41. レッド・バイオリン
ある1挺のバイオリンの辿る数奇な運命、というよりは、そのバイオリンによって運命を狂わされてしまう人たちを描いた映画。うむ、確かに現在残っている名器と言われる楽器、過去様々な人の手で様々な演奏が行われてきた歴史が刻まれていると思うと感慨深いものがあるナ。映画の進行は時間軸を行ったり来たりする、ミステリーのごとき野心的な構成。この時代を超越した描写方法が面白くもあれば、後述のように興醒めする部分もある・・・。開始早々、クレジットを見てワクワク、音楽はジョン・コリリアーノ、本作でオスカー受賞だけど、91年には交響曲第1番でグラミー賞(この曲は最近N響も取り上げてましたね。ちなみに私はバレンボイム盤とスラトキン盤を持ってるゾ←単に勢いで買っただけの癖に)、2001年には交響曲第2番がピューリッツァー賞だとか? まさに今大変ノってる作曲家。さらに指揮エサ=ペッカ・サロネン、バイオリン演奏ジョシュア・ベル、と人気者を揃えた最強の布陣。さて。肝心のバイオリン。ム?こりゃ現代楽器ではないかね?まあ確かにレッド・バイオリンの音色が映画の途中で変わるのもヘンだし、しゃあないか。泣きのツボを押さえつつもトリッキーな構成で飽きさせずに映画は進んで行きますが、段々妙な気分になってくる。自称メトロノーム考案者とか(ウソつけ)、「英国最大の音楽家」(ウソつけ)とか、変なヤツばかり出てきて、変な音楽ばかり演奏される。こりゃ作り過ぎだ。音楽の歴史の重みがどこにもない。果ては文革にまで話が飛んで、もはやサービス過剰。上述の通り時間軸が不安定でシーンがポンポン飛ぶため、さらに作品が軽いものになってしまった感が。でもね、映画のテーマ自体は好きなんですよ。それにあのf字孔からのカメラ目線が何ともグー。バイオリンの中の空洞って、何かが入ってそうな気がしませんか・・・? 7点(2004-02-22 17:01:53) |
42. レッド・ドラゴン(2002)
やはり『羊たちの沈黙(沈没じゃないョ)』の成功、ってのが背景にあるんでしょうね。あの映画はベストセラーを忠実に映画化して第一級のサスペンスに仕上げた事で、原作ファンも映画ファンも見事に喜ばせてくれました。その影響か、コレも驚く程、原作に忠実。しかしまあ、第2,3作が映画化された後で第1作に遡る事自体、何だか見え透いた企画である上、も一つ難しいのは、この原作、ラストはさておき、中盤は、犯人ダラハイドの生い立ち、内面を掘り下げる事で、一種のメロドラマでもあるんですよね、その点では『羊~』を凌駕してるのかもしれませんが、映画化の際のバランスが難しい。結局本作も、ダラハイド幼少期の描写は割愛せざるを得なかった訳で、それでも(or それ故?)中盤の展開はやや妙なフンイキになってしまった感が。ま、しかしですね、ラストだけはアレンジして来たせいだか何だか知らんけど、結構興奮してしまい、観終わって、アレ意外と面白かったなあ、と思えてしまったのでした。途中を抑え気味にしたのが良かったのでしょう。ただコレだけは言いたい。全体的に音楽はちょいと下品ではないか?大したシーンでも無いのに、音量で人を驚かせているだけではないかね。 8点(2004-01-24 00:42:24)(良:1票) |
43. レザー・ブレイド
何か知らんけど、最近日本刀持った人よく見かけますね。いや映画の中の話ですけど。あと日本刀持った吸血鬼も。製作してるのがMANGA LIVEってところで、きっと日本のマンガに影響受けた作風なんだろうな、と思って見てみると、確かに撮影に工夫を凝らし、その片鱗が(ありがちと言えばありがち)。全体的に暗い雰囲気で、ちょっとお下品。主人公の女吸血鬼がちょっとオバチャン気味なのが、どうもねえ。さらに冴えない刑事(いや意外とカッコいい)が出てきてウダウダやって、この映画は一体何がしたいんじゃあ、と思い始めた頃に、スルスルと真相が判明しだすあたり、意外に気持ちよく、脚本が大変うまくできてます。いや私の理解が遅いのでタイミングが合っただけかも。 7点(2003-11-02 10:45:46) |
44. レイジング・ブル
本作でのロバート・デ・ニーロの激しい体重増減を伴う役作りは、もはや伝説になってますが、ホントにそこまでする必要あったの?という疑問は、映画を観れば完全に氷解。これはホントにスゴイ。これが同一人物かと思うと、心底、気が滅入ります。もしコレが無ければ、「いくつか見どころはあるけどフツーの映画」どまりの印象だったかも知れないところ。俄然、映画に凄みが出て、主人公の凋落ぶりが、観てても結構コタエます。 8点(2003-10-18 20:56:50) |
45. レリック
残酷描写はなかなかですが、暗くてモンスターがよく見えず欲求不満がつのります。クライマックスでようやくはっきり登場するとこれまたなかなかの出来で、スゲーと思ってたら何とも呆気無くオシマイ。ガーン。例によってストーリーの面白さに欠けるハイアムズ作品の一つだと思います。監督として気にならないのかなあ(もし気に入らなければ手直しさせるのが監督の役目)。 5点(2003-07-06 16:10:52) |
46. レモ/第1の挑戦
『ブレイド』『マトリックス』よりも先に弾丸をよけた男、レモ。ってこちらはフライングしてるけど。なんかやる気のない主人公のキャラがユニークで好感持てます。自由の女神のシーン、『逃走迷路』への単なるオマージュとはもはや言い切れない、とんでもないスタントを見せてくれてオドロキ。 7点(2003-07-05 12:08:11) |
47. レッスンC
ああ、ナタキンはこの頃から老けてたんだなあ、と。妙に耳に残る音楽は、フランシス・レイだったりするんですが。女の子がマ-ロン・ブランドに憧れてるなんてあたりが僅かに1956年(だっけ?)という設定を彷佛とさせますが、まあ何とも他愛無い映画です。特に過激さも無く、いたってのどかな雰囲気です。 5点(2003-06-28 01:45:19) |
48. レイズ・ザ・タイタニック
タイタニック引き上げシーンをとにかく見せたい製作側の気持ちがヒシヒシ伝わってきます。確かに見ごたえ満点のもの凄いシーンで、ストーリーが多少平板でも全然気になりません。当時、このタイタニック号と、「連合艦隊」の戦艦大和を見比べて、ミニチュアのスケールのあまりの違いに、悲しい思いをされた方も多いのではないでしょうか? 7点(2003-05-31 00:47:58) |
49. レクイエム・フォー・ドリーム
目新しい事やる代わりに完成度の低い映画を「実験的」などと呼んだりして、まあそれはそれでよいのですが、「実験ばかりじゃなくてたまには実践・応用編ってのはないのか」という気持ちにもなります。それに対する回答の一つが、本作でしょう。これは、映画が表現しえた、ある到達点だと思います。全編にわたって凝ったカットが執拗に用いられ鼻につく程ですが、実はコレがミソ、観てるうちに観客はこの手法に「慣れ」を起こし、あのとてつもない息詰まるクライマックスを迎えても、充分なリアリティをもって受けとめられるのだと思います。違うかな?とにかく鮮烈極まる映画です。あと関係ないけど、この物憂い音楽、クロノス・カルテットが演奏してるというのがまた、ファンとしてはポイント高いなあ。 10点(2003-05-25 01:15:43)(良:1票) |
50. レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ
長ロングリーゼントで顔色の悪い変なバンド「レニングラード・カウボイーズ」の珍道中を描くロードムービー。とにかくなんだか可笑しい。「朝」のテロップに、鶏の鳴き声をとってつけたように重ねてみたりとか。何となくスキをつかれた気分になります。 8点(2003-05-16 23:53:09) |
51. レッド・スコルピオン
カラテ黒帯にして、MITでも学んだ事があるというまさに文武両道、「人間核弾頭」ことドルフ・ラングレン主演のアクション虚編。ながーい針で突き刺す拷問シーン!インドの仙人じゃあるまいし。ソ連がアクション映画業界の宝箱だったころの映画です。 5点(2003-05-11 14:59:33) |
52. レマゲン鉄橋
冒頭の戦車の空撮シーンが、とにかくシビレます。橋の争奪戦も迫力ある手に汗握るシーンに仕上がっております。そういえば、ギラーミン監督とロバート・ボーンは、タワーリング・インフェルノの前に、この作品で一緒に仕事してた訳ですね。 8点(2003-05-10 21:54:55) |