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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1888
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  LIFE!(2013) 《ネタバレ》 
超有名雑誌『ライフ』を発行する出版社に勤めながらもネガ管理室という地味な部署でこつこつと地道に仕事を続けてきたサラリーマンのウォルターは、ことあるごとに空想世界へと逃避する冴えない独身男。ある日、そんな彼の会社が経営危機に陥り伝統あるライフも休刊することになってしまう。途方に暮れるウォルターの元に、ずっと雑誌の表紙写真を撮り続けてきた世界をまたに駆ける伝説の写真家から、「これは俺の最高傑作だ。これこそ“ライフ(人生)”。まさに伝統あるライフ誌の最後の表紙を飾るにふさわしい」というメッセージと共に数枚の写真が届けられる。誰かの親指、海に浮かぶ小さな漁船、なんだか分からない謎の写真……。だが、すぐに彼は重要な事実に気づくのだった。「あれ、肝心のそのネガだけ入ってない!」。負け続きのこれまでの自分の人生を変えるため、そして想いを寄せるシングルマザーの同僚の気を惹くために、ウォルターはその孤高の写真家を追って広大な世界へと旅立ってゆく――。決して勝ち組とは言えない人生を送ってきた冴えない中年男のそんな人生を変える大冒険をコミカルに描いたヒューマン・ストーリー。うーん、確かにその狙いは分かるのだけど、生まれつき心根がひん曲がった生来のひねくれ者である僕にとってはまったく共感出来ない内容でしたね、これ。「人生は幾つになっても再チャレンジできる!」「チャレンジしないで後悔するより、チャレンジしてから後悔する方が良いに決まってる!」「どんなに地味な人生を送っている平凡な人でもいつかは光り輝く日が来る!!」「だから人生って素晴らしい!!!」と言わんばかりの暑っっっ苦しいメッセージの押し付けに途中からゲンナリしちゃいました。その予告編を見て、駄目中年男の妄想力が大暴走しちゃうハチャメチャコメディだと思って鑑賞した自分としては、完全に肩透かし。要は、こういう明日も前向きに生きていこうと思えるようなド直球の人生賛歌を素直に楽しめる程の心の美しさを僕が持ち合わせていなかったということなのでしょう。すんません、ひねくれ者で!4点!
[DVD(字幕)] 4点(2024-03-23 15:00:53)
2.  ランナウェイ・ブルース 《ネタバレ》 
「なあ、フランク。何か物語を聞かせてくれ。なんでもいい、何か飛び切り面白いやつ。このどん底のような俺たちの人生を少しでも忘れさせてくれる、いつものように痛快な物語を」――。幼いころに両親を失い、以来天涯孤独な人生を送ってきたフラニガン兄弟。兄ジェリー・リーは、過去に起きた鉄道事故により右足を失い、弟フランクも酒浸りの肉体労働者としてその日暮らしのモーテル生活を強いられている。そんなある日、ジェリー・リーは自らが運転する車でとある少年を轢き殺してしまい、弟のモーテルへと転がり込むのだった。「頼む、俺を連れて逃げてくれ!」と縋りつく兄のために、フランクはなんとか逃走資金を捻出すると、別れた彼女が住むという街を目指して住み慣れたモーテルを後にする。そんな絶望のどん底を這いずり回るような逃避行を続ける兄弟の唯一の心の慰めは、フランクが紡ぎだす爽快な夢物語だった……。雪深いアメリカ北部の田舎町を舞台にそんな八方塞がりの兄弟の悲哀に満ちた逃避行をブルージーに描き出すロードムービー。つーか、なんなんですか、この超辛気臭~~~いお話は。登場人物誰もがみんな、うじうじクヨクヨした根暗な人たちばっかで、ひたすら「自分はなんて可哀相な境遇に居るんだ。きっと時代や社会が悪いんだ」と嘆いては酒に溺れ、ことある毎に現実逃避にひた走る……。もう見れば見るほどゲンナリしてきて、「あんたら、まだまだ若いねんからもっと前向きな話とか出来んのかい!!」と思わず説教してやりたくなっちゃいました(笑)。なんだか場末のスナックで聴く、しみったれた演歌のような映画でした。これで、ニコラス・ケイジがアカデミー賞を受賞した「リービング・ラスベガス」のように、徹底的に堕ちてゆくアル中駄目男の破滅の美学を描いたような作品ならまだしも、こういうお互いの傷を舐め合っているだけの自己憐憫にまみれた辛気臭いお話って、僕は苦手。うーん、4点!ごめんちゃい!
[DVD(字幕)] 4点(2024-02-23 13:52:32)
3.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
「無理だね、1~2回なら勢いで僕に勝てたとしても、君がシーズンを制するのは不可能だ。チャンピオンになるにはスピードだけじゃない、徹底的に考え抜かれた戦略こそがものを言うのさ。出勤して、レースに勝って、家に帰る。それが全て。君みたいに、酒場に繰り出して阿呆どもと与太話などしない。結婚したんだろ、君もちゃんと家に帰れ、ジェームズ・ハント」――。1970年代、常に死と隣り合わせの世界で相手より0.1秒でも速く走ることを競い合うF1レーサーたち。そんな刹那的な世界で、めきめきと頭角を現してきた全く正反対の性格を持つライバル同士、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダは共に全く違うやり方でそれぞれにチャンピオンを目指すのだった。情熱的で派手な私生活のハントは死をも怖れぬ大胆な走りでトップを目指し、常に冷静沈着なラウダはマシンの性能やサーキットの攻略分析などを駆使し着実に勝利を収めていく。だが、76年、F1の世界で墓場とも呼ばれているもっとも危険なサーキットに出場した2人に悲劇が訪れるのだった……。実話を基に、F1レーサーという華やかな世界に生きる、全く正反対の2人の男の“プライドと友情”が複雑に交錯する刹那的な日々をエネルギッシュに描き出すヒューマン・ドラマ。もういかにもロン・ハワードといった、抜群の安定度を誇るエンタメ映画の逸品に仕上がっていましたね、これ。極めて分かりやすいストーリーテリング、全編にわたって再現された手に汗握る迫力のレースシーン、否が応にもテンション上がっちゃう瀕死の重傷を負った男の奇跡の復活劇…。まあ、ベタっちゃあベタですけど、やっぱり素直に面白かったっす!さすがエンタメ映画職人のロン・ハワード、相変わらず良い仕事しますね~。クライマックスでの、チャンピオンの座を賭けた2人の白熱のレースシーンにはもう久し振りに「こいつら、なんて格好良い男たちなんだよ、こんにゃろー!」と心からワクワクしちゃったし。F1レースどころか、車にすら全く興味のない僕でも当時の彼らのレース映像を見たくなりました。個人的には、もう少しアクの強さみたいなものがあればなお良かったけれど、それは欲張りと言うものかな。うん、面白かった!8点!
[DVD(字幕)] 8点(2023-11-17 10:12:15)(良:1票)
4.  ラン・オールナイト 《ネタバレ》 
かつて、マフィアの殺し屋として幾多の標的を抹殺してきたものの、いまや落ちぶれアル中となってしまったジミー。息子夫婦からも疎遠にされ孤独に生きる彼は、かつてのボスで若いころからの親友でもあるショーンのお情けで何とか食わせてもらっている。そんなある日、彼の息子で堅気の生活を送っていたマイクが、麻薬がらみのトラブルに巻き込まれたことを知るのだった。すぐに息子の家へと向かったジミーは、今にも息子を殺そうとしていた男を射殺してしまう。だが、彼は知らなかった。自分の息子を殺そうとしていたのは今も闇社会で絶大な力を持つかつてのボス、ショーンの息子だったことを。「何があろうと俺がお前を守ってやる」――。息子のためにそう決意したジミーは、かつて狂犬のように恐れられていた血を呼び覚まし、夜の街を疾走してゆく……。無実の息子のためにマフィアや殺し屋、それに長年自分を追い続けていた刑事の追跡を決死の覚悟で逃れようとする父親の一夜の逃走劇をノンストップで描いたエンタメ・アクション。リーアム・ニーソン主演&セラ監督作品を観るのはこれで何度目かですが、このコンビの作品ってけっこう当たりハズレが多い印象。本作は何だかハズレに近いような感想を僕は持ってしまいました。うーん、何だかエピソードを盛り込みすぎて全体的にごちゃごちゃし過ぎな感じですかね。たとえば、この主人公親子を追う人たちなのですが、①マフィアのボスのショーン、②彼を長年追ってきた刑事、③ショーンに雇われた凄腕の殺し屋、はっきり言って3つもいらんでしょ。だから最後はエド・ハリス演じるショーンと一騎打ちを果たしてそこで終わったらすっきりしたはずなのに、途中でいきなり出てきた殺し屋と森の中で銃撃戦を繰り拡げられても何だか蛇足感が強くていまいちカタルシスが得られなかったです。さらに、幾多のサブエピソードも、①親父がかつて息子のいとこを殺した過去、②入院中の母親に会いに病院へ向かう、③無実を証明するために目撃者の黒人の子供を捜す、と一夜の逃亡劇を描くにしてはいかんせん多い。少なくともこれらのエピソードのうち2、3個は削って、90分ぐらいで終わってくれたら小気味の良いエンタメ映画として面白かったって言えたはずなのにね。セラ監督、ちょっと欲張り過ぎたんじゃないですか?
[DVD(字幕)] 5点(2023-07-10 10:43:26)(良:1票)
5.  ラスト・リベンジ 《ネタバレ》 
バニールはまだ生きている!テロリストの元幹部である奴は数々の殺人や誘拐に関わり、観光バス爆破事件では多くの子供たちまで犠牲にしたんだ。なのに、病気だからと言ってほっとくんですか?野放しにしておくことはCIAや政府の方針に反するはずだ――。かつて対テロ工作員として国際的に活躍していたものの、いまや認知症を患いCIAのお荷物となってしまったエヴァン・レイク。もはや引退を余儀なくされそうになっている彼に、ある情報が舞い込んでくる。22年前、彼が逮捕寸前まで追い詰めたものの直前で取り逃がししてしまった大物テロリスト、バニールが深刻な病を患いケニアに潜伏しているというのだ。すぐさま上司に報告したレイクだったが、彼の訴えは「もうすぐ病気で死ぬ男に関わっている時間はない」と無下に却下されるのだった。どうしても過去と決着をつけたかったレイクは、独自に捜査を開始する。自分を慕ってくる若手スパイと共に、情報を求めてルーマニアへと向かった彼だったが、認知症の進行により徐々に意識が朦朧としてくるのだった……。病を抱えながらも因縁の相手を追って世界を駆け巡る孤独な老スパイを描いたポリティカル・アクション。いまやB級映画の代名詞とも言えるニコラス・ケイジ主演ということで相当ハードルを下げて観始めたのですが、案の定、その下がりに下がった僕のハードルのさらに下を行く完成度の低さでしたね、これ。何が駄目かって、とにかくストーリーの根幹をなす大事な部分にいちいち突っ込みどころ満載な点。たとえば、①何故、主人公はそのバニールというテロリストにそれほどまでに執着するのか?恋人や同僚を殺されたという明確な理由があればこそサスペンスが盛り上がるというのに、昔取り逃がしちゃったからという理由だけではさすがに乗り切れない②主人公を慕う若手工作員がどうして職を賭けてまで彼に同行するのか?先輩として尊敬してるからだけではさすがにちょっと、ねえ…(笑)③主人公が認知症で何度も意識が混濁するという設定が一切活かされていない。本作において、これは致命的な欠点と言っていいでしょう。他にも、ケニアに入国するのに初対面の医師に成りすましたり(付け髭とグラサンだけでOKってそんなアホな…笑)、ようやく念願のバニールと対面できたのに何故か殺しも捕まえもせずにその場を立ち去ったり(後日、彼の部下に襲撃されてやっぱり殺しに行くって、じゃあ最初に殺しとけよー!笑)、そういう細かい部分にも荒さが目立ち、とてもじゃないけど楽しめなかったです。まあ、よくも悪くもニコケイブランドの作品ってことで。
[DVD(字幕)] 4点(2023-06-16 08:40:38)
6.  ラスト・ナイツ 《ネタバレ》 
いつの時代のどこにあるのかすらも分からないとある国。辺境の地を治める君主に絶対の忠誠を誓った騎士ライデンは、仲間からの信頼も篤い誇り高き男だ。ある日、彼の主君が皇帝陛下の執政により賄賂を収めるよう強要される。それに反発した主君が最後まで抵抗した結果、執政の策略により死罪を言い渡されるのだった。しかもその執政により、ライデンは主君の刑の執行人に任命される。苦渋の思いで主君の首を刎ねたライデン。騎士としての地位も剝奪され、さらには愛する故郷の地が皇帝の兵士によって蹂躙されるのを目の当たりにするのだった――。一年後、失意の末に酒に溺れ自暴自棄へと陥ったライデン。だが、そんな彼をよそに以前の仲間たちは密かに復讐の計画を練っていたのだったが……。忠臣蔵を基に、日本人監督がハリウッド俳優を多数起用して制作したという本作は、そんなストイックなまでの騎士道物語だ。あまりいい評判を聞かないこの監督の作品を観るのは今回が初めてなのだが、確かにエンタメ映画のセオリーをことごとく外した演出はどうかと思う。例えば冒頭、主人公のライデンたち騎士がよくわからない敵と戦うシーンから始まるのだが、これが映画の本筋とほとんど関係がない。やはりここはモーガン・フリーマン演じる主君にどうしてそこまでの信頼を寄せるようになったのか、そのエピソードをまず描くべきだろう。それがないため、主人公の行動に説得力が感じられず、見せ場であるはずの処刑シーンもいまいち心に迫るものがない。悪役である執政との因縁の描き方も弱く、どうしてそこまでライデンに怯えて過ごすことになるのかもしっくり入ってこない。だいいち、これは忠臣蔵をある程度知っているという前提ありきの作品であって、原典を知らない人に全てを理解するのは難しいのではなかろうか。ただ、そんな弱点ばかりが目につく本作ではあるが、誉めるべき点が一つだけある。それは映像で名を成してきた監督だけあって、その細部にまで拘ったであろう美しい映像だ。特に後半、夜の城を舞台に繰り広げられるアクションシーンはスタイリッシュでなかなか見応えがあった。細かな雪が舞い散る中、名誉を懸けて無言で剣を振るう男たちの姿は熱い。監督が日本人で、日本的美意識に貫かれた古典を基にしていることもあり、そこに日本的もののあはれのようなものを感じたのは自分だけだろうか。我ながら少々言い過ぎのような気がしなくもないが、多少甘めに6点としておこう。
[DVD(字幕)] 6点(2023-04-26 10:46:16)
7.  ライトハウス 《ネタバレ》 
19世紀末、ニューイングランド。絶海の孤島に建つ灯台を管理するために雇われた青年と彼を管理教育することになるベテラン灯台守。4週間という約束で、彼らは荒れ狂う海に囲まれたこの地へとやってくる。海鳥以外誰もいない不毛の地で、ただひたすら作業に従事する2人だったが、致命的なまでの性格の違いから彼らの間に徐々に不穏な空気が漂い始める。それもこれもあと数日の辛抱だと仕事に没頭する青年。ところが、迎えの船がやってくるはずの日に激しい嵐が島を襲い……。長引く孤独な生活から徐々に狂い、やがて破滅へと向かう2人の男をモノクロ映像という独創的なタッチで描いた不条理劇。分かりやすい娯楽性など皆無、終始重苦しい雰囲気で最後まで淡々と進むいわゆるアート系の作品なのですが、計算されつくした美しい映像と終始繰り返される印象的なアフォリズム、何よりロバート・パティンソンとウィレム・デフォーという新旧実力派俳優の熱演とで最後まで興味深く観ることが出来ました。冒頭から絶えず鳴らされる不穏なサイレン音が観客の不安感を煽り、終始不快な言動を繰り返す灯台守たちの存在も相俟って、観ているこっちまで気が狂いそうになってくるのは監督の狙いが成功している証。何度も主人公にちょっかいを掛けてくる海鳥だとか、幻想の中で現れるグロテスクかつエロティックな人魚など、一つ一つのアイテムの扱い方も巧い。灯台の光に偏執的な愛情を注ぐ先輩灯台守と過去の罪から逃れるためにやって来た主人公との濃厚な会話劇も深みがあり、見応えありました。何より単純にモノクロ映像が全て美しい!!そこまで自分の好みではなかったですが、充実した映画体験をさせていただきました。
[DVD(字幕)] 7点(2022-11-02 05:38:21)
8.  ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー 《ネタバレ》 
ライ麦畑の永遠の反逆児、ホールデン・コールフィールド――。このアメリカ文学界に突如として現れ、今や怒れる若者の代表的アイコンとなった彼の物語『ライ麦畑でつかまえて』を著したのは、まだ無名の新人作家J・D・サリンジャーだった。本作は、そのサリンジャーの謎に満ちた半生にスリリングに迫った伝記映画だ。第二次大戦に従軍後、精神を病みながらも苦労して書き上げた、その名作誕生の裏にはいったいどんな秘密があったのか。また、発表するやいなや瞬く間にベストセラーとなり、富と名声を手に入れながらも、何故彼はアメリカの片田舎に引きこもり、自ら張り巡らせた壁の中でその生涯の大半を過ごしたのか。二十代のころに『ライ麦――』を読んで感銘を受け、以来何年にもわたりファンとなった自分としては大変興味深く今回鑑賞してみた。結果は……、正直期待外れというのが僕の率直な感想だ。理由は、描かれるエピソードがそれまで知られていた事実をただ再現したものでしかなく、新しい発見が一切なかったことがまず一点。物語構成のバランスが悪く、特に第二次大戦の描写や恋人の裏切りなどがかなりあっさりしすぎているところがもう一点。そして本作の最大の欠点は、そうして再現されたエピソードがただ時系列順に羅列されただけで物語としての芯が通っていないところだ。僕が考えるに、優れた伝記映画にはその人の人生とはいったいなんであったのかを観客に深く訴えかけるようなテーマが厳然としてあるものだが、本作にはどうにもそれが足りない。苦労した習作時代や地獄のような日々を過ごした第二次大戦への従軍経験が如何にして、未だ若者にもカリスマ的な人気を誇る名作家誕生に繋がったのか、ここらへんの説得力が弱いように感じてしまった。いくら事実を基にしていても、創作である以上はちゃんと優れた物語であるべきだ。サリンジャーがその後、全ての関係性を絶ち、世捨て人のような生活を続けてきたという最も人々の興味を掻き立てる部分をナレーションで簡単に説明して終わりというのも如何なものか。すべてが表面的で浅く、サリンジャーという人物に対する掘り下げが全くなされていない。サリンジャー本人が生きてこの作品を観たら、そのあまりの薄さにきっと怒り狂うんじゃないかとさえ思ってしまった。サリンジャーの長年の愛読者としては残念というほかない。
[DVD(字幕)] 4点(2022-07-04 11:40:48)
9.  ラヴレース 《ネタバレ》 
1970年代に一世を風靡した伝説のポルノ映画『ディープ・スロート』。成人向けでありながら全米で大ヒットしたこの作品で主演を務めたのは、ほぼ素人同然の女の子、リンダ・ラヴレースだった。本作は、僅か7日間の撮影で一躍セックス革命のシンボルとなった彼女の半生を実話を基にして描いたもの。確かに興味深い題材ではあるし、伝説のポルノ女優を演じたアマンダ・セイフライトの身体を張った演技も大変良かったとは思うのですが、いかんせん基礎的な演出力が全然足りていない作品でしたね、これ。もう素人レベルと言っても過言ではありません。ドラマの最大の焦点となる、リンダがいかにして『ディープ・スロート』への出演を決意したのかや撮影現場がどのようなものであったか、またほぼヒモ状態だった夫との破綻した結婚生活などと言った重要な部分がことごとく的を外しちゃってます。「そこ、もっと突っ込んで描くとこでしょー!」って何回思ったことか。そして、本作の最大の失敗は、リンダの両親が娘がポルノスターとなったことを知るシーンがほとんどなかったこと。厳格なカトリックである母親がその事実をどのように受け止め、そしてその後いかにして娘と向き合うことになったのかという最も大切な部分がかなりあっさりと流されちゃってます。映画として、これではテーマに対する踏み込みが甘いと言わざるを得ません。また、時間軸の扱いもまるでなっちゃいない。全体を通して、今がいつの時代のエピソードなのかかなり分かりづらい。正直、お金を取って観客に観てもらうレベルに全然達していません。大胆なヌードを披露したアマンダ・セイフライトがかなり魅力的だっただけに、なんとも残念な作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2022-05-09 10:14:16)
10.  ラ・ヨローナ ~泣く女~ 《ネタバレ》 
その女は泣きながら、滴る水とともにやって来る――。1973年、ロサンゼルス。貧しい家庭の子育て支援に尽力するケースワーカー、アンナ。様々な問題に忙殺される彼女自身もまた、数年前に警官だった夫を亡くし女手一つで二人の幼い子供を育てていた。そんなある日、アンナは自らの子供を自宅の一室に監禁したシングルマザーの案件に関わることに。無事に子供たちを保護したものの、母親からアンナは謎のメッセージを受け取るのだった。「私は子供を守ろうとしただけ。あの泣く女、ラ・ヨローナから…」――。その直後、無事に施設へと保護されたと思われていた彼女の子供たちが謎の溺死を遂げたとの知らせが届く。突然のことに動揺を隠せないアンナ。すると、彼女の子供たちの周りでも不可解な現象が起き始めるのだった。何処からともなく聞こえてくる女の啜り泣き、子供たちの腕にいつの間にかついていた火傷の痕、そして子供を水の中に引き摺り込もうとする謎の女の影…。果たして〝ラ・ヨローナ〟とは何者なのか?数百年の時を越えて生き続ける悪霊の呪縛に囚われた、ある家族の恐怖を描いたモダン・ホラー。稀代のヒット・メーカー、ジェームズ・ワン監督のヒット作『死霊館』のスピンオフとして制作された本作、これが極めてオーソドックスな古典的ホラー映画でありました。悪霊に呪われた家族、無理解な周りの反応、窮状を知り除霊にやって来る霊媒師、一度は反撃に遭うものの最後は家族一致団結して悪霊撃退…。もうホラー映画の教科書どうりに作ったらこれが出来上がるんじゃないかってぐらい、新しい部分の一切ないそんなベタベタな内容です。もう少しこの作品ならではと言う突出した部分が欲しかったところ。その良い材料になりそうなのが肝心の「泣く女」ラ・ヨローナなんですけど、これがいまいち使いこなせていない感じです。嫉妬に狂った挙句自らの子供たちを溺死させてしまい、以来身代わりの子供を求めて彷徨う悪霊と言う割には怨念と言ったものが感じられない。こいつがただ単に観客を驚かせるための道具じゃなく、もっと子供へのおぞましいほどの暗い情念と言ったものを滲ませてくれていたら、とんでもなく怖い存在になりえただろうにね。ここらへん、やぱ日本のホラーの方が一枚上手かな。とはいえホラー映画としてのセオリーは充分押さえられていたので、暇潰しで観る分にはそこそこ楽しめると思われます、はい。
[DVD(字幕)] 6点(2022-04-28 07:54:01)(良:1票)
11.  ライ麦畑で出会ったら 《ネタバレ》 
真面目過ぎる性格が災いして、クラスでも浮いた存在である男子高校生ジェイミー。自分を認めてもらうためにある日、彼はとっておきの方法を思いつく。それは、敬愛するベストセラー作家サリンジャーの代表作『ライ麦畑でつかまえて』を舞台化し、自らの主演で公演しようというものだった。だが、そのためには原作者であるサリンジャーの許可がいる。思い悩んだ末、ジェイミーは彼がどうやらニューハンプシャーに独りで住んでいるという情報のみを頼りに旅に出るのだった。彼の唯一の理解者であるクラスメイトの女の子、ディーディーの運転でジェイミーは何とか目的地まで辿り着くのだが……。もはや生ける伝説と化していた孤高のカリスマ作家に会うために旅に出た、そんな高校生カップルをノスタルジックに描いた青春ロード・ムービー。僕のこよなく愛する名作『ライ麦畑でつかまえて』をモチーフにしたそんな本作、これがまあなんとも残念な出来の作品でありました。もう全編に渡って、ダサい演出とダサい映像とダサい音楽のてんこ盛り。だいたい冒頭、主人公がいきなりカメラ目線となって観客に語り掛けるというよっぽどうまくやらないと目も当てられない結果になっちゃう演出があるのですが、これがまあ見事なまでに目も当てられない結果になっちゃってます。んで、最後までこの演出を貫くのかと思いきや、それ以降はあっさり放棄って、んじゃ最初からすんなよ!って感じです。また、主人公に恐ろしく魅力が乏しいのもいただけない。いきなり押しかけてきて、「あなたの小説がすこぶる良かったので、僕が勝手に脚本化しました。ひいては僕主演で舞台化するので許可ください」なんて言ったら、サリンジャーじゃなくとも誰だってキレるっちゅーの!唯一良かったのは、主人公を何かと助けてくれるヒロインの女の子が魅力的だったことくらい。それもかなり童貞男子の妄想が炸裂しまくりでしたけど。だってこの子、①頼んでもないのに車を出してくれて運転までしてくれて僕を目的地まで連れて行ってくれる②安宿で一緒の部屋に泊まったら、童貞の僕のために「したいならしてもいいよ」って言ってくれる③しかも正式に付き合ってないから後腐れもなさそうだし④んで、ピル飲んでるから避妊しなくていい!なんて、昔懐かしの童貞妄想漫画『ボーイズビー』か(笑)。サリンジャーをテーマにした映画にハズレが多いという僕のジンクスは今回も覆りませんでした。4点!
[DVD(字幕)] 4点(2022-03-10 10:00:47)
12.  ラビング・パブロ 《ネタバレ》 
1980年代、世界最大規模の麻薬密売組織「メデジン・カルテル」を一代にして築き上げた、コロンビアの伝説の麻薬王パブロ・エスコバル。一時は世界に流通するコカインのほぼ8割を牛耳り、自らに歯向かうものや裏切り者を容赦なく血祭りにあげ、さらには政府に対して公然と反旗を翻した、衝撃的な彼の生涯を彼の愛人であったニュースキャスターの目線から描いた犯罪ドラマ。そんな実在した麻薬王を貫禄たっぷりに演じるのは名優ハビエル・バルデムで、語り部となる彼の愛人を演じるのは人気女優ペネロペ・クルス。実生活でも夫婦であるこの二人の豪華共演ということで今回鑑賞してみました。監督は、前作『ロープ/戦場の生命線』でリアルで乾いた戦場描写の中にときおり人生のやるせなさをほろ苦いユーモアを交えて描き、鮮烈な印象を残してくれたフェルナンド・レオン・デ・アラノア。観終わった直後の率直な感想を述べさせてもらうと、いやー、とにかく衝撃的な内容でございました。このパブロ・エスコバルという人、もう無茶苦茶です。敵対する人間を容赦なく殺しまくり、その生涯で殺害に関わったのはなんと少なくとも300人!麻薬で荒稼ぎしたその金でスラム街に貧しい人々のための住宅を建設し、その功績を最大限活かしてなんと政治家にまでなってしまうのです。当然、それはアメリカや政府の反発を招き、翌年に失脚させられてしまうと今度は私設軍隊を使って公然と政府に宣戦布告。これを機に、コロンビアは実質的な内戦状態に突入。アメリカの介入や敵対組織の攻勢により追い詰められると、自ら投降。でも、彼はその圧倒的な財力を活かし、今度は自らの力で刑務所を建設します。でもそこは刑務所とは名ばかりの豪華な家具家電付きのほぼ別荘。酒や女をはべらかし、夜毎どんちゃん騒ぎ&乱交パーティー。あまつさえ彼はそこで裏切った仲間を二人、生きたままチェーンソーで切り刻むという冷酷非道ぶり。さすがに世論の反発を抑えられなくなった政府はエスコバルを普通の刑務所へと移送しようとするものの、彼はその足で悠々と脱獄……。さすがにこんな無茶苦茶な事実があるわけないと、映画を観終わって僕はすぐさまウィキペディアで調べてみたんですが、……なんとほぼ全て事実でした(笑)。そんな彼の波乱万丈の生涯を過不足なく二時間の映画に纏め上げたこの監督の手腕は素晴らしいと思います。とにかく最後まで緊張感が途切れず、クライマックスなんて思わず食い入るように見入っちゃってました。見た目こそ温厚そうなメタボおやじながら、冷酷無比なケダモノの心を持つ麻薬王を鬼気迫るように演じたバルデムも良かったですが、彼の愛人である金とひかりものに目がない性悪女を見事に演じたペネロペ・クルスもまさに嵌まり役でした。偉業を成し遂げた世界の偉人の立身出世物語を真逆にひっくり返したような逆偉人伝、成功するためにはやはり持って生まれたカリスマ性と類稀なる行動力が必要だということを改めて教えてくれました。まあ良くも悪くもですけど(笑)。
[DVD(字幕)] 9点(2021-06-29 01:20:50)
13.  ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ 《ネタバレ》 
サンフランシスコの一等地に建つ、とある豪華な一軒家。そこには現在、仲の良い老夫婦が穏やかな余生を過ごしている。だが、そんな瀟洒な家を路上から見上げる、ある一人の貧しい黒人青年がいた。彼の名は、ジミー。なんとその家は、彼の祖父が戦後すぐに手持ちの材料のみを使い自らの力だけで建てたというのだ。父から教えられたそんな話を素直に信じ、次第にその家へと執着を強めてゆくジミー。友人の力を借り、彼は老夫婦が留守の間に勝手に外観をリフォームするなどどんどんと常軌を逸した行動を取り始める。そんなある日、金銭トラブルから老夫婦が家を手放さざるを得なくなるのだった。それを知ったジミーは、ここぞとばかりに家へと忍び込む。祖父が遺した荷物を勝手に運び込んだり、自宅と称して友人たちを招き入れたりと、まるで自分の家であるかのように振舞うジミー。だが、そんな彼の傍若無人な行動は当然のように不動産会社に見つかってしまい……。サンフランシスコに建つ豪華な一軒家を自分のルーツだと偏執的なまでに信じ込んだ、ある黒人青年の異常な行動を終始淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。恐らくこの作品を撮った人って恐ろしく頭の良い人だとは思うんですよ。奴隷として長年虐げられてきた黒人としてのアイデンティティをマジック・リアリズム的に描こうという試みは、なんとも知的好奇心を刺激するもの。静かに淡々と進めつつもときおり印象に残るシーンを挿入してくるところなど、この監督のセンスの良さを感じさせます。でも、それが面白さに繋がっているかというと、僕は「否」と言わざるを得ませんでした。あまりに淡々と進むうえにときおり意味不明とも捉えかねないエピソードをぶっこんでくるものだから、最後まで観るのが少し苦痛に感じてしまいました。恐らく何らかの精神疾患を抱えているであろう主人公にも別段同情を感じるわけでもなく、彼の友人との関係性もいまいちよく分かりません。極めつけは、二人がこの家でチープな芝居を演じるのですが、そこに何故こんなにもたくさんの観客が集まるのか意味不明過ぎる。まぁ作品として二重の意味で観客を煙に巻こうというのがこの監督の意図だとは思うんですけどね。要は、このシュールな世界観に僕の感性が合わなかったということ。なかなか人を選ぶ作風なので、好きな人には嵌まるのかも知れません。
[DVD(字幕)] 5点(2021-06-11 18:39:39)
14.  ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 《ネタバレ》 
ニューヨークのとある交差点である日、わき見運転の路線バスによって一人の妊婦が死亡する事故が起こる。何処にでもあるような平凡な交通事故。幸いお腹の女の子だけは無事に生まれたものの、遺された夫は自暴自棄に陥り、酒に溺れた挙句自らその命を絶つのだった。祖父に引き取られた女の子は孤独を感じながらも無事に成長し、やがて歌手を夢見てニューヨークの小さなライブステージへと立つことに――。一方、スペインの片田舎では貧しいながらも妻とともに平穏に生きていたある農夫のもとに一人の男の子が誕生する。厳しい父の元、すくすくと成長した男の子はある日、家族旅行でニューヨークへとやってくるのだった――。全く接点のなかったそんな二組の夫婦とその子供たち、だが運命の悪戯か、小さな交通事故によって彼らの人生は大きく変わってしまう……。ボブ・ディランの名曲に乗せて、そんな平凡に生きていた人々に訪れた奇跡をドラマティックに描いたヒューマン・ドラマ。全く予備知識のないまま、アントニオ・バンデラスやオスカー・アイザック、アネット・ベニングという実力派の役者陣共演に惹かれ、今回鑑賞してみました。冒頭から、主人公カップルを襲う悲劇の連続――夫の目の前で妊娠中の妻が事故死し、しかもその妻は幼いころに両親を亡くし、その後引き取ってくれた叔父から性的虐待を受けていた――に気分が重たくなります。挙句、遺された夫がピストル自殺するんですから、どれだけ悲劇なんだとウンザリしそうになりますが、本作は語り口が非常にポップなのでそこまで暗くならずに観られるのですから、これぞ映画のマジックというものですね。物語はその後、遺された娘へとクローズアップしながらも、何故かスペインの片田舎へと舞台を移し、そこで全く無関係のある農夫の家族を延々追ってゆくことに。いったいどういうことだろうと思ったら、後半で納得。なるほど全てはあの交通事故へと繋がってゆくのですね。人間万事塞翁が馬ではありませんが、人と人が出会い時に悲劇を招きながらも、それでも恋に落ちカップルとなって一緒に生きてゆくことの奇跡が非常にナチュラルに描かれていて、観ているうちにじわじわと心が暖かくなっている自分が居ました。そう、人生は悲劇の連続かも知れないけれど、それでもいつかはきっと幸せが訪れる。そう思わせてくれる佳品と言っていいでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2021-02-06 01:28:23)
15.  ライオン・キング(2019) 《ネタバレ》 
ディズニーによる、過去の名作アニメを最新の映像技術で実写映画化?シリーズ。今回のテーマは、ジャングルの王者『ライオン・キング』でございます。もはや実写としか思えないフルCG映像はさすがのクオリティでそこは充分楽しめました。波打つ毛並みやはじけ飛ぶ水しぶきなんてあまりにもキレイで、こういうのを見ると、100年前の人に見せてその感想を聞いてみたいって思いますね。ただ、ストーリーの方は率直に言ってありがち。まあこういう作品なのでそれでもいいんでしょうけど、もう少し新しい部分も欲しかったかな。その格好の材料になりそうなのが、こういう動物擬人化映画にありがちな、「こいつらいったい何喰って生きとんねん!」問題。まあちょこっとライオンがインパラ喰うシーンが出てきましたが、主人公のライオンは基本カブトムシや毛虫といった虫ばかり食べてました。いやいや虫だけではあっこまで立派な体格に育ちませんて(笑)。そもそも虫は食べていいんかい!もうそれだったら草ばっかりの菜食主義にしてくれた方がいっそのこと潔かった気がしますわ。ここらへんに新しいアイデアがあればもっと心に残ったと思うんですけどね。あと、相変わらずハイエナは不当な扱いを受けてますね。その残念な見た目とライオンのおこぼれを頂くというその習性のせいで、いつだって悪役……。「これはハイエナ差別だ!」って、彼らもそろそろ声をあげてもいいんじゃないかな(笑)。ま、そんなとこです、はい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-08-03 01:25:37)
16.  ランペイジ 巨獣大乱闘 《ネタバレ》 
巨大化した三匹の動物たちが大都会で大暴れするというモンスター・パニック・アクション。まあこんなもんじゃろというこちらの期待を一切裏切らないベタな内容の作品でしたね、これ。んでもさすがに脚本が薄っぺらすぎるかな~。銃で撃たれたはずのドウェイン・ジョンソンが次の瞬間、平気で再登場して「大丈夫、急所は外れてた」とさっきと変わらず大活躍するとこは、さすがにテキトー過ぎだろ!!とずっこけそうになっちゃいました。まあでも映像はなかなか迫力あったんで、普通に暇潰しにはなるよ。
[DVD(字幕)] 6点(2019-02-28 04:11:25)
17.  (r)adius ラディウス 《ネタバレ》 
事故現場で目が覚めたリアムはキレイに記憶を失っていた。のみならず、彼は半径15メートル以内に近づく全ての生物を瞬時に殺してしまうという特殊能力まで身につけていたのだった。人間どころか牛やヤギ、空を飛ぶ鳥まで彼に近づく生物は全て目を見開いて即死してしまう。偶然再会した同じように記憶を失った女性とともに自らの正体を探るために荒野をゆく彼らだったが、やがて驚きの事実を知ることに。なんと女性と二人でいるとこの特殊能力は発動されないことが判明したのだ。いったいこの能力は何なのか?記憶を失った彼らの本当の正体とは?そして、リアムは無事に元の自分へと戻ることが出来るのか――。というワンアイデアで撮られたであろう本作、なかなか面白そうだったので今回鑑賞してみたのですが、これがまぁ近年稀に見るダメダメ脚本でありました。この設定ありきでストーリーが進行していくのですが、全く脚本が練られていないせいで全体的にかなり無理が生じているのです。例えば、主人公が自分の特殊能力や、それが何故か女と居るときはまったく発動されないと気付いた時に全然驚かないところ。いやいやそこはもっと驚愕してしかるべきでしょ。例えば、病院で男がエレベーターに一人で乗ってしまったと気付いた時。「周りの人間を無差別に殺してしまう!」と乗り合わせた人を全員エレベーターから降ろしてしまうのですが、いやいやあんたが降りた方がええんちゃいますのん。それにこの映画の唯一のセールスポイントである、半径15メートル以内に近づく全ての生物を殺してしまうという特殊能力も物語上ほとんど活かされていません。最後のオチもなんじゃそりゃっていうお粗末な代物。もっとちゃんとしてください!!
[DVD(字幕)] 3点(2019-02-24 21:28:42)
18.  ラブ & ドラッグ 《ネタバレ》 
バイアグラのセールスマンで超女好きのナンパ男と、とある事情から男性と深く関わりたくない女性とのセックスから始まる恋愛を描いたラブコメディ。監督は社会性の強いエンタメを得意とするエドワード・ズウィック。あくまでロマンティックな軽いノリのラブコメという体裁を取りながらも、後半では難病に犯されいずれは寝たきりになるかもしれない彼女との付き合い方という深刻な問題をさらりと差し挟んでくるところなど、この監督らしい手腕はお見事というしかありません。見事な脱ぎっぷりを披露してくれたアン・ハサウェイに、どんな役柄でもしっかりといい仕事をやってくれるジェイク・ギレンホールという主演二人も華があって大変グッド。ただ、こういう軽いノリを楽しむ映画だとは分かっているのですが、少々きれいごと過ぎるのが評価の分かれ目ですね。僕はぎりぎり許容できたかなって感じです。取り敢えず、アン・ハサウェイのあんなマシュマロ・おっぱいを仕事で胸に押し付けられるジェイク・ギレンホールはめっちゃ羨ましい(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2019-01-12 21:33:14)(良:1票)
19.  ライフ(2017) 《ネタバレ》 
火星から持ち帰った単細胞生物が瞬く間に進化し、舞台となる宇宙コロニー内に居る人間たちを次々と襲い始めるというSFホラー。まあエイリアンもどきのB級ホラーなんですけど、何気に役者陣が豪華だったので今回鑑賞してみました。うーん、正直微妙な出来でしたね、これ。ドラマの見せ方が恐ろしく雑なせいもあって、最後までいまいちサスペンスが盛り上がりません。肝心のモンスターの造形も最初こそあのクリオネみたいな繊細な見た目に「おお」と期待を持たせるものの、あれよあれよという間に単なるタコの化け物になっちゃったし(笑)。最後のオチも酷い代物。正直観る価値はなかったかな。
[DVD(字幕)] 4点(2018-08-26 00:07:47)
20.  LION/ライオン 〜25年目のただいま〜 《ネタバレ》 
子供のころに迷子となり、その後オーストラリアの裕福な家庭で養子として育てられた青年が、微かな記憶とグーグルアースだけを頼りに家族を捜し出したという奇跡のような実話を描いたヒューマン・ドラマ。実話を基にしているため結末が分かってしまっているのに、肝心の物語が時系列通りに進行していくためドラマとして見れば少々退屈。もう少しドラマチックな見せ方にしてほしかった。スタッフや役者たちの実話に対する誠実で真摯な姿勢には好感が持てたんですけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-08-24 21:32:19)
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