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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
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自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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1.  湯を沸かすほどの熱い愛 《ネタバレ》 
宮沢りえが幸薄くも愛の深い女性を好演。捨てられて捜し求めた母に、やっと会えると思ったのに拒絶される。 でも、自分は周りの人たちに愛を与え続ける。いじめで不登校になった安澄を厳しく叱りながらもそれに立ち向かう強さを教える。 真実を隠して安澄を自分の子として育てながら、耳の不自由な実母と会話ができるようにと手話を習わせておく。 浮気性の夫も、引き取った血の繋がらない子供たちも、仕事の依頼で関わった探偵も、双葉の慈愛に動かされている。 末期ガンと診断されてからの物語となると、ありきたりな感動押し売りになりがちで醒めてしまうことがよくある。 でも、この作品はそういう押し付けがましさは感じず、素直に入り込めた。エピソードの中には出来すぎだと思うものもあるけれど。 イジメに対抗して教室で制服を脱いだとしても、現実ならそれでイジメが止むどころか更にネタにされるだけのような気はする。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-07-19 19:56:21)
2.  勇気ある追跡 《ネタバレ》 
冒頭で雇い主が殺される場面で、その名前に聞き覚えあり。あれ?と思って調べてみると、以前に見たことのある「トゥルー・グリット」と同じだった。リメイク版の「トゥルー・グリット」を先に観て、このオリジナルを後から観る結果になった。 チェイニーが少女に腹を撃たれたのにかすり傷程度に元気に動いてるなど、細かいところでツッコミどころは幾つもあるが、メインのキャラクターはユニークだし、ストーリーも飽きさせない。 「トゥルー・グリット」での違いは、蛇に噛まれた少女は片腕を失っているし、ラストも四半世紀後に少女が再会を期して訪ねたときにはコグバーンは亡くなっていて、リアルでペーソスを感じるものになっている。 それ以外でも、オリジナルの少し不自然な箇所がより自然でリアルなものに改善されている。 ただ、リメイクは少女の可愛げのなさもリアルすぎて魅力を感じなかったので、その点はオリジナルのほうがまだマシだった。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-08-30 18:49:06)
3.  夕陽の群盗 《ネタバレ》 
北軍の徴兵から逃亡した良家の純朴な青年と不良少年窃盗団のリーダーのバディ物。 途中までは結構面白かったのに、結局は知り合った悪い仲間の影響ですっかり悪に染まってしまったって話。 二人仲良く銀行強盗で終わるラストに拍子抜け。 アメリカン・ニューシネマになるんだろうけど、どこか青春の傷や哀愁の余韻が残る名作にはなれなかったみたい。  ジェフ・ブリッジスは幾つもの作品で見て覚えていたけど、実質主役のバリー・ブラウンは他作品でまったく見かけないのが気になって調べてみると、ちょうどこの映画のできた1972年、20歳で結婚して2ヶ月後にすぐ離婚。そして27歳のときに自殺している。 何があったのかは知らないが、もったいない話だ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-08-22 21:19:26)
4.  ユー・ガット・メール 《ネタバレ》 
児童書を扱う小さな個人書店と、品揃えと安売りが人気の大型チェーン書店。大嫌いな商売敵が好意を寄せるメールの相手と知らずに反発し、やがて惹かれ合って――といういかにもメグライアン的王道ラブストーリー。メールの相手と待ち合わせをしたときに、男のほうだけ相手の正体を確認するけれど、女は知らないままで。 もう序盤から結末が見えるストーリーだし、ものすごい偶然でメール相手と出会い、タイミングよくお互い交際相手と別れる。都合の良すぎる話だけれど、安心して楽しめる映画ではある。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2016-02-14 22:33:03)
5.  郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981) 《ネタバレ》 
郵便配達がどこに出てくるのかと思えば、ただの比喩表現のよう。二度目の殺人計画、二度目の事件、二度目の自動車事故。二度目に決定的な運命が訪れるということか。 美人妻の男の趣味があまりにも悪すぎる。亭主は金だけ持っている老いぼれオヤジだし、乗り換えた男は見るからに悪人顔のニコルソン。男は前歴もある根っからの悪で、ギャンブルもするし浮気もする。そんな二人に共感できるものはなく、悲劇的な結末も因果応報の印象しか受けない。何度もリメイクされるほど魅力的な作品とは思えない。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-09-28 22:24:12)
6.  ユナイテッド93 《ネタバレ》 
9.11、あの時の衝撃が蘇る。 煙を上げる貿易センタービルに、もう一機が突っ込む信じがたい光景。 航空管制センター、軍などの混乱ぶりがリアルに伝わってくる。 ハイジャックの機内を描くのは、ユナイテッド93便のみ。 乗客がハイジャックに立ち向かったといわれる機だが、どこまでが真実でどこまでが脚色かはわからない。 が、ドキュメンタリー風で迫真性はあった。 なにより、現実に起こったテロの重みが釘付けにさせる。
[DVD(吹替)] 7点(2015-04-12 00:40:15)
7.  夕陽のギャングたち 《ネタバレ》 
山賊のボスとアイルランドの革命家が手を結んでの珍共闘で、かなり異色の西部劇。 銀行強盗を企むただの悪党が、メキシコ革命に巻き込まれていくのがユニーク。 相乗りした馬車でブルジョアジーに冷たい視線を浴びる農夫が、盗賊の頭の本性を現す冒頭はセリジオ・レオーネらしくて痛快。 ただ、その後が期待ほどではなく、レオーネ作品としてはちょっと物足りない。 反発していた二人に芽生える友情は好みの定番パターンだが、ロッド・タイガーとジェームズ・コバーンにはあまり乗れなかった。 コバーンの演じたのが拳銃ではなく爆薬のスペシャリストというのも、西部劇に求めるものとは違っていた。  レオーネ特有の長回しが見られるが、『ウエスタン』くらいの緊張感と渋みがあれば全く気にならないのだけれど、それが冗長に感じられる。 なので、150分超がやっぱり長くて、2時間くらいにまとめればちょうどいい感じ。 モリコーネのションションション~♪の独特のフレーズが妙に頭に残る。
[DVD(吹替)] 5点(2015-01-11 22:33:09)
8.  ユリ子のアロマ 《ネタバレ》 
汗を吸った剣道の防具の臭いは独特。 その臭いでウットリするユリ子は十分変態チックな匂いフェチ。 やりたい盛りの年下童貞男が、エロくて風変わりな女に翻弄される。 『月とチェリー』でもそうだったが、こういう役どころに江口のりこはピッタリ。 『戦争と一人の女』では役柄と合ってなくて酷い大根に感じたが、ここでは自然体。  ただ、ストーリーにはいろいろアラが見えて乗り切れない。 同級生のみほ(木嶋のりこ)を簡単に捨てたのもピンとこない。 ユリ子が徹也と最後までいかないというのも、ユリ子のディテールが描かれていないので伝わらない。 ユリ子にアロマを教えてもらう女性客は、いったい何のために登場したのか。 原紗央莉のヌードを見せたかっただけなのか、ストーリーには最後までまったく絡んでこなかった。 こういうストーリーとまったく関係ないAV出身嬢のお色気シーンを、無理やり入れるのはやめてほしい。 女優やアイドルの裸ならともかく、AV女優の裸が見たければAVを見ればいいんだから。  童貞高校生と匂いフェチのアラサー女のラブストーリーというアイデアから作られたのだろうが、ほとんど出オチの感があって、その後にハッとするような展開が一つもない。 物語の広がりや深みがないので途中から退屈してしまう。
[DVD(邦画)] 3点(2014-10-17 01:06:20)
9.  許されざる者(1992) 《ネタバレ》 
リアルな人間像が印象的な、西部劇らしくない西部劇。 立場によって許されざる者が違ってくるのは現代にも通じるところ。 それぞれが自分なりの正義にしたがって行動する。 敵役の保安官からすれば自らの残虐行為も町を守る職務を遂行するため。 保安官に蔑視される娼婦たちは、二人のカウボーイのうち暴挙を止めようとした誠意ある若者のほうまで殺害対象とする。 誰もが正しく見えそうで、誰もが間違っている感じ。 善悪がはっきり分かれた勧善懲悪ものではなくリアルな社会を切り取ったドラマになっているが、それが西部劇に求めるものかと言えばそうではないのでスッキリとはしなかった。
[DVD(吹替)] 5点(2014-04-11 20:25:58)(良:2票)
10.  夢売るふたり 《ネタバレ》 
西川美和監督の「ゆれる」がおもしろかったので期待したが、見終わった時すっきりしなかった。 自分にとって感情移入しにくい設定だったのもあって、いまいち乗れなかった。 最初は特別イケメンでもない男が都合よく結婚詐欺をポンポンと成功させるところから、シンプルなコメディかと思わせる。 ところが、どんどんブラックテイストでシリアスな展開に。 人間の心の深淵をえぐり出すのがこの監督は得意なようだ。 複雑な妻の心情が女性監督らしい細やかな描写で表される。 これがセリフ以外の描写で訴える部分が多く、あえてそうした作りにしているのだろうけど不親切なところが散見される。 説明しすぎでくどいのも嫌だが、不親切すぎるのも曖昧でモヤモヤが残る。  冒頭火事になったシーンで、夫が唯一店から持ち出したほど大事な包丁。 その包丁が夫婦の崩壊を象徴するアイテムとして効果的に終盤で登場。 子持ち女の家に持ち込まれた包丁に、妻の心がかき乱される様がセリフなしに語られる。  ラストの妻の表情は、観る人にいろいろ想像してくださいと放り投げたもの。 この映画は観る者の想像を広げるためにあえて描写を省略させているところが幾つもある。 例えば、夫婦に子どものいなかったのが気になったが、それに関する夫婦のセリフや直接的な描写はほとんどない。 全般的に細かい示唆は散りばめられているが、受け止め方によって違った解釈が可能なところも。 意図的にあれこれ省略して不親切になっているのはわかるのだが、少なくともラストを曖昧なまま終わらせてほしくない。 「ゆれる」のラストもそうだったけど、都合のいいように受け取ってくださいと逃げているようにも感じられ、このやり方は好きじゃない。
[DVD(邦画)] 5点(2014-02-05 23:46:12)
11.  夕陽のガンマン 《ネタバレ》 
マカロニウエスタンの名作で、セルジオ・レオーネ監督の演出にエンリオ・モリコーネの音楽が絶妙。思わず口笛を吹きたくなる。 二人の賞金稼ぎの劇画的強さが単純にカッコいい。そんなに簡単には相手を信用しない腹のさぐり合いもおもしろく、ベタベタしないドライな友情も好感が持てる。 インディオは恋人に浮気されて怒りで射殺したのかと思っていたが、ただの横恋慕だったよう。だったら、殺された女の兄が復讐の鬼になったのも腑に落ちる。 ただ、インディオが捕らえた二人を逃がした策略は、ストーリーを盛り上げるためにそういう展開にしたのだろうけど相当無理がある。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-28 20:57:54)(良:1票)
12.  遊星からの物体X ファーストコンタクト 《ネタバレ》 
『遊星からの物体X』は傑作だったが、それの前日談なので結末はおおよそ見当がつく。 この手の映画がネタバレしてると、面白さは半減。 それでも、誰がエイリアンかという疑心暗鬼の探りあいは見応えあり。 最後まで退屈せずに引きつけられるが、ご都合主義がかなり目につく。 怪物の触手が伸びたり、届かなかったりなど、スリリングにするために都合のいい設定が随所に。 ケイトがどうなったのかも中途半端。 前作で残った二人はいろいろと想像が広がる終わり方だけど、本作はその広がりがない。 前作が良すぎただけに、どうしても見劣りするのは仕方ないか。
[DVD(字幕)] 5点(2013-07-07 22:08:45)
13.  ゆりかごを揺らす手 《ネタバレ》 
復讐にとりつかれた女の狂気がまとわりつくような怖さで、サスペンス性はたっぷり。 こういう逆恨みが一番タチが悪くて気持ち悪い。 加害者の女は自分を襲った不幸に逆恨みでもしなければ精神が持たなかったのだろうが、反吐が出そう。 事件を起こした夫を責めるのではなく訴えた女だけを責めるのは、浮気した男を責めるより相手の女を責める思考回路に少し似ているのかも。 女の憎悪の対象になりやすいのは、男よりも女のようだ。 ペイトンがクレアとの会話で、夫を殺された報いがあることをわからないように宣言し、緊迫感を高める。  知的障碍者の黒人ソロモンが、初対面でペイトンの本性を見抜いたようなシーンがおもしろい。 世話になっている家族を守りたいソロモンとペイトンの闘いが見ごたえある。 ソロモンに性的虐待の疑いがかかるように仕掛けるペイトンの謀略が恐ろしい。 思わず頑張れソロモンと応援してしまうが、まんまと騙されて勘違いするクレアもなんだかなぁ…。 仕掛けられたワナに片っ端から面白いように引っかかってるけど、無防備だから仕方がないのか。 サプライズパーティが台無しになったときの空気はすごかった。 喘息の発作を利用するなど手段を選ばないのが憎しみの強さを表わす。  ペイトンは結局憎悪の対象であるクレアの子供には危害を加えなかったけど、その理由が自分の失った子供を投影したようだから切ない。 狙いはクレアから夫も子供もすべてを奪い取ること。 単純に片っ端から殺そうとしなかったことが、この作品がB級映画に留まらなかった所以か。 つらすぎる現実から逃避して、二人の子供の母になった気分でいるときの幸せそうな表情が印象的。 登場人物のキャラと細かい心理描写が実に巧みで、よくできた脚本のサスペンス映画。 ソロモンが解決のキーになるのは前半でわかってしまうが、出てきたときは待ってましたの心境で、ソロモンの作った柵の伏線が効いていた。 この手の映画はストレスがかかるのでどちらかというと苦手なのだが、その中では出色の出来栄えだった。
[ビデオ(吹替)] 8点(2013-06-27 22:03:07)
14.  誘拐(1997) 《ネタバレ》 
犯行動機や犯人像がなかなかわからず、公害訴訟という手がかりを得たのが1時間経ったくらい。 それまで身代金を持って走っているシーンが長すぎてだれる。 アイデアは面白く、真相には『オリエント急行殺人事件』を彷彿させる部分もある。 捕まる覚悟であの主犯のキャラなら、被害者仲間を共犯にしないために最初から単独で実行すると思うが、そこが少し矛盾しているようにも思えた。 復讐される側はされて当たり前という説得力をもって描かれているので、作り手の思惑通りに犯人を応援してしまう。 渡哲也というキャスティングが最大のカモフラージュ。
[ビデオ(邦画)] 5点(2013-06-10 00:23:36)
15.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 
ラストのどんでん返しにしびれた。 思わずもう一度見直してみたくなる。 カイザー・ソゼへの想像力が脚本のうまさでどんどん膨らんでいく。 細かく振り返ればツッコミどころもあるだろうが、サスペンス性が高く勢いもあるので作品世界にどっぷりハマってしまう。
[ビデオ(吹替)] 8点(2013-06-04 01:17:14)
16.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
ただのSFモンスターものとは違って、仲間同士で疑心暗鬼になっていく人間模様が面白い。 サスペンス要素が強く、誰が人間でなくなっているのか、これからどうなっていくのかと先の見えない展開に目が離せない。 南極基地という隔絶された逃げ場のない空間での戦いに、追い詰められた人間の恐怖がひしひしと迫ってくる。 CGではない特撮も味があっていい。 最後まで生き残った二人が互いを疑いの目で探りあう様子がリアル。 余韻を残した終わり方で、想像力をかき立てられる。  冷静に振り返ってみれば、ブレアがヘリの部品を誰にも見つからずに盗んで宇宙船を組み立てる時間なんてあったのか、いつエイリアンに同化したのかも含めて疑問を感じるが、そうした疑問点を脇に押しやってしまうだけの迫力と勢いはあった。 このジャンルの映画としては、他とは一線を画する出色の秀作。
[DVD(字幕)] 8点(2013-02-11 00:09:16)
17.  友情 Friendship
元は感動的な実話だけれど、映画はちょっと退屈で感動もできなかった。
[ビデオ(邦画)] 3点(2013-01-12 22:56:41)
18.  U・ボート ディレクターズ・カット版 《ネタバレ》 
ドイツ映画なので知っている俳優がいなくて、しかもヒゲをたくわえているので、誰が誰だか見分けるのに一苦労。終始地味で重いトーンで、ハリウッド的な派手な戦闘アクションはあまりない。 いつ撃沈されるかわからない恐怖のもと、男ばかりで娯楽もなく、シラミが繁殖する狭い空間で過ごす。これは刑務所よりもずっときつそうで、閉塞感で息苦しくなる。こういうところでは死にたくないし、閉所恐怖症じゃなくても恐怖感が一層増す。終盤、厭戦気分を隠さない若い兵士たちが人間臭い。 海底に沈んだ潜水艦での復旧作業。乗組員の絶望感と疲弊感がひしひしと伝わってくる。ようやく復旧して死に一生を得てドッグに帰還したのに、空襲に遭ってのあっけない結末。艦長の最期を見届けた報道班のヴェルナー少尉の胸中はいかばかりだったか。戦争とはこういうものだというのを教えてくれる。  再鑑賞。内容をかなり忘れていたが、やっぱりこの長さを感じさせないほどの力作。
[DVD(吹替)] 7点(2013-01-11 19:52:23)
19.  ゆれる 《ネタバレ》 
対照的な性格の兄弟間で交わる感情が、一つの事件を通して見事に描かれている。 深層心理にまで関わる心理劇のようで、複雑な人間の心の深淵を覗き見る思い。 兄弟ともに、抑圧された心理がチラっと顔をのぞかせる瞬間が見逃せない。 それが事件の真相への手がかりとなるサスペンスとなっている。  「智恵ちゃん、結構しつこいだろ……酒飲みだすと」 関係を持ったことがバレたかと思った弟は、酒のことかとホッとする。 兄に鎌を掛けられたと知ったのは、後の裁判中でのこと。 兄と弟の心の揺れを浮かびあがらせるような描き方がうまい。 兄弟役の演技も共に良かったが、特に香川照之が素晴らしい。  本作では、何が真実なのか明確には描かれていない。 『羅生門』のように人の主観によって真実が複数存在するようにも見える。 人間の心理を完全に解き明かすのは難しい。 一定のものではないし、本人でさえ気づかない要素もある。 証言に影響を与えた弟の深層心理も、本人は気づいていなかったのだろう。 ラスト、兄は弟の呼びかけに応じてバスに乗らなかったのか、それとも乗って去っていったのか。 これは、兄の心理を解き明かす上で、180度変わってくるところだ。 その解釈は観客に委ねられているが、これは作り手としてズルイと思う。  個人的な見解をいえば、兄はバスに乗って去ると思った。 後で原作も読んだが、小説のラストも明確な描写はないものの、その印象を強くした。 バスに乗らなければ、予定調和的なラストになって作品自体の評価が下がりそう。 あの状況で弟を受け入れるなんて、そんな簡単なものじゃないし、弟に都合がよすぎる。 でも、その結末が描かれていないと、評価のしようがない。 結末を描いてしまえば、バスに乗ってほしい観客とそうでない観客のどちらかが失望する。 都合のいいように受け取ってくださいというのは、ある意味無責任で、都合よく逃げているとも言える。 面白い映画だっただけに、その点が残念でマイナスポイント。
[映画館(邦画)] 7点(2012-12-28 23:54:08)(良:1票)
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