1. ラストサマー
《ネタバレ》 90年代後半という時代は、マーケティングの時代だった。地球上の誰もがマーケティングという言葉に踊らされて、自分自身いったいなにを踊っているのかよく分からないのに、「いや待て待て落ち着け。落ち着いたらもう一度踊ろう」そんな世界観で色々世の中が動いていたように思う。 80年代であれば考えずに死ぬまで踊り続ける所だが、少しだけ思慮深くなった90年代である。一休みして、分析。そしてその分析が一意で自分勝手で商業的なのだった。 この映画を見た瞬間、もうマーケティングとテンプレートの賜物で、つぎはぎの神様がいらっしゃったらさぞ祝福したもうたんだろうなきっと、と妙に深く感心したりして。 1 何か知らんが学生の男女 2 催しで騒いで事件 3 秘密を共有 4 脅される これがジュベナイルのサスペンス的な鉄則だとして、 1 行かなきゃ良いのに行く 2 同情できない主人公 3 セックスアピールの強い犠牲者 4 無関係な犠牲者 5 殺しても殺せない殺人鬼 この辺がスプラッターのセオリー。 これに事故の実態と作者なりのどんでん返しをくっつけて、更に主要人物を6人に絞り内二人を殺したり人違いにしたりしてリタイアさせて話を分かりやすくしている。更にやな嫌なヤツ度の高い順に殺して、現実的な職に就職した人は描写しないという気配りまで散りばめている。この辺に創作性を主張しようとする90年代マーケッターの矜持を見た。良い仕事をしている。 しかし本編が全然面白くないのに、面白く見させるという事に成功してるんだからこれでも良いんじゃないかとちょっと思ってしまうのである。 [DVD(吹替)] 4点(2012-11-01 03:12:25)(良:2票) |
2. ライオン・キング(1994)
《ネタバレ》 よくできてる。閉じた世界に人間や社会が出てこないのに、擬人化された動物の世界が完結しているという作りはやっぱディズニーだなって思う。アニメのモーションはキャラクター単体での動きがヌルヌルでここもさすが。日本のアニメみたいに口だけしか動かない紙芝居ではないところに感激する。動くんだもん。 でも背景がグルッと動くとかパース職人ゴリゴリの風景とかそういうのは一切無く、小品っていう感じだったか。もっとも対象年齢的にそれを避けてる節もある。さらに吹き替えで歌の雰囲気が再現されているのがスゲー。小さい子なら大喜びだろう、ちょっと感動した。 であるが、やっぱり自分の子供がいない人間が一人で見て楽しいか?と言われるとそういう映画じゃないだろうなと思う。やっぱ。子供がいて、その子が夢中で見ているのをそっと眺める。そういう映画だと思う。そういう優しさにあふれてる。 そして、そういう優しさに与れない自分はこの映画からはのけ者かもね。アハハ。 [地上波(吹替)] 7点(2012-04-07 17:15:34) |
3. ラン・ローラ・ラン
《ネタバレ》 ちょっと面白かった。 雰囲気とか見せ方もわりかしかっこいいし、良作ではないかと。 話がちょっとちみっちゃい感じがするのが残念なところだけど、選択ごとに状況がかわるパターンを3つっていうのは面白かったなぁ。 最初のがホントで残りがifっていう解釈があることにちょっと新鮮みを感じた。昔のフランス映画みたいな哲学同人みたいな嘘くささとは違うアニメ的なウソクササがすき。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-30 02:56:01) |
4. ライジング・サン(1993)
《ネタバレ》 かなり面白くない上にコケていて、誰かに話したくなる典型的な映画だろう。 ストーリーもトンチンカンだが、俳優全員が大根役者になるこの見せ方にはある種の新鮮みを感じたりした。スゴいよこの出来損ないな雰囲気は。みたなら絶対誰かに言いたくなる。中身が空っぽで、ほぼ物まねやふしぎな日本語で盛り上がるだろう、ストーリーで会話は弾まないはずだ、間違いなく。 しかしこの日本語だが、明らかに英語のままで良かったんじゃないの?と思う。ハリウッドの英語以外が出てくる映画全般にいえることだが、何で部分的に英語以外にするんだろうと思う。敬虔なキリスト教徒が監督で、言語も再現することがだいじみたいな動機があるんならいいけど、これなんか雰囲気作りですよね100パーセント。台詞が変だと表現しきれないだけだと思う。 とはいえ、そういうこと以前に笑ってしまうほどおっちょこちょいな映画だから、よく考えずにオコッタジョとか言って楽しんだら良い。そんな感じだ。 [ビデオ(字幕)] 3点(2010-03-23 17:44:40)(良:1票) |
5. ラスト・アクション・ヒーロー
《ネタバレ》 これ大好きです(笑) 質の悪いハリウッドB級ジョークの固まりというか、それもふくめて大好き。 理由もないのに爆発するし、素手でいろんな物壊すし。 話の筋が結構切ないのに、無理矢理刑事物のお涙ちょうだいストーリーに進んでいく映画世界も切ないのに笑える。 チケットで行ったり来たりって言うのもワクワクするし、仲間内で「オイ!手が痛いぞ!!」とか未だに時々言ってますし。 凄くしんみりしているシーンで、少年がそんなことは良いから早く行こうよ的な台詞を吐くのとか大好きなんですよ。 これ以外の刑事物を見たときに凄く面白いんですよね、ダニーがつっこんでいたとおりに真面目に話が 進んでいったりしますし。服の汚れとか平気で減ってったりしますし。 子供の時に初めてみられて良かったなぁ。 字幕だとめんどくさい上にかなり魅力がスポイルされるので、吹き替え(お勧め)か原語でみるといいですよ。 [DVD(吹替)] 8点(2009-01-24 18:00:13) |