白人からしたら、俺たち黒人は残飯なんだ」という言葉が重い。うん、充実した映画体験をさせていただきました。7点!
[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-15 23:31:25)(良:1票)
12.  Mank マンク 《ネタバレ》 
映画史に燦然と輝く名作『市民ケーン』。その脚本を書いたマンクこと、ハーマン・J・マンキーウィッツの半生を実話を基に描いたという本作、監督を務めるのが今やサスペンス映画界の巨匠となったデビッド・フィンチャーで、しかも主演には名優ゲーリー・オールドマンというのだから、これは観ないわけにはいきますまい。配信が開始されたばかりのネットフリックスにてさっそく鑑賞。先に結論を述べさせてもらうと、残念ながら僕は全く嵌まれませんでした。名作と名高いオーソン・ウェルズの『市民ケーン』を自分が未見だというのもあってか、最後までさっぱりピンとこなかったです。僕がフィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』や『ゴーン・ガール』は大好きなのですが、『ソーシャル・ネットワーク』や『ゾディアック』といった実話を基にした系列の作品が個人的に苦手だというのもあるのかも知れませんね。モノクロを基調とした映像は相変わらず美しく、オールドマンの熟練の演技も大変素晴らしかったので、作品としてのクオリティは充分高いことは僕も認めるところなのですが。要は好みの問題。僕は本作の良い観客とはなれなかったようです。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-12-08 00:06:44)
13.  マリッジ・ストーリー 《ネタバレ》 
情熱的な恋の果てに結ばれたはずの夫婦が迎えた離婚の危機を、ほろ苦いユーモアを交えて描いたヒューマン・ドラマ。監督は僕とはどうにも相性のよくないノア・バームバックだったのだけど、アダム・ドライバー&スカーレット・ヨハンソンという今ノリにノッてる人気俳優が豪華共演ということで今回鑑賞してみました。先に結論を述べさせてもらうと、やはり今回も僕の好みとはどうにも合わなかったですね。確かに、全編に散りばめられたユーモアはどれもセンスがあって大変良いし、ときおり見せる機智と警句に富んだセリフにもハッとさせられるし(特に、キリスト教圏の女性は常に聖母マリアと比べられるというセリフには唸らされました)、役者陣のナチュラルな演技も素晴らしいしで、完成度はむちゃくちゃ高いのは僕も認めるところなんですけども。離婚どころか一度も結婚すらしたことのない自分としては、この離婚あるあるにいまいち嵌まれなかったのも要因の一つかな。まあでも最終的には、好みの問題。僕は本作のいい観客にはなれなかったようです。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-24 00:30:59)(良:1票)
14.  マザーレス・ブルックリン 《ネタバレ》 
1950年代、ニューヨーク。生まれつき自分の意志に反して突然大きな声をあげたり痙攣的な発作を起こしてしまうという障碍――いわゆるチック症を患う私立探偵ライオネルは、幼いころ両親に捨てられ孤児院で育った天涯孤独の身。現在彼は、そんな自分を引き取ってくれた育ての親でもある探偵事務所のボス、フランクの下で働いている。障碍を抱えながらも類稀なる記憶力を持つライオネルは、今やフランクの右腕と言ってもいい立場に立っていた。そんなある日、謎の女を巡る胡散臭い事案に首を突っ込んでいたフランクが、無残な死体となって発見されるのだった。突然のことに、深い哀しみに沈むライオネル。フランクの無念を晴らすため、彼が最後に追っていたという謎の女を求めてライオネルは捜査を開始する。浮かび上がってきたのは、ブルックリンの都市開発利権を巡る権力者たちの深い闇だった。果たしてフランクを殺したのは誰なのか?そして彼は生前何をしようとしていたのか?人並外れた記憶力のみを頼りに、ライオネルは事件の真相へと迫ってゆくのだが……。名優エドワード・ノートンが監督・脚本・主演を務めたという本作、ブルース・ウィリスやウィレム・デフォー、アレック・ボールドウィンといった渋めどころの豪華俳優陣にも惹かれて、この度鑑賞してみました。夜の街の匂いを濃厚に漂わせるこのノワールな雰囲気やジャジーで退廃的な音楽などは見応え充分。特に、チック症を患う私立探偵という難しい役どころを見事に演じ切ったエドワード・ノートンの圧倒的な演技力はさすがの貫禄でした。ただ、肝心のお話の方は正直どうなんでしょう。様々な要素を詰め込み過ぎていて、いまいち整理しきれていないような印象を僕は持ってしまいました。登場人物も多く、しかも相関関係がかなり複雑なので、最後までなんとも分かりにくいのです。原作は有名な賞に輝いたベストセラーらしいですけど、その取捨選択がいまいち巧く出来ていないような感じです。E・ノートンのこういう難役に挑んでみたいという思いが先行するあまり、脚本がおろそかになっちゃったパターンじゃないですかね。これなら脚本や監督は別のプロに頼んだ方が良かったのでは。エドワード・ノートン、昔から好きな俳優さんなだけになんとも勿体ない。
[DVD(字幕)] 5点(2020-10-05 01:00:39)
15.  万引き家族 《ネタバレ》 
都会の片隅で誰にも気にされず、ひっそりと暮らすある五人の家族。収入源のほとんどない彼らの生活の糧は、万引きだった――。幼い息子を使い、今日もスーパーで生きるための必需品を手に入れた父親は、その帰り道、団地のベランダに一人佇む幼い女の子と出会う。明らかに腹をすかし、しかも全身傷だらけ、もはや泣くことも笑うことも忘れたような彼女をほっておけなくなった父は、思わずその子を家へと連れ帰って来るのだった。僅かな年金で暮らす祖母、クリーニング店で働く母親、怪しげな風俗まがいの店でバイトする長女。彼らは何の躊躇いもなく少女を迎え入れ、次の日にはすっかり家族として暮らし始める。何故ならこの家族には、とある〝秘密〟があったから――。社会の発展から取り残され、今にも零れ落ちそうになっている社会的弱者を終始淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。監督は、過去に観た『誰も知らない』という作品で、どうにも僕とは相性が悪いと感じた是枝佑和。カンヌでパルムドールを取ったということで今回鑑賞してみたのですが、やはり僕の好みとはどうにも合わない作品でしたね。とにかくもう最後まで辛気臭すぎ!!社会の片隅で声にならない声をあげている社会的弱者の思いに耳をすまそうというこの監督のスタンスは分かるのですけど、もう少しドラマティックな見せ方を心掛けてもいいのでは。ハリウッドの商業ベースの第一線で活躍する脚本家なら、例えばこの長男の大人になった後の回想形式で物語を見せるとか、例えばこの家族の秘密を探る人物を登場させてサスペンスを盛り上げるとかするんでしょうけど、この監督はそういうのははなから目指してないんでしょうね。印象的なシーンもたくさんあったし、もはや本物の家族以上に家族だった役者陣のナチュラルな演技も大変良かったとは思うのですけど、こればっかりは好みの問題なので如何ともしがたい。以下、本当にどうでもいい余談。リリー・フランキー演じるお父さんと、良い感じで熟したお母さん役の女優とのラブシーンは妙に生々しくて大変グッドでした。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-17 01:04:36)
16.  マレフィセント2 《ネタバレ》 
もはや元ネタの「眠れる森の美女」とは何の関係もなくなってしまったディズニー名作アニメ実写化シリーズ最新作。その映像のクオリティは抜群の安定感で、妖精たちのカラフルな造形は見ているだけでワクワクしちゃいますね。まあ肝心の内容の方は恐ろしくつまんなかったですけど。だいたいオーロラ姫もマレフィセントも最後まで何がしたかったのかいまいちよく分からない。明確な目的をもって動いていたのは、新悪役のあのミシェル・ファイファー演じる女王様だけなんじゃないでしょうか。オーロラ姫をかばって死んだマレフィセントがそのすぐ後には復活し、その理由も実は不死鳥の末裔だからと言う超テキトーなものだったのには思わず失笑しちゃいましたわ。映像のクオリティとオーロラ姫を演じたエル・ファニングちゃんの可愛さに5点!
[DVD(字幕)] 5点(2020-08-31 17:31:09)(良:1票)
17.  マスターズ・オブ・ホラー(2018) 《ネタバレ》 
街の片隅に佇むその古ぼけた映画館では、夜な夜な誰も知らないような無名の作品が上映される。観客は常にたった一人。しかもどうしてこの映画館にやってきたのかすらぼんやりとして思い出せない。やがて独りぼっちの観客は驚きの真実を知ることになる。なんと映画の主人公は、自分自身だったのだ。今夜も血と恐怖にまみれた「悪夢の映画」の幕が上がる――。第一話『森の中の物体X』。広い森の中を逃げ惑う血だらけの若い女性。追ってくるのは溶接用の仮面を被り、ガスバーナーを手にした謎の男。森の中でボーイフレンドと再会した彼女は一軒の小さな山小屋の中へと逃げ込むのだが、そこで驚愕の真実を知ることに。監督はキューバの新鋭、アレハンドロ・フルゲス。ベタベタなスプラッター・ホラーと見せかけて、後半に驚異のどんでん返しを見せるアイデアはなかなかグッド。演出もキレがいいし、特にモンスター視点で画面を見せるとこは面白かった。ただ良くも悪くもチープすぎるのが難点か。6点。第二話『ミラリ』。優しい彼氏との結婚を控えた若い女性。だが、彼女には唯一の悩みの種が。顔の目立つところに大きな傷跡があるのだ。彼の両親に会う前に、彼女は言われるまま整形手術を受けることに。だが、手術室から帰ってきた彼女は自らの身体に加えられた〝改造〟に気づいてしまう。監督はハリウッドのベテラン、ジョー・ダンテ。ワンアイデアながら長年の経験が活かされた、小気味のいいショートショートに仕上がっていたんじゃないでしょうか。主人公以外の人間が皆怪しさ爆発なのがナイスですね~。ただ、肝心の改造された主人公の造形がもひとつでした。6点。第三話『マシット』。森の中に佇む古い教会。そこでは悪魔に取り憑かれた少女によって惨劇が繰り返されていた。修道女とともにそんな悪魔を撃退しようとする神父だったが。監督は唯一の日本人、北村龍平。同じ日本人として擁護したくもなりますが、どうにもこうにも出来の悪い作品でした。狙ってやってる悪ふざけ感が、どれもかなり寒いのが痛々しさマックス。4点。第四話『出口はこちら』。幼い二人の息子とともにカウンセリングへとやって来た若い母親。彼女は時間とともに周りの景色が醜く歪んでゆくという謎の幻覚に悩まされていたのだ。だが、予約していた精神科医はなかなかやってこない。そうしてる間にも周りはどんどんと汚れてゆく。監督はB級ホラーの俊英、デビッド・スレイド。全編白黒で撮られた映像がかなりセンスがあって凄く良かった!周りの景色がどんどんぐちょぐちょになってゆくのだけど、白黒と言うのがいい緩和剤になっててむしろスタイリッシュでさえありました。不穏なストーリーもぐいぐい惹き込ませる魅力が感じられて、短いながらも面白かった。7点。第五話『死』。暴漢に襲われ両親を殺された少年。自らも瀕死の重傷を負い、生死の淵を彷徨った彼は、目覚めてみると死者が見えるようになっていた。そこに両親を殺した殺人鬼が再び現れて。監督はミック・ギャリス。怖がらせ演出やお話はセオリー通りで好感が持てるものの、映像面がけっこうダサい。特に死の世界から呼びかける両親の映像は失笑レベル。5点。と、全体の平均点は5.6点なので、四捨五入してぎり6点ってとこですね。暇潰しで観る分にはまあいいんじゃないでしょうか。ちなみに、ストーリーテラーにあたる映写技師をミッキー・ロークが演じております。
[DVD(字幕)] 6点(2020-07-13 15:07:14)
18.  マッドタウン 《ネタバレ》 
地球温暖化の影響で砂漠化が進み、極度なまでに荒廃した未来社会。政府の力は限りなく弱体化し、砂漠はもはや無法地帯と化していた。そこは人間を狩ってその肉を喰らう食人集団や、麻薬に溺れる無法者どもが住まう狂気の地。犯罪者や社会不適合者と政府から判断された者は、〝バッド・バッチ〟と呼ばれ、そんな砂漠地帯へと追放されるのだった――。罪を犯し、街から追放された若い女性アーレンもまた、そんな何処までも続く荒れ果てた世界を前に途方に暮れていた。そんな彼女を、待ってましたとばかりに襲ってくる食人族集団。すぐに彼らに捕まったアーレンは、そのまま右手と右足を切断され、その日のディナーにされてしまう。残りの肉は明日のお楽しみとして、鎖で繋がれ監禁されるアーレン。「このまま、こいつらに喰われてたまるものか!」。隙を突いて何とか逃げ出した彼女はスケートボードに乗って、行く当てもなく砂塵の中を彷徨うことに。そんな彼女を救ってくれたのは、同じく砂漠で暮らす麻薬中毒者たちのコミュニティだった……。荒廃した未来社会を舞台に、片手片足を失いながらもたくましく生きる女性を描いたバイオレンス・アクション。ジェイソン・モモア(アクアマン!笑)やキアヌ・リーブスと言った新旧ハリウッド・スター共演ということで今回鑑賞してみました。まあやってることは完全に『マッド・マックス』の二番煎じなんですけど、冒頭から主人公が右手右足を鉈でぶった切られて食べられるというぶっ飛び展開に一気に惹き込まれました。食人族集団のボスを演じたジェイソン・モモアも、そのイカつい見た目とは裏腹に溺愛する一人娘の絵を描くことを唯一の楽しみにしてるというのもギャップあり過ぎで大変グッド。さらわれた娘の情報を得るために、謎の浮浪者に言われるまま、彼がそいつの絵を描くところも乾いたユーモアがあってけっこうクスリとさせられました。ただ、本作が面白かったのはここまで。そこからものの見事に失速しちゃいます。いやー、完全に出オチ映画でしたね、これ。全く中身がないうえに、さして面白くもないお話が最後までダラダラダラダラ。とにかくこの主人公がいったい何がしたいのか最後まで全く意味不明なので、全然盛り上がらないんですよ。キアヌ・リーブス演じる麻薬王の存在なんて、何のために出てきたのかさっぱり分かりません。挙句、最後はこの主人公が食人野郎と何故か良い感じになってハッピー・エンド。え、何それ?てか、あんたの右手右足をぶった切って食べたのはこいつですからーー!4点!!
[インターネット(字幕)] 4点(2020-06-25 01:18:43)
19.  マクマホン・ファイル 《ネタバレ》 
1980年代、政情不安に揺れる中南米を舞台に、巨大な陰謀に巻き込まれたアメリカ人女性ジャーナリストを巡る政治サスペンス。アン・ハサウェイやベン・アフレックと言った人気俳優が主演を務め、実力派のウィレム・デフォーやトビー・ジョーンズらが脇を固めております。監督は前作でアカデミー脚色賞にノミネートされた俊英、ディー・リース。率直な感想を述べさせてもらうと、とにかくストーリーが分かりづらい!僕の理解力の問題なのか、なんとなくは分かるもののストーリーの細かい部分がいまいちピンとこず、最後まで盛り上がりに欠けたまま、だらだらと終わってしまいました。前作で魅せた、この監督の極めて分かりやすいストーリーテリングはいったいどこへいっちゃったんでしょう?最後の衝撃のオチだけはばっちり決まってましたけど、いかんせんそこまでの流れが悪すぎます。この監督の前作がすこぶる良かっただけに残念!
[インターネット(字幕)] 5点(2020-06-11 12:41:08)
20.  マッドバウンド 哀しき友情 《ネタバレ》 
アメリカ南部の広大な田舎町で綿花農場を営む白人の地主と、彼らに仕える貧しい黒人の使用人一家。第二次世界大戦と言う激動の時代に運命を翻弄された、彼らの三世代にわたって繰り広げられる壮大な愛と憎しみの物語。たくさん登場するキャラクターたちの相関関係はかなり複雑で、しかも何年にも時代を跨って紡がれる壮大なお話なのに、監督の類稀なるストーリーテリングの巧みさによって非常に完成度の高い作品に仕上がっておりました。それぞれの登場人物の極めて個人的なモノローグを全編に散りばめ、舞台もアメリカ南部の閉鎖的な田舎町からヨーロッパの激戦地にまで大きく拡げながらも最後まで物語を破綻させることなく魅せたこの監督の手腕は特筆に値すると思います。取り上げられるテーマも、人種差別、不倫の恋、親子の確執、戦場のトラウマ、そして人種の壁を乗り越えて育まれる友情と多岐にわたり、しかもそのどれもちゃんと過不足なく描くという離れ業を見事にやってのけている。アカデミー脚色賞ノミネートも納得です。役者たちのナチュラルな演技も見応え充分で、特にこの時代に多くいたであろう抑圧された人妻を可憐に演じたキャリー・マリガンはとても魅力的でした。ただ、さすがに後半、幾分か冗長に感じられるシーンがちらほらあったのが残念。余計なシーンを何か所か削れば、もう少しスリムに出来たのでは。とはいえ、全体的な満足度はかなり高い。最後、人種の壁を乗り越えて強い友情を育んでいた息子たちが辿る悲劇には、大きく心揺さぶられました。あの公然と黒人を奴隷扱いするクソ親父に裁きが下った時、思わずカタルシスを感じてしまった自分もまた、憎しみの連鎖の中に居るのでしょうか。現代にまで連なる人種差別という問題の根深さに、改めて戦慄せざるを得ません。監督は本作が実質的なデビュー作となる俊英、ディー・リース。なのに、この新人離れした堂々たる風格。今から将来が楽しみな、新たな才能との出会いに喜びを隠せません。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-06-03 00:40:59)
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