Menu
 > レビュワー
 > hiroshikasuga さんの口コミ一覧
hiroshikasugaさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 6
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  万引き家族 《ネタバレ》 
 現代の貧困社会を描いた作品という先入観で見てきましたが、象徴的に「スイミー」が引用されているように限界な人たちのコロニーへの逃避の話でした。黒い魚がいなかったからでしょうか、彼らは現実に勝てず現実的な、終盤の警察のシーケンスに入っていきます。気のきくオヤジ(柄本明)の店が忌中だったところが映画的なサインなのでしょうか。  全体を通して演技は自然に行われ、序盤の食卓のシーンから高い品質が伺えます。各人の労働の設定も現代的で、ダメそうなオヤジが「日雇いだけど労災出るって」とぬか喜びして帰ってくるところや、クリーニング工場のパートというリアル感。また若い女が性風俗で働いているという設定も、他作ではありがちな安易にキャバ嬢にせず「見学JKリフレ」という2010年代のガチ性風俗トレンドをぶっこんでいます。  審査員が一新されたカンヌで大賞を取った要因は、信代(安藤サクラ)のシーンのほとんどがカンヌ女性審査員長の好みに適合した、これに尽きるでしょう。特にゆり(じゅり・りん)ちゃんの持ってきた服を庭でたき火して「好きだからたたくなんてのは嘘。好きだったらこうするの」と抱きしめるシーン。「このシーンでカンヌを取った」といっても差し支えないところです。ほかにも祥太にゲップ指南するところも秀逸です。4人の女性はそれぞれの年代の危機を乗り越える人でありながら、彼女たちの強さや誇りは一様に弱者に対する共感です。是枝監督のエゴの表出でもあるわけです。  お互いのことを皆まで話しているわけではないこの家族もどきたちは、例えば男関係で今日いいことがあった信代と亜紀(松岡茉優)は出来事のヒントだけで楽しく盛り上がれます。亜紀は意地の悪い女性警官(池脇千鶴)に吹き込まれ、おばあちゃんは金のために私と生活していたのかと疑うことになりますが、ときおり亜紀の体温を感じては「良いことがあったの、嫌なことがあったの」と見破る態度は彼女のことを親身に心配していることがわかります。警察は都合を優先し共感を後回しにしているのでこの作品では悪者ということになるでしょう。  しかしこの人たちがそれこそ「偽物だからこそ、選んだからこそ絆が深い」とは言えないと思います。これはあくまで友情です。ラストシーンでは、乳歯が抜け、海へ行った思い出を持ち、アホな数え歌を覚えたゆりちゃんが、あの人たちを探すようにします。きっと彼女はそれなりに成長を果たしたといえるのでしょう「洋服を買ってあげる」にきちんと拒絶の意思を示せました。2月のあの日、コロッケを3つ食べていなければ死んでいた彼女は、それまでの人生、天国にいったおばあちゃんに優しくされて育ちました。そのあとの人生の危機に訪れた家族のようなふりをしたがるあの人たちはきっと、のび太にとってのドラえもんのような存在に違いありません。
[映画館(邦画)] 9点(2018-06-09 01:10:04)(良:2票)
000.00%
100.00%
200.00%
3116.67%
400.00%
500.00%
600.00%
7116.67%
8116.67%
9233.33%
10116.67%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS