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プロフィール
コメント数 2374
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  許されざる者(1992) 《ネタバレ》 
■御存じイーストウッドのウエスタン引退作(のはず)。脚本はデヴィッド・ピープルズが無名時代に書いたものだが、内容が重すぎてどこの映画会社にも売れなかったそうです。イーストウッドが気に入って権利を獲得したが、自分がウイリアム・マニーと同年齢になるまで10年寝かせていた企画とのこと。そして盟友モーガン・フリーマンとの出会いともなったのも本作です。■ストーリーは、狙った結果ではあるけど登場人物の行動がすべてにおいてグダグダなところが、珍しい部類の映画だと思います。ウイリアム・マニー=イーストウッドの初登場シーンからして、飼っている豚を追いかけ廻して泥まみれになっているわけですから。かつての冷酷非情な殺人犯であるマニーも、亡妻の愛に触れてすっかり真人間に生まれ変わったおかげで、馬に跨るのにも苦労するし、銃の腕前もガタガタ。「こんなイーストウッド、観たことがない!」と悲鳴を上げるところですけど、彼のこの映画での狙いは“西部劇の様式を徹底的に否定する”ということなんです。保安官=ジーン・ハックマンとイングリッシュ・ボブ=リチャード・ハリスの遣り取りが象徴的なんですが、西部のガンマン伝説なんてくだらないいざこざに尾ひれがついただけのホラ話に過ぎないという事を暴露する身も蓋もなさ。賞金稼ぎを呼び寄せる娼婦暴行事件にしても、もう猟奇殺人ぐらいにまで大げさに伝わってゆくまるでフェイクニュース、まあ情報伝達手段も限られ人口密度も低い西部では実際こんな感じだったんでしょうね。■この映画のリアルなところはフリーマンやスコフィールド・キッドそしてイーストウッドにしても、人を銃で撃ち殺すという事には、たとえ過去に経験していても心理的にはかなりの抵抗があるという事、まあ普通の人間なら当たり前でしょうけど。ましてキッドに至っては初めての殺人ですからねえ、オリジナル脚本では彼はショックのあまりこの後自殺することになっていたそうです。やはり題名にもなっている“Unforgiven”は“殺人を行う者”だということなんでしょうし、フィクション上とは言っても数えきれないぐらい人を殺してきたイーストウッドの懺悔的な感慨も込められているのかもしれません。そうは言ってもフリーマンを殺されて誓いを破って酒を口にしてからのイーストウッドはもうブギーマン状態、薄暗い酒場であっという間に五人も射殺するという神業を見せる、でもあの暗くて何が起こっているか判りにくい映像は老体のイーストウッドの動きを隠すための苦肉の演出なのかもしれない。■死にゆくジーン・ハックマンが「今家を建てているのに、こんな最期になるなんて…」と嘆くところなんか見せられると、このキャラはほんとにヴィランだったんだろうかと、首を傾げたくなります(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-07-22 22:42:19)
2.  夕陽の群盗 《ネタバレ》 
名匠ロバート・ベントンの監督デビューが本作ですが、シナリオが良く練られている、やはりこの人は名脚本家です。 北部の若者バリー・ブラウンが徴兵逃れで怪しげな脱走兵ジェフ・ブリッジスとその仲間たちと合流して西部を目指すというのがストーリーで、この若造集団の描き方が実にいい味出しています。育ちの良いブラウンと素性はよくわからないけどそこそこに悪知恵が働くブリッジスの対比が絶妙なんです。ブリッジスはいちおうグループのリーダーだけど「群盗」というほどの悪事を働くわけではなく(というか悪事を実行しようとすると不手際で失敗ばかり)、原題の“BadCompany”というのがぴったりの単なる不良集団というわけです。二人の関係も心を許しあったように見えてもブリッジスに裏切られてばっかり、両者のいわゆるバディ感が淡々としながらも良い雰囲気なんです。ブラウンもそんなブリッジスとぶつかり合ううちに、目覚めたというか感化されて、生き残った二人で銀行強盗を決行するところでストップモーション、なかなか良い幕の閉じ方でした。風景も雄大な草原地帯が延々と続き、ロバート・ベントンもテレンス・マリックに負けず劣らずの草フェチなんだなと思いました。 良く考えると救いのないお話しかもしれませんが、青春西部劇の佳作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-31 21:51:11)(良:1票)
3.  ゆれる人魚 《ネタバレ》 
人魚って肉食、実は人肉が好物だったんですね、怖~。 バルト海の海岸からバンドマンに惹かれて陸に上がってきた人魚姉妹シルバーとゴールデン(金髪の姉がシルバーで黒髪の妹がゴールデンというのがややこしい)、二人がナイトクラブの人気デュオとなってゆく前半は、普通の監督なら人魚の青春ミュージカルに持ってゆくところですが、これを無理やりグロホラーに仕立てるのはこの女性監督ちょっとヘン、でも個人的にはこのセンス好きです。音楽センスも抜群で、ポリッシュ・テクノを基調としながらもポリッシュ・パンクまで聞かせていただき満足の極みです。主演の姉妹は考えてみると登場シーンの半分はヌードという頑張りようですが、二人ともボディスタイルはイマイチだったのがちょっと残念でした。金髪の姉の方がバンドマンと恋して人間になろうと臍から下のお魚パーツをぶった切って人間パーツを移植する(人間パーツを提供することになった女性はどうなっちゃんでしょうか?)ことまでするのに、他の女と結婚しちゃう男はちょっと酷すぎ。でも警告されていたのに、裏切った男の胸に抱かれて海の泡となって滅びてゆく彼女の見せた優しい表情には、ちょっと涙腺が緩んでしまいました。 中盤で監督のイメージが暴走してストーリーが収拾つかなくなったのは残念で、これがなかったらもっと高得点だったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-04-14 22:51:03)
4.  誘惑(1957) 《ネタバレ》 
かつて売れない画家だった銀座の洋品店の店主(千田是也)は、店の二階を客寄せのためにギャラリーに改装する工事を始めています。数年前に妻を亡くした彼には娘(左幸子)がいて、親の血を引いたのか彼女もオブジェを造ったりするグループに所属して芸術活動に余念がありません。恋人が所属する売れない画家グループのために彼女はギャラリーのこけら落としに彼らの展覧会を開こうと提案しますが、そこはお金が絡むことでもありことが上手く進みません。 登場人物たちの心の声をモノローグで聞かせる撮り方は、単純な手法だけどなかなか面白かったです。ふつう男女が相手を異性として見れば、なにかの感情が頭の中で湧いてくるのは動物の本能みたいなものですからね。銀座のシークエンスはセットで撮影されていますが、雰囲気はルネ・クレールなんかの戦前のフランス映画みたいな感じがします。洋品店と向かい側の喫茶店だけのセットですけど、それぞれの店の一階と二階から見える道路を挟んだ向かい側の光景が印象的に使われていました。さすが才人・中平康だけあってこの若さでフランス映画のエスプリを完璧にマスターしていたと言えます。登場人物たちが多くて群像劇みたいなところがあるストーリーですけど、その中でもヒロインといえる左幸子の個性は光っていました、この人はやはり天才女優です。そして岡本太郎や東郷青児といった有名画家が本人役で出ているのも楽しい、岡本太郎なんてまさに“岡本太郎そのもの”といった存在感でした。 でもそのフランスではヌーヴェル・ヴァーグが始まろうとしていて、同年代のトリュフォーやゴダールが頭角を現しだしていたことを考えると、ここが中平康の限界なのかなとも感じます。小津や溝口といった大家ではなく若手監督が撮った映画ですからねえ、こういうところにその後の60年代の興業面だけではない日本映画界が衰退した根っこがあるんじゃないでしょうか。ヌーヴェル・ヴァーグやニュー・シネマの様なムーヴメントがおきなかったのは、映画先進国の中では日本だけだったということは一度分析されてもいいんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-07-05 19:42:29)
5.  ゆすり(1929) 《ネタバレ》 
これがヒッチコック初のトーキー作品なんですか。あとから音入れをした(というか最初はサイレント映画として撮った)ということですが、確かに冒頭のシークエンス辺りは、これはサイレント映画なのかなといった画面展開のような感じがします。でもトーキー映画としてはまだ未熟な部分があるかもしれませんが、サイレント映画としてはこのジャンルとしては最高点に到達したといえる超絶的な技巧で、そのままトーキー移行できたのも当然という仕上がりだと思います。ストーリーテリングも完全にヒッチコック印で、単なるハッピーエンドで終わらないところも、後年の甘いロマンチックな作風のサスペンスよりシビアなところがあって興味深いです。ラストでまた出てくるちょっと不気味な道化の絵が、原罪を犯してしまったヒロインをあざ笑っているみたいです。 どうも今まで撮られたことはなかったみたいですが、現代の視点でリメイクして欲しいかなと思う次第です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-31 23:41:26)
6.  ゆきゆきて、神軍 《ネタバレ》 
“ドキュメンタリー映画の最高峰”“凄い映画体験”などの世評は聞いていましたが、観終わってからの感想は、もう嫌悪感しか残りませんでした。引き合いに出すのもヘンかもしれませんが、自分にはこの映画を観て『ありふれた事件』が思い出されて仕方ありませんでした。共通しているのはどちらの主人公もカメラの存在を意識し過ぎだということです。奥崎という人、元から過激というか粗暴な人物だったんでしょうけど、自分が主役として撮られているという自覚が過剰な演技に繋がってゆくという影響を間違いなく与えていると思います。途中から銃殺された兵隊の遺族に逃げられて、ニセ者を同席させ始めたのにはさすがに唖然としてしまいました。製作者たちは「虚実を超えた構成」などと自賛しているみたいですが、これはTVバラエティでやったら大問題になるヤラセ以外の何ものでもありません。監督が田原総一郎の弟子だったという経歴を知って、まあ納得しましたが。 この奥崎という男はとにかく自分の狂信以外は決して認めない、他人にも私生活があるなんてことはこれぽっちも理解していないという、もうまるっきりサイコパスだということは良く判りました。自分の私怨を晴らすために亡き戦友を利用しているだけとしか思えない。彼は終戦1年前に投降して捕虜になったみたいで、敗戦まで部隊に残った兵士たちより食料事情ははるかに恵まれていたわけです。本人に自覚はないかもしれませんが、彼の深層心理にはそれが深い負い目になっているのかもしれません。そんなキチ○イ男に群がってカネもうけのネタにする映画屋たちにも反吐が出そうです。 「これこそがドキュメンタリー映画の神髄なんだ」と説教されるぐらいなら、この世からドキュメンタリー映画なんて消えてしまった方がせいせいします。
[DVD(邦画)] 1点(2015-07-06 22:46:03)(良:1票)
7.  遊星からの物体X ファーストコンタクト 《ネタバレ》 
いやぁー驚きました、もうわたくしは断言しちゃいます、この映画はJC版のリメイクです。それも森田芳光がリメイクした『椿三十郎』と一緒の手法です。でもこういうのってアリなんですかね?前日譚ならふつうなんか製作者のオリジナルなアイデアや思い入れを見せるために撮るんじゃないでしょうか。唯一の工夫と呼べるのが主人公を女性にしたことだけど、これも最近はどこでもやってるし大したことはない。でもそのM・E・ウィンステッドがなかなかいい味出してました。この女優どっかで観た顔だと思ったら、『ファイナル・デッド・コースター』や『デス・プルーフ』のあの姐ちゃんだったんですね。この人ホラー映画のヒロインとしてはなかなか良い素質を持っているので、もっとこの手の映画に出るべきですね。 モンスター自体もかなりJC版を意識というか再現してますが、どうも画面が暗くて欲求不満がたまりました。まあこの映画は、ある意味あの「スプリット・フェイス」モンスターを見せたくて撮った様なものですから、こいつに関しては迫力満点でした。あの顔が、分離しかけた状態じゃなくて逆にくっついて出来たというのは、良いアイデアでこの映画で唯一のオリジナリティです。「二人羽織をしながら蜘蛛の真似をする」と言うのがこのクリエイチャーの適切な表現かもしれませんが、それにしても大した芸です(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2014-08-07 20:17:27)(良:1票)
8.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 
“ドル三部作”も二作目からはいよいよセルジオ・レオーネらしさが目立ち始めました。のっけから超ロングショットで始まるところなんかからしてもう痺れます。冗長と紙一重なレオーネ節ですが、凡百のマカロニ・ウェスタンの監督が束になっても敵わない彼独特の構想力ですよ。 メイン・テーマ「さすらいの口笛」が一緒なので『荒野の用心棒』の続編みたいな印象を持たれがちですけど、イーストウッドはどちらかと言うと影が薄くリー・ヴァン・クリーフとジャン・マリア・ボロンテとの元祖三すくみ状態を堪能すべきでしょう。 この映画のリー・ヴァン・クリーフのカッコよさは尋常なものではなく、『夕陽のガンマン』の主役はリー・ヴァン・クリーフだと私は断言しちゃいます。彼が使っている銃(バントライン・スペシャル)もカッコ良かったしね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-19 20:35:43)(良:2票)
9.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 
このお話は、小説にするにはとても高度な筆力が必要だと思います。フィクションの世界で良く言われる“信頼できない語り手”の独白でストーリーが展開されるので、当然映像にはその語り手が観たことや聞いたことだけが映されるわけです。だから観客を騙すのは映画の方が文章で表現する小説よりも容易なんだなと改めて気づかされるわけですが、これ以上言うのはネタばれになり過ぎるので止めておきます。でもホント、この映画を観て騙されなかった人はいるのか疑問です。でも鍵というかアラはありまして、ファースト・シーンの船上でのやり取り、これは余計というか映画を台無しにしかねない失敗だと思います。 しかしラスト5分のたたみ掛ける様な迫力は超一級で、あの弁護士の名前がなんでコバヤシなのかが判る場面は背筋がゾッとしましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-05 18:31:11)
10.  幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形 《ネタバレ》 
日本ホラー映画の歴史に名を残すあだ花、『血を吸う』三部作の記念すべき(?)第一作です。大映が倒産、日活もロマンポルノ専業にと邦画メジャーが息も絶え絶えだった時期の、苦し紛れの企画だったそうです。でもねぇ、『幽霊屋敷』じゃないし『血を吸う人形』なんか出てこないし、それどころか誰も『血を吸う』なんてことはやってません! 瀕死の人間に催眠術を施したら死なずにゾンビみたいになっちゃった、と言うのが大まかなプロットでE・アラン・ポーの小説がネタ元みたいです。上映時間は短いし登場人物も驚くほど少ない低予算映画ですが、ゴシック・ホラーとしての雰囲気が少しは出ているのかなと思います。冒頭に中村敦夫が登場してこの人が主人公かと思いきや、本人としても不本意だったろうと推測出来る様なフェードアウトをしてしまいます。リビング・デッドのようになって殺人を繰り返す小林夕岐子は変なコンタクト・レンズを着けただけのお手軽メイクなんですが、不気味な美しさは伝わってきました。 まあこの映画の意義としては、そこそこヒットしたおかげで『血を吸う』シリーズが誕生し、そこから岸田森という邦画を代表する(?)ヴァンパイア役者を誕生させたということになるんでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-07-11 20:34:17)
11.  ユー・キャン・カウント・オン・ミー 《ネタバレ》 
J・タチの『ぼくの伯父さん』を現代のアメリカに舞台を移した様なプロットですが、そこは『ぼくの伯父さん』がメルヘンだったのと対照的にリアルでほろ苦いストーリーに仕上がっています。まず伯父さんがタチの様な善悪を超越した善人じゃなくて、ぐうたらで衝動的な行動ばかりする男なのです。でも甥っ子にとっては彼が呼び寄せる騒動が、これから母親の庇護を離れて社会で苦労するためのちょっと早すぎるOJTなんでしょう。それにしても実の父親が少年にとった態度は、映画の中の出来事とは言え心が痛みました。 L・リニーはこれでオスカーにノミネートされただけあって、さすがの演技でした。このお姉さんが真面目で何事もキチンとして行かないと気が済まないタイプと思いきや、けっこうヒステリックだし裏では腹黒いこともするのが面白い。新任の上司のM・ブロデリックと寝て翻弄するところなんか、自分たちの身の回りにも必ずいそうなタイプの女性でリアルでした。 これまた決して善人ではない姉ですが信仰心は深く、牧師を自宅に呼んで正反対の弟に説教させたりします。妙に宗教臭いところがあるなと思ったら、製作総指揮はM・スコセッシでした(笑)。
[ビデオ(字幕)] 8点(2013-05-22 18:42:43)
12.  ゆりかごを揺らす手 《ネタバレ》 
別に怖いとは感じなかったけど、これはとことん後味が悪い映画ですね。お話のプロット立てにも私は少々疑問がありまして、まず自殺しちゃう産婦人科医。直接描写はないけれど、触診するシーンでナースを退出させるは手袋を外すはで、“彼はやっちゃいました”と観客に宣言しているわけです。ここは本当は何があったかは藪の中状態(もちろんアナベラ・シオラはやられたと思っているわけですが)という見せ方で撮った方が、不幸のどん底に突き落とされて逆恨みにいたるレベッカ・デモーネイの心情により説得力が出ます。この映画の脚本では、アナベラ・シオラを観客が感情移入できないようなキャラにしているのも上手くない。これじゃあデモーネイの逆恨みの理不尽さが深くならないし、逆にデモーネイを応援しちゃってる自分に気がついたりします。狂言まわし役のサイモンにしたってストーリーの中でもう少し使い道があったんじゃないかと思うし、だいいち彼が登場した最初のシーンでラスト・シーンが予想できたし、実際思った通りのエンディングでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-08-27 22:33:42)
13.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
“グチャグチャ変身モノ”ジャンルから一本選ぶとしたら、文句なしでこれ! 中でも“ノリス・モンスター(あの落ちた頭が蜘蛛みたいになるやつ)”の気持ちの悪さは特筆もので、これに対抗できるのは『SF/ボディ・スナッチャー』の人面犬ぐらいしかいないのでは。つくづく思うのは、ホラーというのはテクニックやサウンドじゃなくて造り手のイマジネーションが作品の出来を左右するんだということです。舞台が南極だから完璧にオトコしか画面に映らないし、そのオトコたちがむさ苦しいだけで個性がなく誰が誰やら見分けがつかないのですが、密室で展開するサスペンスの密度の濃さはハンパじゃありません。まさにカーペンターの名を不朽のものとした一本です。
[DVD(字幕)] 8点(2011-11-20 23:39:31)
14.  U・ボート 《ネタバレ》 
私のベスト・オブ・戦争映画は文句なしに『Das Boot』です。この映画ぐらい映画館で観ないと真価が判らない映画もないと言って良く、その音響効果たるや凄まじいものでした。あの爆雷攻撃を執拗に受けるシーンは、まるで自分がドラム缶の中にいて外からガンガン叩かれている様な体験で、攻撃が終息した時にはほんとぐったりしてしまいました。またジブラルタル海峡で海底から浮上するまで修理に奮闘する乗組員たちの行動がこれまたリアルで、このままダメージ・コントロールの教科書として使えそうなぐらいです。この映画に登場するのは“UボートⅦc型”と言う大戦中もっとも建造されて最高の戦果をあげたタイプですが、艦内の異様なほどの狭さは閉所恐怖症の人には観てるだけで耐えられないでしょう。また俳優たちがいかにもドイツ人って顔つきなのもリアル、その顔や服装がどんどん汗まみれ・油まみれになってゆくのがたまりません。 「潜水艦映画にハズレ無し」なんていうフレーズは、そもそも本作が世に出てから言われる様になったものですが、本作の登場で以前の潜水艦映画が一気に色あせてしまったのは事実です。『プライベート・ライアン』と並んで、映画の歴史を変えた戦争映画ですよ。
[映画館(字幕)] 10点(2011-10-24 21:29:15)(良:1票)
15.  ユナイテッド93
私の中で「つらくて最後まで観れない映画」番付で、東の横綱が『火垂るの墓』、西の横綱は『ユナイテッド93』という位置づけになっています。まさにハリウッドが創った究極のアンハッピー・エンド・ムーヴィーじゃないでしょうか。なんでこんなにつらい実話を映像化しなければいけないんだ、と八つ当たりしたくなるのですが、10年経った現在でも「9.11陰謀説」なんていうタワケタ妄想が一部にはびこっている現実を見ると、やっぱりこの映画の存在は必要なんだなと思います。面白半分に語られる陰謀論なぞ、犠牲者たちを侮辱しているんじゃないでしょうかね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-14 21:06:12)
16.  夕陽のギャングたち 《ネタバレ》 
マカロニ・ウェスタン伝統の技である俳優の超どアップもモリコーネの音楽も「もう勘弁してくれ」と言いたくなるほど暑苦しいのですが、不思議と味がある作品です。冒頭タイトルも出さずにいきなり毛沢東の引用を画面に大写しするところなど、「お前はゴダールかよ!」って突っ込みたくなるところですが、なんか製作当時の時代背景を感じさせられます。馬車から始まって教会・橋といった爆破シーンの凄まじさはさすが力が入ってますねー(さすがに列車と機関車の衝突・爆破シーンはミニチュア特撮でしたが)。寡作のレオーネの作品群の中でもちょっと毛色の変わった一本ですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-08 11:00:18)
17.  郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981) 《ネタバレ》 
三度も映画化されるとは、ジェームズ・M・ケインの原作小説はよっぽど傑作なのでしょうか、この映画を観る限りではそんな感じはしませんでしだけど。ニコルソン、ラング、コリコス、三人が揃って情念むき出しのキャラでなんかすごく暑苦しさばかりが残る芝居です。ニコルソンは終始ラングに引っ張られて悪事に手を染め、肝心のところではヘタれになる気弱で中途半端なワルだったのが印象的でした。さあこれからというときに、突然の悲劇に見舞われてただ泣くしかなかったニコルソンを観ていると、なんか胸が締め付けられる思いがしました。あっけないないラストは、遅れてきたアメリカン・ニュー・シネマという感じでした。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-24 01:07:28)
18.  夕陽に立つ保安官 《ネタバレ》 
J・ガーナーの代表作と言うと世間的にはTVシリーズ『ロックフォードの事件メモ』になっちゃうのですが、私はB・ケネディのおバカ西部劇である本作と『地平線から来た男』をぜひお勧めしたい。 飄々としたコメディ演技にかけては60年代では彼の右に出る役者はいないのではと思います。そして本作ではJ・イーラムの怪演が見ものです。あんなごつい顔で軽妙なコメディロールをこなしてしまうなんて、ハリウッド演技陣の層が厚いことを思い知らされました。 『リオ・ブラボー』や『真昼の決闘』の上手なパロディになっていますが、とにかく頭カラッポにして楽しむのがイチバンです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-19 22:14:40)
19.  U-571 《ネタバレ》 
史実ではUボートを捕獲してエニグマ解読に成功したのは英国海軍なのですが、それは別にしてもこういう特殊作戦ものはどうも米軍がやるのは自分にはイメージが合わない。またマシュー・マコノヒーは明らかにミス・キャストで感情移入出来ないし、歴史を変えることになる重大作戦の遂行とひ弱な将校の成長物語を並行させるという脚本も無理があります。そもそもそれだけのプロットを消化するには上映時間が短すぎで、Uボートを乗っ取ったと思ったらすぐに最後の駆逐艦との対決シークエンスになりあっけなく映画が終わっちゃったと感じました。普通なら、この間にもうひと山緊迫したエピソードが入るのがドラマとしては王道ではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-03-20 01:34:40)
20.  誘惑のアフロディーテ 《ネタバレ》 
こういうシチュエーションコメディ好きです(オチはちょっと強引でしたが)。子供が養子、倦怠期の夫婦で妻が事業を始めたがっている等他のアレン映画に共通する設定ですが、今作はそこを巧みに脚本に織り込んでいて楽しい仕上がりになっています。ギリシャ演劇のコロスを狂言回しに使うアイデアが楽しかったです。心優しい娼婦兼AV女優を演じるミラ・ソルヴィーノは可愛かったなあ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-20 23:36:23)
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