1. ロープ
名作を知らずに死ぬのは勿体無いということで、ヒッチコックを見ることにしました。手始めに有名だけど見ていなかった作品から。 「ロープ」ヒッチコック作品では珍しい倒叙式、なおかつ舞台劇(シーンは室内のみ)という、会話が中心のお芝居型の作品です。殺しの動機とその後の行動心理がかなり強引なので違和感を覚える方も多いようですが、この強引な部分さえスルーできれば会話劇としてはかなり完成度が高い形で成立していると思います。ヒッチコック本人は駄作だと思っているようですが、とにかくこの密室シチュエーションが抜群によく出来ていて面白いのです。 ネタバレになるので詳細は省きますが、ミセス・ウィルソンさん(イディス・エヴァンソン)が手際よく後片付けしているシーンのハラハラドキドキ具合ったら!! 見つかりそうになるこのハラハラドキドキ感が夕食を食べながら小さなTVで見るには丁度良い塩梅、いえ最高の塩梅なのです。人物表現もバランスが良く誰一人として無駄な人物が出ていません。各自の会話も無理がなく、見つかりそうになると最高にワクワクしちゃいます(笑) ルーパート教授(ジェームズ・スチュワート)の推理をセリフで見せ切る流れも素晴らしいし、演奏家=ピアノで心情を表現できていて音楽も申し分ありません。ロープの使われ方も最高。ラストが少し説教臭いですが、今の時代の価値観で考えてはいけません。60-70年前の作品なので当時の時代背景を考えるとまああんなもんでしょう。ほぼ文句なしの素晴らしい作品でした! [インターネット(吹替)] 9点(2023-10-05 13:25:04) |